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鑑定士、それはこの世には必須の職業。
冒険者が採取してきたアイテムや魔石などありとあらゆるモノを鑑定する。
下級鑑定士は鑑定眼・開眼でモノの名前や品質など現在の状況が見える。
上級鑑定士は鑑定眼・心眼でどうやって採取されたモノなのか過去の状況が見える。
そして・・・
~~~
ボクの名前はホクト、15歳。
今日は教会でスキルを授かる日。
スキルとは神託の儀で授かる強力な能力。
どんなスキルでも極めれば最強になると言われている。
1つしかスキルを授からなかった者は普通。
2つスキルを授かった者は英雄と呼ばれる。
3つスキルを授かった者は勇者と呼ばれる。
スキルの中でも剣術スキルは大人気のスキルで、勇者と呼ばれる者にとっては必須といってもいいスキルだ。
次に人気なのが魔術スキル。魔法をバンバン打って魔物を倒す姿は圧巻だ。
他にも様々なスキルが存在する。
盾術、弓術、打撃術、回復術なんかは剣術スキルと合わせれば万能性がでて強いスキルだ。
二刀流スキルと剣術スキルの組み合わせなんかは男のロマンだ。
もちろん戦いに向いていないスキルもたくさんある。
鑑定、鍛治、裁縫、料理なんかのスキルは生活には必須だけど冒険者には向いてないスキルだ。
スキルの話についてこのくらいにしておこう。
ボクは幼い頃に魔物の襲撃に合い、両親を亡くしている。
その時助けてくれた勇者様に言われた事があった。
「人を助けるのが勇者であり冒険者だ。大きくなって冒険者を目指した時、不遇と言われるスキルを授かる事になっても、決して諦めちゃいけない。諦めたらそこで試合終了ですよ」
ボクはその言葉を胸に神託の儀を受けるために教会に向かった。
~~~
教会に着くと同い年の幼馴染や友達もいた。
その中にはイヤミで会いたくないヤツも・・・
「あなたに神のご加護ありますように」
次々と友達はスキルを授かっていく。
商人の息子は交渉術スキル、鍛治師の娘は鍛治スキル。
満足出来た人もいれば、不満を持った人もいる。
冒険者になりたかったけど、剣術スキルではなく料理スキルを授かった者。
動物系の魔物であれば料理スキルは、意外にも有能な攻撃スキルだったりもするんだけどね。
そんな事を考えながら、自分の番を待っていると歓声が上がった。
歓声の上がった人をよく見たら、ボクをいじめてくるイヤミなヤツ、名前はセイヤ。
セイヤの父は2つスキルを持っている英雄だから、いつも偉そうにしているヤツだ。
「ダブルスキル。あなたは剣術スキルと弓術スキルを授かりました」
2つの攻撃スキルは英雄と呼ばれる者としては良いスキル構成だ。
セイヤがこっちに向かってきた。
「へへん、これが俺の実力だ」
めっちゃすごいドヤ顔を見せてくる。
終わったなら早く帰れよと思うが、帰る気配を一向に見せない。
次は幼馴染のマイヤの番だった。
「・・・」
急に神父は黙り込む。
辺りもその異様さに気づいて静まり返る。
「ト、トリプルスキル!!あなたは剣術スキル、魔術スキル、料理スキルを授かりました」
辺りは大歓声に包まれた。
トリプルスキルは勇者を示す。
料理スキルは一見すると、冒険者にとってハズレスキルに思われるが、魔術スキルと合わされば別だ。
魔術を使って料理する。それは錬金術といわれるモノになる。
攻撃力アップ、魔力アップ、ありとあらゆるバフ効果の持つアイテムを自作できる事を意味する。
マイヤがこっちに向かってきた。
「ワタシが勇者・・・・・」
しばらく考えこんだ後、マイヤが口を開いた。
「次はホクトの番だね、頑張ってね」
「うん・・・」
ボクの足取りは重かった。
だってトリプルスキルの次のプレッシャーは半端ないんだもん。
「あなたに神のご加護がありますように」
神父が祈りを捧げるとボクに一筋の光が差し込む。
「ト、トリプルスキル!!」
その言葉に辺りは大歓声が上がった。
しかし神父は浮かない顔をしている。
そんな事に気づくはずもなく、ボクの心臓はバクバクいって今にも飛び出してしまいそうな勢いだ。
「トリプルスキル。あなたは盾術スキル、二刀流スキル、鑑定スキルを授かりました」
「えっ!・・・えっーーーと・・・」
ボクは戸惑っていた。
今までトリプルスキルを授かった勇者は剣術スキルか魔術スキルのどちらかは必ずといっていいほど授かっていた。
大活躍を見せるからこそ、トリプルスキルを授かった者は勇者と呼ばれる。
剣術も魔術もない勇者は大活躍を見せる事が出来ないからハズレ勇者と呼ばれる。
ボクはハズレ勇者になっちゃった・・・
しばらくたっても戸惑っているボクのところに、マイヤが駆け寄ってきた。
「ホクトも勇者だなんてこれは運命よ。ホクトは盾術持っているから、ワタシが攻撃担当でホクトは防御担当。ワタシの事をしっかり守ってね」
ボクはマイヤの言葉で勇気をもらえた。
希望に満ち溢れたボク達の冒険が今始まる。
冒険者が採取してきたアイテムや魔石などありとあらゆるモノを鑑定する。
下級鑑定士は鑑定眼・開眼でモノの名前や品質など現在の状況が見える。
上級鑑定士は鑑定眼・心眼でどうやって採取されたモノなのか過去の状況が見える。
そして・・・
~~~
ボクの名前はホクト、15歳。
今日は教会でスキルを授かる日。
スキルとは神託の儀で授かる強力な能力。
どんなスキルでも極めれば最強になると言われている。
1つしかスキルを授からなかった者は普通。
2つスキルを授かった者は英雄と呼ばれる。
3つスキルを授かった者は勇者と呼ばれる。
スキルの中でも剣術スキルは大人気のスキルで、勇者と呼ばれる者にとっては必須といってもいいスキルだ。
次に人気なのが魔術スキル。魔法をバンバン打って魔物を倒す姿は圧巻だ。
他にも様々なスキルが存在する。
盾術、弓術、打撃術、回復術なんかは剣術スキルと合わせれば万能性がでて強いスキルだ。
二刀流スキルと剣術スキルの組み合わせなんかは男のロマンだ。
もちろん戦いに向いていないスキルもたくさんある。
鑑定、鍛治、裁縫、料理なんかのスキルは生活には必須だけど冒険者には向いてないスキルだ。
スキルの話についてこのくらいにしておこう。
ボクは幼い頃に魔物の襲撃に合い、両親を亡くしている。
その時助けてくれた勇者様に言われた事があった。
「人を助けるのが勇者であり冒険者だ。大きくなって冒険者を目指した時、不遇と言われるスキルを授かる事になっても、決して諦めちゃいけない。諦めたらそこで試合終了ですよ」
ボクはその言葉を胸に神託の儀を受けるために教会に向かった。
~~~
教会に着くと同い年の幼馴染や友達もいた。
その中にはイヤミで会いたくないヤツも・・・
「あなたに神のご加護ありますように」
次々と友達はスキルを授かっていく。
商人の息子は交渉術スキル、鍛治師の娘は鍛治スキル。
満足出来た人もいれば、不満を持った人もいる。
冒険者になりたかったけど、剣術スキルではなく料理スキルを授かった者。
動物系の魔物であれば料理スキルは、意外にも有能な攻撃スキルだったりもするんだけどね。
そんな事を考えながら、自分の番を待っていると歓声が上がった。
歓声の上がった人をよく見たら、ボクをいじめてくるイヤミなヤツ、名前はセイヤ。
セイヤの父は2つスキルを持っている英雄だから、いつも偉そうにしているヤツだ。
「ダブルスキル。あなたは剣術スキルと弓術スキルを授かりました」
2つの攻撃スキルは英雄と呼ばれる者としては良いスキル構成だ。
セイヤがこっちに向かってきた。
「へへん、これが俺の実力だ」
めっちゃすごいドヤ顔を見せてくる。
終わったなら早く帰れよと思うが、帰る気配を一向に見せない。
次は幼馴染のマイヤの番だった。
「・・・」
急に神父は黙り込む。
辺りもその異様さに気づいて静まり返る。
「ト、トリプルスキル!!あなたは剣術スキル、魔術スキル、料理スキルを授かりました」
辺りは大歓声に包まれた。
トリプルスキルは勇者を示す。
料理スキルは一見すると、冒険者にとってハズレスキルに思われるが、魔術スキルと合わされば別だ。
魔術を使って料理する。それは錬金術といわれるモノになる。
攻撃力アップ、魔力アップ、ありとあらゆるバフ効果の持つアイテムを自作できる事を意味する。
マイヤがこっちに向かってきた。
「ワタシが勇者・・・・・」
しばらく考えこんだ後、マイヤが口を開いた。
「次はホクトの番だね、頑張ってね」
「うん・・・」
ボクの足取りは重かった。
だってトリプルスキルの次のプレッシャーは半端ないんだもん。
「あなたに神のご加護がありますように」
神父が祈りを捧げるとボクに一筋の光が差し込む。
「ト、トリプルスキル!!」
その言葉に辺りは大歓声が上がった。
しかし神父は浮かない顔をしている。
そんな事に気づくはずもなく、ボクの心臓はバクバクいって今にも飛び出してしまいそうな勢いだ。
「トリプルスキル。あなたは盾術スキル、二刀流スキル、鑑定スキルを授かりました」
「えっ!・・・えっーーーと・・・」
ボクは戸惑っていた。
今までトリプルスキルを授かった勇者は剣術スキルか魔術スキルのどちらかは必ずといっていいほど授かっていた。
大活躍を見せるからこそ、トリプルスキルを授かった者は勇者と呼ばれる。
剣術も魔術もない勇者は大活躍を見せる事が出来ないからハズレ勇者と呼ばれる。
ボクはハズレ勇者になっちゃった・・・
しばらくたっても戸惑っているボクのところに、マイヤが駆け寄ってきた。
「ホクトも勇者だなんてこれは運命よ。ホクトは盾術持っているから、ワタシが攻撃担当でホクトは防御担当。ワタシの事をしっかり守ってね」
ボクはマイヤの言葉で勇気をもらえた。
希望に満ち溢れたボク達の冒険が今始まる。
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