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48話

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それを知ったのは偶然だった。

一体いつからボクはうんこ野郎と呼ばれていたのだろうか。

たしかに地獄でのムーンライトハニーの採取の際にクロロ豚のウンコを持ち出して採取場所の確保はした。

ボクにとってウンコ絡みの出来事はそれだけだったはずだ。なのにかなり前からボクはうんこ野郎として認識されていた。

なぜなんだ。

ボクが一体何をしたというだろうか。

今思えばカプセルホテルで思い当たる節がある。

キャンペーンだと言われてボクは度々カプセルホテルをローテーションして移動していた。

その時は都会はこういうもんなんだと思っていたが、今思えばおかしな出来事だと思う。

そしてたまにだが人違いもされる事もあった。その時は必ずこう言われる。

「今日はあんなヘマやらかすなよ。後処理するのはこっちなんだからよ。あっ、人違いでした、すみません」

ボクに似た人がいつも何か失敗して怒られているんだなって思ってた。

もしこれがボクによく似たうんこ野郎エックスの仕業だとしたら、今回の地獄での出来事でボク=うんこ野郎エックスに完全になってしまっている。

弁解したいところだが地獄での出来事は自分がやった事だ。

だけどカプセルホテルで日常的にうんこ騒動があるってボクは聞いた事ないぞ。

もしキャンペーンでボクが違うホテルに移った時にうんこ騒動が起こされているとしたら、犯人は紅亀グループの中にいる事になる。

その犯人はボクによく似た人。そしてボクに似た人で心当たりがある人は1人しかいない。

レッドタートルのリーダー、紅亀ナルミの双子の弟の紅亀フクロウ。

福の狼と書いてフクロウ。フクロウはボクによく似たタイプで人見知りで陰気な感じ。それでもって生産系の職業が大好きだというところも似ている。

青の錬金術師の称号を持つ者に与えられる特典の一つにクランの名前にオウルブルーの名前がつけられるという特典がある。

レッドタートルのリーダー、紅亀ナルミはこの特典を弟のフクロウにプレゼントしたくて頑張っているのだ。

紅亀ナルミとフクロウはいつも一緒にパーティーを組んで戦っている。

といってもフクロウは生産職で紅亀ナルミの補助に徹している。

紅亀ナルミのスキル構成は遠距離、強身、両手持ち、集中、重装。

このスキル構成をしているのは紅亀ナルミただ1人と言われている。

遠距離のところが近距離になっているスキル構成の人はもちろんいる。

紅亀ナルミのスキル構成は理論的には最高火力を出せるスキル構成。

遠距離プレイヤーに必須の狙撃スキル。このスキルはロックオン機能のスキル。

弓などの遠距離攻撃はVRゲームでは不遇職として扱われる事も多いが、このゲームではロックオン機能で誰でも簡単に扱う事が出来る。

狙撃スキルはロックオン機能だけなので、狙撃スキルがなくても遠距離攻撃を当てれるなら理論的にはいらないスキル。

だけどそんな人は紅亀ナルミ以外には存在しなかった。

このゲームの遠距離攻撃でのスキル攻撃はMPではなく矢の消費量で威力が決まる。

矢は1セット1000本でのアイテムとなる。パワーショットといわれるテンプレだと10本消費で単体攻撃するスキル攻撃。アローレインといわれるテンプレだと30本消費で範囲攻撃するスキル攻撃。

紅亀ナルミは千本桜といわれるスキル攻撃をメインで使っている。このスキル攻撃は1000の矢を消費して攻撃する。もちろんこの攻撃をすれば1セットの矢を消費をするので大赤字になる。

紅亀ナルミ以外の遠距離プレイヤーは重装スキルは取らない。デメリットの方が大きいので取れないと言った方がいいかもしれない。

重装スキルは軽装スキルと比べると攻撃力や防御力がアップしているという特性があるが、重装スキルは矢を1セットしか持てないというデメリットがある。

これは遠距離攻撃を狙撃スキルなしで近距離で行う事を防ぐための仕様。

この仕様を上手く利用して紅亀フクロウはその場で矢を生産しながらナルミに矢を渡して最高火力を維持して戦う方法を取っていた。

超耐熱ゴーレムのコアを採取する時にこの戦法をボクも出来るのが理想的なんだけど、リュウイチさんの戦い方だとこの戦法は使えない。

自分に合った方法はどんな戦法だろう。ゆっくり考えたいけど残された時間は少ない。思っていた以上に早くレッドタートルが動き出している。

ジュネ油もムーンライトハニーもなんとかゲット出来た。

アテナの骨を作るのに必要な素材は超耐熱ゴーレムのコアとあと一つ。

次はパラジウムの採取だ。









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