300 / 408
第296話:果てる運命
しおりを挟む
「ぐあああああああああ!!!!!」
「ラド……ぎゃあああああああ!!?」
魔法名を口にした刹那、両の盾から凄まじいエネルギー波動が放出された。
その攻撃は上空からの落下の衝撃も相まって、辺りの木々が揺れるほどの地響きを誘発する。
そして肝心の結果は、飛竜の頑丈な鱗を貫通し、下じきになった獅蛇羊ごと粉々に打ち砕いた!
す、すげえ…!
『竜ノ慟哭』…ここまでの威力だったのか…。
「な…なんだ…!? 何が、起こった!?」
「ラドン様が…ラドン様が死んだ!?」
「蒼いニンゲン…? ああっ!?
コイツ、例の宝石野郎じゃねえか!?」
「に、逃げろ…! 退却するぞおおおお!!」
落下地点には獅蛇羊だけではなく、他の大型の魔物も数体存在していた。
そして自分らの大将のぐちゃぐちゃに潰れた姿を見ると、この戦の『敗北』を悟ったのか全員一目散に逃げ出していく。
「周囲に敵性反応なし。オールクリア。
良くやったな、零人…お疲れ様だ」
「ああ…。つ、つっかれたぁ~!」
ドサッ
風穴の空いたラドンの身体から転げ落ちるように、俺は草っぱの地面へ這いつくばった。
……身体もメンタルも、なにもかもが痛え。
今日は…マジで残業し過ぎた。
帰ってゆっくり寝たい。
「まだ終わってはいないぞ……!!!」
「「…ッ!?」」
なに!? この声は…!
反射的に飛び起き、飛竜の方へ視線を向けると、朽ちていく飛竜の死体の上に、『犬妖精』…ラドンが立っていた!
「ご、ゴボッ…!
しょ、勝負は…まだ、ついていないぞ!
マミヤァ…レイト!!!」
「マジかよ…」
「フン、死に損ないが。
誰かのように生命力の強いヤツだ」
しかし、野郎の身体は血にまみれており、寄生で取り付いていた飛竜のダメージをいくつか受け継いでいた。
つまり…満身創痍ってやつだ。
[通知:全リソースを消費したためスリープモードへ移行]
<ああごめんねマミヤ様! ここでお別れみたい!
またのご利用待ってまーす!>
「えっ!? あっ…」
当然というか、分かっていたことではあったが、仮面遊戯の動力が切れた。
HUDの表示が消え、視界は裸眼で見る景色に戻る。
…俺たちをこんな状況にして電池切れやがったチクショウめ!
「残り星力3%…いや2%…。
くっ、こちらももうギリギリだぞ…!」
「な、なんだと!?」
たったの2%程度じゃ転移はおろか座標すら作れねえぞ!
クソ…もし気絶でもしたら一巻の終わりだ!
「ハァ…、ハァ…!
僕は…僕は、ラドン師団を…率いる魔族だぞ。
お、お前みたいなヤツに……!
敗ける…わけに…は!」
ラドンは息を激しく切らし、片脚を引きずりながら、三又槍を支え棒にしてこちらへゆっくり接近してきた。
アイツ…なんでそこまでして…?
いや、今はそんなこと考える余裕なんざない!
頼みの綱のアリサもどうやらまだ上の方で道草を食ってやがる。
しょうがねえ、こうなったら…!
「ルカ! 『融解』を解除しろ!
あとは俺がアイツとケリをつける!」
「なっ…!? バ、バカなことを言うな!
君こそもうボロボロの身だろう!」
「この状態で星力が切れることの方が危ないだろ!?
ここで気絶なんかしたら、俺もお前も身動き取れなくなっちまうんだぞ!」
「ぐっ…! わ、分かった…」
シュウウン…
俺の言い分を理解してくれたのか、ルカはそれ以上反論をせずに合体を解いてくれた。
両脚を地面に着地させ、星の重力を数時間ぶりに噛み締める。
あ、あれっ…!?
グラッ…
「あっ!? おい零人! 大丈夫か!?」
「や、やべぇ…なんか立てないんだけど…」
……長らく空で闘い続け三半規管を苛め抜いた代償か、うまくバランスが取れずに敵の前で尻もちを着いてしまった。
まずい…まずい!
「僕は…、僕はなぁ…!
いずれ、この世界へ舞い戻る魔王サマのためにも…、こんな所で死ぬわけに」
「いいえ。
あなたは今日、ここで果てる運命です」
「「「!?」」」
さらに後ろから、もう一人の乱入者が現れる。
その人は俺と同じくらいボロボロになりながらも、凛々しく…得物である『弓銃』を構えていた。
……来てくれたのか、ザベっさん!!!!
「『幻霊射』」
ガキュンッ!
銃身に載せられた一本の尖り矢が、機械仕掛けのギミックにより発射される。
その弾道は鋭く、空気を裂いて一直線にラドンへ向かっていく。
「ぐああっ!!? な、なんだ…!?」
しかし、ボルトはラドンの肩部へ命中してしまい、致命傷へは至らなかった。
あれじゃあダメなのか!?
「……! また、外した…。
……いえ、次こそは…」
「痛いなクソがあああ! 何なんだよお前!?」
ラドンは突き刺さったボルトを引き抜き、三又槍を彼女に向けた。
ダメだ…ダメだダメだ!
このクソったれが! 早く動けよ俺の脚!
ルカに支えられながら必死に立ち上がろうとしてる最中、ザベっさんはレールの横から飛び出しているレバーを引いて、次の弾を装填しようとしていた。
…しかし、ラドンがその隙を見逃すはずもなく、身体を大きく広げ、三又槍を投擲する構えをとった。
「この…アバズレがああ!
僕を殺そうなんて百年早いんだよ!!
『暗黒投槍』!」
「くっ…!?」
転移…を…! クソ…無理だ!
もうこのエネルギー量じゃ座標も作れやしない!
投げられた三又槍は、そのままザベっさんの身体を貫…
ガキンッ!!!
「そうはさせないっての!」
…く寸前、三度、助っ人が現れる。
改めて確認するまでもねぇ…空で共にダンスを踊ったアリサだ!
「…!? あなた…」
「えーと、たしかエリザベスだっけ?
お前は引っ込んでなよ!
アイツはウチが仕留める!」
「また…、お前かよ…ッ!
アリサ・エボニィィィ!!!
どいつもこいつもムカつく野郎どもだ!」
「ラド……ぎゃあああああああ!!?」
魔法名を口にした刹那、両の盾から凄まじいエネルギー波動が放出された。
その攻撃は上空からの落下の衝撃も相まって、辺りの木々が揺れるほどの地響きを誘発する。
そして肝心の結果は、飛竜の頑丈な鱗を貫通し、下じきになった獅蛇羊ごと粉々に打ち砕いた!
す、すげえ…!
『竜ノ慟哭』…ここまでの威力だったのか…。
「な…なんだ…!? 何が、起こった!?」
「ラドン様が…ラドン様が死んだ!?」
「蒼いニンゲン…? ああっ!?
コイツ、例の宝石野郎じゃねえか!?」
「に、逃げろ…! 退却するぞおおおお!!」
落下地点には獅蛇羊だけではなく、他の大型の魔物も数体存在していた。
そして自分らの大将のぐちゃぐちゃに潰れた姿を見ると、この戦の『敗北』を悟ったのか全員一目散に逃げ出していく。
「周囲に敵性反応なし。オールクリア。
良くやったな、零人…お疲れ様だ」
「ああ…。つ、つっかれたぁ~!」
ドサッ
風穴の空いたラドンの身体から転げ落ちるように、俺は草っぱの地面へ這いつくばった。
……身体もメンタルも、なにもかもが痛え。
今日は…マジで残業し過ぎた。
帰ってゆっくり寝たい。
「まだ終わってはいないぞ……!!!」
「「…ッ!?」」
なに!? この声は…!
反射的に飛び起き、飛竜の方へ視線を向けると、朽ちていく飛竜の死体の上に、『犬妖精』…ラドンが立っていた!
「ご、ゴボッ…!
しょ、勝負は…まだ、ついていないぞ!
マミヤァ…レイト!!!」
「マジかよ…」
「フン、死に損ないが。
誰かのように生命力の強いヤツだ」
しかし、野郎の身体は血にまみれており、寄生で取り付いていた飛竜のダメージをいくつか受け継いでいた。
つまり…満身創痍ってやつだ。
[通知:全リソースを消費したためスリープモードへ移行]
<ああごめんねマミヤ様! ここでお別れみたい!
またのご利用待ってまーす!>
「えっ!? あっ…」
当然というか、分かっていたことではあったが、仮面遊戯の動力が切れた。
HUDの表示が消え、視界は裸眼で見る景色に戻る。
…俺たちをこんな状況にして電池切れやがったチクショウめ!
「残り星力3%…いや2%…。
くっ、こちらももうギリギリだぞ…!」
「な、なんだと!?」
たったの2%程度じゃ転移はおろか座標すら作れねえぞ!
クソ…もし気絶でもしたら一巻の終わりだ!
「ハァ…、ハァ…!
僕は…僕は、ラドン師団を…率いる魔族だぞ。
お、お前みたいなヤツに……!
敗ける…わけに…は!」
ラドンは息を激しく切らし、片脚を引きずりながら、三又槍を支え棒にしてこちらへゆっくり接近してきた。
アイツ…なんでそこまでして…?
いや、今はそんなこと考える余裕なんざない!
頼みの綱のアリサもどうやらまだ上の方で道草を食ってやがる。
しょうがねえ、こうなったら…!
「ルカ! 『融解』を解除しろ!
あとは俺がアイツとケリをつける!」
「なっ…!? バ、バカなことを言うな!
君こそもうボロボロの身だろう!」
「この状態で星力が切れることの方が危ないだろ!?
ここで気絶なんかしたら、俺もお前も身動き取れなくなっちまうんだぞ!」
「ぐっ…! わ、分かった…」
シュウウン…
俺の言い分を理解してくれたのか、ルカはそれ以上反論をせずに合体を解いてくれた。
両脚を地面に着地させ、星の重力を数時間ぶりに噛み締める。
あ、あれっ…!?
グラッ…
「あっ!? おい零人! 大丈夫か!?」
「や、やべぇ…なんか立てないんだけど…」
……長らく空で闘い続け三半規管を苛め抜いた代償か、うまくバランスが取れずに敵の前で尻もちを着いてしまった。
まずい…まずい!
「僕は…、僕はなぁ…!
いずれ、この世界へ舞い戻る魔王サマのためにも…、こんな所で死ぬわけに」
「いいえ。
あなたは今日、ここで果てる運命です」
「「「!?」」」
さらに後ろから、もう一人の乱入者が現れる。
その人は俺と同じくらいボロボロになりながらも、凛々しく…得物である『弓銃』を構えていた。
……来てくれたのか、ザベっさん!!!!
「『幻霊射』」
ガキュンッ!
銃身に載せられた一本の尖り矢が、機械仕掛けのギミックにより発射される。
その弾道は鋭く、空気を裂いて一直線にラドンへ向かっていく。
「ぐああっ!!? な、なんだ…!?」
しかし、ボルトはラドンの肩部へ命中してしまい、致命傷へは至らなかった。
あれじゃあダメなのか!?
「……! また、外した…。
……いえ、次こそは…」
「痛いなクソがあああ! 何なんだよお前!?」
ラドンは突き刺さったボルトを引き抜き、三又槍を彼女に向けた。
ダメだ…ダメだダメだ!
このクソったれが! 早く動けよ俺の脚!
ルカに支えられながら必死に立ち上がろうとしてる最中、ザベっさんはレールの横から飛び出しているレバーを引いて、次の弾を装填しようとしていた。
…しかし、ラドンがその隙を見逃すはずもなく、身体を大きく広げ、三又槍を投擲する構えをとった。
「この…アバズレがああ!
僕を殺そうなんて百年早いんだよ!!
『暗黒投槍』!」
「くっ…!?」
転移…を…! クソ…無理だ!
もうこのエネルギー量じゃ座標も作れやしない!
投げられた三又槍は、そのままザベっさんの身体を貫…
ガキンッ!!!
「そうはさせないっての!」
…く寸前、三度、助っ人が現れる。
改めて確認するまでもねぇ…空で共にダンスを踊ったアリサだ!
「…!? あなた…」
「えーと、たしかエリザベスだっけ?
お前は引っ込んでなよ!
アイツはウチが仕留める!」
「また…、お前かよ…ッ!
アリサ・エボニィィィ!!!
どいつもこいつもムカつく野郎どもだ!」
1
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる