隠密スキルでコレクター道まっしぐら

たまき 藍

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ひとつめの国

8.飛竜

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 森に入ってから、一夜が明けた。朝食を取ったり、用を足したり、身支度を整えたり、各々出発準備を整えていく。
 野営に使ったテントや土魔術で作った釜戸や寝床を撤去すると、わたし達はワイバーンの住み着く岩場に向けて出発した。

「討伐は俺たちが主体でやる。マーレは援護を頼む」
「経験者として、注意する事があれば、今のうちにお願いね」

 道すがら、再度作戦を確認する。そばかすはこのパーティのリーダーらしく、作戦の説明や指示もスムーズだ。このパーティは全員がBランクで、歳の割に戦闘経験が豊富なようだ。十代後半~二十代前半でこのランクなのだから、エリート冒険者と言えるだろう。
 巨漢は昨夜の事が気になっているのか、チラチラとマーレを見ている。対してマーレはわざと知らんぷりしているようだ。両者の様子は喧嘩した子どものようで、笑いを堪えるのに必死だった。

「ガスパロ、そろそろ目的地だ。切り替えろ」
「……ああ、わかった」

 森を歩くこと、二時間半。わたし達はようやく件の岩場に辿り着いた。

「いたぞ」

 切り立った崖の中腹で、ワイバーンが一体羽を休めていた。

「まずアタシが魔術で攻撃する。地面に落ちてきたら、頼むわね」
「わかった」

 短い作戦会議を終えると、ショートカットが呪文詠唱に入る。

「我、世界の理に触れる者なり。扉より出は灼熱の紅。我が魔力を糧にその業火を燃やせ、燃やせ。紅蓮、爆炎烈花!」

 火魔術。人によっては赤魔術と呼ばれるそれは、範囲攻撃力が高く、討伐を生業とする冒険者には人気の高い魔術である。
 ショートカットの火魔術がワイバーンに直撃する。

「ギアアアアアッ!!」

 ワイバーンは焼かれる痛みに叫び声をあげると、その場でのたうち、そこ衝撃で崖が崩れた。

「落ちるぞ!」
「巻き込まれるなよ!」

 足場が崩れたことでそのまま落ちるかに思われたワイバーンは、しかしさすがの生命力で、飛び上がった。

「くっ!亜種とは言えさすがは竜。魔術の効き目が薄いわね」
「ああ、だがダメージは入ってる。機動力はだいぶ下がってるぞ」

 ワイバーンの戦闘スタイルは、飛行速度を生かしたヒットアンドアウェイ。高速で空中を飛び回り、毒のある爪と尻尾で攻撃する。
 機動力が下がれば、攻撃時にカウンターを狙いやすくなるため、格段に討伐成功率が上がる。
 しかし、ワイバーンもバカでは無い。機動力を失えば不利になることはわかっているので、あっさりと逃げに徹した。

「俺が落とすか」

 マーレは矢で翼を射てワイバーンを落とそうかと声をかけたが、そばかすは首を振った。

「いや、まずはできるだけ俺たちだけでやらせてくれ」
「そうか」

 自分たちだけでワイバーンを討伐できれば、それは実力の証明になり、冒険者としての自身もつく。そのため、経験者であるマーレのてはできるだけ借りず、監督と保険として同行してもらったのだ。

「ガスパロ、ベルタ」
「おう!」
「ん……」

 そばかすの掛け声に二人が応える。ポニーテールが脚を開き腰を落として、上向きに槍を片手で持って構えると、その後ろで巨漢が同じように拳を構えた。

「せーのっ!」

 巨漢の掛け声に合わせて、ポニーテールが槍を投げる瞬間、巨漢の拳が平たい石突を撃った。
 二人分の力が乗った槍は、ヒュウッと空を翔けてワイバーンの羽の付け根を貫いた。
 片翼を負傷し、槍と共にワイバーンが落下する。

「よし!」
「行くぞガスパロ!」

 地面に激突したワイバーンに、前衛二人が追撃する。ワイバーンははさすがのしぶとさで、爪や尻尾を振り回して抵抗した。
 そばかすが双剣で爪や尻尾を受け流し、合間に巨漢の拳がワイバーンにダメージを与えていく。

「どいて!」

 最後は槍を回収したポニーテールが、顎の下の逆鱗を貫き、ワイバーンは断末魔をあげたあと、息絶えた。

「やった……!俺たちだけでワイバーンを……!」
「思ったより、簡単だったわね」
「そういうのは帰ってからだ。はやく素材を剥ぎ取るぞ」

 冒険者たちが解体に取り掛かろうとしたその時だった。

「来る……」
「ああ、二体……雄と雌か」

 わたし達は、高速でこちらに向かってきているワイバーンを感知した。

「おーい!まだ気を抜かない方がいいぞー!」
「うるせえ!言われなくても分かってるよ!帰るまで気は……」
「そうじゃなくて、ここにワイバーンが近づいて来てる!二体!」
「は?お前何言って……」

 ちょうど、そばかすが訝しげにこちらを向いた時、地面に高速で影が過ぎった。
 先程の個体より大きなワイバーンが二体、上空を旋回する。

「……なっ!」
「なんで……」
「一体って話じゃ……」

 空を見上げ、冒険者たちが唖然とする。空を旋回していたうちの一体が、猛スピードで降下する。

「よけろ!!」

 そばかすが叫んで、とっさにポニーテールを庇って地面に伏せる。

「グァッ!」

 しかし避けきれず、ワイバーンの爪がそばかすの背中をかすった。

「ジーノ!」
「大丈夫だ、ッそれより次が来るぞ!」

 入れ替わりにもう一体のワイバーンが飛び込んで来る。

「さすがに二体同時はきついでしょ。手伝ってやりな」
「わかった」

 怒り狂った二体のワイバーンが飛び交う戦場に、マーレが弓を構える。マーレの弓は、魔女にもらったユグドラシルの枝で作られていて、魔力を込めると、その人が思い描いた大きさに変化する。
 マーレは弓を長弓に変化させると、上空に向けて弦を引き絞り、矢には風の魔力を纏わせた。
 一体のワイバーンが空に飛び上がり、降下を始める瞬間。その一瞬の停止を狙いすまして、矢を放った。音速を超えて飛び出した矢は、宙空で顎のしたの逆鱗を貫いた。
 ワイバーンは一度ビクッと震えて、ひらりと落下する。

「あ、肉が痛まないように受け止めろよ」
「うん……風網」

 風魔術の一種、風網。上昇する風で落下の衝撃を和らげる。対象を網のようにキャッチする様子から風網と名付けられた。本当はもっと小難しい詠唱があるのだが、マーレはエルフ特有の高い魔力にものを言わせ、短縮詠唱で発動している。

「じゃあ、わたしは血抜き始めとくから、あっちを援護してやってくれ」
「わかった」
「一撃で仕留めないようにな」
「……うん」

 少し間があったが、まあ大丈夫だろう。最後に残っているのはいちばん強い雄個体だ。最初のやつが子どもで後から来たのが親だろう。
 冒険者たちはかなり手こずっているが、一体減った分攻撃に転じることができている。また、マーレが弓での援護に入ったことで、前衛に余裕が生まれた。それにより、詠唱時間が稼げ、強力な攻撃魔術も決まっている。

「あっちも時間の問題だな」

 わたしはワイバーンの骸に血抜きの魔道具を刺し、抜いた血液を瓶に詰めていく。血液は他の竜種に比べると薬効は薄いが、それでも薬になる。亜種でも竜。捨てるとこなどないのだ。瓶はバレないように素早く影に仕舞っていく。移動時間で鮮度が落ちるなんてバカなマネはできない。
 激しい戦場を背に、黙々と解体していく。素材の分配は揉めやすいところだが、これはマーレが一人で仕留めたものなので、全部懐に入れてしまって問題は無いだろう。
 皮、牙、爪、尾先、眼、毒袋、肝、肉、骨。素材を美しく、素早く切り分け、影に仕舞っていった。

「ん?終わったかな」

 解体が終わる頃、最後のワイバーンが息絶えたことによって、戦闘が終了する。

「ハァ、ハァ、何とか、勝った……」

 息も荒く、顔色が悪かったショートカットが倒れる。それを皮切りに、バタバタと冒険者たちが倒れて行った。

「やー、皆ボロボロだな。ホント、わたし達がいて良かったよ」

 残りのワイバーンの解体をマーレとルシアに任せ、わたしは怪我人達の手当てにかかる。
 まず、毒を食らった前衛二人に毒消しを飲ませ、水魔術で傷口を洗い、回復薬で綺麗に治す。二人は毒以外にはさほどダメージを負っていなかったため、下級回復薬で事足りた。
 次にポニーテール。ポニーテールは毒は喰らわなかったようだが、一度腹部に尻尾での攻撃が入ったのか、助骨が数本折れ、内蔵にもダメージを受けているようだ。内蔵のダメージはさほどでもないが、骨をくっつけなければならないので、一度固定した後上級回復薬を飲ませる。直接患部にかけるより効き目は遅いが、わざわざ皮膚を切るのも可哀想なので、飲ませることにした。安静にしていれば三十分程でしっかりくっつくだろう。ついでに小さな外傷も清潔にしてから綺麗に治癒する。
 最後にショートカットだが、彼女はただの魔力欠乏症だ。放っておいても問題ないが、サービスで魔力回復薬を飲ませてやる。急を要する訳でもないので、下級で十分だ。彼女も小さな擦り傷切り傷も綺麗に治しておいた。

「さて、後は起きるのを待つばかり」

 処置を終えると、一番大きなワイバーンを解体していたマーレ達を手伝う。すでに最初のワイバーンの子どもは解体が終わっており、このワイバーンで解体も終了である。

「さて、どう分けるのがいいか……」

 冒険者たちは袋タイプのマジッグバッグを三つ持ってきていた。それでも全ての素材は持ち帰れない。
 とりあえず子どものワイバーンについては皮、爪、牙、骨、眼、肝、毒袋、など、主要素材全てを詰め込む。一袋と半分がいっぱいになった。
 問題は共同で倒した雄個体だが、こちらは基本半分こだ。

「傷も多いし、この皮はいらないな。押し付けるか。代わりにあまり人気がない毒袋を一つ多めに貰っておこう」

 大きい雄個体だけあって、半分こでも一袋がいっぱいになる。後は余ったスペースに肉と血を入るだけ詰め込んだ。
 残った肉と血をルシアの影に放り込んでいく。

「そろそろくっついたか」

 ポニーテールの様態を確認すると、回復薬が効き、すっかり骨も繋がっていた。

「動かしても大丈夫そうだな……マーレ」
「うん」

 まだ意識が戻っていない四人を、マーレが次々とルシアの影に入れていく。ルシアの影は生きた動物を入れることもできる。影の中は時間の流れがないので、入った動物は基本的に動くことも意識を保つこともできない。

「さて、ここは血の匂いが濃い。一度水辺に移動するか」
「うん」

 昨日の川の近くに歩いて行き、四人を影から出して並べて寝かせる。

「暇だし水浴びも済ませるか」
「うん」

 少し下流の方に歩いて行き、いつものように迅速に水浴びを済ませて、さっぱりしてから戻る。
 それから、作り置きで軽く昼食を済ませ、四人が目覚めるのを待つ。

「暇だな……」
「暇」

 あまり長い時間離れる訳にも行かないので、近場をちょこちょこ見て回る程度で、満足に採取もできない。

「ちょっと早いけど、夕飯の準備にかかる」
「それは楽しみだ」

 おそらく今日はここで野営することになるだろう。今から準備を始めるということは、少し手間のかかる気合いの入った料理が出てくるということだ。しかもメイン食材はワイバーンの肉だ。
 土魔術で簡易の台所を作ってやると、マーレは調理器具と食材を取り出していった。今日のメニューはワイバーンの骨から出汁を摂る玉ねぎのスープと、ワイバーン肉のステーキ。箸休めにオレンジやベリーが入った、葉野菜のサラダ。主食はバゲットである。
 特にスープに時間がかかるので、今から出汁を取るのだろう。その間に野菜や肉の処理も手際よく終わらせていく。

「うう、メシ……」

 スープのいい香りが漂い出した頃、そばかすがマヌケな第一声とともに目を覚ました。

「あれ、ここは……」
「やっと起きたか。食事ができても起きないようなら、特製気付け薬で起こしてやるところだったぞ」

 そばかすの意識が完全に覚醒する前に、ルシアの影から冒険者たちの分のワイバーン素材を取り出しておく。
 そばかすは少しぼんやりした後、意識を失う直前のことを思い出し、慌てて辺りを見渡す。

「みんなは!?……無事、なのか?」
「ああ、わたしの薬と手当てのおかげで、傷一つ残ってはいないぞ。……古傷までは知らんが」

 わたしの言葉に、そばかすは自分の体を確認する。

「ホントだ……すげぇ。身体もだるくない……」
「解毒も完璧に決まっている」

 ドヤ顔でふんぞり返るわたしを、そばかすは微妙な顔で見る。

「まあ、今回のことは、助かった。礼を言う」
「なんだ、意外と素直なんだな」
「うるせぇよ」

 ジュゥウ、とマーレがワイバーンの肉を焼き出す。その馨しい匂いに他の三人も起きだした。

「腹減った」
「いい匂い~」
「肉……」

 それぞれ欲望に忠実な、第一声を発している。

「起きたなら、素材の取り分を確認してくれ。一応解体して分けておいた。問題なければ、そのまま持って帰るといい」

 目を覚ました四人に三つのマジックバッグを差し出す。それぞれバッグを開け、中の素材を確認した。

「なにこれ、完璧な処理じゃない……」
「主要素材が無駄なく詰め込まれてる」
「皮、二枚ある」

 感嘆の溜め息を漏らす冒険者たちに、ニヤリと笑った。当たり前だ。趣味と実益を兼ねて、様々な素材を蒐集してきたのだ。素材の適切な解体、保存処理は必須スキルである。その辺のプロにだって負けない自信がある。

「……こちらはこれで問題ないが、いいのか?皮を二枚貰ってしまって」
「ああ、構わない。代わりに毒袋を多く貰っている。皮は薬にならないのでな」
「そうか……」

 素材については、特に揉めることも無く、スムーズに分けられた。

「できたぞ」

 サラダ、ステーキ、バゲットが乗った皿と、スープの椀が渡されていく。
 暖かな湯気が立ち上り、幸せな香りに口の中に涎が溜まっていくのがわかる。

「こんなん絶対美味い……」
「お前たちの傷は薬で治したが、じゅる、失われた血肉やエネルギーはまだ足りないままだ、じゅるり。だからたくさん食べることで体力を回復じゅるる」
「ジュルジュルうるせえよ!ウンチクはいいからさっさと食おうぜ」
「ああ、そうだな」

 いただきます、と言うや否や、みんな肉にかぶりついた。脂の乗った柔らかい肉は簡単に噛み切れる。そして噛み締めた瞬間、口いっぱいにジューシーな肉汁が広がった。

「美味い……」

 それ以外の言葉は要らなかった。それが全てだった。続いて竜骨から出汁を取った、琥珀色の玉ねぎスープを飲む。あっさりとしていながらも、コクのある味わいで、一口のつもりがそのまま飲み干してしまいそうだ。バゲットが浸して食べると、これがまたたまらない。ガツンとインパクトのある二品に箸休めのサラダが挟まることで、くどくなく、永遠に食べ続けられそうだ。

「ワイバーン、最高……」

 全員の心がひとつになった瞬間だった。
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