俺の適正が爆弾だった件

第1章 旅立ち

第三話 救いの手

「シスよ目を覚ませ。シスよ目を覚ませ。シス・エンターよ目を覚ますがいい。」
「！！」
　俺は病院の白染めのベットで目を覚ました。
「ここはどこだ？」
「目が覚めましたか。」
　そこには気絶する前に見た黒いコートを着た人がいた。
「あなたは？」
　そう聞くと黒いコートの男が話し始めた。
「私はホーリーヘルに所属している。そして私のコードネームはダーク・スコープ。よろしく。」
　俺は頭に？が浮かんだ。
「え？ホーリーヘルってあのエラメント王国国王直属部隊ホーリーエラメントの派生部隊のあの？そしてダーク・スコープってホーリーヘルの幹部の？」
「はい。そうです。あなたやられかけてましたね。あの程度でやられかけていたら拠点から外にでた瞬間にやられますよ。あなた無能力者ですか？」
「いいえ。自爆系の能力者です。」
「なんと！自爆系の能力とは初めて聞きましたね。あなたの名前は？」
「私はシス・エンターって、あれ？じゃあ私を呼んでいたのは？」
「ん？何のことですか？ここには私しかいないはずですが。というかエンターってまさかトロル・エンターの血を？」
「はいそうです。」
「まさかあのトロル・エンターの血をひくものがここまで弱いと一族の恥レベルですね。」
「一応気にしてるから直球に言わないでくださいよ…」
　ん？
　でも結局俺を呼んでたのって誰なんだ？
　まさか…
「はいそのまさかです。先日の学者です。尚この声はあなたにしか聞こえていません。」
「この間は聞き損ねたがあんたの目的は何なんだ？」
「私の目的ですか？基本的には魔物の研究です。割と魔物に興味がありましてね。」
　俺はつい、この人相当なマッドサイエンティストだなーと思ってしまった。
「聞こえてますかー」
　遠くからスコープさんの声がした。
「あなたもう傷は完治してますから帰っても大丈夫ですよー。」
　そういわれ俺は帰ることにした。