28 / 88
28話
しおりを挟む
「これがヒエイ石か」
魔道具屋で売っている親指サイズのヒエイ石のネックレスを手に取りボクはじっくりと眺めていた。
小さなモノなら親指サイズ、大きなモノなら拳大のサイズのヒエイ石。
最高峰のヒヒイロの鐘ならどのくらいの大きさになるんだろうか・・・
「これ一つください」
「はいよ」
ボクはヒエイ石のネックレスを身につけ、火耐性をアップさせる。
ファイアリザードのレザーの上下に烈火ドラゴンの革でコーティングした二つの盾、そして新たに購入したヒエイ石のネックレス。
火耐性はバッチリで挑むのはヒエイ山。調査対象は異なる火の狒々と言われるイヒヒヒ。
15年前の出来事があった時に烈火ドラゴンからヤバイカザンの街を守った事から守り神とされて、今では討伐禁止となってしまった獣人の魔物。
攻撃力に全振りしたのと思うくらい超火力だが防御力はまったくないという特殊なタイプの魔物。
ヒエイ石はイヒヒヒから取れる魔石のため、現在出回ってるヒエイ石は過去に採取された魔石。
長年の使い回しで劣化してきているので新しい魔石が欲しいところだが守り神のため討伐禁止。
まれに人里に危害を加えるイヒヒヒもいたが、そのイヒヒヒは討伐してもいい事になっているため、その度に鍛治勇者のゼロさんが討伐してきた。
もちろん鍛治勇者のゼロさんはそのヒエイ石は鍛治に使っていたから市場にヒエイ石が出回る事はなかった。
今回の調査目的はヒエイ石をどうにかして調達できないか調べるための調査。
イヒヒヒ達同士で争う事もありその過程で亡くなるモノもいれば、自然死するモノもいるはず。
でもこれはイヒヒヒ達の墓を荒らす事にも繋がる。
討伐する事もなく墓を荒らす事もなく定期的にヒエイ石を調達する事は出来ないのだろうか。
15年もヒエイ山に人が入っていないので登山口らしいモノはもちろんない。
その上でトリプルAランクのイヒヒヒに注意しながら草木の生い茂る山道を歩くのは大変。
ボクは準備万端でこれからヒエイ山に入っていく。
でもその前に腹ごしらえとして、いつもの朝食の卵とお米を取り出して卵かけご飯をスルッと食べる。
安定の味を噛み締めてヒエイ山に入山だ。
~~~
入山開始から5分、早速3匹のイヒヒヒ達に囲まれてしまった。
えっーーーーーー
運がいいと言っていいのか悪いと言っていいのかわからないこの状況。
入山して5分のため逃げる事はおそらく簡単だが、今回は調査目的で入山している。
相手の出方を見ながらどうするかじっくり考える。
そんな暇を与える事なく1匹のイヒヒヒが目の前までやってきてゆっくりと拳を突き出してくる。
そしてイヒヒヒの胸にはキラキラと燃え盛るように赤く光るヒエイ石。
えっ、何この状況・・・
ボクはとりあえずガードする構えを取り、脇をしめ両腕を前に持ってきた。
その構えを見たもう1匹のイヒヒヒがボクの腕と目の前にやってきたイヒヒヒの腕を取り、お互いの拳をくっつけた。
その瞬間から始まるイヒヒヒの左右のストレート、フックを合わせた高速ラッシュ。
ボクは慌ててガードするもあまりの威力に吹き飛ばされる。だが今のところはケガはしていない。
あれから二刀流スキルはレベル4に上がり、さらに防御力は上がっている。
これなら鑑定眼を使いながらラッシュを見極め、対応すればなんとかやっていけそうだ。
だが3匹相手をどう立ち回ったらいいのだろうか・・・
ボクはすぐに立ち上がり、ガードの構えをする。
その時、奇妙な事に気づいた。
意外な事に倒れている間にイヒヒヒ達はボクに追撃を仕掛ける様子はなかった。
そして3匹のイヒヒヒがいるにもかかわらず一対一の勝負のようだ。
よしこれならボクでもやり合う事が出来るはず。
討伐禁止だからこの勝負どうなったら決着が着くのかはまだわからないが、とりあえずイヒヒヒに防御力がないのならシールドバッシュでブン殴るだけだ。
魔道具屋で売っている親指サイズのヒエイ石のネックレスを手に取りボクはじっくりと眺めていた。
小さなモノなら親指サイズ、大きなモノなら拳大のサイズのヒエイ石。
最高峰のヒヒイロの鐘ならどのくらいの大きさになるんだろうか・・・
「これ一つください」
「はいよ」
ボクはヒエイ石のネックレスを身につけ、火耐性をアップさせる。
ファイアリザードのレザーの上下に烈火ドラゴンの革でコーティングした二つの盾、そして新たに購入したヒエイ石のネックレス。
火耐性はバッチリで挑むのはヒエイ山。調査対象は異なる火の狒々と言われるイヒヒヒ。
15年前の出来事があった時に烈火ドラゴンからヤバイカザンの街を守った事から守り神とされて、今では討伐禁止となってしまった獣人の魔物。
攻撃力に全振りしたのと思うくらい超火力だが防御力はまったくないという特殊なタイプの魔物。
ヒエイ石はイヒヒヒから取れる魔石のため、現在出回ってるヒエイ石は過去に採取された魔石。
長年の使い回しで劣化してきているので新しい魔石が欲しいところだが守り神のため討伐禁止。
まれに人里に危害を加えるイヒヒヒもいたが、そのイヒヒヒは討伐してもいい事になっているため、その度に鍛治勇者のゼロさんが討伐してきた。
もちろん鍛治勇者のゼロさんはそのヒエイ石は鍛治に使っていたから市場にヒエイ石が出回る事はなかった。
今回の調査目的はヒエイ石をどうにかして調達できないか調べるための調査。
イヒヒヒ達同士で争う事もありその過程で亡くなるモノもいれば、自然死するモノもいるはず。
でもこれはイヒヒヒ達の墓を荒らす事にも繋がる。
討伐する事もなく墓を荒らす事もなく定期的にヒエイ石を調達する事は出来ないのだろうか。
15年もヒエイ山に人が入っていないので登山口らしいモノはもちろんない。
その上でトリプルAランクのイヒヒヒに注意しながら草木の生い茂る山道を歩くのは大変。
ボクは準備万端でこれからヒエイ山に入っていく。
でもその前に腹ごしらえとして、いつもの朝食の卵とお米を取り出して卵かけご飯をスルッと食べる。
安定の味を噛み締めてヒエイ山に入山だ。
~~~
入山開始から5分、早速3匹のイヒヒヒ達に囲まれてしまった。
えっーーーーーー
運がいいと言っていいのか悪いと言っていいのかわからないこの状況。
入山して5分のため逃げる事はおそらく簡単だが、今回は調査目的で入山している。
相手の出方を見ながらどうするかじっくり考える。
そんな暇を与える事なく1匹のイヒヒヒが目の前までやってきてゆっくりと拳を突き出してくる。
そしてイヒヒヒの胸にはキラキラと燃え盛るように赤く光るヒエイ石。
えっ、何この状況・・・
ボクはとりあえずガードする構えを取り、脇をしめ両腕を前に持ってきた。
その構えを見たもう1匹のイヒヒヒがボクの腕と目の前にやってきたイヒヒヒの腕を取り、お互いの拳をくっつけた。
その瞬間から始まるイヒヒヒの左右のストレート、フックを合わせた高速ラッシュ。
ボクは慌ててガードするもあまりの威力に吹き飛ばされる。だが今のところはケガはしていない。
あれから二刀流スキルはレベル4に上がり、さらに防御力は上がっている。
これなら鑑定眼を使いながらラッシュを見極め、対応すればなんとかやっていけそうだ。
だが3匹相手をどう立ち回ったらいいのだろうか・・・
ボクはすぐに立ち上がり、ガードの構えをする。
その時、奇妙な事に気づいた。
意外な事に倒れている間にイヒヒヒ達はボクに追撃を仕掛ける様子はなかった。
そして3匹のイヒヒヒがいるにもかかわらず一対一の勝負のようだ。
よしこれならボクでもやり合う事が出来るはず。
討伐禁止だからこの勝負どうなったら決着が着くのかはまだわからないが、とりあえずイヒヒヒに防御力がないのならシールドバッシュでブン殴るだけだ。
0
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説
異世界転生 転生後は自由気ままに〜
猫ダイスキー
ファンタジー
ある日通勤途中に車を運転していた青野 仁志(あおの ひとし)は居眠り運転のトラックに後ろから追突されて死んでしまった。
しかし目を覚ますと自称神様やらに出会い、異世界に転生をすることになってしまう。
これは異世界転生をしたが特に特別なスキルを貰うでも無く、主人公が自由気ままに自分がしたいことをするだけの物語である。
小説家になろうで少し加筆修正などをしたものを載せています。
更新はアルファポリスより遅いです。
ご了承ください。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
黒の皇子と七人の嫁
野良ねこ
ファンタジー
世界で唯一、魔法を使うことのできない少年レイシュア・ハーキースは故郷である『フォルテア村を豊かにする』ことを目標に幼馴染のアル、リリィと共に村を出て冒険者の道を進み始めます。
紡がれる運命に導かれ、かつて剣聖と呼ばれた男の元に弟子入りする三人。
五年間の修行を経て人並み以上の力を手にしたまでは順風満帆であったのだが、回り続ける運命の輪はゆっくりと加速して行きます。
人間に紛れて生きる獣人、社会転覆を狙い暗躍する魔族、レイシュアの元に集まる乙女達。
彼に課せられた運命とはいったい……
これは一人の少年が世界を変えゆく物語、彼の心と身体がゆっくりと成長してゆく様を見届けてあげてください。
・転生、転移物でもなければザマァもありません。100万字超えの長編ですが、よろしければお付き合いください。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる