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同居開始

芽生えた想い【side:碧】微R-18

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 ……やってしまった、と思った。
 雪都くんに触れられた瞬間、不覚にもソレが勃ってしまったのだ。
 慌ててソレを隠す様に逃げたが、去り際に見た雪都くんのしょんぼりとした表情がこびりついて離れない。

「……はぁ、なにやってんだよ、俺」

 処理をしたあと虚無感を抱き、ベッドに沈み込む。
 最近、アイドル業のことが忙しくて、処理をしている暇がなかった。それは、あるだろう。でも、でもだ。だからといって、出来たばかりの義理の弟に勃つ理由にはならない。

 雪都くんに合わせる顔がない。
 何気なく天井に視線を移したその時だった。

 部屋の扉が二度ノックされたのだ。出る気になれなくて、無視を決め込む。
 すると、ドアの向こうで雪都くんの声がした。反射的に扉の方に向かう。その際、ベッドの淵に躓きかけてしまった。

「ごめん、ちょっと眠ってた」

 咄嗟に嘘が口をついて出た。まさか君で抜いていただなんて、口が裂けても言えない。
 その後、ひたすらに雪都くんは謝罪の言葉を口にしてくれる。
 しょんぼりとした表情を浮かべる雪都くんの姿を見て、思わず彼の頭に手を乗せてしまった。
 俺が原因だから、とぼやかして言う。途端に雪都くんの表情が明るくなった。
 俺が笑わせるためにおどけたように、デコピンをする仕草をすると、更に雪都くんは表情を緩めた。
 ──可愛い。
 自分の中に仄かに芽生え始めた感情を無視して、「なんだい、弟よ」とまたおどける。
 そうだ。雪都くんは弟。義理とはいえ、弟なのだ。そう、自分に言い聞かせるかの様に。
 すると、雪都くんは上目遣いで俺のことを「お義兄ちゃん」と呼んでくれた。
 自分の胸の鼓動がどんどん早くなっていくのが分かる。

「っ……! ズルい……」

 俺が思わず漏らした声に、雪都くんが不思議そうな表情を浮かべた。
 その後、「寝るから」と適当な理由を並べ、部屋の扉を閉めた。

「可愛すぎんだろ」

 扉に背中をつけると、ゆるゆると床に座る。
 もう自分の気持ちを無視することはできない。そう悟った俺は、この後どうするべきかと考えるのだった。
 
 
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