復讐の蘭花

五徳神星(ペダグラルファ)大陸の北西に位置する国――金(ジン)国の白(バイ)王朝。

初雪が降った日。

第四公主である白蘭花(バイランファ)は、ニセモノ公主の濡れ衣を着せられ、幽閉されてしまう。

目の前で母を惨殺され、終生幽閉となった蘭花は、世を儚んで毒杯をあおった。

死んだはずの蘭花だったが、なぜか自室の寝台の上で目を覚ます。

居所であった朧月堂(ろうげつどう)では、蘭花の大切な人たち――母、侍女、太監が笑顔で生活していた。

これは、唯一神である金武様の采配によるものなのだろうか?

若干十五歳で死んだはずの蘭花は、死ぬ三年前――十二歳の頃に逆行していた。

一度は失った幸せな日常を取り戻した蘭花だったが、このままでは、いずれ同じ未来が訪れてしまう。

どうにか打開策を考えなければと思った蘭花は、幼馴染であり、想い人である明杰(ミンジェ)を頼ることにする。

己の欲望のために、蘭花の大切な人達の命を奪った黒幕。

必ず表舞台に引きずり出し、絶対に復讐してやる!

蘭花は安穏とした生活を捨て、茨の道を選び取った。

――復讐が終わりし時。

蘭花の隣にいるのは誰なのだろう。

初恋の人であり兄弟子である『明杰(ミンジェ)』か。

幼馴染であり兄として慕っている『慶虎(ジンフー)』か。

それとも、

敵側の人間である憎むべき相手の『軒虎(シェンフー)』か……。

恋もして、復讐も遂げて、今度こそ幸せになってみせる!

白蘭花の戦いが始まる!
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