上 下
56 / 82
第4章 死獣の力

56話 第4章始まり

しおりを挟む
ボクと亀白ナルミさんは馬エリアの死獣、星天の天馬がいるエリアに来ていた。ブラックドラゴンの人達の姿は見られない。って事はまだ幹部候補生達はみんな七福の虹鼠に苦戦してるんだな。

「あの彗星を撃ち落とせばいいんだな」

コメットテイル、彗星の尾の入手方法は星天の天馬がいるエリアで見る事が出来る彗星を撃ち落とす事。

第3章が終わった事で遠距離攻撃の攻撃性に幅が広がるようになった。

遠距離攻撃の通常攻撃は射程30メートル。ロングショットと言われる攻撃は60メートル。

ダイヤの見習い級になるとスーパーロングショットが使えるようになり、120メートルの攻撃が出来るようになった。

このスーパーロングショットにムーンショットアローの攻撃をすれば射程が240メートルになり、彗星を撃ち落とす事が出来る。

普通であれば遠距離攻撃をする人は狙撃スキルを持っているので、自動追尾で彗星を撃ち落とす事は簡単。

だけど、遠距離クランのトップのリーダー、亀白ナルミさんは狙撃スキルを持たずに活動している人。狙撃スキルも持たずに超長距離で素早く流れてくる彗星を本当に撃ち落とす事が出来るのだろうか。

そう思ったボクがバカだったみたい。いとも簡単にナルミさんは彗星を撃ち落とし、コメットテイルをゲット。

「これで私は終わりでいいんだよな。私はこのままコメットテイルを採取していくから。じゃあね」

ブルーアイズホワイトタイガーの目の時と同じようにコメットテイルで荒稼ぎするつもりなんだろう。

「ありがとうございました」

ナルミさんとはビジネス以上の関係はないため、淡々と挨拶を済ませて邪魔にならない位置に移動。

「お待たせしました」

まず先に到着したのはメリーさん。

「お待たせ」

次に来たのはカゲトラさんとカリナさん。

「待たせたな」

えっ、リュウイチさんも来ちゃったよ。

「俺が呼んだんだ。リュウイチもハヤトくんに用事があるみたいだからさ。とりあえず先に星天の天馬を倒すぞ」

「はい、わかりました」

ボクとメリーさん、カゲトラさんとカリナさんの4人パーティーで星天の天馬を倒す。

クランメンバーが星天の天馬を倒せばアルゴー船の製造許可をもらえるから、別にボクはいてもいなくていいんだけど、星天の天馬から採取出来る角のためにパーティーに参加。

星天の天馬の第1形態はユニコーン形態。第2形態は羽が生えてユニコーンペガサス形態。

これから倒すのはユニコーン形態の星天の天馬。別に今の時点では星天の天馬の角は使い道がないので、必要ないように思えるが、このパーティーだと角を最高品質で採取出来そうという理由でボクもパーティーに参加する事になった。

ボクは遠距離攻撃するカゲトラさんとカリナさんの少し後ろに陣取り、邪魔にならないように移動。

メリーさんは前線で戦っているのだが、2人の援護射撃がすごくて、あっという間に討伐完了。

[女神アテナからメッセージがあります]

『星天の天馬を倒した貴方の実力を認め、アルゴー船の製造を許可をいたします』

これでアルゴー船を作る事が出来るようになった。ボクもそのまま星天の天馬から採取作業を開始。角には傷がなかった分、身体の方は傷だらけで皮の採取は出来ないと判断して、角の採取のみで採取は終了。

「お疲れ様。で、ハヤトくんに頼みがあるんだけど、いいかな?」

「第4章のファーストクリアの件ですよね。大丈夫ですよ」

「話が早くていいね。これから作る船には50人乗れるみたいだから、北の大地エリアにはカゲトラ達も来てもらいたい」

「あぁ、いいぜ。で俺は何をすればいいんだ」

「アラスカサーベルウルフの牙を採取してきてくれ。で良かったよね、ハヤトくん」

アラスカサーベルウルフの牙はマリナさんが使っている灼熱の氷の杖の上位ランクを作るために必要な素材。

「えっ、あっ、はい。でも何でボクのために何ですか?」

「何でって、今回の貸し借りはハヤトくんがいなかったら、なかった事だからだよ」

あっ、そういう事ね。

「ついでだから、そこにいるナルミにも声かけてきていいか?」

「あっ、はい」

「じゃあコジロウにも声かけておくから、マリナやアイナさんにも声かけて一緒に来てもらいたい」

なんでこんなにみんな勢揃いさせるんだろう。

「わ、わかりました」

「第5章はクラン対抗の部隊戦になるみたいだから、みんなで太陽の塔の下見をした方が早いからな」

あっ、リュウイチさんの中ではもう第5章の事を見据えてるんだね。

第4章が終われば船は黄金の羊毛を使って空を飛ぶ事になると予想される。太陽の塔は地上からは入る事が出来ないので、空から入って攻略する事になる。

その時、船に乗れるのは50人まで。4人パーティーが12組。そう考えるとクラン対抗の部隊戦になる事が予想される。

リュウイチさんはここまで予想して段取りも考えた上で行動をしてる。

「じゃあリュウイチさんは太陽の塔の攻略はみんな足並みを揃えて攻略する感じって思ってるんですか?てっきりブラックドラゴンが1番乗りで攻略すると思ってました」

「ハヤトくんがいなかったら1番乗りでブラックドラゴンが攻略でいいんだけど、ハヤトくんのクランにはアマゾネスポワールのマリナもいるし、レッドタイガーのアイナさんもいる。そうなるとブラックドラゴンが1番乗りで攻略するわけにもいかないだろう」

「たしかにそう言われるとそうですね」

「って事で第5章はみんな足並みを揃えて誰が最速で攻略するかの早い者勝ちって事で」

「わかりました」

リュウイチさんとの話がまとまったところで、みんなの方を振り向くとみんなポカーンとした顔。どうやらボクとリュウイチさんの話についてこれていなかったようだ。

「とりあえず俺はなんとなくわかったぜ」

カゲトラさんはわかったという口ぶりだがまだピンときていないのはなんとなくわかる。

「じゃあボクはこれで帰りますね。多分明日の昼くらいには船が出来ると思いますので準備お願いします」

「おう、わかった」

ボクはボスエリアを抜け出して、マイハウスへ移動。すぐに金眼の現場猫に話かける。

「帆座の帆は完成してるニャー」

『帆座の帆を手に入れました』

金眼の現場猫にはこのまま青龍の像を作ってもらおう。

『青龍の像を作ってください』

「これからまた作業をするとなると労働基準法に違反だニャー」

えっ、そんなのまであるの?マズいぞ、ボクの考えていた段取りが……

「と言うのはウソだニャー。了解ニャー」

金眼の現場猫は作業を開始。

段取りが崩れなくて良かった。今日はもう遅いからボクは寝る事にしよう。

「金眼の現場猫よ、それ終わったらまた続けて作業だよ」

ボクは小声で呟いて超フカフカのベッドで爆睡した。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する

にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
この作品は 旧題:金運に恵まれたが人運に恵まれなかった俺は、現実逃避するためにフルダイブVRゲームの世界に逃げ込んだ の内容を一部変更し修正加筆したものになります。  宝くじにより大金を手に入れた主人公だったが、それを皮切りに周囲の人間関係が悪化し、色々あった結果、現実の生活に見切りを付け、溜まっていた鬱憤をVRゲームの世界で好き勝手やって晴らすことを決めた。  そして、課金したりかわいいテイムモンスターといちゃいちゃしたり、なんて事をしている内にダンジョンを手に入れたりする主人公の物語。  ※ 異世界転移や転生、ログアウト不可物の話ではありません ※  ※修正前から主人公の性別が変わっているので注意。  ※男主人公バージョンはカクヨムにあります

沢山寝たい少女のVRMMORPG〜武器と防具は枕とパジャマ?!〜

雪雪ノ雪
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRゲーム『Second World Online』通称SWO。 剣と魔法の世界で冒険をするVRMMORPGだ。 このゲームの1番の特徴は『ゲーム内での3時間は現実世界の1時間である』というもの。 これを知った少女、明日香 睡月(あすか すいげつ)は 「このゲームをやれば沢山寝れる!!」 と言いこのゲームを始める。 ゲームを始めてすぐ、ある問題点に気づく。 「お金がないと、宿に泊まれない!!ベットで寝れない!!....敷布団でもいいけど」 何とかお金を稼ぐ方法を考えた明日香がとった行動は 「そうだ!!寝ながら戦えばお金も経験値も入って一石三鳥!!」 武器は枕で防具はパジャマ!!少女のVRMMORPGの旅が今始まる!! ..........寝ながら。

【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

ーOnly Life Onlineーで生産職中心に遊んでたらトッププレイヤーの仲間入り

星月 ライド
ファンタジー
親友の勧めで遊び、マイペースに進めていたら何故かトッププレイヤーになっていた!? ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 注意事項 ※主人公リアルチート 暴力・流血表現 VRMMO 一応ファンタジー もふもふにご注意ください。

モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件

こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。 だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。 好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。 これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。 ※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ

リアルチートは突然に _ゲーム初心者の最強プレーヤー_

Lizard
ファンタジー
Battle Frontier Online ――― 通称、『BFO』 過去に発売されたVRゲームとは一線を画す最新型VRMMORPG。 過去最大最高規模の世界、そして圧倒的な動作の正確性を売り文句に発売されたゲームだ。 主人公、18歳の覇城龍成(ハジョウリュウセイ)は友人でありプロゲーマーである赤羽彰太から貰ったBFOのために開発された最新型VRヘッドギア―――『VR-EX』でBFOをプレイする。 彼自身は自分が普通の高校生だと思っているのだが、彼は父から「覇城」という剣道の流派の技術を教え込まれており、さらに彼自身が「面白そうだから」という理由で合気道や柔道などのいくつかの武術を習っていたため、その戦闘技術は友人達が「コイツなら銃弾の飛び交う戦場でも素手で敵将とれんじゃね?」と評価するほど。 若干ハーレム要素、戦闘狂要素ありの冒険が、 今、始まる――――― ※他サイトで投稿させていただいているものです

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

処理中です...