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25:逃避行
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俺とレティシアしかいない二人だけの部屋で、彼女がどこかに行ってしまわないように手を取った。
「行かないでください。俺がついていけない遠くに。俺を置いて行かないでください」
自分でも情けないと思う声が出た。それでも、言わないといけない。彼女がどこか遠くへ行ってしまわないように。
「もう手遅れだというなら逃げましょう。タリロト領には閣下がいらっしゃる。そこまで行けば」
縋る俺にレティシアは向かい合い、優しく諭すように笑いかける。
「無理よ。王家も私がタリロト領に行くことぐらい考えて先回りしているはずだわ。私を捉えて、人質として使うつもりよ。そんな迷惑かけたくないわ」
「それなら、エテルネ大公国に行きましょう。大公はいつでも迎えてくれます。俺と一緒に…!」
レティシアに突然抱擁されて言葉を失った。
小さくて、温かく、そして柔らかい体が少し震えていることを知った。毅然とした態度をしてたから誤解していた。彼女だって本当は怖いのだ。
「ありがとう。あなたはいつでも優しくて誠実で……損ばかりしてる。ごめんなさい」
俺の手が宙を彷徨っている間に彼女の熱がはなれていく。それに名残惜しさを感じながら、ふんわりと香る甘い香りに胸をときめかせた。
こんな時に場違いの思いを抱いている自分が情けなく感じた。
「バティ、あと少しだけ、最後に私に付き合ってくれない?」
最後になんて言わないでほしい。
「ティジさまの為ならよろこんで」
この世界を滅ぼしたってかまわない。
「あなたの望みならなんでもかなえてさしあげます」
だから、お願いだから、生きることを諦めないでほしい。
「出掛けましょう。ちょっとした旅だと思って。時間はあるのだから荷物をまとめて。よく切れる剣と路銀は持っていかないと。大切なものは持っておいたほうがいいわね」
彼女の言葉に少しだけ歓喜した。俺と一緒に逃げてくれるのだと信じてやまなかった。
「これは神さまへのちょっとした抵抗で、悪あがきなの」
俺は神など信じていなかったが、彼女が信じるのなら、俺も信じよう。だが、俺のなかで神とはレティシアには劣る存在なのだ。
荷物をまとめて、レティシアと落ち合う場所である公爵邸の騎士宿舎の裏に行った。彼女は黒い外套を着て忍ぶようにいた。
外套の下はいつものようなドレスではなく、スラックスにジャケットという動きやすい格好だ。
「昔、バティが抜け穴を教えてくれたの」
「師匠がですか?」
「ええ。ほら、この外壁。すこし崩れていて、小さい子どもなら抜け出せるでしょ」
昔からレティシアがよく屋敷を抜け出していた理由がここにあるとは思わなかった。しかもその原因がアルバートであるとは。
「ですが、俺たちがここを通るのは無理ですよ」
子どもなら通れたが、俺もレティシアも子どもの体型ではない。通り抜けることは不可能だろう。
「大人はね、壁から少し飛び出ている煉瓦をうまく使って登り越えるの」
レティシアの言う通り、外壁は煉瓦でできており、何ヵ所か出っ張っている。これを足場にして登っていくのだろう。
「俺が先に登って、引っ張りあげます」
荷物を肩にかけて、身軽に塀の上にのると、レティシアに手を伸ばした。
よじ登るレティシアの小さな手を掴んで引き上げる。想像よりもずっと軽い体はあっさりと持ち上がり、俺の腕のなかにおさまった。
「このまま下に降りても大丈夫ですか?」
こんなに軽いならずっと抱えたままでも行動できるだろう。
「その方が安全そうなら」
レティシアは俺の首に腕を回してしがみついた。
片腕で彼女の体をささえながら、塀から飛び降りた。容易に着地すると、少し離れがたい気持ちを持ったまま、彼女を支えていた腕を解く。
「ありがとう。さあ、こっちよ」
レティシアは俺からはなれると、外井戸の方に向かった。
枯井戸は桶をおろすとカランと地面にぶつかる音をたてる。レティシアはロープを引っ張り確認した。
「ここは首都郊外につながる秘密の抜け道なの。下に降りて外に出ましょう」
レティシアは手慣れた様子でロープを使って井戸の中へ入っていった。俺もあとを追うように続いた。
それほど深くない井戸の底には横路があり、闇が広がっていた。
「たしか、ここに……あった」
レティシアは手探りでランプを見つけると、井戸の上からさしこむ日光をたよりにランプに火を灯した。そして、ぬっと広がる闇の中に足を踏み入れる。
彼女が闇に消えてしまわないように、俺はぴったり横について歩いた。
「使用人たちを置き去りにして、自分だけが逃げた卑怯者と思うでしょ」
少しひんやりとした坑道にレティシアの声が反響する。
「思いませんよ」
「そう? “レティシア”は、残虐非道で、権力を傘に人を人として扱わない悪女。その代償を払うべき時に、我が身可愛さから全てを投げ出して逃げる臆病で卑怯な人」
「それはあなたの話ではないでしょう」
彼女の話すレティシアは俺の知っている彼女ではない。
「それに誰だって自分の命は大切に思い、意地汚く生きたいと思うものです。戦場でみてきた兵士たちだってそうでした」
正義感があっても、国のため、家族のためと言われても、死の淵に立つと恐ろしく、足がすすまない。敵兵だって殺さないでくれと命乞いをするものもいる。そんな人達を沢山みてきた。だから、彼女が逃げることを俺は否定しない。
「それに屋敷の皆だって、あなたに生きてほしいと思っています。逃げてもいいんです」「……ありがとう」
暗い坑道を照らす炎が少し揺れ、光と影が大きく動いた。
「これからの事だけれど、あなたはなんとか悪女の魔の手から逃げて、恋人と逃避行中の英雄さまよ」
レティシアは坑道から出た後の俺たちの設定を話し始めた。これから追われる身となるのだからこう言った話を合わせるのは重要な事らしい。
「演技でも誰かの恋人役をするなんて気が乗らないでしょ。ごめんなさいね。でも、目的地につくまでだから」
そんなことはない。偽りだとしても恋人としていられるなど、こんな状況でなければ舞い上がるほど嬉しいだろう。
「恋人にでも、犬でも何でもなります。あなたの為なら」
レティシアの空いている手を握り、指を絡ませた。
指先は冷たく、微かに震えていた。
「行かないでください。俺がついていけない遠くに。俺を置いて行かないでください」
自分でも情けないと思う声が出た。それでも、言わないといけない。彼女がどこか遠くへ行ってしまわないように。
「もう手遅れだというなら逃げましょう。タリロト領には閣下がいらっしゃる。そこまで行けば」
縋る俺にレティシアは向かい合い、優しく諭すように笑いかける。
「無理よ。王家も私がタリロト領に行くことぐらい考えて先回りしているはずだわ。私を捉えて、人質として使うつもりよ。そんな迷惑かけたくないわ」
「それなら、エテルネ大公国に行きましょう。大公はいつでも迎えてくれます。俺と一緒に…!」
レティシアに突然抱擁されて言葉を失った。
小さくて、温かく、そして柔らかい体が少し震えていることを知った。毅然とした態度をしてたから誤解していた。彼女だって本当は怖いのだ。
「ありがとう。あなたはいつでも優しくて誠実で……損ばかりしてる。ごめんなさい」
俺の手が宙を彷徨っている間に彼女の熱がはなれていく。それに名残惜しさを感じながら、ふんわりと香る甘い香りに胸をときめかせた。
こんな時に場違いの思いを抱いている自分が情けなく感じた。
「バティ、あと少しだけ、最後に私に付き合ってくれない?」
最後になんて言わないでほしい。
「ティジさまの為ならよろこんで」
この世界を滅ぼしたってかまわない。
「あなたの望みならなんでもかなえてさしあげます」
だから、お願いだから、生きることを諦めないでほしい。
「出掛けましょう。ちょっとした旅だと思って。時間はあるのだから荷物をまとめて。よく切れる剣と路銀は持っていかないと。大切なものは持っておいたほうがいいわね」
彼女の言葉に少しだけ歓喜した。俺と一緒に逃げてくれるのだと信じてやまなかった。
「これは神さまへのちょっとした抵抗で、悪あがきなの」
俺は神など信じていなかったが、彼女が信じるのなら、俺も信じよう。だが、俺のなかで神とはレティシアには劣る存在なのだ。
荷物をまとめて、レティシアと落ち合う場所である公爵邸の騎士宿舎の裏に行った。彼女は黒い外套を着て忍ぶようにいた。
外套の下はいつものようなドレスではなく、スラックスにジャケットという動きやすい格好だ。
「昔、バティが抜け穴を教えてくれたの」
「師匠がですか?」
「ええ。ほら、この外壁。すこし崩れていて、小さい子どもなら抜け出せるでしょ」
昔からレティシアがよく屋敷を抜け出していた理由がここにあるとは思わなかった。しかもその原因がアルバートであるとは。
「ですが、俺たちがここを通るのは無理ですよ」
子どもなら通れたが、俺もレティシアも子どもの体型ではない。通り抜けることは不可能だろう。
「大人はね、壁から少し飛び出ている煉瓦をうまく使って登り越えるの」
レティシアの言う通り、外壁は煉瓦でできており、何ヵ所か出っ張っている。これを足場にして登っていくのだろう。
「俺が先に登って、引っ張りあげます」
荷物を肩にかけて、身軽に塀の上にのると、レティシアに手を伸ばした。
よじ登るレティシアの小さな手を掴んで引き上げる。想像よりもずっと軽い体はあっさりと持ち上がり、俺の腕のなかにおさまった。
「このまま下に降りても大丈夫ですか?」
こんなに軽いならずっと抱えたままでも行動できるだろう。
「その方が安全そうなら」
レティシアは俺の首に腕を回してしがみついた。
片腕で彼女の体をささえながら、塀から飛び降りた。容易に着地すると、少し離れがたい気持ちを持ったまま、彼女を支えていた腕を解く。
「ありがとう。さあ、こっちよ」
レティシアは俺からはなれると、外井戸の方に向かった。
枯井戸は桶をおろすとカランと地面にぶつかる音をたてる。レティシアはロープを引っ張り確認した。
「ここは首都郊外につながる秘密の抜け道なの。下に降りて外に出ましょう」
レティシアは手慣れた様子でロープを使って井戸の中へ入っていった。俺もあとを追うように続いた。
それほど深くない井戸の底には横路があり、闇が広がっていた。
「たしか、ここに……あった」
レティシアは手探りでランプを見つけると、井戸の上からさしこむ日光をたよりにランプに火を灯した。そして、ぬっと広がる闇の中に足を踏み入れる。
彼女が闇に消えてしまわないように、俺はぴったり横について歩いた。
「使用人たちを置き去りにして、自分だけが逃げた卑怯者と思うでしょ」
少しひんやりとした坑道にレティシアの声が反響する。
「思いませんよ」
「そう? “レティシア”は、残虐非道で、権力を傘に人を人として扱わない悪女。その代償を払うべき時に、我が身可愛さから全てを投げ出して逃げる臆病で卑怯な人」
「それはあなたの話ではないでしょう」
彼女の話すレティシアは俺の知っている彼女ではない。
「それに誰だって自分の命は大切に思い、意地汚く生きたいと思うものです。戦場でみてきた兵士たちだってそうでした」
正義感があっても、国のため、家族のためと言われても、死の淵に立つと恐ろしく、足がすすまない。敵兵だって殺さないでくれと命乞いをするものもいる。そんな人達を沢山みてきた。だから、彼女が逃げることを俺は否定しない。
「それに屋敷の皆だって、あなたに生きてほしいと思っています。逃げてもいいんです」「……ありがとう」
暗い坑道を照らす炎が少し揺れ、光と影が大きく動いた。
「これからの事だけれど、あなたはなんとか悪女の魔の手から逃げて、恋人と逃避行中の英雄さまよ」
レティシアは坑道から出た後の俺たちの設定を話し始めた。これから追われる身となるのだからこう言った話を合わせるのは重要な事らしい。
「演技でも誰かの恋人役をするなんて気が乗らないでしょ。ごめんなさいね。でも、目的地につくまでだから」
そんなことはない。偽りだとしても恋人としていられるなど、こんな状況でなければ舞い上がるほど嬉しいだろう。
「恋人にでも、犬でも何でもなります。あなたの為なら」
レティシアの空いている手を握り、指を絡ませた。
指先は冷たく、微かに震えていた。
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