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第7章 4人の悪魔

84話

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ボク達4人は太陽の塔の攻略を終えて、オオカミエリアの月の銀狼・フェンリルのいる元へ到着。

「今なら即死耐性の防具もあるから、死ぬ事なくフェンリルと戦えるね」

太陽の金猿から力を認められて昇級し、さらに強くなったみんなの力を持ってすればフェンリルに一撃を与えるのは簡単な事だった。

「我に一撃を与える事が出来たお前達の力を認め、月の力を授けよう」

[月の銀狼・フェンリルから月読の目を授けられました。この目があれば時間の国と鏡の国に行く事が出来るようになります]

聞こえてきたシステムメッセージ。ボクは昇級する事はなかったが、みんなは昇級しさらに強くなる事が出来た。

「よし、これで時間の国に行く準備が出来ました。時間の国に行ったらまずは聖なる子どもアリスに会いに行きます。その後は悪魔サタンを倒して、その後にリュシオルというモンスターを倒して素材を手に入れるのが目標です」

リュシオルはフランス語で蛍を表す。このリュシオルから取れる素材を混沌蟲加工すればホタル石となる。ホタル石はフローライトとも呼ばれる宝石で天空の城ラピュタの飛行石の元ネタになったとも言われている石。

このホタル石とオオカミエリアから採取した素材のタングステンをアイテム合成すれば悪魔ベルゼブブを倒す事が出来る武器を作る事が出来る。

「リュシオルの響きってルシフェルみたいだね。あっ、ルシフェルって悪魔ルシファーが天使の時の名前ね」

そう言われてそうだな。たしかルシファーは光を掲げる者という意味があったはず。今のところこのゲームに悪魔ルシファーは出てこないが何かこれも繋がってくるのかもしれないから頭の片隅に入れておくとするか。

「ウサギさんは目の付け所が素晴らしいですね」
「いえいえ、そんな事ないですよ」
「それでは時間の国に向かうとしましょう」

時間の国は北の大地からさらに北に行くと辿り着ける場所。ボク達は空飛ぶアルゴー船で北の大地へ到着。

待ち構えていたのは4大死獣の黒蛇亀の玄武。

「この先にあるのは時間の国。月読の目を持つお前達ならこの先に進む事が出来るだろう。通るが良い」

時間の国には造化三神と呼ばれる猿のモンスター、天悟空がいる。ボクの見立てではこの天悟空に認められ昇級するとモンスター融合のスキルが手に入れる事が出来ると思ってる。

黒蛇亀の玄武の姿は名前の通り蛇と亀が融合したモンスター。太陽の塔にいた孫悟空からアイテム核融合のスキルを手に入れる事が出来たから、北の王国にいる天悟空からはモンスター融合の力が授かる事が出来るはず。

「よし、それじゃあ時間の国に行きましょう。時間の国のモンスターは物質入魂のスキルを使った武器以外は倒す事が出来ても殺す事が出来ないので素材採取が出来ません。無駄な戦闘は避けて行きましょう」
「わかりました。でもハヤトさんはなんでそんな情報を知っているのでしょうか。掲示板にもそんな情報は出ていませんでしたけど」
「えっ!えっーとですね……それは………」

どうしよう……何て言えばいいのだろうか。マリナさん達の前に姿を見せなくなった3週間の間ボクは何もしていなかったわけじゃない。

3週間の間、ボクはずっと情報収集をしていたのだ。アイテム進化のレシピとアイテム核融合のレシピを見て、そこから導き出される未来を想像しながら情報屋に色々なキーワードを聞いていた。

「酒場でご飯を食べていたら、たまたまガチ勢の人が隣にいて、そんな話をしていたから偶然知っただけですよー。ハハハ……」
「そ、そうなんですね……」

なんかみんなのボクを怪しむ目で見始めたぞ。

「そ、それじゃあ行きましょうか」
「そうですね」

ボク達は時間の国を北上していくと混沌蟲のモンスターが出始める草原エリアに到着。

「ここから先は混沌蟲と呼ばれる鬼の姿をしたモンスターが出始めます。混沌蟲と言ってもボク達がイメージしている虫の姿とは違います。注意して進んで行きましょう」

混沌蟲は鬼の姿をしている。鬼に伝わると書いて魂。だから物質入魂で魂をいれた武器でしか殺す事が出来ない。

鬼といえば鬼門の方角は北東だな。北西は天門と呼ばれる。だから北には天悟空がいるって事か。

「混沌蟲って虫の姿じゃないんだね」
「っていうかハヤトさんってホント色々な事知ってるんですね」
「ハハハ……」

ボク達は草原エリアを抜けて砂漠エリアに到着。ここに出る混沌蟲は中々姿を見せない代わりにかなり強いモンスター。今のボク達の装備では倒せないモンスターが出る。

「ここはさっきよりも危険なエリアです。出来ればモンスターに遭遇しないように慎重に行きましょう」
「っていうか…いや、何でもないですー」
「ハハハ……」

ボク達はモンスターに遭遇する事なく無事に砂漠エリアを通り抜けて、最後のエリアの森エリアに到着。

「あの天高く伸びている世界樹の根元に聖なる子どもアリスがいるはずです」
「ホント何でも知ってるんですね」
「ハハハ……」

アイテム核融合のレシピを見ると時間の国でやる事が沢山あるのは事前に知っていた。だからボクは時間をかけてじっくりと情報収集していた。その事が裏目に出てしまったのかみんなにはすごく怪しまれているが仕方ない事だ。

「ここから先はモンスターとの遭遇率も高くなるので戦闘は避けられないと思います。1つ1つ安全第一で丁寧に対処行きましょう」
「わかりました」
「わかったわ」
「わ、わかりました」

森エリアには思った以上に混沌蟲のモンスターがいたが、みんなの連携プレイもあり、何事もなくアリスの元へ。

「よくぞここまで来たな。ここまで来る事が出来た君の力を認め、君に力を与えよう」

[クラブの8級になったため、混沌蟲加工が出来るようになりました。混沌蟲加工のレシピが追加されました]

「混沌蟲加工で鏡の国の魔物を倒せるようになります。私達が悪魔を留めておくのも、もう限界です。急いで他のアリス達に会って下さい」

「わかりました」

「それとこれをお渡しします。これはグリンカムビの羽と言ってこの羽をマイハウスの裏庭で使えば、この世界樹のところまで来る事が出来ます」

「わかりました」

時間の国では沢山の用があるので、草原エリアや砂漠エリアを通らないで世界樹のところまで来れるのは非常にありがたい。

「それでは次は悪魔サタンを倒しに行きましょう」
「はい」

ボク達は世界樹の根元にある入り口から中に入り、悪魔サタンのいる場所へと向かい始めた。




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