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29:貞操帯と幼い王子※

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ベッドの上でなれたように王に体を開いていると、いつもの性戯とはことなる物を王が持ち出してきた。

「へいか、それは?」

「貞操帯だ。余はしばらく遠征に行かねばならない。そなたの為に手に入れたエベル山地付近で問題が起きたのだ」

アヒムは王の話など興味もなさそうに、貞操帯を見た。

ベルトの付きのパンツのような形をしたそれは、陰茎の部分は金属でできており勃起することを完全に抑止する形をしている。それとは別に臀部の部分には突起があり、貞操帯をつけると、確実にそれがアヒムの中に入ってしまう。

「そなたは無自覚に誰彼かまわず誘惑してしまうからな。女なら前を、男なら後ろを使うだろう。だからこうして塞ぐのだ」

そう言って、王は少しだけ立ち上がったアヒムの陰茎を貞操帯に入れて、先ほどまで使っていた孔に貞操帯の突起を挿し込んだ。そして、そのまま鍵をかけた。

「でも、へいか。こうしたら、僕は用をたすこともできないよ」

「排尿は、穴があいているから気にすることはない」

いわれてみると、前の金属部位には小さな通気口のような穴があいている。

「糞便は一日に一回はその時間をもうける。鍵は余とオスヴァルトが持っている。もし、我慢ができないのなら、奴に言うといい」

「はい」

アヒムは貞操帯の錠前をいじりながら返事をした。


そうして王は城を数ヶ月あけた。

はじめの一ヶ月はアヒムは貞操帯に違和感を覚えながら生活していた。

一日に一度は、衛生のために貞操帯を外して糞便をして体を洗う。

そうして貞操帯になれた頃にアヒムは動いた。

「アヒム! 来たぞ。元気か?」

アヒムの部屋に躊躇なく入るのは、王と目の前の小さな王と同じ血をひく少年だ。

「フランツ、いらっしゃい」

アヒムは微笑んで、フランツ王子を迎えた。歳の離れた兄弟ほどの年齢差がある二人だ。十と少しになるフランツ王子は明らかにアヒムに惑わされていた。

「オスヴァルト卿に怒られませんでしたか?」

「オスヴァルトは俺に弱いから問題ない」

オスヴァルトや兵士たちは、決まった者しか工房とアヒムの部屋がある階に通さない。だが、唯一の後継者であるフランツならば父王が不在の今、その問題をくぐり抜けてアヒムの前に来れる。

「フランツが来てくれて嬉しいな。へいかがいなくなって、誰も僕の相手をしてくれなくて寂しいんだ」

「そうなのか? まわりの奴らはみんな酷いな。アヒムをこんなところに閉じ込めて。俺なら退屈で死んじゃいそうだ」

「僕だって、退屈でしかたないよ。けど、フランツが遊びに来てくれるでしょ。それだけでも嬉しいんだ」

アヒムの言葉に純粋なフランツ王子は可哀想だと同情的だ。

ベッドしかないこの部屋には座る場所は限られており、フランツ王子はベッドの縁に座るアヒムの隣に座った。

「でも、やっぱり寂しいな。フランツが来れない時もあるでしょ。使用人でもいいからお喋りしたいな」

「それなら、俺の侍従を一人やる。こんな所で世話をする者もいないなんて不便だろ」

「ありがとう、フランツ。君は優しいね」

アヒムはフランツ王子を抱擁して甘美な言葉をかける。

「でも、少し不安なんだ。知っているかもしれないが、以前僕の助手であるジークが、僕を嫌いな人によって暴行をうけたんだ。フランツのことは信頼しているけれど、こわくて」

フランツ王子は抱き締めている暖かな男が微かにふるえていることに心を痛めた。

彼は弱い人だ。自分が守ってあげなければいけない。

「ならば、アヒムのことが好きな人を選ぶよ。父上はどうして、ヨーゼフなんかを工房に入れたんだ? あいつはアヒムを目の敵にしていて危険だというのに」

フランツ王子は王の真意など知らず、ただアヒムを守るために、彼のまわりを彼のことが好きな人でかためればいいのだと思った。

「へいかを悪くいっちゃダメだよ。君には君の魅力がある」

アヒムはフランツ王子を抱き締めたままベッドに倒れた。

大人の男が二人寝ても有り余る広さは二人を大きくつつむ。

「アヒムは甘くてどこか懐かしい匂いがする」

「好きかい?」

「大好きだ」

フランツ王子はアヒムの上に股がって見下ろした。

アヒムの体は日々丁寧に手入れされており、貞操帯をつけはじめてからはカブれないようにパウダーをはたいている。それがフランツ王子の幼い記憶を呼び起こしているのだろう。

「ふふっ。可愛い人。いつか僕をここから出して、コレを外す時が来るかもね」

ズボンを履かずに常にシャツだけで過ごしているアヒムは、貞操帯の錠前をカチャリと触った。

「子ども扱いするなよ」

「あんっ」

フランツ王子はアヒムの胸の飾りを強く摘まんだ。とっくに開発されているアヒムの体はその刺激を快楽だと認識している。

フランツ王子はそのまま、アヒムのシャツを開いて、赤く熟れた果実にしゃぶりついた。

「んんっ。ふふふ。まだ、子供だよ。こんなに一生懸命に僕のおっぱいに吸い付いて。まるで、赤ちゃんみたいだ」

アヒムの挑発するような言葉に、フランツ王子はムッとして、歯を立ててカリッと噛んだ。

「ああんっ! ダメっ、優しくして」

フランツ王子の頭を撫でると、言われた通りに噛むことはやめて、舌で押したり撫でたりし始める。もう片方の手は母親の乳房を一人占めするかのように、アヒムの胸をギュッと掴んでいる。

「んふっ。もう、こんなにしてる」

アヒムは自分の腹に擦り付けられている、フランツ王子の王に似て立派な陽物を感じて嗤う。

「おいで。いつものをやってあげる」

アヒムがそういうと、フランツ王子はズボンをくつろげ、座り込むアヒムの前に立った。

アヒムは口を広げて、そそり立つそれを飲み込んだ。

「っ、アヒム」

フランツ王子は温かな口内に顔を歪めながら、腰をふった。

青少年の多感な時期であるフランツ王子はアヒムに誑かされているのだ。

王が遠征に出てから、こうやってフランツ王子はアヒムの元に通い、遊んでいる。

息のつまる後継者教育の息抜きだとか、アヒムのことを母親と重ねているだとか、色々な理由があるようだが、アヒムはその未熟な盛りを利用している。

「んんっ、ふぁっ」

「アヒムっ。もう、出る」

フランツ王子はアヒムの頭を掴んで、必死に腰をふった。そうして、アヒムの口の中に高貴な精を放った。

「んくっ」

アヒムは見せつけるかのようにそれを口で転がしてから飲み込んだ。

ああ、こんな拘束具がなければ、中にいれて弄んだのにとフランツ王子を見つめた。

全てが、破滅すればいいのに。

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