一分でオチまで。星新一風味ショートショートです。

ゴミ掃除。

　ホームレスにとっての夜は怖い存在だ。実際その日の夜、大学生たち6人が、ノリでホームレス狩りを始めた。複数のホームレスを暴行した大学生たちは、調子にノッていた。

「こんな連中、社会に必要ないゴミじゃん。殺しても問題なくね？」。薄っぺらい笑いを浮かべた若者の一人が言い出した。クズにはクズが集まる。それを制する者はもちろんおらず、「だよな。むしろゴミ掃除じゃん」と、頭の悪い返事をする。

　そこから凶行はエスカレートした。そもそもが“いじめ”で嗜虐性を満足していたような連中である。ホームレスたちに、ナイフを向けるまでに時間はかからなかった。薄ら笑いを浮かべながら、一人のホームレスに、6人で襲いかかった。

「きたねーから、触りたくねーよ」といいながら、近くの棒切れで行動を封じ込める2名。大人数でたった一人のホームレスに襲いかかり、ナイフを突き立てようとした。

　──その瞬間、ほぼ同時に6発の銃声の音が響き渡った。銃を構えていた6名は、それぞれ放った弾が薄っぺらい大学生たちを一発で絶命させていることはわかってはいたが、クライアントへの報告のため、確認をとりにいく。もちろん、全員、オーダー通り一発で仕留めている。

　6人のスイーパーの一人が、ホームレスの格好から普段の服装に着替えつつ、クライアントに電話をかける。電話の相手からは「いくら息子であっても、あんな連中が一族に入るのは害悪でしか無い。ゴミを排除してくれたこと、6名の親を代表して礼をいう。残りの仕事代は、件の方法で先程送金したので確認してくれ」。