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第3章 時は金なり

48話 金眼の現場猫③

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今日もすっきりとした朝。でも今日はやる事も多いから、朝一から気を引き締める。

まずは大量生産用の畑の確認。不死のリンゴと王のリンゴを採取。次は夢幻水晶(金白金鉱石)からゴールドプラチナメタルを3個採取。

次にするのは金眼の現場猫の育成。今日の教育訓練は鉱石の焼成作業。

焼成作業で注意しなければいけない点。1つ目、焼成作業はわずかな温度変化も品質に影響があるので、目を離してはいけない。

2つ目、焼成作業が終わった後のモノは熱いので耐熱手袋が必要。

焼成作業で注意する点はこのくらいだろうか。

まずはこの注意事項で様子を見てみよう。ボクはスマホを取り出し、金眼の現場猫に作業指示。

『焼成中は目を離さないようにして作業してください』
『焼成が終わったモノは熱いので耐熱手袋をして作業してください』

「わかったニャー」

マイハウスの中で待機していた金眼の現場猫が動き出す。

「絶対時空領域・展開」

うっすらとした膜のようなモノが場を包み込む。

「まずは鉱石を焼成炉に入れるニャー」

整理整頓した棚からゴールドプラチナメタルを持ってきて焼成炉に入れる金眼の現場猫。

「ヨシ、作業開始だニャー」

温度計と時計を見ながら焼成作業をする金眼の現場猫。何事もなく作業は順調。

「終わったニャー」

焼成作業終了。

「溶けたゴールドプラチナメタルは熱いから耐熱手袋するニャー」

腹のポケットから耐熱手袋を取り出す金眼の現場猫。

「これをインゴットの型に流して、冷めるのを待つニャー」

ん?冷めるのを待つ?………あっ、待って、待って、やっちゃったかもしれない!!

「冷めるのには時間かかるから、水をかけてすぐ冷ますニャー」

腹のポケットから水を取り出しインゴットにかける金眼の現場猫。

「ニャーーーー、熱いニャーーーーー」

一瞬にして蒸気になった熱湯が金眼の現場猫に襲いかかる。うっすらとした膜のようなモノは消え去り、作業中のゴールドプラチナメタルも消え去った。

「ごめんなさいニャー」

リアルだとインゴットの型に流した後は冷却時間がある。このゲームではその冷却時間を待つ時間をカットしていた。今回はその事を失念していたボクのミス。

「こちらこそ、ごめんなさい」

気を取り直して、もう一度作業指示。

『焼成中は目を離さないようにして作業してください』
『焼成が終わったモノは熱いので耐熱手袋をして作業してください』

そしてさっき失敗した作業指示を追加。

『インゴットの型に流した後、冷ますために水を使って冷まさないようにしてください』

って、ちょっと待てよ。これだと冷却時間中は何もしない事になるのか?それともまた違う事をしようとするのか?この作業指示だと何をしでかすかわからないな。作業指示を書き直そう。

『インゴットの型に流した後は扇風機の風を当てて冷却してください』

この作業指示でいけるはずだ。

「わかったニャー」

マイハウスの中で待機していた金眼の現場猫が動き出す。

「絶対時空領域・展開」

うっすらとした膜のようなモノが場を包み込む。

「まずは鉱石を焼成炉に入れるニャー」

整理整頓した棚からゴールドプラチナメタルを持ってきて焼成炉に入れる金眼の現場猫。

「ヨシ、作業開始だニャー」

温度計と時計を見ながら焼成作業をする金眼の現場猫。何事もなく作業は順調。

「終わったニャー」

焼成作業終了。

「溶けたゴールドプラチナメタルは熱いから耐熱手袋するニャー」

腹のポケットから耐熱手袋を取り出す金眼の現場猫。

「これをインゴットの型に流して、あとは冷ますために扇風機を使うニャー」

腹のポケットから扇風機を取り出しインゴットに風を当てて冷ます金眼の現場猫。

「成功だニャー」

うっすらとした膜のようなモノは消え去った。

「1日に覚える事が出来る作業は1つまでニャー」

今日の金眼の現場猫の育成はここまで。

次はカリナさんと会ってイルミラージのボーガンを渡して、ネズミの死獣、七福の虹鼠と戦う。

その後はウサギの丘に行って、イースターバニーの宝玉探し。

「カリナさんに集合場所の変更の連絡してなかったな」

ボクはスマホを取り出しカリナさんにメッセージ送信。

『待ち合わせ場所の変更お願いします。ネズミの死獣、七福の虹鼠がいる場所でお願いします』

ピコン。スマホに通知音。カリナさんからすぐに返信が来た。

『了解です』

カリナさんとフレンド登録しておいてよかった。

ボクは移動アイテムの白ワシの羽毛を使ってネズミエリアへ移動。

死獣のいるエリアまで行くと、ブラックドラゴンの人達が七福の虹鼠と戦っている。動きを見ているとみんな洗礼された見事な動き。きっとみんな幹部候補生や幹部候補生予備員なのだろう。

ピコン。スマホに通知音。カリナさんからだ。

『すみません。1時間ほど遅れると思います』

1時間って微妙な時間だな。とりあえず返信。

『了解です』

さて、どうしようかな。この時間を無駄にしたくないから、ここから近い馬エリアに行ってメリーさんの様子を見て来ようかな。

ボクはネズミエリアから馬エリアに移動。死獣、星天の天馬がいるエリアに行くと、メリーさんの姿と2人のブラックドラゴンの幹部の姿。

1人は二刀流の盾使いの葛西ホクトさん。盾を2つ装備して戦うのはこの人くらいしかいない。

このゲームでは盾は壊れる消耗品。盾スキルでのヘイト管理は盾の耐久度を消費する。2つも盾を持っていれば、モンスターのヘイト管理は完璧に管理出来るけど、盾のお金はめちゃくちゃかかる。だからこの人くらいしか二刀流の盾使いはいない。

もう1人は葛西ケンタロウさん。ホクトさんの兄でこちらは定番の魔法剣士。ケンタロウさんは魔法剣士で1番強い人。

ケンタロウさんの次に強い魔法剣士はメリーさん。この人がいるからメリーさんは幹部になれないという事でもある。

どちらもソロで戦う2人の戦いは凄かった。凄かったというくらいの表現しか出来ないくらい凄かった。

ホクトさんは二刀流の盾で受けてはカウンター。受けてはカウンター。防御特化のはずなのにそう思わせない戦い方。

ケンタロウさんは圧倒的な実力を持ってしての正当な戦い方。シンプルな戦い方だからこそ、その実力の凄さがよくわかる。

一方、メリーさんは苦戦していた。スピードは誰よりも速く鋭い攻撃。でもケンタロウさんの戦いを見た後だと、ただそれだけという風にも見える。

結局メリーさんは星天の天馬を倒す事は出来なかった。単純に攻撃力が足りなかった。

今のボクがメリーさんに何か出来る事はあるのだろうか。メリーさんは自分自身でオンリーワンの戦い方を見つける必要がある。メリーさんもいろいろと考え、いろいろ試してはいるんだろう。だけど今のままだとメリーさんはただの迷える子羊。

ピコン。スマホに通知音。カリナさんからだ。

『遅くなりました。もう少しで着きます』

一旦、メリーさんの件はおいておくとしよう。

『了解です』

ボクは馬エリアからネズミエリアに移動した。






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