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芽吹く想い
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ここは巴衣達の通う高校、剣道部の練習場。
「しかし驚いたわね。まさか外部入部を許可するなんて。」
巴衣は部長と話している六郎を見やり、明へと向き合い直す。
姫乃はバイトでこの場にはいない。
「あぁ。俺が部長に聞いてみたんだよ。親戚が暇してるんだけど。って。剣道めちゃくちゃ強い奴だって話したら、丁度大会前に欠員が出たって事で先生に相談してくれたみたいだ。学校側も小さい大会くらいならって許可してくれたらしい。」
何事もなくさらっと言いのける明。
「え?ちょっと。剣道強いって。何無責任なこと言ってんのよ。あいつは実戦でしょ?!竹刀で殺しちゃったりしない?素人も良いところじゃん!大丈夫なの?」
吠える巴衣を制すると、顎で六郎を指す。
「まぁ、良いから見てろって。」
竹刀を渡され畳の上に上がる六郎。一礼。
その瞬間、巴衣の胸が大きく高鳴った。
練習をしていた部員たちもその手を止めて思わず見入る。
空気が変わる。
目が離せない。
構え。
上段から一気に振り下ろす。
風を斬る音。洗練された呼吸。静かな空間に一瞬の緊張感が駆け抜けた。
全員が息を飲む。
見事。
この一言に尽きる。何も知らない自分が見て、息が止まるほどの一振り。
遅れて拍手が湧き上がる。六郎は、晴れて剣道部の仲間入りを果たした。
「な?」
明はしたり顔をして向けてくるが、顔を見れない。頷きだけで返事をする巴衣。
どうしたというのだ。私は。
熱くなる顔と、依然鳴り止まぬ心臓の鼓動を必死に隠す。
初めての現象に戸惑う巴衣だった。
あの時間。六郎の顔付きが変わった。
前を見据えて逸らさない真っ直ぐな瞳は、きっと戦いのそれ。
あれが、本来の六郎。
なぜ竹刀を手にした時に、迷いのない、熱い眼差しになったのか。そこにはきっと命がかかっているのだ。
一瞬一瞬が真剣。あれは覚悟の目。
侍とはみなこうであったのか。
戦場という場は人を殺める場所。
不謹慎だったが、その姿はただ『美しい』。
その日から六郎は放課後になると剣道部へやってきた。
昔とは所作の違いはあれど、やはり元祖剣士である。
六郎はみるみる上達していく。
そうして時は流れ一週間。
この頃には部員はおろか、部長すらも六郎には勝てなくなるほどになっていた。
今日は明も姫乃もバイトだ。合鍵を受け取り、六郎の食事を頼まれていた巴衣は教室で一人待つ。
あいつが格好良いんじゃない。剣道してる姿が格好良いんだ。
巴衣は六郎の練習している姿を見ると動揺してしまう。
しかし、それは六郎にではない。そう必死に言い聞かせる。
が、巴衣はあれから六郎との会話に調子が出ないでいた。なぜだか上手く話せない。
二人か。気まずいな、何か。
巴衣は小さくため息を吐く。
何だかんだで今日まで二人にはなることが無かった。常に明や姫乃がいたため、久しぶりの二人きりにソワソワしてしまう。
「待たせたな。」
急に声がかかり、心臓がドキンッ!と大きく跳ね上がった。違う、これは本当に驚いた時のドキンだ。
振り向くと稽古を終えたばかりの六郎の姿。
やだ、かっこいい。
と思った瞬間、巴衣は猛烈に頭を振った。
いや、違う。道着が格好良いんだ。そうよ、それよ!と思考が目まぐるしく変換されていく。
「偽巴の飯は美味いからのぉ!楽しみじゃ!あきら殿には叶わぬがな。姫よりは…ここだけの話。姫は苦手のようじゃな。まぁ、姫君ゆえ当然よのぉ!」
ガハハと豪快に笑う。いつもの六郎だ。
変に意識しているのは私だけ。
巴衣は一緒に笑う。
「まさか姫にも苦手なことがあったとはねぇ。明には内緒にしておきなさいよ?」
「当たり前よ。あきら殿は姫に『ぞっこん』故。知らぬ方が姫の為じゃ!」
現代の言葉を覚え、現代の人と交わる。そうやって少しずつ染まっていく六郎。
巴衣は不意に考えてしまう。
このまま。ここに居たら?
でも、六郎はそれをきっと望まない。
巴衣はやるせない気持ちを押し込めて、誤魔化すように言う。
「明はどんな姫にも『ぞっこん』よ。さぁ帰ろ。」
それもそうだ!とまた豪快に笑う声。いつもの笑い方。六郎だけの笑い方。
食事を終え二人でお茶を飲んでいると、六郎がポツリと溢す。
「茶を飲むと、巴殿を思い出す。」
あぁ。愛しの巴御前…ね。
巴衣は最初から六郎の気持ちに気付いていた。
いたはずなのに、今は少しだけ胸が痛む。
巴を語る時の六郎の目は、ちょっと嫌だ。
「初めて間近で見たのだ。あれは戦の最中。兵士達の労いと巴殿が配ってくれたのは茶であった。士気を高める時は酒であろう?それを、茶。とな。いやはや、何とも洒落のあるお方よ。偽巴の茶はあの時飲んだ茶に何故だか似ておる。」
ばか。
偽って言うな。
比べてくれるな。
私は巴衣だ。私は…私なんだから。
「あんたさ…。それは『ぞっこん』ってやつでしょ。」
お茶を盛大に吹き出す六郎。あからさまに狼狽えている。
本当に、嫌になるほどわかりやすい。
「でも。義仲の…。だよね?」
我ながら意地の悪い事を言ってしまう。
「大事なお人よのぉ。何、元より身分違い。拙者には遠いお方よ。
今の世は良いの。好いた者同士で添い遂げられるのであろう?…偽巴は、そういった殿方がおるのか?」
ぎくりとした。
あぁ、そうか。もう誤魔化せない。
私は今。身分違いの恋をしている。
この変な男に。
だけど時々どうしようもなく格好良い侍に。
恋をしてしまったんだ。
「私の事はどうでも良いでしょ。それより巴御前の話聞かせてよ。どこが良いの?」
見えない振りをしなくては。
巴の話をして欲しい。そして私に、敵わない。そう思わせて欲しい。
「巴殿の話か。うむ。一言で言うならば『強い』に尽きる。武力そのものもお強いお方での、戦場に出陣致せばまさに一騎当千。今までも平家の者を何十人と葬ってきたぞ。
しかし巴殿の真の強さは心にあり。おなごが戦場に出るなぞ、よほどの覚悟じゃ。それだけ義仲殿と共に戦う事を、義仲殿の背中を守る事を、貫き通す芯がお有りなのだ。」
姫乃が言っていた。自分でも調べてみた。
昔の女は強い。
自分の旦那が、子どもが、いつ死ぬかもわからない中で帰りを待ち続ける。いざとなれば自害をする覚悟で家を守る。
巴のように戦場に出ていた女武者もいる。
共に命をかける事は、怖くは無かったのか。
いや、きっと。
男たちだけではなく、女たちも全力で毎日を駆け抜けていたんだ。
信念は侍だけのものではなく、誰もが何かしらを強く心に持ち、今を生きていた。
あぁ、敵わない。
私たち現代の人間は、何と弱くなってしまったのか。
「拙者は巴殿と同じ場所で戦いたいのだ。志は同じ。拙者も巴殿も、ただ義仲殿のために。源氏のために、戦場へと参る。故に早く帰らねばならぬ。」
やはり六郎は帰りたがっている。
巴御前は凄い人だ。その人が命をかけるまでに惚れた男。
木曽義仲(キソ ヨシナカ)。
その信念の大きさはどれほど大きいのだろうか。
だって、好きな女が愛してる男だというのに。
六郎はその男に惚れている。
巴のために帰りたいんじゃない。義仲のために、己の信じた心のために帰りたいんだ。
ぶれない、折れない、何と真っ直ぐで太い芯。
「そっか。早く帰れる方法。見つけないとね。」
その言葉は何となく嘘くさく、自分でも驚くほどに熱が無かった。
巴衣は今、嫉妬している。
六郎を強く惹き付け、離さない。
巴御前よりも、もっと大きな存在の男に。
「しかし驚いたわね。まさか外部入部を許可するなんて。」
巴衣は部長と話している六郎を見やり、明へと向き合い直す。
姫乃はバイトでこの場にはいない。
「あぁ。俺が部長に聞いてみたんだよ。親戚が暇してるんだけど。って。剣道めちゃくちゃ強い奴だって話したら、丁度大会前に欠員が出たって事で先生に相談してくれたみたいだ。学校側も小さい大会くらいならって許可してくれたらしい。」
何事もなくさらっと言いのける明。
「え?ちょっと。剣道強いって。何無責任なこと言ってんのよ。あいつは実戦でしょ?!竹刀で殺しちゃったりしない?素人も良いところじゃん!大丈夫なの?」
吠える巴衣を制すると、顎で六郎を指す。
「まぁ、良いから見てろって。」
竹刀を渡され畳の上に上がる六郎。一礼。
その瞬間、巴衣の胸が大きく高鳴った。
練習をしていた部員たちもその手を止めて思わず見入る。
空気が変わる。
目が離せない。
構え。
上段から一気に振り下ろす。
風を斬る音。洗練された呼吸。静かな空間に一瞬の緊張感が駆け抜けた。
全員が息を飲む。
見事。
この一言に尽きる。何も知らない自分が見て、息が止まるほどの一振り。
遅れて拍手が湧き上がる。六郎は、晴れて剣道部の仲間入りを果たした。
「な?」
明はしたり顔をして向けてくるが、顔を見れない。頷きだけで返事をする巴衣。
どうしたというのだ。私は。
熱くなる顔と、依然鳴り止まぬ心臓の鼓動を必死に隠す。
初めての現象に戸惑う巴衣だった。
あの時間。六郎の顔付きが変わった。
前を見据えて逸らさない真っ直ぐな瞳は、きっと戦いのそれ。
あれが、本来の六郎。
なぜ竹刀を手にした時に、迷いのない、熱い眼差しになったのか。そこにはきっと命がかかっているのだ。
一瞬一瞬が真剣。あれは覚悟の目。
侍とはみなこうであったのか。
戦場という場は人を殺める場所。
不謹慎だったが、その姿はただ『美しい』。
その日から六郎は放課後になると剣道部へやってきた。
昔とは所作の違いはあれど、やはり元祖剣士である。
六郎はみるみる上達していく。
そうして時は流れ一週間。
この頃には部員はおろか、部長すらも六郎には勝てなくなるほどになっていた。
今日は明も姫乃もバイトだ。合鍵を受け取り、六郎の食事を頼まれていた巴衣は教室で一人待つ。
あいつが格好良いんじゃない。剣道してる姿が格好良いんだ。
巴衣は六郎の練習している姿を見ると動揺してしまう。
しかし、それは六郎にではない。そう必死に言い聞かせる。
が、巴衣はあれから六郎との会話に調子が出ないでいた。なぜだか上手く話せない。
二人か。気まずいな、何か。
巴衣は小さくため息を吐く。
何だかんだで今日まで二人にはなることが無かった。常に明や姫乃がいたため、久しぶりの二人きりにソワソワしてしまう。
「待たせたな。」
急に声がかかり、心臓がドキンッ!と大きく跳ね上がった。違う、これは本当に驚いた時のドキンだ。
振り向くと稽古を終えたばかりの六郎の姿。
やだ、かっこいい。
と思った瞬間、巴衣は猛烈に頭を振った。
いや、違う。道着が格好良いんだ。そうよ、それよ!と思考が目まぐるしく変換されていく。
「偽巴の飯は美味いからのぉ!楽しみじゃ!あきら殿には叶わぬがな。姫よりは…ここだけの話。姫は苦手のようじゃな。まぁ、姫君ゆえ当然よのぉ!」
ガハハと豪快に笑う。いつもの六郎だ。
変に意識しているのは私だけ。
巴衣は一緒に笑う。
「まさか姫にも苦手なことがあったとはねぇ。明には内緒にしておきなさいよ?」
「当たり前よ。あきら殿は姫に『ぞっこん』故。知らぬ方が姫の為じゃ!」
現代の言葉を覚え、現代の人と交わる。そうやって少しずつ染まっていく六郎。
巴衣は不意に考えてしまう。
このまま。ここに居たら?
でも、六郎はそれをきっと望まない。
巴衣はやるせない気持ちを押し込めて、誤魔化すように言う。
「明はどんな姫にも『ぞっこん』よ。さぁ帰ろ。」
それもそうだ!とまた豪快に笑う声。いつもの笑い方。六郎だけの笑い方。
食事を終え二人でお茶を飲んでいると、六郎がポツリと溢す。
「茶を飲むと、巴殿を思い出す。」
あぁ。愛しの巴御前…ね。
巴衣は最初から六郎の気持ちに気付いていた。
いたはずなのに、今は少しだけ胸が痛む。
巴を語る時の六郎の目は、ちょっと嫌だ。
「初めて間近で見たのだ。あれは戦の最中。兵士達の労いと巴殿が配ってくれたのは茶であった。士気を高める時は酒であろう?それを、茶。とな。いやはや、何とも洒落のあるお方よ。偽巴の茶はあの時飲んだ茶に何故だか似ておる。」
ばか。
偽って言うな。
比べてくれるな。
私は巴衣だ。私は…私なんだから。
「あんたさ…。それは『ぞっこん』ってやつでしょ。」
お茶を盛大に吹き出す六郎。あからさまに狼狽えている。
本当に、嫌になるほどわかりやすい。
「でも。義仲の…。だよね?」
我ながら意地の悪い事を言ってしまう。
「大事なお人よのぉ。何、元より身分違い。拙者には遠いお方よ。
今の世は良いの。好いた者同士で添い遂げられるのであろう?…偽巴は、そういった殿方がおるのか?」
ぎくりとした。
あぁ、そうか。もう誤魔化せない。
私は今。身分違いの恋をしている。
この変な男に。
だけど時々どうしようもなく格好良い侍に。
恋をしてしまったんだ。
「私の事はどうでも良いでしょ。それより巴御前の話聞かせてよ。どこが良いの?」
見えない振りをしなくては。
巴の話をして欲しい。そして私に、敵わない。そう思わせて欲しい。
「巴殿の話か。うむ。一言で言うならば『強い』に尽きる。武力そのものもお強いお方での、戦場に出陣致せばまさに一騎当千。今までも平家の者を何十人と葬ってきたぞ。
しかし巴殿の真の強さは心にあり。おなごが戦場に出るなぞ、よほどの覚悟じゃ。それだけ義仲殿と共に戦う事を、義仲殿の背中を守る事を、貫き通す芯がお有りなのだ。」
姫乃が言っていた。自分でも調べてみた。
昔の女は強い。
自分の旦那が、子どもが、いつ死ぬかもわからない中で帰りを待ち続ける。いざとなれば自害をする覚悟で家を守る。
巴のように戦場に出ていた女武者もいる。
共に命をかける事は、怖くは無かったのか。
いや、きっと。
男たちだけではなく、女たちも全力で毎日を駆け抜けていたんだ。
信念は侍だけのものではなく、誰もが何かしらを強く心に持ち、今を生きていた。
あぁ、敵わない。
私たち現代の人間は、何と弱くなってしまったのか。
「拙者は巴殿と同じ場所で戦いたいのだ。志は同じ。拙者も巴殿も、ただ義仲殿のために。源氏のために、戦場へと参る。故に早く帰らねばならぬ。」
やはり六郎は帰りたがっている。
巴御前は凄い人だ。その人が命をかけるまでに惚れた男。
木曽義仲(キソ ヨシナカ)。
その信念の大きさはどれほど大きいのだろうか。
だって、好きな女が愛してる男だというのに。
六郎はその男に惚れている。
巴のために帰りたいんじゃない。義仲のために、己の信じた心のために帰りたいんだ。
ぶれない、折れない、何と真っ直ぐで太い芯。
「そっか。早く帰れる方法。見つけないとね。」
その言葉は何となく嘘くさく、自分でも驚くほどに熱が無かった。
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