19 / 51
出会い編
18.贄
しおりを挟む
「闇魔法!?」
「っち、魔物か」
紫色のオーラは闇属性固有のもの。
こと人族において、未だかつて闇属性を扱える者は確認されていない。故に消去法で『魔物』と判断されたというわけだ。
(操られているの? それとも化けているの?)
「っ!」
家令の体が地面に転がる。エレノアは急ぎ『祈り』を捧げた。
(良かった……)
傷は塞がり呼吸も安定した。とはいえ依然意識は失われたままだ。彼はまだ魔物の近くに。折を見て救出をしなければならない。
「流石だ。『大聖女』の位は伊達ではないな」
「大聖女……?」
この国における女性聖職者の最上位格は『聖女』だ。『大聖女』なる資格を持つ者は誰一人として存在していない。
「何? ……くっくっく、そういうことか。とことん腐っているようだな。あるいはその程度なのか」
「その程度……?」
「吾輩は貴様らで言うところの『慧眼』を有している。誤魔化しは効かんぞ」
『慧眼』とは対象の能力を数値化⇒適性を見極めることが出来る能力だ。
王族固有の才とされ、唯一λが確認されていない特異なジョブでもある。
「人族の通説に当てはめると、伯爵の自由を奪っているあの魔物もまた高位なる存在ということに……? まさか……それで人語を話せるの?」
皆に動揺が走る。魔物は何も答えず、伯爵の顔でただ妖しく嗤うのみだ。
「では、始めようか『闇と光の輪舞』を」
魔物の背後から黒い腕のようなものが生えてきた。数にして五本。紫色のオーラを放っている。まるで死霊のようだ。あまりの悍ましさに背筋が震える。
「賢者殿、おさがりください」
「ああ、悪いな」
レイの前に一人の重騎士が立つ。魔術師は火力自慢ではあるものの防御は不得手であるから。
「はあぁあ!!!」
騎士が黒い腕のようなものを切断。家令を救出した。
「きゃっ!?」
それと同時に伯爵が氷漬けになった。術者はレイだ。まるで加減をしていない。
「ダメです、レイ!! そんなことをしては伯爵が――」
「アイツは危険です。ここで始末しな――っ!!?」
「ガハッ!!?」
「レイ!!!? マイケル!!!」
何かが砕け散るような音が響いた直後、レイの腹が破られた。見れば彼を守る騎士・マイケルも貫かれている。
同じ腕だ。マイケルの体を貫いた腕が、レイの背から出ている。
「ぐっ、……の野郎……っ」
エレノアは直ぐさま祈りを捧げた。レイとマイケルを襲った腕は消え、傷も塞がる。
「久しいな、賢者ガッファー……いや、レイモンドよ。今や『大賢者』か。老いるばかりか更に力を付けるとはな」
飛び散ったガラス片のような氷が夕日を受けて煌めく。魔物は変わらず伯爵の姿のままだ。
「あ? 何だよ。知り合いか?」
「吾輩を覚えておらぬと言うのか? 10年前『古代樹の森』で死闘を繰り広げたであろう」
「……っ!?」
「っふ、思い出したか?」
「お前は……っ、何故だ! お前は師匠が確かに――っ」
「ああ。死にかけたとも。先日復活したばかりだ」
隊長の指示を受けて、前衛の騎士達が魔物に斬りかかる。だが事態はまるで好転しない。二の舞いだ。一人、また一人と倒れていく。
「大賢者エルヴェ・ロベール。失うには惜しい男だったな」
「~~っ、テメェ!!」
戦闘が再開する。
治しても治しても傷が広がっていく。
苦痛に喘ぐ声。
血に染まる芝。
――失われていく。
刻一刻と。
かけがえのない命が。
「~~っ、神よ! どうかわたくしに力を……っ、力をお与えください!!!」
「エレノア様……っ」
無力感に苛まれていく。この場にいたのが、至高の才を持つ兄・セオドアであったのなら、あるいは皆の命を繋ぐことが出来たのだろうか。
「聖女様」
声をかけてきたのはゼフだった。とても穏やかな顔をしている。状況に対してあまりにも不釣り合いだ。
「……っ」
嫌な予感がした。とてつもなく嫌な予感が。
「ミラと共にお逃げください」
「そんな――」
「おいっ、ミラ! 何ボケっとしてんだ」
ミラは深く唇を噛み締めた。手にした二本の剣が小刻みに震えている。葛藤しているのだろう。
護衛として取るべき選択は、エレノアを連れて逃げることだ。しかしながら、仲間としての意識が、これまで積み重ねてきた日々がそれを阻む。
彼女にとって最早この一団は欠かすことの出来ない居場所なのだろう。
「アタシ……っ、アタシ……、には……っ」
「しっかりしろ。お前だけが頼りだ」
ゼフは振り向きざまに黒い腕を斬り落とした。
エレノアとミラに対して背を向けるような格好に。一つにまとめられた薄茶色の長い髪が左右に揺れる。
「聖女様。不躾ながらお願いがございます。聞いていただけますか?」
彼は既に死を覚悟しているのだろう。聞きたくない。けれど、聞かなければならない。エレノアは何も言えずにただ顔を俯かせる。
「坊ちゃんにお伝えいただきたいのです。ただ一言『諦めるな』と
「何を……?」
「坊ちゃんであればお分かりになるはずです。……ミラ、お前でもいいからな。必ず伝えてくれ」
「~~っ、ぜっ、ゼフさん! 嫌です! アタシは――」
「ああ、それと……俺が『坊ちゃん呼び』をしていたことも。変わらず伏せておいてもらえると助かります」
魔物の口角が上がった。嘲るように。したり顔で。
「これでも改める気はあったんですよ。いずれは、いつかは……ってそう思ってたんですけど……」
ゼフは苦笑一つに緑色の魔法陣を展開。自身に魔法をかけた。治癒魔法の応用――身体強化だ。
治癒術師もまた魔術師のように自身や武器を魔法で保護することが出来ない。代わりにああして肉体を強化して戦う。ミラも同様だ。
「ダメよ!! ゼフ――」
「勇ましいな『大治癒術士』ゼフよ」
「は? ははっ、何だそりゃ。随分とまぁ高く買ってくれるんだな」
黒い腕がゼフに襲い掛かる。かなりの速さだが実に見事に応戦している。得物である槍は勿論、長い脚も駆使して。まさに剣舞。勇猛でありながら美しくもあって。
「くっくっく……実に惜しい。……が、それだけに良い『贄』となる」
「贄だ? っは、ごめんだね――」
「大剣聖ウィリアム・キャボットに捧げる贄、であったとしてもか?」
「はっ……?」
ゼフの動きが鈍った。魔物はその隙を逃さず――黒い腕を伸ばす。
「がはっ!?」
「ゼフ!!?」
「ゼフさん!!!??」
「くっくっく……哀れな」
魔物の黒い腕がゼフの胸を貫いた。エレノアが瞬時に祈りを捧げた――が、紫色の靄に阻まれてしまう。
「なっ……!?」
「ぼっ、……ちゃん……」
ゼフの手から銀色の槍が滑り落ちる。
「ゼフさん!!! ――っ!!?」
ゼフの体は勢いよく引き寄せられ――伯爵もとい魔物の腕の中に納まる。
「案ずるな。まだ死んではいない。まだ……な」
不意にゼフの姿が消えた。よく見ると魔物の手の中には黒い水晶のようなものがある。
(まさかあの中に……?)
見たことのない魔法だ。エレノアの持つ魔法鞄――『魔法収納』に近い技術だろうか。
「さて、次はお前だ。大聖女エレノア・カーライルよ」
「えっ……?」
(わたくしを? 何故……?)
「そんなっ、エレノア様まで……っ」
「ミラ!! 走れッ!!!!」
隊長が声を張り上げる。他の騎士達は既に倒れ、闘っているのは最早彼一人だけだった。
「っち、魔物か」
紫色のオーラは闇属性固有のもの。
こと人族において、未だかつて闇属性を扱える者は確認されていない。故に消去法で『魔物』と判断されたというわけだ。
(操られているの? それとも化けているの?)
「っ!」
家令の体が地面に転がる。エレノアは急ぎ『祈り』を捧げた。
(良かった……)
傷は塞がり呼吸も安定した。とはいえ依然意識は失われたままだ。彼はまだ魔物の近くに。折を見て救出をしなければならない。
「流石だ。『大聖女』の位は伊達ではないな」
「大聖女……?」
この国における女性聖職者の最上位格は『聖女』だ。『大聖女』なる資格を持つ者は誰一人として存在していない。
「何? ……くっくっく、そういうことか。とことん腐っているようだな。あるいはその程度なのか」
「その程度……?」
「吾輩は貴様らで言うところの『慧眼』を有している。誤魔化しは効かんぞ」
『慧眼』とは対象の能力を数値化⇒適性を見極めることが出来る能力だ。
王族固有の才とされ、唯一λが確認されていない特異なジョブでもある。
「人族の通説に当てはめると、伯爵の自由を奪っているあの魔物もまた高位なる存在ということに……? まさか……それで人語を話せるの?」
皆に動揺が走る。魔物は何も答えず、伯爵の顔でただ妖しく嗤うのみだ。
「では、始めようか『闇と光の輪舞』を」
魔物の背後から黒い腕のようなものが生えてきた。数にして五本。紫色のオーラを放っている。まるで死霊のようだ。あまりの悍ましさに背筋が震える。
「賢者殿、おさがりください」
「ああ、悪いな」
レイの前に一人の重騎士が立つ。魔術師は火力自慢ではあるものの防御は不得手であるから。
「はあぁあ!!!」
騎士が黒い腕のようなものを切断。家令を救出した。
「きゃっ!?」
それと同時に伯爵が氷漬けになった。術者はレイだ。まるで加減をしていない。
「ダメです、レイ!! そんなことをしては伯爵が――」
「アイツは危険です。ここで始末しな――っ!!?」
「ガハッ!!?」
「レイ!!!? マイケル!!!」
何かが砕け散るような音が響いた直後、レイの腹が破られた。見れば彼を守る騎士・マイケルも貫かれている。
同じ腕だ。マイケルの体を貫いた腕が、レイの背から出ている。
「ぐっ、……の野郎……っ」
エレノアは直ぐさま祈りを捧げた。レイとマイケルを襲った腕は消え、傷も塞がる。
「久しいな、賢者ガッファー……いや、レイモンドよ。今や『大賢者』か。老いるばかりか更に力を付けるとはな」
飛び散ったガラス片のような氷が夕日を受けて煌めく。魔物は変わらず伯爵の姿のままだ。
「あ? 何だよ。知り合いか?」
「吾輩を覚えておらぬと言うのか? 10年前『古代樹の森』で死闘を繰り広げたであろう」
「……っ!?」
「っふ、思い出したか?」
「お前は……っ、何故だ! お前は師匠が確かに――っ」
「ああ。死にかけたとも。先日復活したばかりだ」
隊長の指示を受けて、前衛の騎士達が魔物に斬りかかる。だが事態はまるで好転しない。二の舞いだ。一人、また一人と倒れていく。
「大賢者エルヴェ・ロベール。失うには惜しい男だったな」
「~~っ、テメェ!!」
戦闘が再開する。
治しても治しても傷が広がっていく。
苦痛に喘ぐ声。
血に染まる芝。
――失われていく。
刻一刻と。
かけがえのない命が。
「~~っ、神よ! どうかわたくしに力を……っ、力をお与えください!!!」
「エレノア様……っ」
無力感に苛まれていく。この場にいたのが、至高の才を持つ兄・セオドアであったのなら、あるいは皆の命を繋ぐことが出来たのだろうか。
「聖女様」
声をかけてきたのはゼフだった。とても穏やかな顔をしている。状況に対してあまりにも不釣り合いだ。
「……っ」
嫌な予感がした。とてつもなく嫌な予感が。
「ミラと共にお逃げください」
「そんな――」
「おいっ、ミラ! 何ボケっとしてんだ」
ミラは深く唇を噛み締めた。手にした二本の剣が小刻みに震えている。葛藤しているのだろう。
護衛として取るべき選択は、エレノアを連れて逃げることだ。しかしながら、仲間としての意識が、これまで積み重ねてきた日々がそれを阻む。
彼女にとって最早この一団は欠かすことの出来ない居場所なのだろう。
「アタシ……っ、アタシ……、には……っ」
「しっかりしろ。お前だけが頼りだ」
ゼフは振り向きざまに黒い腕を斬り落とした。
エレノアとミラに対して背を向けるような格好に。一つにまとめられた薄茶色の長い髪が左右に揺れる。
「聖女様。不躾ながらお願いがございます。聞いていただけますか?」
彼は既に死を覚悟しているのだろう。聞きたくない。けれど、聞かなければならない。エレノアは何も言えずにただ顔を俯かせる。
「坊ちゃんにお伝えいただきたいのです。ただ一言『諦めるな』と
「何を……?」
「坊ちゃんであればお分かりになるはずです。……ミラ、お前でもいいからな。必ず伝えてくれ」
「~~っ、ぜっ、ゼフさん! 嫌です! アタシは――」
「ああ、それと……俺が『坊ちゃん呼び』をしていたことも。変わらず伏せておいてもらえると助かります」
魔物の口角が上がった。嘲るように。したり顔で。
「これでも改める気はあったんですよ。いずれは、いつかは……ってそう思ってたんですけど……」
ゼフは苦笑一つに緑色の魔法陣を展開。自身に魔法をかけた。治癒魔法の応用――身体強化だ。
治癒術師もまた魔術師のように自身や武器を魔法で保護することが出来ない。代わりにああして肉体を強化して戦う。ミラも同様だ。
「ダメよ!! ゼフ――」
「勇ましいな『大治癒術士』ゼフよ」
「は? ははっ、何だそりゃ。随分とまぁ高く買ってくれるんだな」
黒い腕がゼフに襲い掛かる。かなりの速さだが実に見事に応戦している。得物である槍は勿論、長い脚も駆使して。まさに剣舞。勇猛でありながら美しくもあって。
「くっくっく……実に惜しい。……が、それだけに良い『贄』となる」
「贄だ? っは、ごめんだね――」
「大剣聖ウィリアム・キャボットに捧げる贄、であったとしてもか?」
「はっ……?」
ゼフの動きが鈍った。魔物はその隙を逃さず――黒い腕を伸ばす。
「がはっ!?」
「ゼフ!!?」
「ゼフさん!!!??」
「くっくっく……哀れな」
魔物の黒い腕がゼフの胸を貫いた。エレノアが瞬時に祈りを捧げた――が、紫色の靄に阻まれてしまう。
「なっ……!?」
「ぼっ、……ちゃん……」
ゼフの手から銀色の槍が滑り落ちる。
「ゼフさん!!! ――っ!!?」
ゼフの体は勢いよく引き寄せられ――伯爵もとい魔物の腕の中に納まる。
「案ずるな。まだ死んではいない。まだ……な」
不意にゼフの姿が消えた。よく見ると魔物の手の中には黒い水晶のようなものがある。
(まさかあの中に……?)
見たことのない魔法だ。エレノアの持つ魔法鞄――『魔法収納』に近い技術だろうか。
「さて、次はお前だ。大聖女エレノア・カーライルよ」
「えっ……?」
(わたくしを? 何故……?)
「そんなっ、エレノア様まで……っ」
「ミラ!! 走れッ!!!!」
隊長が声を張り上げる。他の騎士達は既に倒れ、闘っているのは最早彼一人だけだった。
10
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
死が二人を別こうとも。
すずなり。
恋愛
同じクラスに気になる女の子がいる。かわいくて・・・賢くて・・・みんなの人気者だ。『誰があいつと付き合うんだろうな』・・・そんな話が男どもの間でされてる中、俺は・・・彼女の秘密を知ってしまう。
秋臣「・・・好きだ!」
りら「!!・・・ごめんね。」
一度は断られた交際の申し込み。諦めれない俺に、彼女は秘密を打ち明けてくれた。
秋臣「それでもいい。俺は・・・俺の命が終わるまで好きでいる。」
※お話の内容は全て想像の世界です。現実世界とは何の関係もございません。
※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※誤字脱字や表現不足などは日々訂正していきますのでどうかご容赦ください。(目が悪いので見えてない部分も多いのです・・・すみません。)
※ただただこの世界を楽しんでいただけたら幸いです。 すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる