【完結】残響ー名もなき侍ー

MIA

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エピローグ

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「おい、六郎!」

突然の声に意識が呼び戻される。
目の前には、あの日弔った友の亡骸。

(…戻った…のか。)

誰かが言う。

「お主、何を持っておるのじゃ。」

その手には、Tシャツと辞典。
空いた手で髪を確認すると、指に触れる紐。

六郎はふっと笑う。

「拙者の、宝じゃ。」



いつの間にか雨は止んでいた。
戦いはまだまだ続く。

あの未来に向けて。
ただ前に進むのみ。
全力のその先に、何かが残せたら。

それはきっと、名前だけではない。
何でも良い。

六郎は仲間の元へ踏み出す。

「行くか。」

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