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思考停止から戻ったボクは改めてエクスペリエンススロットの詳細を確認。

エクスペリエンススロットの使い方。エクスペリエンススロット発動と声に出すと目の前にスロットマシンが具現化する。

メダル1枚を具現化するには1兆の経験値が必要。

メダル1枚でスロットマシンは回す事が出来る。

同じ図柄が3つ揃わなかった場合はハズレ役のギルドラビットのスキルが発動する。

ギルドラビットの効果・一定時間状態異常無効の効果を付与する。

スペードのマークが3つ揃った場合はスペードのマークの人に一定時間防御無視攻撃の効果を付与する。

ハートのマークが3つ揃った場合はハートのマークの人に一定時間MP消費なしの効果を付与する。

クラブのマークが3つ揃った場合はクラブのマークの人に一定時間生産効率アップの効果を付与する。

ダイヤのマークが3つ揃った場合は戦闘中のモンスターをレアドロップ品に変える。イベントボスには無効。

777のマークが揃った場合は戦闘中のモンスターは即死する。

初期のスロットのリールにはハズレ役の図柄しかない。

図柄を増やすにはレアドロップ品のエクスペリエンストランプをセットする必要がある。エクスペリエンストランプは消耗アイテムだがエクスペリエンススロットにセットした場合は消費されない。

「エクスペリエンススロットでダイヤのマークが揃ったらレアドロップ品になるっていうのなら検証好きにはもってこいのスキルだな」

「スペードとハートのマークは特定の場面では役には立つと思うけど、運動音痴で前線に行かないボクにはあんまり関係ないかな。クラブのマークの生産効率アップの効果は始まりの街でショートソードを作り続いているフクロウくんに教えてあげたい効果かも」

「あと気になるのは777が揃った時だけど、これってボスにも効果があるって事なのかな?ダイヤのマークの効果にはイベントボスには無効ってあるけど、777の方にはないって事は効果があるって事なのかな。まぁ7の図柄のエクスペリエンストランプを集めるのは時間かかりそうだから今は気にする必要もないかな」

「ハズレ図柄の状態異常無効も使い方次第って感じかな。そういえばたしか状態異常無効っていえば2級ダイヤの昇級条件のダイヤモンドタートルの討伐に関係しそうだったような気がする」

スマホで攻略情報を検索する。

ダイヤモンドタートルは物理攻撃も魔法攻撃もダメージゼロで固定ダメージでしかダメージを与えれない敵。一定時間経過で固定ダメージも無効にしてしまう。

「これならエクスペリエンスダーツを使えば倒せると思うけど・・・」

攻略情報を見るとダイヤモンドタートルに辿り着くまでに状態異常モンスターとの戦いは避けられないってある。

エクスペリエンススロットでハズレ図柄を揃えたら、状態異常無効で道中は問題なく行けるが、それだと1兆の保有経験値はエクスペリエンススロットで消費して保有経験値がゼロだからダイヤモンドタートルにエクスペリエンスダーツでダメージを与える事は出来ない。

そう考えるとソロだと倒すのが難しいモンスターって事なんだよな。

今のボクならパーティーを組むと倒せそうだけどソロだと無理そう。始まりの街でショートソードを作っているフクロウくんに頼んでみるかな。

始まりの街にいる人とは連絡取れないから現実世界に戻って連絡をする必要があるんだけど、フクロウくんも現実世界に戻って連絡を確認するって必要があるから、時間がかかるかもしれないっていうのもある。

まぁ別に急いでいるわけじゃないし、一度ゲームからログアウトして現実世界に戻るとするか。

って思ったけど、街じゃないとログアウト出来ないから街に戻るか。

天使の羽を使おうと思っていたら、こっちに向かってきてトボトボと歩いてきている女の子の姿が見える。

「あ、あの子は登ってくる時に一緒になった女の子だな。1人でどうしたんだろ。それになんか泣いているような気がする」

女の子は下を向いて歩いているのでボクに気づいていないのかだんだんと近づいてくる。

パーティーを追い出されたのかな。心配だからちょっと声かけてみるか。

「あ、あの、大丈夫ですか?」

ここに人がいると思っていなかったのか女の子は顔を上げて驚いた表情をしている。

「あ、あの、大丈夫ですか?何かあったんですか?」

「・・・クランでパーティーを組んでいた方に騙されて・・・」

「騙されたっていうならトラブル通報すればなんとかなるかもしれないですよ」

「トラブル通報しましたが対応不可案件だと言われました」

「・・・対応不可案件って何されたんですか?」

「私が鈍臭くて迷惑をかけてクラン追放条件を満たしたから追放すると言われました。それで迷惑をかけたペナルティとして私の保有経験値をクランに全部没収されました」

「えっ、なんでそれが対応不可案件なんですか?おかしくないですか?」

「経験値の没収はクランの契約書には最初なかった項目なんですが私が入った後で更新したんですよ。その時、クランのみんなが了承したので私だけ了承しないっていうわけにもいかない雰囲気を作り出されてって感じで」

「契約書に書いてある項目による事だからトラブル対応不可案件になったという事なんだね」

「はい・・・」

「・・・」

あー、これが搾取される人なんだな。可哀想だけどボクにはどうする事も出来ない感じだな。

「話聞いてくれて少しすっきりしました。ありがとうございました。私はもうこのゲームを辞めようと思います。鈍臭い自分がこんなゲームなんて無理だったって事なんだと思います」

自分も鈍臭い人間だからこういう風に言われると何かしてあげたくなってくる。

「あっ、ちょっと待って。ボクの手伝いをしてくれるなら経験値を上げるよ」

「取られた経験値は1000億です。どうしようもならない経験値です」

1000億?1000億の経験値ってたしかレベル160相当の人だよな。こんな人がどうやってトップランカーの少し下くらいになれるんだ?

ってプラチナメタルスライム倒して1兆の経験値を得て一気にトップになった人にはこんな事思われたくないよね。

「お手伝いしてくれたら1000億の経験値上げますっていったら手伝ってくれますか?」

「・・・えっ、あなたはアホなんですか?騙された私を騙すにしてもそんな上手い話はないですよ」

あっ、たしかにこの状況ならそう思われても仕方ないか。

ボクはスマホで自分のレベルを見せると女の子の表情はみるみる内に変わっていった。

「ど、ど、どういう事ですか?なんでレベル200なんですか?」

「プラチナメタルスライム倒したら1兆の経験値をもらえたんですよ」

その後、ボクは女の子に手伝いの話をし始めた。











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