ミズタマン-第四話

飛鳥 進

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第四話-4

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雫はA.I.Gを出て最初の事件場所に来ていた。
「ここが始まりの場所か・・・・」ぼそりと呟く。
事件場所は、欄干橋で起こった。
仕事を終えた被害者が帰宅途中、突如背後から襲われ、恐怖のあまり死んだふりをして殺されずに済んだのことらしい。
通勤通学の時間帯は、人通りはあるが夜は殆ど通らないような場所であった。
この付近の防犯カメラもなさそうであった。
「あれ?雫君。」
嫌な声がした。
振り返ると案の定、泉 有菜がいた。
「はあ~」
「なんで溜息つくのよ。」
「そらぁ、最悪が降りかかってきたからですよ。」
「ふんっ!」有菜は、正拳突きを雫に食らわす。
「ぐっ!」
「あら、ほんと。」
「痛え~」いつもの如く蹲ってしまう雫。
「いつまで痛がってるのよ。
スケさんとこ行くよ。」
「はい・・・・」
フラッシュカプセルを取り出し、スケさんのラボへと向かった。
「これはこれは、二人揃ってのご登場とは仲睦まじい夫婦だね。」
『仲良くねえよ』
「ほら、息ぴったり。」
雫と有菜は互いの顔を見て深い溜息をつく。
「そんな事はどうでも良くて、スケさん奴の手掛かり掴めた?」雫が聞く。
「特定までには至らないが、それなりにね。」
俺達は、スケさんの話を聞くことになった。
「では、まずこれを見てくれ。」
スケさんは、これまでに起こった事件場所を示した地図をモニターに映した。
地図には、品川から中目黒にかけて事件が発生していた。
「意外と範囲が絞られているな。」
「そうね。」相槌を打つ有菜。
「ここからは私見のプロファイルなんだが、犯人はこの周辺に住んでいると言うより通勤圏内で犯行を行っていると思うんだが。」
「確かにな。」
「ふ~ん」
「絶対理解していないな、泉パイセン。」
「はあ?理解しているし。」
「じゃあ、スケさんの言う「通勤圏内」っていうのはなんででしょうか?」
「それは~」
「はい、答えられな~い。」
「うるさい!」
雫の頭を思いっきり引っ叩く。
「痛っ!」
「答えは、日付と時間帯だよ。」
スケさんが答えを言う。
「し、知っているし。」
「本当かね。」
「まだ言う?」雫をきっと睨む。
「いえ、何も。」
“は~い!突如のナレーションば~い!
じゃあ、読者の皆さんにスケさんの言う日付と時間帯について説明をするけん。
事件が起こった日付は、平日の月曜日から金曜日。
そして、時間帯は17時30分以降に発生しているのね。
これって定時後の会社員が犯人ではないかという事。
では、本編どうぞ~”
「今の説明で、分かったかい?」
「うんまあ。」頷く有菜。
「ほんじゃあ、これからについて打ち合わせしますか。」
三人は、どう犯人を捜すか知恵を絞った。
結果、答えは持ち越しになった。
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