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第2話『今日から悪魔の契約者!』
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コランは真菜の部屋に入ると、床の隅に詰んである教科書に手を伸ばした。
その一番上に置かれていた『黒い本』を手に取る。
「やっぱり、ここにあった」
「コランくん、この本の事知ってるの?」
コランはニッコリと笑って真菜の方を向くと、堂々としたポーズで黒い本を見せつける。
「この本は『最強の人間』の元へと導かれるんだ」
「え!?」
「真菜が『最強の人間』だという証だ!!」
「ええー!?」
真菜にとっては、何もかもが一方的な決めつけだ。
最強と言われるほどの力や能力を持っている訳でもない。
「それって何度も言われたけど、何を基準に?私、普通の女子だけど!?」
「『生命力』だ。真菜は人間界で一番、生命力が強いって証拠だ」
生命力……?そんなもの計れないし自覚もないし、ピンとこない。
真菜が戸惑っていると、コランがさらに勝手に語り始めた。
「悪魔は、人間界で活動する時には生命力を消費するんだ」
そ、そうなんだ、それで……?
「だから悪魔は人間と『契約』して、その人間の生命力を吸収しながら活動するんだ」
な、なんだかこの悪魔、恐ろしい事を言い始めてない……?
「真菜の『最強の』生命力が欲しい」
なんだか、だんだんと彼の笑顔が『悪魔の微笑み』に見えてきた……
「オレと契約してくれ、真菜」
それって完全に自己都合じゃない!!
その一番上に置かれていた『黒い本』を手に取る。
「やっぱり、ここにあった」
「コランくん、この本の事知ってるの?」
コランはニッコリと笑って真菜の方を向くと、堂々としたポーズで黒い本を見せつける。
「この本は『最強の人間』の元へと導かれるんだ」
「え!?」
「真菜が『最強の人間』だという証だ!!」
「ええー!?」
真菜にとっては、何もかもが一方的な決めつけだ。
最強と言われるほどの力や能力を持っている訳でもない。
「それって何度も言われたけど、何を基準に?私、普通の女子だけど!?」
「『生命力』だ。真菜は人間界で一番、生命力が強いって証拠だ」
生命力……?そんなもの計れないし自覚もないし、ピンとこない。
真菜が戸惑っていると、コランがさらに勝手に語り始めた。
「悪魔は、人間界で活動する時には生命力を消費するんだ」
そ、そうなんだ、それで……?
「だから悪魔は人間と『契約』して、その人間の生命力を吸収しながら活動するんだ」
な、なんだかこの悪魔、恐ろしい事を言い始めてない……?
「真菜の『最強の』生命力が欲しい」
なんだか、だんだんと彼の笑顔が『悪魔の微笑み』に見えてきた……
「オレと契約してくれ、真菜」
それって完全に自己都合じゃない!!
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