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ー午後8時 タイムリミットはあと1時間ー
知子の場合・3
しおりを挟む「あと1時間なのね。実感が全く沸かないわ。」
知子はシャンパンを一口飲んで、ふと声を漏らした。自分はこの未来を知っていた。なのに、この未来に変化の兆しが見えた。
予知能力を使わなくなった事により、訪れた。と、いうよりも予想し得なかった事が起きていた。
まず一つは今、自分の隣にいる老人。富蔵の存在。
彼と最期の時間を過ごすなんて。それは知子にとって想定外以外の何物でもなかった。
そしてもう一つ。舞台はテレビの中にあった。
「まさか、あの時のバウンドボールをもう一度目にする時が来るなんて…」
富蔵の言っていた面白い事とはこの事だったのだ。
「思ってもみなかったわ。ましてや、使い方も性能も。一体何のために作られたかなんて、わからないはずのものを。正しく使おうとする人の手に渡っていたなんて。」
そう。いつの間にか売れていた、あの『スーパーバウンドボール』。
あの時まともに取り合ってくれる専門家がいて、然るべき機関の元に渡っていたら。この滅亡は防げたはずの代物だったのに。
結局は誰もが見向きもする事なく、フリマに葬り去られた物。
それを、あんな少年が…。
何という巡り合わせなのだろうか。
彼は今、あの道具を正しく使用しようとしている。
きっと彼は隕石をバウンドボールで受け止めるつもりだ。
予想でしかないが、あの場にあれがある。それが答えだろう。
狙いは水面か。
もし、彼が隕石をどうにかしようとしているならば。それで正解だ。
使用方法は合っている。
ボールはそれを目的に作られたものだ。
何せ今回の隕石はその構造に繊細さという特殊性がある。本来は水よりもジェルのような粘着度の高い液体に沈めることで、より有効度が上がる。
川の水で、どこまで衝撃の影響を抑えられるのかはわからない。
バウンドボール自体には対策はされている。
隕石を『確実に拾える』ならば。
彼がどういった意図があって、あのような行動をとっているのかは不明である。
あれが何かを知っているとも思えない。知る由ない。
一切の説明はつけていないのだ。
ただのバランスボールとして販売されていた。
購入者は精々使い心地の良さ程度の違いしか気づけないほど、なんの変哲もない物。
要するに。
彼は、何の保証も知識もなく。
直感と可能性だけで、あの場にいるということ。
生身の体で、なんの助けもなく、たった独りきりで。
何かを変えようと戦っているのだ。
(そんな事。普通はできない。大人達が諦め、力を持っている人達が何もせず、この終末をただ。待っているだけの世界で。この少年が全ての命運を背負っている。)
その孤独な戦いを、怖いとは思わないのだろうか。
今、何を思うのだろう。
人の心とは本当にわからないものだ。
知子は未来を視ることが出来たが、その力に溺れすぎていたのかもしれない。
なぜなら、人はわからないことで知ろうとする。
そうやって学びながら、心を育む生き物なのだ。
初めから答えがわかっている問題を考える事はしない。
初めからわかっている結果に努力はしない。
自分はこの年までに、どれだけのことに心を寄せてきたのだろう。
『知ろう』と努めてきたことは、一体どのくらいあったのか。
精一杯生きてきた。そう言える人生ではなかった。
(悪くない人生だった。なんて、嘘ね。
あと1時間しかないけれど、私はもっと人の心を知りたい。人と寄り添ってみたい。)
一人で良いなんて強がりだ。
きっと自分は、ずっと寂しかった。
『知る』という力が人を遠ざけて、それを悔いていたのだ。
本当は誰かと心を通わせてみたかった。
そしてそれを望んだ相手は…、この人だ。
知子は富蔵を見つめる。
(だから私はあの時、声をかけたのね。
この人の今思うことを、心の内を、ちゃんと知りたい。)
溢れる想い。感情。
時間はもう限られている。迷いはなかった。
「富蔵さん。あなたに声をかけた日を覚えていますか?この映像を見て、私はあの時から今日まで運命が繋がっていたことを実感してるの。
力を使わなくなってから人生がまるで違って見えた。あなたの『わからないから楽しい』が良くわかります。私はずっと、こうやって誰かと何気ない毎日を過ごしたかったんです。
あの少年が教えてくれた。私たちは…。人は、思い込みだけでどれだけのものを諦めてきたのかしら。捨ててきたのかしら。
まだ、間に合うでしょうか。今から、あなたと心を交わすことは…。」
二人の老人は、まるで失われた青春を取り戻すかのように語らい合った。
知子の言葉に、気持ちに、富蔵の心は解れていく。
彼もまた、誰にも打ち明けられず、誰にも見せる事がなかった本音を抱えていたのだ。
(私は、この人と出会うべくして出会った。)
知子は自然とそう感じていた。
自分はずっと、誰かの特別になりたかった。
特別な力ではなく、ありのままの自分を受け入れて欲しかったのだ。
そうやって、生涯で唯一の存在になりたかったんだ。
こんな年になるまで見て見ぬ振りをしてきてしまった。そして、彼もおそらく同じ。
私たちは年を取りすぎた。
最期の時になって、ようやく気付くとは。
この先の、なんと儚い命だろう。
突然、テレビから人の悲鳴が響く。
カウントダウンはまだ残っている。一体何事だ。
一部の画面が切り替わる。
そこに映っていたのは、人間の狂気そのものだった。
すると、富蔵が呟く。
「彼は…。今日、肩がぶつかった相手だ。」
偶然が偶然を呼ぶ。
この惨状を目の当たりにして、知子が強く思う事。
やはり自分は小さな人間である。
「あなたが生きて、私の元へと来てくれた。それが何よりも嬉しく思います。一歩間違えれば、あなたはここにいなかったかもしれない。こんなこと、不謹慎なのはわかっているのだけれど…。あなたが死んでいたかもと思うと、胸が苦しくて仕方ないんです。」
本当に胸を痛めるべきは、この青年が及んでいる行為そのもの。
なのに、結局人間とはいつだって自分の事で精一杯だ。
画面は慌ただしく切り替わる。
一方は人間の光。一方は人間の闇。テレビからは様々な声が流れてくる。
世界が混沌に飲み込まれていく。
刻一刻と時間は過ぎる。
それでも、今はまだ生きている。
知子は命ある限り、富蔵に寄り添うことを決めた。
この弱くて、脆くて、一人の孤独な老人。
自分もそうだ。
人は弱い。だから誰かと寄り添うのだ。
テレビは空の光を捕らえる。
あれが隕石か。
不意に届く声。
「来い!止めてやる!!」
(あぁ。やはり、この少年は未来を変えようとしていた。)
知子と富蔵は互いに目を合わせて頷き合う。
この先が存続か消滅か。
その運命は、一人の少年の背中に預けられている。
誰も彼を笑いはしない。
人々の願い、希望が重く重く伸し掛かる。
こんなに沢山の人がいるのに、この大きな荷物を一人で持つことは苦しくないか。怖くないか。
少年はもう少年ではない。
そこにいるのは、強く逞しい…、英雄。
隕石はもう間もなく到達するだろう。
テレビの中の声はもう知子の耳には入らない。
ただ、富蔵の言葉だけがそこに静かに響いていた。
知子はシャンパンを一口飲んで、ふと声を漏らした。自分はこの未来を知っていた。なのに、この未来に変化の兆しが見えた。
予知能力を使わなくなった事により、訪れた。と、いうよりも予想し得なかった事が起きていた。
まず一つは今、自分の隣にいる老人。富蔵の存在。
彼と最期の時間を過ごすなんて。それは知子にとって想定外以外の何物でもなかった。
そしてもう一つ。舞台はテレビの中にあった。
「まさか、あの時のバウンドボールをもう一度目にする時が来るなんて…」
富蔵の言っていた面白い事とはこの事だったのだ。
「思ってもみなかったわ。ましてや、使い方も性能も。一体何のために作られたかなんて、わからないはずのものを。正しく使おうとする人の手に渡っていたなんて。」
そう。いつの間にか売れていた、あの『スーパーバウンドボール』。
あの時まともに取り合ってくれる専門家がいて、然るべき機関の元に渡っていたら。この滅亡は防げたはずの代物だったのに。
結局は誰もが見向きもする事なく、フリマに葬り去られた物。
それを、あんな少年が…。
何という巡り合わせなのだろうか。
彼は今、あの道具を正しく使用しようとしている。
きっと彼は隕石をバウンドボールで受け止めるつもりだ。
予想でしかないが、あの場にあれがある。それが答えだろう。
狙いは水面か。
もし、彼が隕石をどうにかしようとしているならば。それで正解だ。
使用方法は合っている。
ボールはそれを目的に作られたものだ。
何せ今回の隕石はその構造に繊細さという特殊性がある。本来は水よりもジェルのような粘着度の高い液体に沈めることで、より有効度が上がる。
川の水で、どこまで衝撃の影響を抑えられるのかはわからない。
バウンドボール自体には対策はされている。
隕石を『確実に拾える』ならば。
彼がどういった意図があって、あのような行動をとっているのかは不明である。
あれが何かを知っているとも思えない。知る由ない。
一切の説明はつけていないのだ。
ただのバランスボールとして販売されていた。
購入者は精々使い心地の良さ程度の違いしか気づけないほど、なんの変哲もない物。
要するに。
彼は、何の保証も知識もなく。
直感と可能性だけで、あの場にいるということ。
生身の体で、なんの助けもなく、たった独りきりで。
何かを変えようと戦っているのだ。
(そんな事。普通はできない。大人達が諦め、力を持っている人達が何もせず、この終末をただ。待っているだけの世界で。この少年が全ての命運を背負っている。)
その孤独な戦いを、怖いとは思わないのだろうか。
今、何を思うのだろう。
人の心とは本当にわからないものだ。
知子は未来を視ることが出来たが、その力に溺れすぎていたのかもしれない。
なぜなら、人はわからないことで知ろうとする。
そうやって学びながら、心を育む生き物なのだ。
初めから答えがわかっている問題を考える事はしない。
初めからわかっている結果に努力はしない。
自分はこの年までに、どれだけのことに心を寄せてきたのだろう。
『知ろう』と努めてきたことは、一体どのくらいあったのか。
精一杯生きてきた。そう言える人生ではなかった。
(悪くない人生だった。なんて、嘘ね。
あと1時間しかないけれど、私はもっと人の心を知りたい。人と寄り添ってみたい。)
一人で良いなんて強がりだ。
きっと自分は、ずっと寂しかった。
『知る』という力が人を遠ざけて、それを悔いていたのだ。
本当は誰かと心を通わせてみたかった。
そしてそれを望んだ相手は…、この人だ。
知子は富蔵を見つめる。
(だから私はあの時、声をかけたのね。
この人の今思うことを、心の内を、ちゃんと知りたい。)
溢れる想い。感情。
時間はもう限られている。迷いはなかった。
「富蔵さん。あなたに声をかけた日を覚えていますか?この映像を見て、私はあの時から今日まで運命が繋がっていたことを実感してるの。
力を使わなくなってから人生がまるで違って見えた。あなたの『わからないから楽しい』が良くわかります。私はずっと、こうやって誰かと何気ない毎日を過ごしたかったんです。
あの少年が教えてくれた。私たちは…。人は、思い込みだけでどれだけのものを諦めてきたのかしら。捨ててきたのかしら。
まだ、間に合うでしょうか。今から、あなたと心を交わすことは…。」
二人の老人は、まるで失われた青春を取り戻すかのように語らい合った。
知子の言葉に、気持ちに、富蔵の心は解れていく。
彼もまた、誰にも打ち明けられず、誰にも見せる事がなかった本音を抱えていたのだ。
(私は、この人と出会うべくして出会った。)
知子は自然とそう感じていた。
自分はずっと、誰かの特別になりたかった。
特別な力ではなく、ありのままの自分を受け入れて欲しかったのだ。
そうやって、生涯で唯一の存在になりたかったんだ。
こんな年になるまで見て見ぬ振りをしてきてしまった。そして、彼もおそらく同じ。
私たちは年を取りすぎた。
最期の時になって、ようやく気付くとは。
この先の、なんと儚い命だろう。
突然、テレビから人の悲鳴が響く。
カウントダウンはまだ残っている。一体何事だ。
一部の画面が切り替わる。
そこに映っていたのは、人間の狂気そのものだった。
すると、富蔵が呟く。
「彼は…。今日、肩がぶつかった相手だ。」
偶然が偶然を呼ぶ。
この惨状を目の当たりにして、知子が強く思う事。
やはり自分は小さな人間である。
「あなたが生きて、私の元へと来てくれた。それが何よりも嬉しく思います。一歩間違えれば、あなたはここにいなかったかもしれない。こんなこと、不謹慎なのはわかっているのだけれど…。あなたが死んでいたかもと思うと、胸が苦しくて仕方ないんです。」
本当に胸を痛めるべきは、この青年が及んでいる行為そのもの。
なのに、結局人間とはいつだって自分の事で精一杯だ。
画面は慌ただしく切り替わる。
一方は人間の光。一方は人間の闇。テレビからは様々な声が流れてくる。
世界が混沌に飲み込まれていく。
刻一刻と時間は過ぎる。
それでも、今はまだ生きている。
知子は命ある限り、富蔵に寄り添うことを決めた。
この弱くて、脆くて、一人の孤独な老人。
自分もそうだ。
人は弱い。だから誰かと寄り添うのだ。
テレビは空の光を捕らえる。
あれが隕石か。
不意に届く声。
「来い!止めてやる!!」
(あぁ。やはり、この少年は未来を変えようとしていた。)
知子と富蔵は互いに目を合わせて頷き合う。
この先が存続か消滅か。
その運命は、一人の少年の背中に預けられている。
誰も彼を笑いはしない。
人々の願い、希望が重く重く伸し掛かる。
こんなに沢山の人がいるのに、この大きな荷物を一人で持つことは苦しくないか。怖くないか。
少年はもう少年ではない。
そこにいるのは、強く逞しい…、英雄。
隕石はもう間もなく到達するだろう。
テレビの中の声はもう知子の耳には入らない。
ただ、富蔵の言葉だけがそこに静かに響いていた。
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