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第41恐怖「名簿の子」
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体験者:銭湯通いさん
卒業シーズン、僕らは思い出づくりに大規模な肝試しを行うことになった。
場所は市内にある廃校。
マンモス校だっため百人近い生徒が深夜二時に集合し、くじ引きで二人一組のペアになった。僕は一度も喋ったことがないTちゃんという子とペアになり、余計にドキドキした。
ペアになった生徒は、五分おきに一組ずつ廃校に入っていった。
ときおり、校舎の中から生徒の叫び声なんかが聞こえてきて、待機組のみんなは恐怖したり、期待したり、それぞれ盛り上がっていた。
帰ってきた生徒は校庭で星空を見上げながらワイワイ話をした。レジャーシートを持ってきている奴もいる。
「そろそろ行こっか」
と、僕はTちゃんに言った。
いつの間にか、廃校に入る順番はごちゃごちゃになり、入りたい人が勝手に入ればいいということになっていた。
音楽室、理科室、体育館と、僕らはそれっぽい場所をいくつかまわり、何も起きなかったけど、わりと盛り上がった。途中で他の生徒と出くわしたりして、そこまで怖くはない。
最後に職員室に入った。
そこらじゅうに、机や椅子、書類などが散乱していた。明らかに他の部屋よりも不気味だったが、僕らは面白がって机の中を漁ったりした。
とそこで、僕は古めかしいボロボロの生徒名簿を見つけた。
「うわ、これヤバそう」
ペラペラとめくってみる。各ページには、生徒の情報が写真付きで細かく記載されていた。
そのとき、見覚えのある生徒の写真を見つけた。
「見てこれ、Tちゃんにそっくりじゃん」
だが、Tちゃんの反応がない。
Tちゃんのほうを振り返ると、そこには誰もいなかった。部屋には自分一人だけ。
頭が混乱し、わけもわからないまま、もう一度生徒名簿を見た。
すると、生徒情報の一番下には、Tちゃんの名前とあわせて、
【事故により死亡】
と、記載されていた。
卒業シーズン、僕らは思い出づくりに大規模な肝試しを行うことになった。
場所は市内にある廃校。
マンモス校だっため百人近い生徒が深夜二時に集合し、くじ引きで二人一組のペアになった。僕は一度も喋ったことがないTちゃんという子とペアになり、余計にドキドキした。
ペアになった生徒は、五分おきに一組ずつ廃校に入っていった。
ときおり、校舎の中から生徒の叫び声なんかが聞こえてきて、待機組のみんなは恐怖したり、期待したり、それぞれ盛り上がっていた。
帰ってきた生徒は校庭で星空を見上げながらワイワイ話をした。レジャーシートを持ってきている奴もいる。
「そろそろ行こっか」
と、僕はTちゃんに言った。
いつの間にか、廃校に入る順番はごちゃごちゃになり、入りたい人が勝手に入ればいいということになっていた。
音楽室、理科室、体育館と、僕らはそれっぽい場所をいくつかまわり、何も起きなかったけど、わりと盛り上がった。途中で他の生徒と出くわしたりして、そこまで怖くはない。
最後に職員室に入った。
そこらじゅうに、机や椅子、書類などが散乱していた。明らかに他の部屋よりも不気味だったが、僕らは面白がって机の中を漁ったりした。
とそこで、僕は古めかしいボロボロの生徒名簿を見つけた。
「うわ、これヤバそう」
ペラペラとめくってみる。各ページには、生徒の情報が写真付きで細かく記載されていた。
そのとき、見覚えのある生徒の写真を見つけた。
「見てこれ、Tちゃんにそっくりじゃん」
だが、Tちゃんの反応がない。
Tちゃんのほうを振り返ると、そこには誰もいなかった。部屋には自分一人だけ。
頭が混乱し、わけもわからないまま、もう一度生徒名簿を見た。
すると、生徒情報の一番下には、Tちゃんの名前とあわせて、
【事故により死亡】
と、記載されていた。
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