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第333話:二人の訪問者
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木製のバリケードで囲われた傭兵育成ヴィレッジには、櫓が複数建造されている。
ガルドの連中は気のいい人ばかりだが、基本的にみんな用心深い性格だ。
といっても排他的なドノヴァンとは違い、自分達と同じ種族だけ贔屓するというようなことはしない。
……そう、そんなことは決してしない…。
「ゴラァ! レイト!
よくもフレイさん抜きでテメェだけおめおめ戻って来やがったな!」
「おどれはお呼びじゃねえんじゃボケ!」
「とっとと村から出ていけやタラシ野郎!」
村へ到着するなり、俺たちはマッチョな村人たちから熱烈な歓迎を受けていた。
数ヶ月ぶりに『帰省』しただけあって、みんな温かい言葉と労いを掛けてくれた。
ああ…なんて良い連中なんだ!
「グスッ…俺もみんなに会いたかったよ。
こんな異世界野郎に優しくしてくれて…俺は本当に幸せだ!
ありがとな…エンリケ、イグニス、ロイド!」
「どこをどう聞いたら俺らがオメェに会いたがってる解釈になんだ!?
頭と耳イカれてんのかカス!」
「はいはい。レイト君たちが帰ってきて嬉しいのは分かるけど、その辺にしましょうね~」
ガルド・ヴィレッジ、村広場。
村にある数々の施設にアクセスするとき必ず通るエリアだ。
軽く挨拶だけしてこのまま村長の家に向かうつもりだったのだが、村の教育担当者である『ローズ・フェイズ』先生に捕まってしまい、周辺の人々を呼び寄せてしまった。
…ちなみに文字通り本当に身体を掴まれてる。
なので、その…色々当たっている。
「…おいフェイズ。いい加減零人から離れろ。
いちばんはしゃいでいるのは君のように見えるぞ」
「久しぶりなんだしこれくらい良いでしょ~。
あ、ほら! ルカさんもおいでおいで~」
「あっ!? コラ! 変なところを触るな!」
そして隣で頬をふくらませて必死に俺を引っ張るルカ。
宝石の見た目が彼女たちにとって最後の記憶だったが、人型形態に変身できるようになったことで、それは更新された。
しかし…みなさん特に驚きはせず、ローズさんにいたっては、お人形さんみたいで可愛いとか言い出し始める始末。
相変わらず天然な先生だ。
「でも、みんな元気そうで良かったです。
ところでローズさんの方は…」
「あ~そうそう!
書簡出してくれてありがとうね!
おかげで家に『受験票』が届いたよ~!」
タレ目の大きな瞳を綻ばせて、ニコニコと笑うローズさん。
『受験票』というのは、王都レガリアにある『アルタイル魔法大学』の入学試験のことだ。
ガルドから旅立つ前、俺は彼女から入学試験の申し込み書類を託されていた。
当時、最初の目的地だった王都に行く俺たちに書類の提出を依頼してきたのだ。
お世話になった先生の頼みなら、喜んで聞くつもりだったのだが…。
「あー、…実は届けたのは俺じゃないんです。
ルカとセリーヌっていう猫がその役を奪っちまいまして…」
「あら、そうだったの?
それじゃあ人間になれたルカさんに…ありがとうのハグをしてあげましょう♡」
ギュウッ
「ムググ…!? プハッ! フェ、フェイズ!
無駄にデカい胸に私を埋めるんじゃない!」
なにぃ!?
ルカのやつなんて羨まけしからんことを!
ちくしょうめ!
やっぱり俺が届ければ良かった!
「と…ところで、ここに俺ら以外の来訪者って来てますよね?
俺らソイツ探しに来たんですけど…」
今度は俺がルカを引っ張ってローズさんから解放しつつ、本来の目的を尋ねる。
すると、彼女はポンと両手を叩いた。
「よく分かったねぇ! そうなの!
珍しくいま村にお客さんが『二人』も来てるの!
村長のご自宅にいらっしゃるから、良かったらレイト君たちも挨拶してきてね」
「「二人?」」
片方はモネだと分かっているけど、もう一人居るの?
あんまりこの村に訪れるお客さんって居ないから確かに珍しい。
その後、温かく出迎えてくれた人々に礼を伝え、俺たちは村長の家へと向かった。
☆☆☆
「ふう…相変わらず大きい家だな。
村長元気してっかな?」
「だが、今となっては君の所有する家の方が大きいな。
おそらくあの屋敷にはシュバルツァー村長も住んでいたはずだ」
「そっか…そうだな。
あの人も『抗いし者』だもんな」
フレイの実家であるシュバルツァー宅を前に、俺たちは立っていた。
他の住居より一際大きいその建物は、玄関扉もまた巨大だ。
つうか見た目通り重たく、開けるだけで疲労困憊になってしまう。
おやっさんとフレイは涼しげに開閉してたけど。
そしてなんでこんな大きい造りかというと…
「村長こんちはー! 零人です!」
腹からデカい声を張り上げ、ドアをノック。
呼び鈴が設置されていないこの村ではこれが家を尋ねた時の作法だ。
ほどなくして、足音が聞こえてきた。
…それも複数だ。
ズズズ…と、重苦しい音が奏でられながら、扉が開かれる。
「おかえり。レイト君、ルカ君。
お主達を待っていたぞ」
金髪をオールバックにした、尖り耳の偉丈夫『ウィルム・シュバルツァー』。
娘のフレイと同じなのは髪色だけではなく、その体格までそっくりなのだ。
ただでさえタッパがデカいフレイを更に越すこの男は、屈強な顔つきと相まってめちゃくちゃ迫力がある。
家の造りが妙に大きいのは、ウィルムさんの身体に合わせて建造されたからだ。
そんでもって、彼の両脇に女性が二人。
「やっほーマミヤ君、ルカ君。久しぶり!
思ったより来るの早かったね!」
緑髪の天パ女、『モネ・ラミレス』。
職業は『占術士』、つまるところ占い師だ。
ベルさんが教えてくれた通り、やはり彼女はこの村に訪れていた。
とりあえず見つかって一安心。
それはそれとして、肝心のもう一人がまさかこの人だったとは…!
「あらぁ? 本当に会えるとは思わなかったわ。
すごいのねぇ、モネさんの『予知』は」
『女鳥人』族の血を引く、妙に色気のあるご婦人…『アンナ・フェザリィ』さんが、シュバルツァー宅にいらっしゃっていた…。
ガルドの連中は気のいい人ばかりだが、基本的にみんな用心深い性格だ。
といっても排他的なドノヴァンとは違い、自分達と同じ種族だけ贔屓するというようなことはしない。
……そう、そんなことは決してしない…。
「ゴラァ! レイト!
よくもフレイさん抜きでテメェだけおめおめ戻って来やがったな!」
「おどれはお呼びじゃねえんじゃボケ!」
「とっとと村から出ていけやタラシ野郎!」
村へ到着するなり、俺たちはマッチョな村人たちから熱烈な歓迎を受けていた。
数ヶ月ぶりに『帰省』しただけあって、みんな温かい言葉と労いを掛けてくれた。
ああ…なんて良い連中なんだ!
「グスッ…俺もみんなに会いたかったよ。
こんな異世界野郎に優しくしてくれて…俺は本当に幸せだ!
ありがとな…エンリケ、イグニス、ロイド!」
「どこをどう聞いたら俺らがオメェに会いたがってる解釈になんだ!?
頭と耳イカれてんのかカス!」
「はいはい。レイト君たちが帰ってきて嬉しいのは分かるけど、その辺にしましょうね~」
ガルド・ヴィレッジ、村広場。
村にある数々の施設にアクセスするとき必ず通るエリアだ。
軽く挨拶だけしてこのまま村長の家に向かうつもりだったのだが、村の教育担当者である『ローズ・フェイズ』先生に捕まってしまい、周辺の人々を呼び寄せてしまった。
…ちなみに文字通り本当に身体を掴まれてる。
なので、その…色々当たっている。
「…おいフェイズ。いい加減零人から離れろ。
いちばんはしゃいでいるのは君のように見えるぞ」
「久しぶりなんだしこれくらい良いでしょ~。
あ、ほら! ルカさんもおいでおいで~」
「あっ!? コラ! 変なところを触るな!」
そして隣で頬をふくらませて必死に俺を引っ張るルカ。
宝石の見た目が彼女たちにとって最後の記憶だったが、人型形態に変身できるようになったことで、それは更新された。
しかし…みなさん特に驚きはせず、ローズさんにいたっては、お人形さんみたいで可愛いとか言い出し始める始末。
相変わらず天然な先生だ。
「でも、みんな元気そうで良かったです。
ところでローズさんの方は…」
「あ~そうそう!
書簡出してくれてありがとうね!
おかげで家に『受験票』が届いたよ~!」
タレ目の大きな瞳を綻ばせて、ニコニコと笑うローズさん。
『受験票』というのは、王都レガリアにある『アルタイル魔法大学』の入学試験のことだ。
ガルドから旅立つ前、俺は彼女から入学試験の申し込み書類を託されていた。
当時、最初の目的地だった王都に行く俺たちに書類の提出を依頼してきたのだ。
お世話になった先生の頼みなら、喜んで聞くつもりだったのだが…。
「あー、…実は届けたのは俺じゃないんです。
ルカとセリーヌっていう猫がその役を奪っちまいまして…」
「あら、そうだったの?
それじゃあ人間になれたルカさんに…ありがとうのハグをしてあげましょう♡」
ギュウッ
「ムググ…!? プハッ! フェ、フェイズ!
無駄にデカい胸に私を埋めるんじゃない!」
なにぃ!?
ルカのやつなんて羨まけしからんことを!
ちくしょうめ!
やっぱり俺が届ければ良かった!
「と…ところで、ここに俺ら以外の来訪者って来てますよね?
俺らソイツ探しに来たんですけど…」
今度は俺がルカを引っ張ってローズさんから解放しつつ、本来の目的を尋ねる。
すると、彼女はポンと両手を叩いた。
「よく分かったねぇ! そうなの!
珍しくいま村にお客さんが『二人』も来てるの!
村長のご自宅にいらっしゃるから、良かったらレイト君たちも挨拶してきてね」
「「二人?」」
片方はモネだと分かっているけど、もう一人居るの?
あんまりこの村に訪れるお客さんって居ないから確かに珍しい。
その後、温かく出迎えてくれた人々に礼を伝え、俺たちは村長の家へと向かった。
☆☆☆
「ふう…相変わらず大きい家だな。
村長元気してっかな?」
「だが、今となっては君の所有する家の方が大きいな。
おそらくあの屋敷にはシュバルツァー村長も住んでいたはずだ」
「そっか…そうだな。
あの人も『抗いし者』だもんな」
フレイの実家であるシュバルツァー宅を前に、俺たちは立っていた。
他の住居より一際大きいその建物は、玄関扉もまた巨大だ。
つうか見た目通り重たく、開けるだけで疲労困憊になってしまう。
おやっさんとフレイは涼しげに開閉してたけど。
そしてなんでこんな大きい造りかというと…
「村長こんちはー! 零人です!」
腹からデカい声を張り上げ、ドアをノック。
呼び鈴が設置されていないこの村ではこれが家を尋ねた時の作法だ。
ほどなくして、足音が聞こえてきた。
…それも複数だ。
ズズズ…と、重苦しい音が奏でられながら、扉が開かれる。
「おかえり。レイト君、ルカ君。
お主達を待っていたぞ」
金髪をオールバックにした、尖り耳の偉丈夫『ウィルム・シュバルツァー』。
娘のフレイと同じなのは髪色だけではなく、その体格までそっくりなのだ。
ただでさえタッパがデカいフレイを更に越すこの男は、屈強な顔つきと相まってめちゃくちゃ迫力がある。
家の造りが妙に大きいのは、ウィルムさんの身体に合わせて建造されたからだ。
そんでもって、彼の両脇に女性が二人。
「やっほーマミヤ君、ルカ君。久しぶり!
思ったより来るの早かったね!」
緑髪の天パ女、『モネ・ラミレス』。
職業は『占術士』、つまるところ占い師だ。
ベルさんが教えてくれた通り、やはり彼女はこの村に訪れていた。
とりあえず見つかって一安心。
それはそれとして、肝心のもう一人がまさかこの人だったとは…!
「あらぁ? 本当に会えるとは思わなかったわ。
すごいのねぇ、モネさんの『予知』は」
『女鳥人』族の血を引く、妙に色気のあるご婦人…『アンナ・フェザリィ』さんが、シュバルツァー宅にいらっしゃっていた…。
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