白亜城の麗しき錬金術師

9:蹂躙※

「今からそなたは余の怒張した雄を受け入れいれるのだ」

王がどんな表情でどんなものを持っているかアヒムには見えない。そして見たくもない。自分がどのように体を開き、そして犯されるかなど。

はやく終わってしまえ。いつまでこんな屈辱を感じなければいけないのだ。

アヒムの気持ちを知ってか知らずか、王はアヒムの花がどのように開きそして受け入れようとしているかを声に出して教えてくる。

「疼いておる。はやく挿れて欲しいと訴えているかのようだ。望み通りにしてやろう」

王は双丘を揉みしだきながら愉しそうな声で言った。

とうとうアヒムの花が散らされた。

「んんっ！」

熱した剣で貫かれるような凶悪さだ。

指とは大きさが違った。襞が無理やり開かれ、快感とは程遠い恐怖と痛みがある。

「いっ…、痛いっ！」

この痛みが現実なのだと突きつけてくる。

痛みのせいなのか、恥辱に耐えかねたのかアヒムは涙をこぼした。

「まだ全て入っていないぞ。直に慣れる」

王は更に奥へと熱棒をさしこんでくる。その時間は永遠にも感じられるほど長く、終わりがみえない。

王はアヒムの腰をしっかりと抱き支え決して逃がさない。そうして押し込むようにして全てがその小さな腹の中に収まった。

王の下生えが肌に触れてその事実をアヒムに知らせる。

「うぅっ」

入ってはいけない所にまで入っているような、自然の摂理に反して逆流してくる。

アヒムの苦痛など無視して、王は腰を動かした。

怒張が中を擦り動いていることが嫌でも感じてしまう。

「よい締め付けだ」

傷つかないようなゆっくした抽挿にアヒムは次第に声をあげていく。

「ああっ…、やめっ、おやめください」

知らない感覚に困惑しながら届きもしない願いをいった。

「無理だ。そなたの中はいやらしく蠢いて余をはなさない」

どんどんと激しくなっていく、本格的におかしくなりそうだ。熱に浮かされているように朦朧としてくる。それが快楽というならそうなのだろう。

「いやっ……あぁん！　うぅっ、はぁｯああ」

体が自然と上に逃げようとするが、王に捕まっている限り逃げられない。

「誰しもが余の子胤を欲しているというのに、そなたは嫌がるのだな」

「あたっ、りまえです。ふぁっ、んんっ」

王の胤をもらった所で男の身で孕むわけでもない。

それにアヒムは平穏に暮らしたかったのだ。王となど関わることもなく、平凡に過ごし、平凡に恋愛し、結婚して家族をつくる。そんな希望が壊されたのだ。

「いや、いずれそなたから余の胤を欲するようになる。それまでたっぷりと注いでやろう」

王は激しく突いてくる。アヒムを高めるよりも自分が高まるためのとても自分本位で自己陶酔したものだった。

それなのにアヒムは感じてしまっていた。

「っ、やぁっ、あぁ。へんな感じがっ、やだ、ああんっ」

何かが競り上がってくる。

熱を放出したくて、アヒムは自身をしごきはじめた。

淫靡な粘着質な水音と肌がぶつかる音が脳を麻痺させる。

「むりっ、あぁっ、イクっ、イク、イクぅっ」

アヒムはベッドのシーツを汚した。

体がびくびくと痙攣した。自身を慰めた手をぶらりと投げ出して力が入らない。

「一人で達するなど躾がなってないな」

アヒムが絶頂を迎えたのに、王はまだ健在であり蹂躙する。

「ああぁぁっ、イッた、のにっ。もう、むりぃ」

王は胸に手をさしこんで体を起こした。王の上に乗るような体勢になって、体重でさらに深く突き刺さる。

「あ゛ぁぁぁ！」

深い衝撃にアヒムは叫んだ。

王はアヒムの耳朶をはみ舐めた。直接しっとりとした水音がしてアヒムを辱しめる。

「もっと喘ぎ乱れろ」

突き上げるように上下に揺さぶられる。

王の片手で腰を支え、もう片方で胸の果実を弄ぶ。どこを弄ばれても感じるようなわけもわからない快楽に目頭があつくなる。

「だめっ、これ以上はっ、ああっ、んんんっ、いきたく、ないぃっ！」

アヒムの声など届いていないかのように、王は止まることなく激しくつきあげる。

王はアヒムの頬をつかみ引き寄せた。喘ぐことで必死なアヒムの口は閉じることを忘れており、王の舌が簡単に侵入できた。

「あ…っ、んんっ、んんぅー」

まるで舐めてねぶるように舌がうごき、どちらの唾液ともわからないものが顎をつたう。

「んっ、そろそろ出すぞ」

アヒムの中に収まっていたものが大きく膨れ上がる。そして破裂するかのように、ドクドクとあついものが注がれた。

「いやっ、やぁああぁぁぁぁあーー！」

アヒムは穢れたのだ。

男の白濁を腹に呑み込んで悦楽にむせび泣いた自分がゆるせなかった。

力なく前方に倒れた。

アヒムを犯していた王の剣が抜かれた。緩んだ後孔から雫が落ちてアヒムの下肢をつたう。

これで終わったのだ。

「中まで白く美しくなったな」

王は先ほど吐精した後孔を広げて言った。そしてその中に再び指をいれてかき混ぜた。

「うそっ、もうおわっ、たんじゃ……あぅっ」

「何を言っている。夜はまだ長く、余は満足していない」

王は欲情した獣のような顔をしてアヒムを見下ろした。その顔に絶望を感じた。

空が白むまでアヒムは王の胤を注がれ続けた。何度か意識を手放しても、快楽で起こされた。

泣いても、叫んでも、喘いでも、その責苦は終わらなかった。

最後にみた王の顔は酷く綺麗な笑みを浮かべていた。

太陽が彼を引き離してくれたが、月がまた彼を連れてくる。