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異世界の俺の日常

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 鬼人族ーーー
 鬼と人を掛け合わせた姿を持つ種族。頭部に角を持ち、自在に爪を操り戦闘に長けている。そして他種族であるなら覚えておくべきこと………

 「あれ?この先塗り潰されてる?」

 俺こと斉藤由貴さいとうよしゆき(27)は、数日前にこの世界に落ちて来たばかり。今はこの国の事を勉強している最中なんだけど……

 「……どうした?」

 カチャッと扉を開けて部屋に入って来たのは、鬼人族で俺の恩人でもあるクリード。人間の美形に角が生えた容姿で、173cmはある俺よりデカい。2mは軽く超えていると思う。

 そんなクリードは本好きで、クリードの家には立派な書斎がある。何故か言葉も文字も読める俺は、クリードの許可を貰って現在一般常識を勉強中ってわけ。

 あ?なんでそんな事になっているんだって?俺だってそれを聞きてえ。

 数日前、俺は仕事から帰って、疲れた身体のままベッドに倒れ込んで寝てた筈なんだ。それが朝起きてみたら、見知らぬ天井の見知らぬベッドの中。隣にはガタイのいい男が、裸で横になって俺を見ていたんだぜ。

 それはもう叫んださ。いい年してあそこまで挙動不審になったのは思いかえせば恥ずかしい……
 
 普通に考えれば不法侵入した俺を、クリードは怒るわけでもなく俺が落ち着くまで粘り強く宥めてくれた。そして教えてくれたんだ。

 ここが鬼人の国のフォティア国だということ。言語がわかる事から、俺は異世界からの稀人だろうという事。……稀人が帰ったという話は無い事。

 しばらく絶望と孤独感から言葉が出なかった俺を、クリードは優しく抱きしめてくれたんだ。……裸のままでな。

 正直、気付きたくなかったが、クリードの息子が勃起してた時だったんだよなぁ。朝だから仕方ないかもしれないが……

 でも恥ずかしいという感情はないのか、クリードは堂々としていたもんだから突っ込めなかったけどさ。鬼人族が寝る時は基本裸らしいし。

 「ヨシユキ……?」
 「あ、悪い。考えごとしてた」
 「そうか」
 「なあ、クリード。これってなんで塗り潰されているんだ?」
 
 どうやらお茶を持って来てくれたらしいクリードに、本の事を聞いてみたんだけど、クリード本人は初めからそうなっていたとしか教えてくれなかった。

 でも鬼人族は気性の荒い奴が多いらしく、俺のような人間はとって食われるから気をつけろ、とだけ教えてくれたんだが……

 「え!それじゃクリードも人間を食うの⁉︎」

 思わず青ざめた俺を見て、フッと笑い否定はしてくれたんだけど。……正直外に出るのが怖くなったんだよなぁ。まあ、それじゃなくても一度も外には出てないけど。

 何故なら、クリードの家は屋敷のようにデカくて、部屋数が多い。どうやら、クリードはこの屋敷に一人暮らしをしているらしい。使っている部屋だけ綺麗にしているようだ。あちこち埃だらけでも気にせず歩いていたからな。

 って事で、俺は居候させて貰っている代わりに、掃除と家事をやらせて貰っている。すっげえ広い家で、まだ全体を掃除出来ずにいるから、この屋敷から未だ出た事はないってわけ。

 あ、でもクリードは毎日仕事に行ってるぞ。どうやら騎士団長らしい。……道理で体格が立派な筈だよ。朝から夜までしっかり働いてくるんだ。だから俺も得意の料理で、弁当を持たせて見送っている。

 ただ、体格の違いでわかるだろ?弁当っていってもお重だぜ。それも俺がこういう物って説明したその日に買って来たんだ。ここには弁当文化はなかったからな。

 あ、調理場は魔導具らしい。魔石が嵌め込まれているだけで、コンロと一緒だったから、俺でも使えているんだ。家中魔石だらけなんだぜ。これがあるから日本とほぼ変わらない生活ができている。

 風呂もデカくて最高だしな!

 クリードがマメに食材を買って来てくれるから、冷蔵庫の魔導具の中は常にギチギチだ。クリードの仕事のある日は早く起きて作るんだが、クリードが休みの日はそうもいかない。

 「クリード……またかよ……」

 ここ最近、朝起きると俺は大概動けない。そう素っ裸のクリードに背中から抱きしめられた状態で起きるからだ。それも朝立ちした奴の息子が尻に当たった状態で。

 仕方ねえだろ……ベッドが一つしか無いんだ。しかもクリードはソファーで寝る事を許してくれねえんだ。それに端で眠っていても、朝気付けばこの状態だぜ。

 クリードが寝ても余裕のベッドは、俺からすればキングサイズのベッドだ。なのに奴は俺にくっついているんだよなぁ。

 まぁ、いつもはそれでもすぐに抜け出せるんだが、休みの日は奴が起きるまで俺も一緒に寝ていなきゃいけないんだよ。

 あ、言っておくが、俺はパジャマ代わりの奴のシャツ着てるからな。俺にはクリードのシャツがガウン状態になるんだよ。だから、問題はもう一つ。

 そう、さすがに俺用のズボンはすぐ見つからないようで、下はブリーフだけなんだよ。って事で素足だからこそ厄介なんだよなぁ。

 「ヨシユキ……」
 
 クリードが起きると、俺の耳元で囁いてくるんだが……

 「……んっ!……うぁっ!んんっ!」
 「ヨシユキ……ヨシユキ……!」

 何してんだって思うだろ?……クリードの奴、俺の股に息子を入れて、素股で抜いているんだよ。正直初めは、なんだコイツって思って抵抗したんだが、力が根本的に違うんだよ。

 全くビクともしねえし、抵抗できねえし、かと言ってそのままにさせておくと妙に気持ちいいし、終わるまで離してくれねえし……

 「んっ……あっああ!クリードッ!」
 「クッ……‼︎」

 そう、結局クリードがイクまで俺は起きられねえんだ。しかも俺も一緒にイクまで続くんだぜ……いつのまにかブリーフ取られているし。

 「ヨシユキ……こちらを向け」

 腰を動かし、俺のうなじや頭にキスを落としながらクリードが囁いてくるんだけど……

 出来るかっ!って思うけどその通りにしないと、もっと長い時間拘束されるんだよ。仕方なく向きを変えて、対面すると今度はキスをしながら兜合わせをされるんだよなぁ。

 「あっ!んんっ!……んう……んっ!」
 
 クチュクチュジュルジュル音を立てて、俺の口の中を満遍なく舐め回すクリード。気持ちいいわ、苦しいわで脱力すると、手の動きが早くなり二人とも同時に果てる。

 俺の腹にクリードの精液がかかり、奴は嬉しそうに精液を腹に塗り込むんだ。全くこの変態が!って怒ると、すぐ口を塞がれるんだけど。

 ……悔しい事にクリードとのこの行為は、初めから嫌悪感がなかったんだよなぁ。俺、ノーマルのはずだったのに。まあ、居候させて貰っているし、命取られるわけじゃないからな。俺はクリードの好きにさせている。

 そうしていると大体昼過ぎになるんだ。で、俺の腹も鳴るし、俺も風呂に入りたいって言うと、一応クリードも言う事は聞いてくれる。

 「ちょっ!ちょっと待て!そこはいいから!」
 「駄目だ」

 だけどさ……風呂に入ると、今度はクリードの手で満遍なく洗われるんだよ。これでまた俺はイカされるから、風呂上がりはもうぐったりしている。

 クリードはそんな俺を甲斐甲斐しく世話を焼き、屋台から食料を仕入れて俺に食わせてくれる。それも奴の膝の上で。がっちり掴まれているからなぁ……ほぼ、給餌されてるようなもんだな。

 その後もほぼクリードは俺を離してくれない。またベッドに戻ってイタズラされたり。料理したいと言って調理場に立っていると、後ろから抱きしめられたり……

 「だー!もう!クリード離せって!」
 「嫌だ」

 本当にこの男、騎士団長なのかって思う毎日だ。しかも必要最低限しか言葉にしないからな。正直なんでこの関係になっているのか、未だにわからない。

 ……態度で大事にされているのは、なんとなくわかる。でもなんで俺?そもそもポッと出の不審者に、ここまで気持ち許すもんなのか?

 ああ~!くっそ!わからねえ!
 誰か教えてくれ!
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