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余命2年
39.謁見
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見上げる程に大きな扉を潜って室内に足を踏み入れた。
『玉座の間』入るのは実に10年ぶり。レイ、ビルと共に出立の挨拶をして以来だ。
最奥には玉座が二つ置かれている。王と王妃の姿はまだない。縁取りは金、背面・座面は深紅。玉座を覆う天蓋は藍色といった具合だ。
左右には大窓が並び立ち、天井からはシャンデリアが吊るされている。
そのシャンデリアに並行するようにして立っているのが王の臣下達。王国の中枢に立つ者達だ。
感慨深そうに見つめてくる者、奇異の目で見つめてくる者、反応はそれぞれだ。エレノアは重たくなった唾を辛々呑み込む。
玉座から十歩程度離れたところでユーリの歩みが止まった。エレノアも彼に合わせて立ち止まる。
「勇者ユーリ・カーライルと、妻のエレノアでございます」
ユーリに合わせてカーテシーをする。宰相の「ご苦労」の合図で顔を上げた。
宰相はジェイデン・ムアヘッドという人物が務めていた。王が大公であった頃から右腕を務めている功労者だ。
現在42歳。すらりとした長身。上下共に灰色の正装姿。黒髪の短髪で、ノーフレームの眼鏡……と、レイに負けず劣らずの硬派な印象を抱かせる。
「恐れながら、妻・エレノアの姿が10年前から変わりないことに驚き、戸惑われていることと思います」
(っ! ユーリ……?)
「どうかご安心ください。教皇様を始めとした聖教の方々、ミラ・フォーサイスを始めとした治癒術師協会の方々からも、『呪いにはかかっていない』とのお墨付きを頂戴しておりますので」
一部の臣下達が気まずげに押し黙る。それと同時にエレノアの胸に罪悪感が広がっていく。
(当然の反応ですもの。あの方々に非はないわ)
「加えまして……私自身、これもまた『光の勝利』を体現してのことであると考えております。彼女は何も奪われていない。姿形に変わりないのは、その顕れなのではないかと」
「おっ、仰る通りです! 私共が浅慮でございました!」
「流石は勇者殿!!」
「『光の勝利』だ!」
「恐れ入ります」
件の臣下達が一斉に賛同し始めた。
ユーリが彼らの賛辞を素直に受け取ったことで、彼らへの風当たりも大分弱まったように思う。静観していた宰相も満足気に頷いている。
(頼もしいこと)
ユーリの成長が堪らなく嬉しい。反面、やはりどうにも寂しいと感じてしまう。難儀なことだ。
「『光の勝利』か」
宰相、臣下達が一斉に頭を下げた。ゆったりとした足取りで現国王・フレデリック3世が入室してくる。
エレノア達が入って来た入口とは別のもの。玉座横の扉からだ。彼の後には王妃と王太子エドワードが続く。
「其方らしいとても良い言葉だな」
「恐れ入ります」
王は控えめな音を立てて玉座に腰掛けた。頭には黄金の冠。深紅のソッターナに同系色のマントを合わせている。先王とは違い細身で腹回りもスッキリとしていた。
現在56歳。白髪まじりのゴールデンブロンドの髪は短く、襟足のあたりで切り揃えている。
目尻は垂れ下がっており、常に笑顔を浮かべている。その点においては父・ガブリエルと共通しているが、王には父のような愚直さはない。むしろその逆。強かでやり手な印象を抱かせた。
「聖女エレノアよ。よくぞ耐えた。其方の高潔なる精神……余も誇りに思うぞ」
「身に余る光栄でございます」
「式は一か月後でしたね。ふふっ、今から待ちきれませんわ」
王妃は言葉通り嬉々とした表情で語った。現在50歳。彼女はあのリリィの叔母にあたる人物だ。そのためか、彼女にとてもよく似ている。
シルバーブロンドの髪に始まり、パッチリとしたやや垂れ下がった目に、何処か茶目っ気を感じさせる雰囲気まで。
お陰でとても話しやすい。それ故に気安い態度にならないよう用心が必要だ。エレノアは気を引き締めて言葉を選んでいく。
帰還、結婚の報告、その他の近況の報告など滞りなく進んでいった。
ほっとする一方で新たな不安が芽生え始める。王太子・エドワードから敵意のようなものを感じるのだ。
エレノアが彼に最後に会ったのは10年前。彼がまだ11歳の頃のことだ。その頃にはまだこういった棘を感じることはなかったのだが。
「他の者は下がって良い。ご苦労であった」
王の言葉を受けて臣下達が下がっていく。後には王、王妃、王太子、宰相、ユーリ、エレノアだけが残された。
「ユーリ!」
直後、エドワードが軽やかな足取りで近付いてきた。
上下白の正装に大綬と呼ばれる紅色の飾り帯を装着。父譲りのゴールデンブロンドの髪は、襟足のあたりで切り揃えている。
父に似て柔和な印象。とはいえ、まだ21歳ということもあってか青い。何処かふわふわとしていて危うさのようなものも感じさせる。
「また強くなったね! 筋力も魔力も……特に『勇者の光』の伸び率が群を抜いてる。流石だよ!」
そう。エドワードは『慧眼』を有しているのだ。だから、彼は選ばれた。他の二人の兄を差し置いて王太子になったのだ。
「ありがとうございます。……っ」
エドワードは唐突にユーリの肩を抱いた。労いの意図だろうか。対するユーリの表情は、やや硬いように思う。見方によっては嫌がっているようにも見えて。
「っ!」
「ふ~ん?」
エドワードの目がエレノアに向く。会釈をすると乾いた笑みが返って来た。
「みんなの見立て通りだね。呪いにはかかってないし、余命も……ふふっ、2年もあればいい方だ」
余命の件については既に兄・ミシェルを通じて王、王妃、王太子、宰相に明かされている。特段驚くようなことではない。
唯一気になるのはエドワードの態度だ。どう見ても喜んでいるようにしか見えない。
「お止しなさい」
「…………」
王妃から咎められたエドワードは、ユーリの耳元で何事か囁いた。
「っ!? 殿下!!」
ユーリの栗色の瞳が怒りに染まる。
(一体何を……?)
「ごめん! 謝るから嫌いにならないで♡」
「……っ」
「エドワード。もういい。下がりなさい」
「ごめんって――」
「下がりなさい」
「……はいはい。じゃ、またねユーリ」
エドワードは不満げな表情を浮かべながらも、手を振って退出していった。エレノアには目もくれずに。どうやら相当に嫌われてしまっているようだ。
「ごめんなさいね。あの子はその……不安なのですよ」
王妃が透かさずフォローを入れてくれる。
「憖、力を見通せるだけに心が見えぬのが不安でならぬのです。それで疑って、試したりしてね。当然、相手方からは不信を買い、信頼を築けずにいる。……とにかく不器用なのですよ、あの子は」
頭に過るのは魔王アイザックと先王の姿だ。
種族は違えど共に『慧眼』を有し、高い地位に身を置いていた。しかしながら、いずれも孤独であったように思う。
アイザックは世話役の『じぃ』以外に心を許さず、先王は『性王』と揶揄される程に愛を渇望していた。
王妃の言う通り、いずれも『慧眼者』特有の不安からの言動であったとするならば合点がいくような気がした。
「何にせよ王太子妃が決まれば落ち着くだろう。もう暫し辛抱してくれ」
「私の方からも、殿下に視野を広げていただくよう進言致します」
「すまないね」
エドワードの将来を案じれば案じるほど、先人を思えば思うほどに、王太子妃の存在は不可欠であるように思う。
(わたくしの方でも何かお手伝いが出来ることがあれば……)
あの嫌われっぷりから判断するに、直接働きかけるのは難しいだろう。ただ、兄であるミシェルやユーリの力を借りれば或いはとも思うのだ。
「陛下、そろそろ本題に入らせていただいてもよろしいでしょうか?」
「ああ、すまないね。ジェイデン、進行を頼むよ」
宰相は王に向かって一礼をすると、徐に切り出した。
「エレノア様に、折り入ってお頼みしたい儀がございまして」
「わたくしに?」
「ええ。一週間後に予定されている『凱旋パレード』に演者としてご参加いただきたいのです。勇者ユーリの妻として、聖女・エレノアとして」
ユーリと顔を見合わせる。どうやら彼も初耳であるようだ。
「……なるほど。承知致しました」
その後、意図を聞かされたエレノアは逡巡しながらも了承した。
すべては王国のため、国民のために。
エレノアは聖女としての最後の務めを果たす決意を固めたのだった。
『玉座の間』入るのは実に10年ぶり。レイ、ビルと共に出立の挨拶をして以来だ。
最奥には玉座が二つ置かれている。王と王妃の姿はまだない。縁取りは金、背面・座面は深紅。玉座を覆う天蓋は藍色といった具合だ。
左右には大窓が並び立ち、天井からはシャンデリアが吊るされている。
そのシャンデリアに並行するようにして立っているのが王の臣下達。王国の中枢に立つ者達だ。
感慨深そうに見つめてくる者、奇異の目で見つめてくる者、反応はそれぞれだ。エレノアは重たくなった唾を辛々呑み込む。
玉座から十歩程度離れたところでユーリの歩みが止まった。エレノアも彼に合わせて立ち止まる。
「勇者ユーリ・カーライルと、妻のエレノアでございます」
ユーリに合わせてカーテシーをする。宰相の「ご苦労」の合図で顔を上げた。
宰相はジェイデン・ムアヘッドという人物が務めていた。王が大公であった頃から右腕を務めている功労者だ。
現在42歳。すらりとした長身。上下共に灰色の正装姿。黒髪の短髪で、ノーフレームの眼鏡……と、レイに負けず劣らずの硬派な印象を抱かせる。
「恐れながら、妻・エレノアの姿が10年前から変わりないことに驚き、戸惑われていることと思います」
(っ! ユーリ……?)
「どうかご安心ください。教皇様を始めとした聖教の方々、ミラ・フォーサイスを始めとした治癒術師協会の方々からも、『呪いにはかかっていない』とのお墨付きを頂戴しておりますので」
一部の臣下達が気まずげに押し黙る。それと同時にエレノアの胸に罪悪感が広がっていく。
(当然の反応ですもの。あの方々に非はないわ)
「加えまして……私自身、これもまた『光の勝利』を体現してのことであると考えております。彼女は何も奪われていない。姿形に変わりないのは、その顕れなのではないかと」
「おっ、仰る通りです! 私共が浅慮でございました!」
「流石は勇者殿!!」
「『光の勝利』だ!」
「恐れ入ります」
件の臣下達が一斉に賛同し始めた。
ユーリが彼らの賛辞を素直に受け取ったことで、彼らへの風当たりも大分弱まったように思う。静観していた宰相も満足気に頷いている。
(頼もしいこと)
ユーリの成長が堪らなく嬉しい。反面、やはりどうにも寂しいと感じてしまう。難儀なことだ。
「『光の勝利』か」
宰相、臣下達が一斉に頭を下げた。ゆったりとした足取りで現国王・フレデリック3世が入室してくる。
エレノア達が入って来た入口とは別のもの。玉座横の扉からだ。彼の後には王妃と王太子エドワードが続く。
「其方らしいとても良い言葉だな」
「恐れ入ります」
王は控えめな音を立てて玉座に腰掛けた。頭には黄金の冠。深紅のソッターナに同系色のマントを合わせている。先王とは違い細身で腹回りもスッキリとしていた。
現在56歳。白髪まじりのゴールデンブロンドの髪は短く、襟足のあたりで切り揃えている。
目尻は垂れ下がっており、常に笑顔を浮かべている。その点においては父・ガブリエルと共通しているが、王には父のような愚直さはない。むしろその逆。強かでやり手な印象を抱かせた。
「聖女エレノアよ。よくぞ耐えた。其方の高潔なる精神……余も誇りに思うぞ」
「身に余る光栄でございます」
「式は一か月後でしたね。ふふっ、今から待ちきれませんわ」
王妃は言葉通り嬉々とした表情で語った。現在50歳。彼女はあのリリィの叔母にあたる人物だ。そのためか、彼女にとてもよく似ている。
シルバーブロンドの髪に始まり、パッチリとしたやや垂れ下がった目に、何処か茶目っ気を感じさせる雰囲気まで。
お陰でとても話しやすい。それ故に気安い態度にならないよう用心が必要だ。エレノアは気を引き締めて言葉を選んでいく。
帰還、結婚の報告、その他の近況の報告など滞りなく進んでいった。
ほっとする一方で新たな不安が芽生え始める。王太子・エドワードから敵意のようなものを感じるのだ。
エレノアが彼に最後に会ったのは10年前。彼がまだ11歳の頃のことだ。その頃にはまだこういった棘を感じることはなかったのだが。
「他の者は下がって良い。ご苦労であった」
王の言葉を受けて臣下達が下がっていく。後には王、王妃、王太子、宰相、ユーリ、エレノアだけが残された。
「ユーリ!」
直後、エドワードが軽やかな足取りで近付いてきた。
上下白の正装に大綬と呼ばれる紅色の飾り帯を装着。父譲りのゴールデンブロンドの髪は、襟足のあたりで切り揃えている。
父に似て柔和な印象。とはいえ、まだ21歳ということもあってか青い。何処かふわふわとしていて危うさのようなものも感じさせる。
「また強くなったね! 筋力も魔力も……特に『勇者の光』の伸び率が群を抜いてる。流石だよ!」
そう。エドワードは『慧眼』を有しているのだ。だから、彼は選ばれた。他の二人の兄を差し置いて王太子になったのだ。
「ありがとうございます。……っ」
エドワードは唐突にユーリの肩を抱いた。労いの意図だろうか。対するユーリの表情は、やや硬いように思う。見方によっては嫌がっているようにも見えて。
「っ!」
「ふ~ん?」
エドワードの目がエレノアに向く。会釈をすると乾いた笑みが返って来た。
「みんなの見立て通りだね。呪いにはかかってないし、余命も……ふふっ、2年もあればいい方だ」
余命の件については既に兄・ミシェルを通じて王、王妃、王太子、宰相に明かされている。特段驚くようなことではない。
唯一気になるのはエドワードの態度だ。どう見ても喜んでいるようにしか見えない。
「お止しなさい」
「…………」
王妃から咎められたエドワードは、ユーリの耳元で何事か囁いた。
「っ!? 殿下!!」
ユーリの栗色の瞳が怒りに染まる。
(一体何を……?)
「ごめん! 謝るから嫌いにならないで♡」
「……っ」
「エドワード。もういい。下がりなさい」
「ごめんって――」
「下がりなさい」
「……はいはい。じゃ、またねユーリ」
エドワードは不満げな表情を浮かべながらも、手を振って退出していった。エレノアには目もくれずに。どうやら相当に嫌われてしまっているようだ。
「ごめんなさいね。あの子はその……不安なのですよ」
王妃が透かさずフォローを入れてくれる。
「憖、力を見通せるだけに心が見えぬのが不安でならぬのです。それで疑って、試したりしてね。当然、相手方からは不信を買い、信頼を築けずにいる。……とにかく不器用なのですよ、あの子は」
頭に過るのは魔王アイザックと先王の姿だ。
種族は違えど共に『慧眼』を有し、高い地位に身を置いていた。しかしながら、いずれも孤独であったように思う。
アイザックは世話役の『じぃ』以外に心を許さず、先王は『性王』と揶揄される程に愛を渇望していた。
王妃の言う通り、いずれも『慧眼者』特有の不安からの言動であったとするならば合点がいくような気がした。
「何にせよ王太子妃が決まれば落ち着くだろう。もう暫し辛抱してくれ」
「私の方からも、殿下に視野を広げていただくよう進言致します」
「すまないね」
エドワードの将来を案じれば案じるほど、先人を思えば思うほどに、王太子妃の存在は不可欠であるように思う。
(わたくしの方でも何かお手伝いが出来ることがあれば……)
あの嫌われっぷりから判断するに、直接働きかけるのは難しいだろう。ただ、兄であるミシェルやユーリの力を借りれば或いはとも思うのだ。
「陛下、そろそろ本題に入らせていただいてもよろしいでしょうか?」
「ああ、すまないね。ジェイデン、進行を頼むよ」
宰相は王に向かって一礼をすると、徐に切り出した。
「エレノア様に、折り入ってお頼みしたい儀がございまして」
「わたくしに?」
「ええ。一週間後に予定されている『凱旋パレード』に演者としてご参加いただきたいのです。勇者ユーリの妻として、聖女・エレノアとして」
ユーリと顔を見合わせる。どうやら彼も初耳であるようだ。
「……なるほど。承知致しました」
その後、意図を聞かされたエレノアは逡巡しながらも了承した。
すべては王国のため、国民のために。
エレノアは聖女としての最後の務めを果たす決意を固めたのだった。
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