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第6章 聖なる子ども
81話
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俺の名前は黒崎リュウイチ。近距離クランでトップの大手クランのリーダー。個人でいえばトップオブトップとも言われている。
「ハヤトくんが姿を見せないようになってから2週間か……」
マリナ達の前から姿を消して2週間。マリナからもこの事に対して相談されたが、「とりあえず今は少し待て」とだけ言って待たせている状態。
「俺もそろそろ動き始めるとするか」
ハヤトくんがいないと段取りがものすごく悪くなるので少し待っていたが、思ってた以上にあの時の事でハヤトくんは傷ついていたのかもしれないな。
「ハヤトくんが立ち直れるようになる段取りはどうしたらいいかな……ついでにチヅルの仲間達の事も上手くやれたら、段取りとしては完璧だな」
……………
「こんな感じの段取りでいいかな。まずはチヅルの仲間達に連絡とってみるか。その後はその子達を鍛えて、ハヤトくんと会わせて、さらに鍛えて……」
未来の事は考えるだけでワクワクしてくる。チヅルの仲間達もハヤトくんも共に空高く舞い上がって欲しいもんだな。
「っていうか自分の方の段取りもきちんと考えて動かないと、カゲトラ達の事もあるからな」
……………
「俺の方の段取りはこんな感じでいいかな」
時間の国のサタン、鏡の国のベルゼブブ、今際の国のマモンはすでに倒してある。最後の悪魔のレヴィアタンを倒せば、6章は終わりを迎える。
「おそらくハヤトくんは6章が終わるのを待って、動き始めるはずだろう。カゲトラ達が6章をクリアするのはまだ先の事になりそうだから、チヅルの仲間達を鍛える時間はありそうだな」
生産職の大手クランのリーダーのレミは対人になると異常なまでの執着を見せるので下手に絡むと大変だが、ストーリー攻略となると途端に行動力がなくなる。
今までの俺だったら、それを上手く利用して自分に絡んでくるようにして、ストーリーを進める事もあったが、ハヤトくんが現れてからは、そういう事もしないようになってしまった。
それだけハヤトくんは優れた段取り能力を持っている。その能力はきちんと覚醒すれば、はるか先の未来を見通す事が出来る能力。ハヤトくんはこんな所で埋もれてしまうような人ではないはずだ。
「よし、行動開始」
…………
「はじめまして、黒崎リュウイチです。と言っても、本当は君達が小さい頃に会っているだが、覚えているかな?」
「す、すみません。全然覚えていないです」
「まぁ、あの時はチヅルと少し会話しただけだから、覚えていなくて当然だろう」
「そ、それでトップオブトップのリュウイチ様が私達みたいなエンジョイ勢に何かご用でしょうか?」
「エンジョイ勢ねぇ……君達は本当はガチ勢を目指してたんだろ?リーダーのチヅルがいた時はだが……」
「……………」
「もし君達がこのままエンジョイ勢のままでいるというなら君達に用はない」
「私はガチ勢に戻れるなら、戻りたいです。でもリーダーだったチヅルを追い出した私達がガチ勢に戻ったら、チヅルは………」
「チヅルの事を心配する必要はないよ。俺が鍛え上げたからね。俺が君達をチヅルのように鍛えてあげるよ。ただ、ちょっと俺からのお願いを聞いてもらいたい」
「お願いって何でしょうか?私達の身体でよければ差し上げます」
「おいおい、ちょっと待ってくれ。変に捉えられるような言い方はよしてくれ。ゲームの中の会話はログを取られてるんだから、発言には気をつけてくれよ」
「す、すみません。でもリュウイチ様にだったら、私達は……」
「はい、そこまででストップ。とりあえず君達としてはガチ勢になれるならなりたいし、チヅルとの仲も戻せるなら戻したいって事でいいんだね?」
「はい」
「わかった。じゃあ俺からのお願いを聞いて、それを出来るというなら後で指定した場所に来てくれ」
「はい」
「俺のお願いと言うのはだな…………」
「それだけでいいんですか?それだけでいいなら大丈夫です」
「よし、交渉成立だな。よろしく頼んだぞ」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
…………
1週間後。
「じゃあよろしく頼んだぞ」
「わかりました。頑張ってきます」
俺はチヅルの仲間達が行くのを見送ると、不思議の国へと向かった。
「ここがクリフォトの樹の下層か」
上層も中層も下層も赤い空が広がる世界。下層は魚のモンスターがいる場所でもあり、悪魔のレヴィアタンがいる場所で赤い海が広がる世界。
「おっ、いたいた。これがレヴィアタンだな」
戦闘モードに突入。剣を構えるとレヴィアタンが攻撃を仕掛けてきた。
バシャーン 波波波 ★☆★
バシャーン 波波波 ★☆★
大きな波が襲いかかってきた。俺は盾でガッチリとガード。
「この波攻撃の前はわずかに口が開いたな」
ブシャー ===D ★☆★
ブシャー ===D ★☆★
今度は水鉄砲攻撃。この攻撃も盾でガッチリとガード。
「水鉄砲の攻撃の前はわずかに背ビレが右に傾いたな」
……………
「これでトドメだー!!!」
斬ノノノノノ ★☆★
波状攻撃を喰らったレヴィアタンは動かなくなり、ムービーが始まった。
一度倒した悪魔達が復活していく。サタンは混沌蟲と融合して、サタンオオカブトの姿に変化。レヴィアタンはバハムート、ベヒモスと融合してジャバウォックの姿に変化。ベルゼブブやマモンもそれぞれ姿を変化させて、ムービーが終わった。
レヴィアタンを倒した事で第6章が終わり、第7章が始まった。
第7章は4人の悪魔。
「第7章が始まったな。これでハヤトくんは動き始めるはずだ」
段取り通り上手くいけば、ハヤトくんは戻ってきて、俺の段取りも良くなる。段取りが上手くいかなかった時の事も考えて、次の行動に移るとするか。
俺は不思議の国から帰還して、クランハウスへ向かった。
「ハヤトくんが姿を見せないようになってから2週間か……」
マリナ達の前から姿を消して2週間。マリナからもこの事に対して相談されたが、「とりあえず今は少し待て」とだけ言って待たせている状態。
「俺もそろそろ動き始めるとするか」
ハヤトくんがいないと段取りがものすごく悪くなるので少し待っていたが、思ってた以上にあの時の事でハヤトくんは傷ついていたのかもしれないな。
「ハヤトくんが立ち直れるようになる段取りはどうしたらいいかな……ついでにチヅルの仲間達の事も上手くやれたら、段取りとしては完璧だな」
……………
「こんな感じの段取りでいいかな。まずはチヅルの仲間達に連絡とってみるか。その後はその子達を鍛えて、ハヤトくんと会わせて、さらに鍛えて……」
未来の事は考えるだけでワクワクしてくる。チヅルの仲間達もハヤトくんも共に空高く舞い上がって欲しいもんだな。
「っていうか自分の方の段取りもきちんと考えて動かないと、カゲトラ達の事もあるからな」
……………
「俺の方の段取りはこんな感じでいいかな」
時間の国のサタン、鏡の国のベルゼブブ、今際の国のマモンはすでに倒してある。最後の悪魔のレヴィアタンを倒せば、6章は終わりを迎える。
「おそらくハヤトくんは6章が終わるのを待って、動き始めるはずだろう。カゲトラ達が6章をクリアするのはまだ先の事になりそうだから、チヅルの仲間達を鍛える時間はありそうだな」
生産職の大手クランのリーダーのレミは対人になると異常なまでの執着を見せるので下手に絡むと大変だが、ストーリー攻略となると途端に行動力がなくなる。
今までの俺だったら、それを上手く利用して自分に絡んでくるようにして、ストーリーを進める事もあったが、ハヤトくんが現れてからは、そういう事もしないようになってしまった。
それだけハヤトくんは優れた段取り能力を持っている。その能力はきちんと覚醒すれば、はるか先の未来を見通す事が出来る能力。ハヤトくんはこんな所で埋もれてしまうような人ではないはずだ。
「よし、行動開始」
…………
「はじめまして、黒崎リュウイチです。と言っても、本当は君達が小さい頃に会っているだが、覚えているかな?」
「す、すみません。全然覚えていないです」
「まぁ、あの時はチヅルと少し会話しただけだから、覚えていなくて当然だろう」
「そ、それでトップオブトップのリュウイチ様が私達みたいなエンジョイ勢に何かご用でしょうか?」
「エンジョイ勢ねぇ……君達は本当はガチ勢を目指してたんだろ?リーダーのチヅルがいた時はだが……」
「……………」
「もし君達がこのままエンジョイ勢のままでいるというなら君達に用はない」
「私はガチ勢に戻れるなら、戻りたいです。でもリーダーだったチヅルを追い出した私達がガチ勢に戻ったら、チヅルは………」
「チヅルの事を心配する必要はないよ。俺が鍛え上げたからね。俺が君達をチヅルのように鍛えてあげるよ。ただ、ちょっと俺からのお願いを聞いてもらいたい」
「お願いって何でしょうか?私達の身体でよければ差し上げます」
「おいおい、ちょっと待ってくれ。変に捉えられるような言い方はよしてくれ。ゲームの中の会話はログを取られてるんだから、発言には気をつけてくれよ」
「す、すみません。でもリュウイチ様にだったら、私達は……」
「はい、そこまででストップ。とりあえず君達としてはガチ勢になれるならなりたいし、チヅルとの仲も戻せるなら戻したいって事でいいんだね?」
「はい」
「わかった。じゃあ俺からのお願いを聞いて、それを出来るというなら後で指定した場所に来てくれ」
「はい」
「俺のお願いと言うのはだな…………」
「それだけでいいんですか?それだけでいいなら大丈夫です」
「よし、交渉成立だな。よろしく頼んだぞ」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
…………
1週間後。
「じゃあよろしく頼んだぞ」
「わかりました。頑張ってきます」
俺はチヅルの仲間達が行くのを見送ると、不思議の国へと向かった。
「ここがクリフォトの樹の下層か」
上層も中層も下層も赤い空が広がる世界。下層は魚のモンスターがいる場所でもあり、悪魔のレヴィアタンがいる場所で赤い海が広がる世界。
「おっ、いたいた。これがレヴィアタンだな」
戦闘モードに突入。剣を構えるとレヴィアタンが攻撃を仕掛けてきた。
バシャーン 波波波 ★☆★
バシャーン 波波波 ★☆★
大きな波が襲いかかってきた。俺は盾でガッチリとガード。
「この波攻撃の前はわずかに口が開いたな」
ブシャー ===D ★☆★
ブシャー ===D ★☆★
今度は水鉄砲攻撃。この攻撃も盾でガッチリとガード。
「水鉄砲の攻撃の前はわずかに背ビレが右に傾いたな」
……………
「これでトドメだー!!!」
斬ノノノノノ ★☆★
波状攻撃を喰らったレヴィアタンは動かなくなり、ムービーが始まった。
一度倒した悪魔達が復活していく。サタンは混沌蟲と融合して、サタンオオカブトの姿に変化。レヴィアタンはバハムート、ベヒモスと融合してジャバウォックの姿に変化。ベルゼブブやマモンもそれぞれ姿を変化させて、ムービーが終わった。
レヴィアタンを倒した事で第6章が終わり、第7章が始まった。
第7章は4人の悪魔。
「第7章が始まったな。これでハヤトくんは動き始めるはずだ」
段取り通り上手くいけば、ハヤトくんは戻ってきて、俺の段取りも良くなる。段取りが上手くいかなかった時の事も考えて、次の行動に移るとするか。
俺は不思議の国から帰還して、クランハウスへ向かった。
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