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70話

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ボクは万能勇者ケンタローさんと共に北の大地に立っている。

「ゲンブドラゴンは攻撃してこない事もあり、Dの勇者であれば誰もが一度は自分は倒せる事が出来るのか挑戦したくなるドラゴンです。私も挑戦した事があるが倒す事おろかキズ一つつける事が出来なかったです」

ケンタローさんも挑戦した事があるんだな。

「一般的には倒せた者はいないとなっていますが、王家に伝わる話では一度だけ倒した者がいます。その人は伝説の勇者のリュウケン」

伝説の勇者リュウケン。リュウケンは7つのドラゴンストーンを胸に埋め込み数々の伝説を残した勇者。

じゃあボクもゲンブドラゴンを倒す事が出来たのなら伝説として名を残す事が出来るのかな・・・ちょっと待って・・・伝説の勇者リュウケンは7つのドラゴンストーンを集めたって事は龍人を倒したって事なのか・・・

「早速だがゲンブドラゴンのところまで行くとしましょう。道案内は任せてください」

「はい、お願いします」

しばらくするとゲンブドラゴンが見えてきた。その姿は烈火ドラゴンと同じくらいの大きさで平屋の一軒家くらいの大きさだが、真っ黒な姿は烈火ドラゴンとも違う恐怖をともなう威圧感がある。

「弱点を見てみます。鑑定眼・開眼」

ゲンブドラゴンの弱点が見えてきた。がしかし何かおかしい・・・

「どうかしましたか?」

「・・・ゲンブドラゴンの弱点は全てです。どこを攻撃しても弱点です」

「じゃあボクを含めて今までの勇者は弱点を攻撃していたけど、倒す事が出来なかったというわけですね」

「そうみたいですね。ゲンブドラゴンの倒し方は非常に強力な一撃を叩き込み、柔らかな皮膚を突き破る事が出来たら死にます」

「・・・少し気になるんですが、何故ホクトさんは倒し方を知っているのでしょうか?伝説の勇者リュウケンしか倒した者がいないゲンブドラゴンの倒し方を・・・」

「えっと、それは・・・ボクは鑑定眼・心眼で過去を見えるからですよ、ハハハ・・・」

まさか世界を滅ぼした前世の過去を見たという事までは言えないよな・・・

「伝説の勇者リュウケンも鑑定スキルを持っていた勇者。鑑定眼は強いスキルですね。私は王家に生まれた人間で万能勇者になる事が運命だった人間。王家に生まれなかったら私は一体どんなスキルを授かっていたのでしょうか・・・」

なんとか誤魔化せたのかな?1番強いと言われる万能勇者は万能勇者で悩みがあるんだな・・・

「話はここまでにして、まずはボクがゲンブドラゴンに攻撃してみます」

「龍天飛翔穴」

ボクは龍天穴を突き、バフをかけた後にアイテム収納袋から魔王の柳葉包丁を取り出し、自身の最高の攻撃を込めた一撃をゲンブドラゴンに突き刺した。

ポヨーン・・・

あれ?攻撃しても反射攻撃が何もないよ・・・

「こう言えば失礼になるのは承知で言いますが、ホクトさんの攻撃はゲンブドラゴンには攻撃と見なされていないようです」

ガーン・・・まぁ前世の過去を見ていたからわかっていた事だけど改めて自分の攻撃力のなさにはショックを受けるな・・・
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