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「なあ、おまえとシェリーさん、ガウディさんの関係って」
さっきのやり取りで、ふたりが奏に愛情を抱いていることは慎平にもわかった。奏がそれに気づいているのか、確かめたくなった。
「シェリーもガウディも、なんでも出来て余裕たっぷりな俺様が好きなんだよ。でも本当の俺は、終わった過去を引きずる情けない奴なの」
奏はあっさり肯定する。
「その情けなさがマシになったら、さっきの約束、考えてやってもいいぜ」
奏の顔がパッと華やぐ。その表情に慎平はドキリとさせられた。必死だったとはいえ、よく考えれば恥ずかしいことを言いまくった気がする。
「わかった。もうどこにもいかない。慎ちゃんの側にいる」
そういうと、奏は慎平に近づいた。慎平がよかったと安心したとき、唇が重なった。チューなんて額か頬ぐらいだろうと思っていたし、先の話だと思っていて油断した。
「だから約束、ね」
男同士のキスなんてと思っていたが、悪くないどころか、嫌だと思わなかった。むしろ、ふわふわして気持ちいい。
気持ちいいって、なんだ、それ!?
「慎ちゃん? おーい、慎ちゃん、意識ある?」
唇が離れると、奏は慎平の頭をよしよしと撫で続けた。これをされると慎平は何も言えなくなる。
「ありのままの、情けない俺を受け入れてくれてありがとう。ゆっくり時間かけて、進んでいこうね」
そういうと、奏はにっこりと笑う。
「す、進んで、いくって……!?」
やっと発した言葉は噛みまくりだった。
「慎ちゃんは抱く方と抱かれる方、どっちがいい? 俺はどっちでもいけるよ」
「ま、待てよ、俺は、まだ……!?」
「大丈夫、急がないから。そんな嬉しそうな顔しといて、嫌いとか言わないでよ。地味に傷つくんだから。それともツンデレなのかな?」
そういうと、奏は慎平を抱きしめた。
抱きしめる、抱きしめられる。とても心地よくて涙が出そうになる。なんだろう、この感情は。
「俺を必要=好きってことでしょ。告白の答えとしては最高だな」
色々あって有耶無耶になっていたが、慎平は奏から好きだと告白されていたし、考えて答えを出せといわれていた。
そっか。俺は奏を好きなのか、この胸のときめきはそういうことなのか。
「勝手にいなくなるなよ。佐藤さんとも、ちゃんと向き合うんだぞ」
「前者はいいだけど、後者はバツね」
「おい、奏!?」
「慎ちゃんが、今ここで俺に熱烈チューしてくれたら考えてもいいかな」
慎平が出来ないと思ってのことだろう。引き下がったら佐藤のことは今まで通り、要求を飲んだところで、奏にとってはプラスなことばかりである。
「……わかった」
「え、マジ?」
慎平は返事をして、奏と向き合う。彼は本当に驚いていた。
おまえが好きだって自覚したら、もっとしたいって思ったんだよ!?
さすがにそれは言葉に出来ない。心に浮かんだ気持ちをぶつけるように、慎平は奏と唇を重ねる。それに応えるかのように、奏は慎平を強く抱きしめたのだった。
the end
さっきのやり取りで、ふたりが奏に愛情を抱いていることは慎平にもわかった。奏がそれに気づいているのか、確かめたくなった。
「シェリーもガウディも、なんでも出来て余裕たっぷりな俺様が好きなんだよ。でも本当の俺は、終わった過去を引きずる情けない奴なの」
奏はあっさり肯定する。
「その情けなさがマシになったら、さっきの約束、考えてやってもいいぜ」
奏の顔がパッと華やぐ。その表情に慎平はドキリとさせられた。必死だったとはいえ、よく考えれば恥ずかしいことを言いまくった気がする。
「わかった。もうどこにもいかない。慎ちゃんの側にいる」
そういうと、奏は慎平に近づいた。慎平がよかったと安心したとき、唇が重なった。チューなんて額か頬ぐらいだろうと思っていたし、先の話だと思っていて油断した。
「だから約束、ね」
男同士のキスなんてと思っていたが、悪くないどころか、嫌だと思わなかった。むしろ、ふわふわして気持ちいい。
気持ちいいって、なんだ、それ!?
「慎ちゃん? おーい、慎ちゃん、意識ある?」
唇が離れると、奏は慎平の頭をよしよしと撫で続けた。これをされると慎平は何も言えなくなる。
「ありのままの、情けない俺を受け入れてくれてありがとう。ゆっくり時間かけて、進んでいこうね」
そういうと、奏はにっこりと笑う。
「す、進んで、いくって……!?」
やっと発した言葉は噛みまくりだった。
「慎ちゃんは抱く方と抱かれる方、どっちがいい? 俺はどっちでもいけるよ」
「ま、待てよ、俺は、まだ……!?」
「大丈夫、急がないから。そんな嬉しそうな顔しといて、嫌いとか言わないでよ。地味に傷つくんだから。それともツンデレなのかな?」
そういうと、奏は慎平を抱きしめた。
抱きしめる、抱きしめられる。とても心地よくて涙が出そうになる。なんだろう、この感情は。
「俺を必要=好きってことでしょ。告白の答えとしては最高だな」
色々あって有耶無耶になっていたが、慎平は奏から好きだと告白されていたし、考えて答えを出せといわれていた。
そっか。俺は奏を好きなのか、この胸のときめきはそういうことなのか。
「勝手にいなくなるなよ。佐藤さんとも、ちゃんと向き合うんだぞ」
「前者はいいだけど、後者はバツね」
「おい、奏!?」
「慎ちゃんが、今ここで俺に熱烈チューしてくれたら考えてもいいかな」
慎平が出来ないと思ってのことだろう。引き下がったら佐藤のことは今まで通り、要求を飲んだところで、奏にとってはプラスなことばかりである。
「……わかった」
「え、マジ?」
慎平は返事をして、奏と向き合う。彼は本当に驚いていた。
おまえが好きだって自覚したら、もっとしたいって思ったんだよ!?
さすがにそれは言葉に出来ない。心に浮かんだ気持ちをぶつけるように、慎平は奏と唇を重ねる。それに応えるかのように、奏は慎平を強く抱きしめたのだった。
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