27 / 28
26:ゲームの世界
しおりを挟む
オートゥイユ夫人がいなくなった王宮は膿が取り除かれたようで、心がいくぶんか穏やかだ。
「清々しました。我が物顔で宮殿を歩いたり、食事に乱入してきたりするあの女がいなくなって」
リゼットが嬉しそうに言った。
この王宮内でオートゥイユ夫人を最も嫌悪していたといっても過言ではない彼女が一番喜んでいる。
「リズ、あの詐欺集団は捕まったのかしら?」
「そうみたいです」
オートゥイユ夫人に割り当てられていた予算や財産は回収して、民に不満がたまらないように彼らに還元した。そうすることで民意もよい方向に流れる。
「ティオゾ伯爵を呼んでちょうだい。彼と話をしなければならないようだから」
「……わかりました」
リゼットはティオゾ伯爵ことテオドールが少し不気味に思っていた。
彼は実母が追いやられたにも関わらず、まるで王妃の忠犬でもあるかのように振る舞っている。
今だって、氷のようだと言われている彼は王妃の前ではまるで違う。その視線がどうにもゆるせなかった。
「ティオゾ伯爵、貴方に聞きたいことがあります」
「何なりと」
「クロードを焚き付けたのは貴方ですか? アンナ嬢とはどのような繋がりがあるのです」
クラウディアは疑問系できいてはいたが、確信のある口調であった。
テオドールは言い訳もせず、また慌てた素振りも見せなかった。
「そうです。アンナ嬢とは面識はありません。ただ彼女とは同じ穴の狢のようなものです」
テオドールの言っていることが理解できなかった。
ただ、ジョレアン公爵の不正および捕縛やアンナのことなどは機密であり、知っている人は限られている。そして限られた者のなかでクロードに良くも悪くも影響力があるのはテオドールだろう。
「貴方の目的はなんですか? クロードを貶めること? それとも王家への復讐やオートゥイユ夫人の敵討ちですか?」
「まさか。両陛下には感謝こそすれど恨みなどありません。それに夫人のことなどどうでもいい。あの人を母親とさえ思ったことはないですよ」
テオドールの言うことに嘘は感じられなかった。
クラウディアがテオドールをひとるまで、彼がどんな扱いを受けていたか想像に難くない。
幼いテオドールを放置して、彼の分まであてられた予算を使っていた。食べるものも着るものもまともに無く、王宮内であるのにも関わらず困窮していた。
「では、なぜクロードを焚き付けたのですか」
「貴女さまの為です。彼はアンナと結ばれる運命だったのです。だがこの世界の貴女はそれを絶対に許さない。それならば早く切り捨てられるようにと手をまわしたのです」
悪びれもなく至極真面目な表情でいうテオドールを怖いと感じた。
彼の言葉はまるで、世界を俯瞰で見下ろしているチェスプレイヤーのようだ。
「私のためだというのはやめなさい。そんなことを望んだ覚えはありません。何度もいいますが、貴方の望みにこたえることはありません。私は貴方の母であろうとしたのに……」
どこで間違えたのだろうか。
テオドールがこれほどまでに執着するなど思ってもいなかった。
「ええ、貴女は母でした」
「母に欲情したというのですか! 」
「母であり、恩人であり、想い人です」
テオドールの瞳がクラウディアをみつめてはなさない。
「貴女は国民の母なのです。それに恋慕して何がいけないのです?」
このままでは話が平行線だ。
何を言おうとテオドールはその気持ちを手放すことはないのだろう。
クラウディアは嘆息した。
「話を変えましょう。クロードがアンナ嬢と結ばれる運命とはどういうことですか。ここの世界の私は許さないという言葉も気になります」
「陛下はゲームを知っていますか?」
調子外れの質問に少し驚いたが、彼が無意味な質問をするわけもないだろうとこたえた。
「チェスやカードゲームのことかしら?」
「いいえ。それよりも物語的で恋愛小説のようなものです。その世界では、アンナという少女が王太子に見初められ、首都にやってきて、様々な男性と恋愛をするのです」
テオドールの言葉はまるで、この世界が彼の言うゲームか何かのようだと言っているみたいだ。
「王太子のクロードに、公爵令息のクリストフ、騎士団長の子息のジャン、宰相の子息のエドモンや隠しキャラのテオドールなど、多くの男が彼女のまわりを彩る」
知っている名前が多くある。
話の内容についていけず、テオドールの言葉を黙って聞くことしかできなかった。
「ゲームの世界での貴女は、あの断罪劇でアンナとクロードの婚約を認めた。その条件は、仮面舞踏会でアンナが貴女と接触することだ。そこでアンナの人柄にふれて結婚までゆるすのです」
ありえない話だ。
人柄がよいからといって貴賤結婚を認めるわけがない。それは王族としてうまれたクラウディアには考えられないことであり、そのようなことをおこなえば国内は混乱し、諸外国には侮られ、そして神罰がくだる。
それにあの仮面舞踏会でアンナと接触しなかった、いやできなかったのはここにいるテオドールがいたからだ。
つまり、彼が妨害したということだろう。
「あのパーティーで断罪劇が起こるのも運命通りであり、きっと私が焚き付けなくとも起きていたことでしょう」
頭が痛くなってきた。
クラウディアは片手で頭をおさえた。
「少し整理させてちょうだい。貴方は予言書のようなものを知っていて、あえてそのような行動をとったというのですか?」
「そうです。陛下にみつけてもらうために」
狂気を感じた。
彼はまるで物語でも読むかのようにクラウディアたちに接しているようだ。
「私たちは物語の登場人物でもなければ、ゲームの駒でもありません。そのようなシナリオという言葉で決められた通りに動いているはずありません」
「貴女だけが特別なのです。だから気づいてほしかった。知っていますか、隠しキャラのテオドールは叶わぬ恋に身を焦がしており、そこからヒロインがテオドールによりそい攻略していく。その相手は誰か明言されていなかったが、私は王妃のことだとおもっています」
「わけのわからないことを……。兎に角、これ以上、私の家族に手をださないでちょうだい。貴方の気持ちにはこたえられない」
「家族ですか。私もその中に入っているのでしょうか。それにお腹の子も」
テオドールが何を言おうとしているのかはっと気付く。
「その子は本当に陛下との子ですか?」
クラウディアは大きく手をふりあげて、テオドールの頬を叩いた。
そして震える手で自分の腹をおさえた。
彼女自身にもわからなかった。
テオドールに体をゆるしたのはたったの一回きりだ。その前にアルフレッドとベッドを共にしていた。
いや、本当はわかっている。きっとこの子は……。
「失礼しました。私はただ陛下の安寧を願っているのです」
「もうよい。さがれ」
「はい」
テオドールがさる間際にクラウディアは口を開いた。
「……もし今後またこのように運命だ私の為だと言って王家と国家を貶めようとするならば、そなたが焦がれたこの体と腹の赤子と共に命をたってやる」
これがテオドールに最も効果的な脅し文句であることをわかって言った。そしてクラウディアの覚悟でもあった。
テオドールは恐怖にも似た表情を浮かべて、退出した。
「清々しました。我が物顔で宮殿を歩いたり、食事に乱入してきたりするあの女がいなくなって」
リゼットが嬉しそうに言った。
この王宮内でオートゥイユ夫人を最も嫌悪していたといっても過言ではない彼女が一番喜んでいる。
「リズ、あの詐欺集団は捕まったのかしら?」
「そうみたいです」
オートゥイユ夫人に割り当てられていた予算や財産は回収して、民に不満がたまらないように彼らに還元した。そうすることで民意もよい方向に流れる。
「ティオゾ伯爵を呼んでちょうだい。彼と話をしなければならないようだから」
「……わかりました」
リゼットはティオゾ伯爵ことテオドールが少し不気味に思っていた。
彼は実母が追いやられたにも関わらず、まるで王妃の忠犬でもあるかのように振る舞っている。
今だって、氷のようだと言われている彼は王妃の前ではまるで違う。その視線がどうにもゆるせなかった。
「ティオゾ伯爵、貴方に聞きたいことがあります」
「何なりと」
「クロードを焚き付けたのは貴方ですか? アンナ嬢とはどのような繋がりがあるのです」
クラウディアは疑問系できいてはいたが、確信のある口調であった。
テオドールは言い訳もせず、また慌てた素振りも見せなかった。
「そうです。アンナ嬢とは面識はありません。ただ彼女とは同じ穴の狢のようなものです」
テオドールの言っていることが理解できなかった。
ただ、ジョレアン公爵の不正および捕縛やアンナのことなどは機密であり、知っている人は限られている。そして限られた者のなかでクロードに良くも悪くも影響力があるのはテオドールだろう。
「貴方の目的はなんですか? クロードを貶めること? それとも王家への復讐やオートゥイユ夫人の敵討ちですか?」
「まさか。両陛下には感謝こそすれど恨みなどありません。それに夫人のことなどどうでもいい。あの人を母親とさえ思ったことはないですよ」
テオドールの言うことに嘘は感じられなかった。
クラウディアがテオドールをひとるまで、彼がどんな扱いを受けていたか想像に難くない。
幼いテオドールを放置して、彼の分まであてられた予算を使っていた。食べるものも着るものもまともに無く、王宮内であるのにも関わらず困窮していた。
「では、なぜクロードを焚き付けたのですか」
「貴女さまの為です。彼はアンナと結ばれる運命だったのです。だがこの世界の貴女はそれを絶対に許さない。それならば早く切り捨てられるようにと手をまわしたのです」
悪びれもなく至極真面目な表情でいうテオドールを怖いと感じた。
彼の言葉はまるで、世界を俯瞰で見下ろしているチェスプレイヤーのようだ。
「私のためだというのはやめなさい。そんなことを望んだ覚えはありません。何度もいいますが、貴方の望みにこたえることはありません。私は貴方の母であろうとしたのに……」
どこで間違えたのだろうか。
テオドールがこれほどまでに執着するなど思ってもいなかった。
「ええ、貴女は母でした」
「母に欲情したというのですか! 」
「母であり、恩人であり、想い人です」
テオドールの瞳がクラウディアをみつめてはなさない。
「貴女は国民の母なのです。それに恋慕して何がいけないのです?」
このままでは話が平行線だ。
何を言おうとテオドールはその気持ちを手放すことはないのだろう。
クラウディアは嘆息した。
「話を変えましょう。クロードがアンナ嬢と結ばれる運命とはどういうことですか。ここの世界の私は許さないという言葉も気になります」
「陛下はゲームを知っていますか?」
調子外れの質問に少し驚いたが、彼が無意味な質問をするわけもないだろうとこたえた。
「チェスやカードゲームのことかしら?」
「いいえ。それよりも物語的で恋愛小説のようなものです。その世界では、アンナという少女が王太子に見初められ、首都にやってきて、様々な男性と恋愛をするのです」
テオドールの言葉はまるで、この世界が彼の言うゲームか何かのようだと言っているみたいだ。
「王太子のクロードに、公爵令息のクリストフ、騎士団長の子息のジャン、宰相の子息のエドモンや隠しキャラのテオドールなど、多くの男が彼女のまわりを彩る」
知っている名前が多くある。
話の内容についていけず、テオドールの言葉を黙って聞くことしかできなかった。
「ゲームの世界での貴女は、あの断罪劇でアンナとクロードの婚約を認めた。その条件は、仮面舞踏会でアンナが貴女と接触することだ。そこでアンナの人柄にふれて結婚までゆるすのです」
ありえない話だ。
人柄がよいからといって貴賤結婚を認めるわけがない。それは王族としてうまれたクラウディアには考えられないことであり、そのようなことをおこなえば国内は混乱し、諸外国には侮られ、そして神罰がくだる。
それにあの仮面舞踏会でアンナと接触しなかった、いやできなかったのはここにいるテオドールがいたからだ。
つまり、彼が妨害したということだろう。
「あのパーティーで断罪劇が起こるのも運命通りであり、きっと私が焚き付けなくとも起きていたことでしょう」
頭が痛くなってきた。
クラウディアは片手で頭をおさえた。
「少し整理させてちょうだい。貴方は予言書のようなものを知っていて、あえてそのような行動をとったというのですか?」
「そうです。陛下にみつけてもらうために」
狂気を感じた。
彼はまるで物語でも読むかのようにクラウディアたちに接しているようだ。
「私たちは物語の登場人物でもなければ、ゲームの駒でもありません。そのようなシナリオという言葉で決められた通りに動いているはずありません」
「貴女だけが特別なのです。だから気づいてほしかった。知っていますか、隠しキャラのテオドールは叶わぬ恋に身を焦がしており、そこからヒロインがテオドールによりそい攻略していく。その相手は誰か明言されていなかったが、私は王妃のことだとおもっています」
「わけのわからないことを……。兎に角、これ以上、私の家族に手をださないでちょうだい。貴方の気持ちにはこたえられない」
「家族ですか。私もその中に入っているのでしょうか。それにお腹の子も」
テオドールが何を言おうとしているのかはっと気付く。
「その子は本当に陛下との子ですか?」
クラウディアは大きく手をふりあげて、テオドールの頬を叩いた。
そして震える手で自分の腹をおさえた。
彼女自身にもわからなかった。
テオドールに体をゆるしたのはたったの一回きりだ。その前にアルフレッドとベッドを共にしていた。
いや、本当はわかっている。きっとこの子は……。
「失礼しました。私はただ陛下の安寧を願っているのです」
「もうよい。さがれ」
「はい」
テオドールがさる間際にクラウディアは口を開いた。
「……もし今後またこのように運命だ私の為だと言って王家と国家を貶めようとするならば、そなたが焦がれたこの体と腹の赤子と共に命をたってやる」
これがテオドールに最も効果的な脅し文句であることをわかって言った。そしてクラウディアの覚悟でもあった。
テオドールは恐怖にも似た表情を浮かべて、退出した。
168
お気に入りに追加
321
あなたにおすすめの小説

妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

第一王子は男爵令嬢にご執心なようなので、国は私と第二王子にお任せください!
黒うさぎ
恋愛
公爵令嬢であるレイシアは、第一王子であるロイスの婚約者である。
しかし、ロイスはレイシアを邪険に扱うだけでなく、男爵令嬢であるメリーに入れ込んでいた。
レイシアにとって心安らぐのは、王城の庭園で第二王子であるリンドと語らう時間だけだった。
そんなある日、ついにロイスとの関係が終わりを迎える。
「レイシア、貴様との婚約を破棄する!」
第一王子は男爵令嬢にご執心なようなので、国は私と第二王子にお任せください!
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。

これでお仕舞い~婚約者に捨てられたので、最後のお片付けは自分でしていきます~
ゆきみ山椒
恋愛
婚約者である王子からなされた、一方的な婚約破棄宣言。
それを聞いた侯爵令嬢は、すべてを受け入れる。
戸惑う王子を置いて部屋を辞した彼女は、その足で、王宮に与えられた自室へ向かう。
たくさんの思い出が詰まったものたちを自分の手で「仕舞う」ために――。
※この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!

契約婚なのだから契約を守るべきでしたわ、旦那様。
よもぎ
恋愛
白い結婚を三年間。その他いくつかの決まり事。アンネリーナはその条件を呑み、三年を過ごした。そうして結婚が終わるその日になって三年振りに会った戸籍上の夫に離縁を切り出されたアンネリーナは言う。追加の慰謝料を頂きます――

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。

王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。
ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる