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第3章 時は金なり

50話 イースターバニーの宝玉

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これからウサギエリアでイースターバニーの宝玉探し。

情報屋からの情報によるとウサギの丘にある月桂樹の木がある場所にあるという。

月桂樹のあるところに行くとカリナさんの姿。さっき会ったばかりでまた会うのは非常に気まずい。そしてこちらの姿に気付いたカリナさん。

「あ、先程はどうも」

「……」

無言で会釈するカリナさん。ボクにもやる事はあるけど、非常に動きにくい。どうしようかな。

そう思っていると先に動き始めたのはカリナさん。アルミスモールを倒し始め、角の採取を始めた。

「あっ、あのやり方だと最低品質でしか採取出来ないよ」

ガン見されている事に気付いたんだろう。カリナさんがボクのところに近寄ってきた。

「あの、見られてるとやりにくいんですけど……」

「あ、すみません。カリナさんのやり方だと最低品質でしか角の採取出来ないと思いまして」

「たしかにそうですが、私にはこのやり方しか出来ませんので」

「あ、あの、もしよろしければお手伝いしますよ」

「あ、いえ、先程あんな姿を見せてしまった後だし、さすがにお願い出来ません」

「あっ、その事はもう気にしないでください。お手伝いしますよ」

「あ、ありがとうございます」

この後、カリナさんと一緒にアルミスモールの角を乱獲。新しい武器の扱いにも慣れてきたのか思った以上にスムーズで採取もひと段落。

「本当にありがとうございました。ところでハヤトさんはなぜウサギエリアに来たんですか?」

「あっ、ボクは探したいモノがあってここに来ました」

「探しモノですか……ちなみに何を探してるんですか?」

「この辺りにイースターバニーの宝玉があるという情報でここに来たんですけど、まだピンと来るものがなくて」

「イースターバニーの宝玉ですか……この辺りにある月桂樹と何か関係あるということなんですよね?」

「そうみたいなんですが、まだ全然わからなくて……」

「じゃあ私も探すの手伝います」

「えっ、いいんですか?」

「私も手伝いしてもらった事だし、気にしないでください」

「あっ、それじゃあお願いします」

ボクはカリナさんに経緯を説明。船の製造に必要な竜骨座。それには青龍の復活が必要で、青龍の復活にはイースターバニーの宝玉が必要。お願いするのはいいけど、ボクはまだ何も見当がつかない。

「イースターといえばイースターエッグも有名ですよね」

「そうですね」

「エッグといえば、女性は生理があって卵子という卵を産んでるんですよ。ハヤトさんは女性の生理周期って知ってますか?」

えっ、突然どうしたんだろ?

「男の人は生理、月経は月に一回くるモノって思ってますよね」

えっ、違うの?

「正確には28日周期なんですよ」

あっ、そうなんだ。でもそれが今何かと関係あるのかな?

「28日周期だと1年間で13回生理がくるんですよ」

へー、そうなんだ。

「このゲームの名前はスペードのクイーン。トランプって暦を表してる話もありますよね」

トランプの52枚は1年の週を表して、1から13までを足した数91にそれぞれのマークの4をかけると364。それにジョーカーを足すと365になって1年になるというやつか。聞いた事があるな。

「でも私、この話って違和感を感じるんですよ。キングの数字13×4でも52で1年の週を表してあるし、女性の生理周期を考えたら7日の4週、1ケ月28日の13ケ月の方がよっぽどしっくりくるっていつも思うんですよ」

そう言われるとそうかもしれない……

「1年は12ケ月。でも本当は隠された13番目の月が存在する。月影の白兎が隠した宝、イースターバニーの宝玉もそこにあるんじゃないですかね」

そういう事か。これは女性じゃないとわからなかった事だな。

ボク達はウサギの丘にある13番目の月桂樹に到着。ここの木の根元にも穴はあり、穴の中に入るとオオカミエリアを飛ばして始まりの街に行く事が出来る。情報屋の情報によるとここでイースターバニーの宝玉見つけたと言えば手にする事が出来るという話。

「イースターバニーの宝玉見つけた」

この言葉を発すると穴の中から月影の白兎が姿を現した。

「イースターバニーの宝玉をよく見つける事が出来たね。でもこの宝は表舞台からは消された話で、これを初めて見つけてくれた人にだけ言える特別な話。今後は情報屋の情報も書き換えられて、イースターバニーの宝玉は違う場所で採取出来る事になるよ」

えっ、何この話。そう思いカリナさんの方を振り向くとカリナさんには月影の白兎は見えていない様子。

「今後も君が世界の秘密を解き明かすのを楽しみにしてるね。それじゃあね」

月影の白兎は穴の中に入り、いなくなった。

『イースターバニーの宝玉を手に入れました』

あっ、ちゃんとゲット出来たみたいだ。

「あのー、ハヤトさん?大丈夫ですか?」

「あっ、はい、大丈夫です。ウサギの死獣って見習い級にならないと姿を見れないみたいなので、カリナさんには何も見えていないし、何も聞こえなかったんですよね?」

「はい」

不思議そうな顔をするカリナさん。

「それなら良かったです。なんかちょっと変わった特別なイベントだったみたいです」

ボクはカリナさんにイースターバニーの宝玉を見せる。イースターバニーの宝玉は卵の形。

「へー、そうだったんですか。まぁ、でも私ハヤトさんのお役に立てたみたいで良かったです」

「ありがとうございました」

「あっ、あとハヤトさんは知ってました?竜骨座って英語でカリナって言うみたいなんですよ。なんかこれって運命感じちゃいませんか?」

ボクの目を見て、胸を押し当てようとしてくる。

ヤバい、この感じは逃げないとマズい展開になりそうだ。

「あっ、今日はありがとうございました。お疲れ様でした」

ボクは逃げるように走り去ってウサギエリアを抜け出して、マイハウスに到着。

「フー、危なかったな」

ピコン。スマホに通知音。カリナさんからだ。

『私、またやっちったみたいですね。本当にすみませんでした』

こういう対応をきちんと出来るって事はいい子ではあるんだけどね。

『こちらこそすみませんでした。今後ともよろしくお願いします』

『よろしくお願いします』

これでなんとか大丈夫な感じかな?

ピコン。ピコン。ピコン。スマホに3回通知音。マリナさんとアイナさんとメリーさんからのメッセージだ。

『殺す』
『殺す』
『マリナさんの妹さんを泣かせるって何をしてるんですか?至急クランハウスに来て説明してください』

あー、この感じだと全員揃ってるんだろうなーーー。

ボクは覚悟を決めてクランハウスに移動した。







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