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プロローグ

伝説への第一歩

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また同じ夢を見た。






「お母………父……」

「ぎゃあああぁぁぁ……」





嫌な夢。





「早く……連れて………行…」

「やめ……れ…………ろ!」





あの時の記憶。











「朝ごはん出来ましたよ~」
「は~い!分かったよばぁちゃん!」


僕の名前はアルメイス・アルマ
誇り高き魔族の一族アルメイス家の一人っ子だ。
それで今僕を呼んでいるのは祖母のアルメイス・マーラル
他には誰もいない。
じいちゃんは僕の小さい頃に死んだらしい。
だからばあちゃんと僕の二人暮しだ。
僕の両親はどうしたかと言うと、
それは…思い出したくもない。

それは二ヶ月ほど前の話だ。
ある晴天の日に僕はいつも通りに
家で魔術などの修行をしていた
気持ちよく汗を流し、気分は上々だった。
だが、その日俺は大切なものを無くした。
そう

父と母だ。

その日人間達が僕たちの街を壊しに来た。
ちなみにばあちゃんは出かけていてその日街にはいなかった。

家が燃えていく、
人の叫び声が聞こえてくる。
人間は圧倒的な力であっという間に僕たちの街を壊した。
その時思った
これこそあの伝説の魔王が残した本に書いてあった人族と魔族の戦争だと。

だがなんでこの街が襲われる?
という疑問が僕の中で起こった。
この街は人族の領地よりかなり離れた所にある。
そしてこう考えた
人族はレベルアップ出来る。
だから人族は殺したら配当経験値が大きい魔族を狙ったんだと

そう考えてる間に
人間の攻撃は家まで来た
僕は逃げた
運良く逃げきれた。
だが、その代償は大きかった

父と母の犠牲だ。

なんでなんでなんだ弱いからか?
魔族は努力と天性の才能だけで強さが決まる。
だから強くなれない。
だが、それに比べて人族はレベルアップという概念がある。
しかも本によればレベルが50上がる度に
スキルというものも手に入ると書いてあった。
酷くはないか?
こんなの勝ち目がない。
この世界はクソだ。
神は何を考えているのか、
この魔族の無様な姿を笑って見ているのか、
神なんかもう信じない。
クソがクソがクソが
魔族もレベルアップ出来れば…

出来れば?

魔族にレベルが出来ないって誰が言った?誰が決めた?
それからさらに僕は考えた。
魔王が強いのは生まれてきた時のレベルが高いだけなのでは?
だけど魔物を殺して飯にしている猟師は
強くない。
魔物を殺しても魔族だと経験値にならない?

そして考えた結果

人族を殺せば魔族もレベルアップする?

という結論に至った。
その結論に至った僕は誓った。

人族に復讐をしようと。


「おばぁちゃんご馳走様!」
「はいはいお粗末様でした」


この物語は僕の過酷なで辛い、けど楽しい人生の一部である。




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