上 下
4 / 100
第1章 アテナ復活

4話 青白金鉱石

しおりを挟む
東の王国に辿り着いたボク。東の王国には青の知恵と言う言葉があり、生産に特化した街。東の王国からさらに東のエリアは鉱石が沢山採取出来るエリア。

そこのエリアの最奥にある青龍の洞窟で採取出来るのがブループラチナメタル。青龍は死獣の中でも4大死獣と言われているボス。だが青龍の洞窟ではその姿は確認されていない謎のボス。

青龍の洞窟には青龍はいないが、ブルードラゴンと言われるコウモリがいる。このブルードラゴンから採取出来るブルードラゴンのシッポを使って製作出来るアイテムが熟練生産者の指輪。

オープンベータ版の時は大手クランのホワイトスネークが狩場を独占していたため、熟練生産者の指輪が市場に出回る事がなかった。

そこに郷を煮やしたのが大手クランのホワイトタートル。ホワイトスネークはクラブのマークで生産を主とし東の王国を主戦場にし、ホワイトタートルはダイヤのマークで遠距離攻撃を主として西の王国を主戦場としているクラン。

ホワイトタートルは西の王国でブルーアイズホワイトタイガーの狩場を独占して、ホワイトスネークの邪魔したのだ。

「東の王国に着いてゆっくり休みたいところだけど、すぐに青龍の洞窟に出発だ」

ボクは東の王国の街に入る事なく青龍の洞窟へ。青龍の洞窟に辿り着くまでには様々なエリアを通る。ミスリル鉱石が採取できる場所、プラチナ鉱石が採取出来る場所、アダマンタイト鉱石が採取出来る場所。

ミスリル、プラチナ、アダマンタイトは東の王国でしか採取出来ない鉱石。ミスリルは錬金で使う事は知られているが、他はまだ何に使うのか知られていない。

というのもミスリル以外の鉱石は採取しようとした時点でクズ品質になる。クズ品質になると使いモノにならないので捨てるしかない。

ブループラチナメタルは採取は出来るが、切削加工でクズ品質になる鉱石。青の知恵と言う言葉があるように切削加工するには知恵が必要と言われていて、攻略掲示板では様々な切削方法の案が出たがどれを試してみても上手くいく事はなかった。

だけどボクは様々な案の中で試されていない案がある事に気付いた。薬草を最高品質で採取出来る方法は攻略掲示板で出された案なのだが、あまりにも具体的すぎる案にこれは運営からのリークだと噂されている。

だからブループラチナメタルもリークされるのではないかと思って、ボクは1から掲示板をチェック。そしてスルーされていた情報を発見。その情報をようやく試せる時が来た。

「ここが青龍の洞窟かぁ」

青龍の洞窟から流れ出る水はドラゴンブルーと言われる綺麗な青色の水。この水は龍泉水と言われる消耗品アイテムで使い捨ての魔力水と言われている。

魔力水はミスリル鉱石があれば出来るのだが、採取出来るミスリル鉱石が最低品質や低品質ばかりで、質のいいポーションを作りたい時にはこの龍泉水を使って生産するしかない。

そんな龍泉水をわき目に見ながら奥に進むと目に飛び込んできたブルードラゴンの姿。コウモリと聞いてはいたが実際に目にするのは初めてで、その姿はゲームでよく見る飛ぶタイプのドラゴンの姿。

っていうかこれもゲームだよ、というツッコミを入れつつブルードラゴンもスルーしてボクは奥へ奥へ。

「ここでブループラチナメタルが採取出来るんだな」

最奥に辿り着くとそこは青く光る採掘場所。ボクはアイテム袋からハンマーとポンチを取り出し、青く光る場所を叩く。

カンッ

『ブループラチナメタルを採取出来ました』

手のひらサイズのブループラチナメタルは眩し過ぎるほどの光を放ち、普通では見えるはずの余計に付いている石が見えない。

「この光が原因で切削加工が上手くいかず、クズ鉱石になるんだな。それでみんな知恵を出し合うが上手く切削できる案が出なかった」

ボクもとりあえず目を細めてみたりして見ようとしたが、何も見えない。

「よし、早速だけどリークっぽいスルーされていた情報を試してみるか」

スルーされていた情報。「考えるな、感じろ」

この案が出た時、掲示板は荒れている時でもあって罵詈雑言の嵐でスルーされた。

「考えるな、感じろ」は有名な映画のセリフでこのセリフまでが特に有名だが、実はこの後に「それは月を指差すようなものだ」とセリフが続く。

月に生きると書いて青。だからボクはこのスルーされていた情報はなぜかリークされた情報だと確信していた。

ボクは感じるままに目を閉じて指先の感覚だけでブループラチナメタルを触り始めた。

「なんとなくだけど、ブループラチナメタルと余計に付いている石との違いがわかる気がする」

これだ!

「一点集中スキル・オン」
「切削加工作業・開始」

ボクは目を閉じて指先の感じる感覚のままに、ポンチとハンマーを持ってブループラチナメタルを叩いていく。

「切削加工作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
「どうだ、上手くいったのか……」

ブループラチナメタル、1%の最低品質。

「0%のクズ品質にならなくて良かった。でもなんでだ?上手く行くと思ったのに……」

この時ボクはあの有名な言葉に続きがある事を思い出す。

「考えるな、感じろ。それは月を指差すようなものだ。指に気をとられるんじゃない。そうしないと栄光はつかめないぞ」

ボクはガッツリと指に気を取られていたようだ。まぁ何はともあれクズ品質のブループラチナメタルになる事は避けられた。

「このブループラチナメタルはナイフにするか」

ブループラチナのナイフはブルーアイズホワイトタイガーの目を採取する際に必要な武器。

ブルーアイズホワイトタイガーはブループラチナメタルの青い光を認識出来ないため、ブループラチナのナイフがあれば簡単に討伐出来てブルーアイズホワイトタイガーの目を採取する事が出来る。

その他にブループラチナメタルは鍛冶場の温度計をグレードアップする際に使うのだが、最高品質のモノが必要。

だからボクは再びブループラチナメタルを採取して未加工の状態で持ち帰る事にした。未加工の状態では重さ制限の関係上、3つしか持ち帰る事が出来ない。

「なんだかんだでホワイトスネークがまた狩場を独占してブループラチナメタルを独占するはず。その時に市場に流せば一儲け出来るはずだ」

ボクはブループラチナメタルを3つ採取して、青龍の洞窟を後にした。

~~~

「ボク以外にチュートリアルを2回やった人がいると思っていなかったから、余裕ぶっこいて街に寄って買い物してたら、先を越されたな。でもそのおかげでブループラチナメタルの切削加工方法がわかったぞ」
















しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」  リーリエは喜んだ。 「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」  もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。 突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。 貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。 意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。 貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!? そんな感じの話です。  のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。 ※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。

処理中です...