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52話

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アテナの骨を初めて作れた時、女神アテナが甦る。

その時、アテナの骨を作れた者に青の錬金術師の称号が送られる。

女神アテナが甦ると大型アップデートが行われて第2章のストーリーが始まる。

これは公式でアナウンスされている事で全員が知っているので、生産職の人はアテナの骨の製作を目指して頑張っている。

1年間、始まりの街にいた時はボクがアテナの骨の製作に着手するとは思ってもみなかった。

「よし、これからアテナの骨の製作に取り掛かる」

その前にまずは手順の確認だ。

まずは脂肪酸カルシウムを作る。それに必要な素材はマグマ貝の貝殻、アピス牛の牛乳、トキのリンゴジュースとジュネ油。

脂肪酸カルシウムを作る時は混ぜる順番が重要だ。

マグマ貝の貝殻は酸化カルシウムで出来ているので、いきなり水分の多いトキのリンゴジュースと合わせると発熱して水酸化カルシウムになるので注意が必要。

始めにマグマ貝の貝殻とジュネ油を混ぜ合わせて素材Aを作る。次にアピス牛の牛乳を入れて素材Bを作る。素材Bにトキのリンゴジュースを入れると発熱反応を起こし、水分は蒸発して脂肪酸カルシウムになる。

その脂肪酸カルシウムを焼成炉にいれて熱を加える事によって、脂肪分がなくなりアテナの骨を作るのに必要な酸化カルシウムになる。

この酸化カルシウムをミスリルのハンマーで微粉末よりさらに細かいナノ粉末になるまで叩き続ける。

次はパラジウムを焼成してインゴットにする。この時にナノ粉末の酸化カルシウムを添加すればアテナの骨の完成。

そしてこのパラジウムの焼成の時に超耐熱ゴーレムのコアが必要になる。超耐熱ゴーレムのコアによってアテナの骨に魂が宿り、女神アテナが甦る。

「まずは脂肪酸カルシウムの製作からだ」

まずはテーブルに素材を入れる順番に並べて置く。

「マグマ貝の貝殻、ジュネ油、アピス牛の牛乳、最後にトキのリンゴジュースを置いて準備完了」

「一点集中スキル・オン」
「成形作業・開始」

マグマ貝の貝殻とジュネ油をボールに入れて、よくかき混ぜて合わせて素材Aの完成。

「次からは手早く作業を進めないとトキのリンゴジュースを混ぜる前にアピス牛の牛乳に含まれる水分と酸化カルシウムが化学反応を起こしてしまい失敗する。だけどかき混ぜるのが不十分でも神品質の脂肪酸カルシウムにはならない。反応が起こるギリギリを見極めて混ぜ合わせないと失敗する」

素材Aとアピス牛の牛乳を入れて、よくかき混ぜる。

かき混ぜていくとだんだんボールが熱くなってきた。

ヤバい、もう発熱反応が起きている。

急いでトキのリンゴジュースを入れようとしたが、遅かったみたいで反応は急速に進み失敗した脂肪酸カルシウムが完成してしまった。

クソっ、いきなり失敗してしまった。焦らずに気を取り戻そう。失敗は成功のもとっていうじゃないか。今回は混ぜ過ぎたんだ。この経験を活かして次は成功させる。

マグマ貝の貝殻とジュネ油をボールに入れて、よくかき混ぜて合わせて素材Aの完成。

素材Aにアピス牛の牛乳を入れてよくかき混ぜる。

「発熱反応が起こる前にトキのリンゴジュースを入れる」

素材Bにトキのリンゴジュースを入れると発熱反応が始まり、脂肪酸カルシウムが完成した。

品質は・・・

脂肪酸カルシウム、60%の普通品質。

「トキのリンゴジュースを入れるのが早かったのか。もっともっと集中してタイミングを見極めるんだ」

マグマ貝の貝殻とジュネ油を混ぜて素材Aを作る。

そして素材Aにアピス牛の牛乳を入れて、よくかき混ぜる。

何度も何度も繰り返して最高のタイミングを見極める作業を続ける。

~~~
「よし、このタイミングで素材Bの完成だ」

発熱がギリギリ始まる前の素材Bに素早くトキのリンゴジュースを入れる。

すると発熱反応を起こす寸前だった素材Bは一瞬冷やされる。

「この隙によくかき混ぜる」

手早くかき混ぜると一瞬止まった反応は激しい勢いで発熱していき、脂肪酸カルシウムが完成した。

品質は・・・

品質を見ようとすると眩しく光り輝く女神アテナのエフェクトが現れた。

脂肪酸カルシウム、100%の神品質。

「よし、脂肪酸カルシウムの完成だ」

次は脂肪酸カルシウムの焼成だ。




















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