ミズタマン・第二話 改訂第一版

飛鳥 進

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第二話-13

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有菜行きつけのラーメン屋で会議していた。
「カンパ~イ!」
有菜は、そう言うとジョッキ一杯の生ビールを一気に流し込む。
「ぷはぁ~」一息つく。
「中々の飲みっぷりですね。泉パイセン。」
「まあね。」
餃子を頬張る有菜。
「美味しいから食べなよ。」
「はあ、そんでこれからどうするの。」
雫も餃子を食べる。
「美味っ!」
雫は、その味に感嘆する。
「でしょ~
大将!生ビールお代わりと餃子もう一人前!」
「あいよ!」厨房から大将が息の良い返事をする。
「で、これから・・・」と雫。
「そうね~」
「有菜ちゃん、彼氏できたので?」
有菜の生ビールを持ってきた女将さんが話に入ってきた。
「違いますよ~
ただの仕事仲間ですよ。」
「うっそ~
そんな風には見えないけどね。」
黙って二人の会話を聞く雫。
「もういいだろ。
ほら、ラーメン二丁、餃子上がり!」大将が助け舟を出してくれたと雫は思った。
「もうっ!いいところだったのに。」
そう言いながらラーメンと餃子を出してくれた。
『頂きます!』
「はい、どうぞ。」二人の息ぴったりさに内心ウキウキしながら見守る女将。
『美味しい~』ラーメンを食べつい声を出してしまう二人。
厨房からほくそ笑む大将。
「じゃあ、泉パイセン。」
「何?」
「泉パイセンはこの会社調べてよ。」
雫は、社長から調査依頼を受けた会社の情報を有菜に見せる。
「この会社!まだ調査してなかった!」
「でしょ。だから泉パイセン調査宜しく。」
「で、雫君はその間どうするの?」
「俺は、浦安の物件の調査。」
「はあ?あれは私が長五郎君から聞き出した奴だから駄目よ!
雫君がその会社の調査してよ。」
「やだね。
いつまでも捜査方針を出さない泉パイセンが悪いから。
んじゃあ、ご馳走さまでした。」
席を立ち会計をする。
大将が対応してくれた。
「大将、美味しかったです。
また来ます。」
「嬉しいこと言ってくれているから追加注文の餃子はサービスだ。」
「ありがとうございます。」
二人が食べた分の支払いをすると雫は店を後にした。
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