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64話

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「なんではるか昔のはずなのにボクの姿が見えるんだろ・・・」

腹の底に響くような恐ろしい声が聞こえてきた。

「この宇宙はビッグバンで膨張して始まり、567億年後にビッグクランチで収縮して終わり、またビッグバンで始まりを繰り返す世界。お主が今見ていたのは567億年前の過去で今の世界とは少し違うところがあるパラレルワールドの世界」

ボクは今パラレルワールドの世界を見ていたのか・・・

「お主は567億年前に7つのドラゴンストーンを手に入れ、その後暴走して15年前の悲劇を再び起こし世界を滅ぼした」

ボクが世界を滅ぼした・・・

「世界を滅ぼしたお主の魂は何故か輪廻転生を繰り返しこの世界に再び舞い戻った。世界を滅ぼした者が輪廻転生を繰り返し世界に戻ってくる事はありえない事なのだ。何故再びこの世界に戻る事になったのかは創造主にしかわからない」

創造主・・・

「お主が再びこの世界を滅ぼした時は全ての魂は消滅して二度と世界は再生しないだろう。創造主はこの世の全てを無に還すつもりなんだろうか、それとも・・・」

この世界が滅ぶかどうかボク次第って事なの?・・・

「お主の人生は矛盾に溢れている。お主が世界を救おうと行動すれば世界は滅び、世界を滅ぼそうと思えば世界は救われ、お主も救われる」

えっ、何それ・・・

「時の流れの呪縛は強い。だからこそお主は世界を滅ぼした567億年前の過去を見れば未来が見える。【過去を制する者は未来を制する。現在を制する者は過去を制する】ホクトよ、未来を見て現在を制し、世界を滅ぼした過去を制してみろ」

「・・・わかりました」

「お主なら全ての魂を救済する事が出来るだろう。それではさらばだ」

・・・・・

ボクは567億年前に自分がどんな選択をしてどう世界を滅ぼしたのか過去を見る事にしてみた。

・・・・・

「そんな・・・ボクは何故こんな事を・・・」

・・・・・

「567億年前の過去が世界を滅ぼした過去というのならその前の世界、1134億年前はどんな感じなんだろう・・・」

・・・・・

「烈火ドラゴンと戦っている過去が見えてきた・・・あっ!ボクは烈火ドラゴンに負けて死んでしまったのか・・・その過去があったから567億年前の過去ではその過去を制して未来を変えて烈火ドラゴンを倒す事が出来たのか・・・それでは1701億年前は・・・」

・・・・・

「イヒヒヒのボス猿との過去が見えてきた。やっぱりこの過去が見えるのか・・・そしてボクはイヒヒヒのボス猿に負けて死んでしまう・・・」

・・・・・

「567億年前の過去を見て未来を制し、未来を見て現在を制し世界を滅ぼした過去を変える。ボクの人生が矛盾している人生だというのならボクは世界を滅ぼしてこの世界を救ってみせる」

ボクはアイテム収納袋から太陽のドラゴンストーンを取り出し、光の指す方へ歩き始めた。

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