【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人

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28話

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火山の最奥のアダマンタイトが採取出来るポイントの近くに到着。

「辺りを見渡しても誰もいないみたいだな。よし、採取開始だ」

クロロブタジエンのゴムハンマーとポンチを手に取って採取を始める。

カンッ、カンッ、カンッ

「よし、採取は問題なく出来るな」

普通のハンマーとポンチではこの時点でゴミになる。

「辺りには誰もいないし、ここで切削加工作業もして多くのアダマンタイトを持ち帰るとするか」

「一点集中スキル・オン」
「切削加工作業・開始」

カンッ、カンッ、カンッ

「よし、30個のアダマンタイトのゲットだぜ」
「切削加工作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」

ガシッ

えっ、何。

スキルをオフにした瞬間にボクはガッと手を掴まれる。

「今度は逃がさないわよ」

誰かと思って見ると、そこには亀梨マリナさん。

「プラチリルが採取出来たんだから、次はアダマンタイトだと思ってあなたが来るのを待ってたのよ」

まさか亀梨マリナさんはボクのストーカーなのか・・・

ってボクは自意識過剰だな。それにプラチリルを採取したのはボクじゃなくてアイナさんだ。

「売れていないバリドルがプラチリルを採取出来て有名になるなんて、そんな都合のいい話が現実に起こるわけない」

ここは仮想世界ですよって言ったら怒るだろうな・・・

「だから裏に何かあると思って、クランの人達に探らせてたの。そしたらログイン勢からノーデスの称号の存在を知ったわ。敵がノンアクティブになるなら必ずアダマンタイトの採取には裏にいる人が来ると思って待ってたのよ」

ノーデスの称号持ちの人はもう何人か現れはじめているんだな。

準備を急がないと先行者利益がなくなってしまう。

イヤ、むしろこの状況を上手く利用すればいい。

「それでボクに何か用でしょうか?」

「私のクラン専属で生産職をしてもらえない?」

やっぱりそうくるよね。

女性しかいないクランだから、ここの専属になれば彼女は出来そうかもしれないけど、ボクはもっと先を見据えて行動する。

「その話ですけど、専属でのお話はお受けする事は出来ません」

「他のクランから話はまだ来ていないはずよ」

「えぇ、だからマリナさん経由で大手のクランを紹介してもらいたいです。紹介してくれるなら専属は無理ですけどマリナさんのクランの注文は優先でやります」

「ちょっと意味わかんないだけど。なんで私が大手のクランを紹介しないといけないのよ」

マリナさんのクランは女性しかいないからクロロ豚のうんこに手を突っ込んでクロロ豚銅を採取するのは不可能だろう。

だからこそきちんと説明すればこの交渉は成功するはず。

・・・

「たしかにそれなら私のクランでは無理だね。っていうかあんたはあれに手を突っ込んだって事なんだよね」

それにはもう触れないで。

「わかったわ。大手のクランを紹介してあげるわ。どこを紹介してもらいたいの?」

大手3大クラン

近距離プレイヤーの大手クラン、ブラックドラゴン。

遠距離プレイヤーの大手クラン、レッドタートル。

魔法プレイヤーの大手クラン、ホワイトタイガー。

ボクが紹介してもらいたいクランは2つ。

「ブラックドラゴンとホワイトタイガーを紹介してもらいたいです」

「随分欲張りだね。なんでレッドタートルはいらないの?」

なんでレッドタートルはいらないのか。それは・・・

レッドタートルは金の力でなんでもやってしまうから、ボクにとっては1番絡みたくないクラン。

「レッドタートルは用済みになれば簡単に切り捨てるからですよ」

「切り捨てるからか。たしかにそうかもね。幸いにも私は2人のリーダーとは知り合いだからすぐに連絡をとってみるわ。」

「ありがとうございます。ボクは交渉に向けて準備もあるので失礼します。それではよろしくお願いします」

「えぇ、わかったわ」

ボクは帰還アイテムを使ってチカクの街に戻った。

「さすがに大手クランのリーダーを相手に手土産もなく交渉のテーブルにつくつもりはない」

何がいいだろうか・・・

どちらのクランにも受けがいい素材でボクが採取出来る素材。

黒曜石と死の虹がいいかな。

デスオブシディアンソードと虹黒曜の杖。

次は黒曜石の採取と死の虹の採取だな。








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