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後編
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「君はだれ?」
「――え?」
まさかそんな事を言われるとは思ってもみなかった。顔はちょっと若返っているけど私だし、でも今は私であって私ではない。それでも私には変わりがないので、主人がそんな言葉を発するとは思っていなかったのだ。
何とも言えず黙っていると、主人は「まあいいや」と私から体を離した。
「僕の奥さんはねー」
え?奥さん?もちろん私の事だよね?
「僕の奥さんはとっても可愛くてね。いつも笑顔ですごく優しい言葉をかけてくれてね。対応してる営業マンの一人だと思われてたのは分かってるけど。一生懸命アプローチしてたのに気が付いてくれなくて……。でもそんな鈍い所も大好きなんだ」
そうだったの?そんな素振り見せてなかったから気が付かなかった。私そんなに鈍いかな。
「営業で行く時しか機会が無かったからすごく焦ってたんだよ。もたもたしてるうちに同僚も奥さんのこといいなとか言い出すし」
私外見もこんなだし、絶対モテないと思うけど。
更に惚気?を続ける。いい加減恥ずかしい。
「そんな時僕にチャンスが巡ってきてね。酷い渋滞に嵌ってしまってお昼休みになっちゃった事があって。それでも急ぎの商品だったから持って行ったんだけど、事務所に残ってるのが奥さんだけだったんだ」
それは覚えてる。とても暑い日で駐車場からの短い間に汗だくになってた。
あれはうちの課長が納品急かしてたんだよね。
「これは神様がくれたチャンスだと思って思い切って誘ったんだ」
神様ってちょっと大袈裟じゃないかな?
そして色んな所でデートして、付き合って、体を重ねて、プロポーズされて。
元々いいなとは思ってたけど、どんどん好きになっていった。
「僕の奥さんはとても抱き心地が良くてね。すごく幸せな気持ちになれるんだ。僕の手で敏感に反応してくれて。恥ずかしがるところがたまらなくて……」
とてもじゃないけれど、それ以上聞いていられなくて途中で遮ってしまった。
「もう! もういいから!」
「そう?」
主人は言い足りないという感じの不満な顔をしながらも、そのままコテンと寝てしまった。
「……もう。なんなの?」
私には気が付かないし、恥ずかしい事言うだけ言ってすぐに寝てしまうって。
少しだけ複雑な感情で主人の顔を見たものの、余りにも幸せそうに眠っているのでまあいいかと思ってしまった。
そして私も急に眠気が来て、主人の横で朝までぐっすり眠ってしまった。
明くる朝。
パチッと目が覚めて窓を見るとまだ薄暗い時間のようだ。まだ眠れるかなと思いふと隣を見ると主人は前から起きていたようで、何故かこちらをガン見していた。
いつまでたっても何も言わないので、こちらから声を掛けてみた。
「えっと、なに?どうしたの?」
更にじっと私を見つめ続けていたが、しばらくしてから口を開いた。
「僕の奥さんで間違いないよね」
「う、うん。そうだと思うけど」
何故かおかしな返事になってしまった。
「良かった~」
はーと息を吐きながら枕に突っ伏してしまった主人。
「いや昨日さ、変な夢見て」
「変な夢?」
「君とは別の女性が隣で寝てる夢」
私ははっとした。自分の体を見るとすっかり元に戻っている。
と言うか夢だった?現実味が無かったので夢と言われてもおかしくはないけど。
私は昨日使った筈の石鹸を確認しに行こうと思い、ベッドから降りようとしたところ主人に捕まってしまった。
背中から抱きしめられて首筋に顔を埋められ、匂いを嗅がれた。
「はあ……。良かった。君がいて」
体をを主人の方に向かされ啄むようなキスを唇にくれた。
何度もしているうちに深い口付けに変わっていく。
「ん。あ……」
口の中を満遍なく舐めまわされ舌を絡ませていく。気持ち良すぎて声を止める事ができない。
手が胸に向かい大胆に揉まれていく。時折先を弄られ、それにより更に固くなって指で弾かれる。
「やあっ」
丁寧な愛撫をされながら少しずつ脱がされていく。
ああ。この人が好きだなあと寝起きの回らない頭でも思ってしまう。
もうぐちょぐちょに濡れている私の中はすんなりと主人の指を受け入れた。
胸の先を舐められながら奥を突かれるとどうしようもなく感じでしまう。
「気持ちいい?」
「ん。ん」
そんなの分かってる癖に。こうすると私がすぐにイってしまうこと。
処女ではなかったが、碌な経験が無かった私の体は主人に作られたようなものだ。
限界はすぐに来た。
「んんんーっ! ああーー」
背中を浮かせのけぞりながら派手にイってしまった私は、全力疾走をした後のように激しい呼吸をした。
「イく時の顔可愛い」
と言いながらきゅっと私を抱きしめる主人。
いつも思うけど目が悪いんじゃないだろうかこの人。
「もっとだよ。もっと見たい」
主人の頭がするすると下に降りていき、そっと私の足を開く。
いつの間にか外は明るくなっていて、当然良く見える。
顔から火が出る程恥ずかしかったが、この先にある気持ち良さを知っている私に抵抗はできなかった。
局部に息遣いを感じた直後にひだを指で広げられ、むき出しの芯に口付けられた。
体がひとりでにビクリと動いてしまう。
その後はポイントを外しながら周りを舐めていく。
決定的な快感が欲しいと強請るように腰が揺れてしまっていた。
その瞬間ジュッときつく吸われた。
「ああっ」
その後は激しく舌を動かされあっという間に連続で二回イってしまった。
合計三回もイかされぐったりしてしまった私は、このまま眠ってしまいたいと思ったがそれは主人が許さなかった。
「起きて。僕も気持ちよくして」
いつの間にか準備を終えていた主人が私の中に入ってきた。
十分に濡れているのでくぷりと音がして恥ずかしい。
ゆっくりと奥まで納めるとふうっと息を吐いた。
「温かくて気持ちいい」
ふわっとほほ笑むその顔が好き。
繋がったまま私を優しく抱き上げ、対面座位の格好になった。
「いくよ」
そう言うと主人は激しく下から突き上げながら胸の先をきつく吸う。
普段優しい彼にこんな情熱があるのかといつも思ってしまう。
そうさせているのが私だと。何を悩んでいたのか分からなくなってきた。
奥を突かれていると熱いものがこみ上がってきた。
あ、もうイってしまう……。
その事に敏感に気が付いた主人が更に腰を速めてきた。
「やあああ! だめっ! イくっ」
「いいよ。僕も! ああっ」
声にならない悲鳴を上げ、今日一番の快感を感じて果てた。
私の中でドクドクと脈打つ主人がいる。その事に酷く幸せを感じた。
「あの……」
「ん?」
「抜かないと零れちゃうんじゃない?」
そうなのだ。お互いに達した後離れようとしたのだが、主人が離してくれない。
「縮めなきゃいいんでしょ。もう少しこのままいたい」
と、主人の発言のせいで赤く染まった私の肩に顔を埋める。
「重くない?」
「全然」
その返しに安心して息を吐きもたれかかる。
とても暖かくて心地良い。どうして離れていくなんて思ったのだろう。こんなにも想ってもらっているのに。体型とか顔とか悩んでいる事がどうでも良くなった。
私はこの人がとても好きで愛していて、彼も私を愛している……と思う。
言い切れないのは、なかなか昔からのコンプレックスからは脱しきれないということで許して欲しい。
それから何度か抱かれ、二人で少し眠ってから起きた時にはお昼近くになっていて、主人がシャワーを浴びている間に朝食兼昼食を作った。
食べて少し落ち着いた後、石鹸の事を思い出し浴室に行き探してみたが、影も形もなく消え失せていた。
「ねえ。ここにあった石鹸知らない?」
「石鹸? 知らないな。ウチでは使ってなかったでしょ」
やっぱり夢だったのかなと、頭がパンクしてる私の後ろ姿に主人はクスリと笑いをこぼした。
「――え?」
まさかそんな事を言われるとは思ってもみなかった。顔はちょっと若返っているけど私だし、でも今は私であって私ではない。それでも私には変わりがないので、主人がそんな言葉を発するとは思っていなかったのだ。
何とも言えず黙っていると、主人は「まあいいや」と私から体を離した。
「僕の奥さんはねー」
え?奥さん?もちろん私の事だよね?
「僕の奥さんはとっても可愛くてね。いつも笑顔ですごく優しい言葉をかけてくれてね。対応してる営業マンの一人だと思われてたのは分かってるけど。一生懸命アプローチしてたのに気が付いてくれなくて……。でもそんな鈍い所も大好きなんだ」
そうだったの?そんな素振り見せてなかったから気が付かなかった。私そんなに鈍いかな。
「営業で行く時しか機会が無かったからすごく焦ってたんだよ。もたもたしてるうちに同僚も奥さんのこといいなとか言い出すし」
私外見もこんなだし、絶対モテないと思うけど。
更に惚気?を続ける。いい加減恥ずかしい。
「そんな時僕にチャンスが巡ってきてね。酷い渋滞に嵌ってしまってお昼休みになっちゃった事があって。それでも急ぎの商品だったから持って行ったんだけど、事務所に残ってるのが奥さんだけだったんだ」
それは覚えてる。とても暑い日で駐車場からの短い間に汗だくになってた。
あれはうちの課長が納品急かしてたんだよね。
「これは神様がくれたチャンスだと思って思い切って誘ったんだ」
神様ってちょっと大袈裟じゃないかな?
そして色んな所でデートして、付き合って、体を重ねて、プロポーズされて。
元々いいなとは思ってたけど、どんどん好きになっていった。
「僕の奥さんはとても抱き心地が良くてね。すごく幸せな気持ちになれるんだ。僕の手で敏感に反応してくれて。恥ずかしがるところがたまらなくて……」
とてもじゃないけれど、それ以上聞いていられなくて途中で遮ってしまった。
「もう! もういいから!」
「そう?」
主人は言い足りないという感じの不満な顔をしながらも、そのままコテンと寝てしまった。
「……もう。なんなの?」
私には気が付かないし、恥ずかしい事言うだけ言ってすぐに寝てしまうって。
少しだけ複雑な感情で主人の顔を見たものの、余りにも幸せそうに眠っているのでまあいいかと思ってしまった。
そして私も急に眠気が来て、主人の横で朝までぐっすり眠ってしまった。
明くる朝。
パチッと目が覚めて窓を見るとまだ薄暗い時間のようだ。まだ眠れるかなと思いふと隣を見ると主人は前から起きていたようで、何故かこちらをガン見していた。
いつまでたっても何も言わないので、こちらから声を掛けてみた。
「えっと、なに?どうしたの?」
更にじっと私を見つめ続けていたが、しばらくしてから口を開いた。
「僕の奥さんで間違いないよね」
「う、うん。そうだと思うけど」
何故かおかしな返事になってしまった。
「良かった~」
はーと息を吐きながら枕に突っ伏してしまった主人。
「いや昨日さ、変な夢見て」
「変な夢?」
「君とは別の女性が隣で寝てる夢」
私ははっとした。自分の体を見るとすっかり元に戻っている。
と言うか夢だった?現実味が無かったので夢と言われてもおかしくはないけど。
私は昨日使った筈の石鹸を確認しに行こうと思い、ベッドから降りようとしたところ主人に捕まってしまった。
背中から抱きしめられて首筋に顔を埋められ、匂いを嗅がれた。
「はあ……。良かった。君がいて」
体をを主人の方に向かされ啄むようなキスを唇にくれた。
何度もしているうちに深い口付けに変わっていく。
「ん。あ……」
口の中を満遍なく舐めまわされ舌を絡ませていく。気持ち良すぎて声を止める事ができない。
手が胸に向かい大胆に揉まれていく。時折先を弄られ、それにより更に固くなって指で弾かれる。
「やあっ」
丁寧な愛撫をされながら少しずつ脱がされていく。
ああ。この人が好きだなあと寝起きの回らない頭でも思ってしまう。
もうぐちょぐちょに濡れている私の中はすんなりと主人の指を受け入れた。
胸の先を舐められながら奥を突かれるとどうしようもなく感じでしまう。
「気持ちいい?」
「ん。ん」
そんなの分かってる癖に。こうすると私がすぐにイってしまうこと。
処女ではなかったが、碌な経験が無かった私の体は主人に作られたようなものだ。
限界はすぐに来た。
「んんんーっ! ああーー」
背中を浮かせのけぞりながら派手にイってしまった私は、全力疾走をした後のように激しい呼吸をした。
「イく時の顔可愛い」
と言いながらきゅっと私を抱きしめる主人。
いつも思うけど目が悪いんじゃないだろうかこの人。
「もっとだよ。もっと見たい」
主人の頭がするすると下に降りていき、そっと私の足を開く。
いつの間にか外は明るくなっていて、当然良く見える。
顔から火が出る程恥ずかしかったが、この先にある気持ち良さを知っている私に抵抗はできなかった。
局部に息遣いを感じた直後にひだを指で広げられ、むき出しの芯に口付けられた。
体がひとりでにビクリと動いてしまう。
その後はポイントを外しながら周りを舐めていく。
決定的な快感が欲しいと強請るように腰が揺れてしまっていた。
その瞬間ジュッときつく吸われた。
「ああっ」
その後は激しく舌を動かされあっという間に連続で二回イってしまった。
合計三回もイかされぐったりしてしまった私は、このまま眠ってしまいたいと思ったがそれは主人が許さなかった。
「起きて。僕も気持ちよくして」
いつの間にか準備を終えていた主人が私の中に入ってきた。
十分に濡れているのでくぷりと音がして恥ずかしい。
ゆっくりと奥まで納めるとふうっと息を吐いた。
「温かくて気持ちいい」
ふわっとほほ笑むその顔が好き。
繋がったまま私を優しく抱き上げ、対面座位の格好になった。
「いくよ」
そう言うと主人は激しく下から突き上げながら胸の先をきつく吸う。
普段優しい彼にこんな情熱があるのかといつも思ってしまう。
そうさせているのが私だと。何を悩んでいたのか分からなくなってきた。
奥を突かれていると熱いものがこみ上がってきた。
あ、もうイってしまう……。
その事に敏感に気が付いた主人が更に腰を速めてきた。
「やあああ! だめっ! イくっ」
「いいよ。僕も! ああっ」
声にならない悲鳴を上げ、今日一番の快感を感じて果てた。
私の中でドクドクと脈打つ主人がいる。その事に酷く幸せを感じた。
「あの……」
「ん?」
「抜かないと零れちゃうんじゃない?」
そうなのだ。お互いに達した後離れようとしたのだが、主人が離してくれない。
「縮めなきゃいいんでしょ。もう少しこのままいたい」
と、主人の発言のせいで赤く染まった私の肩に顔を埋める。
「重くない?」
「全然」
その返しに安心して息を吐きもたれかかる。
とても暖かくて心地良い。どうして離れていくなんて思ったのだろう。こんなにも想ってもらっているのに。体型とか顔とか悩んでいる事がどうでも良くなった。
私はこの人がとても好きで愛していて、彼も私を愛している……と思う。
言い切れないのは、なかなか昔からのコンプレックスからは脱しきれないということで許して欲しい。
それから何度か抱かれ、二人で少し眠ってから起きた時にはお昼近くになっていて、主人がシャワーを浴びている間に朝食兼昼食を作った。
食べて少し落ち着いた後、石鹸の事を思い出し浴室に行き探してみたが、影も形もなく消え失せていた。
「ねえ。ここにあった石鹸知らない?」
「石鹸? 知らないな。ウチでは使ってなかったでしょ」
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