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第二話 『初めてのパーティ』
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しおりを挟むローリエは、フェルマータとマナの3人で、魔物の討伐に向かうことになった。
いつかは、そうなると知っていても。
イキナリ今から。となるとは思っていなかった。
準備を終えたら、首都の南門に集合するという事になり、それぞれが準備をしに散っていった。
ローリエは、首都の端っこにある誰も利用しないような倉庫番に、倉庫を開いてもらった。
さすがにゲームであるから、どこの倉庫番が倉庫を開いても、中に入っている物は共通だ。
ローリエは倉庫に入ると、アイテムを探し始めた。
「たしか、どこかに、それっぽくなるドロップ品が――」
成り行きで、ローリエのキャラクタービルドは、風の魔法使いという事になったのだが。
ある程度魔法を使えるとは言っても、魔法攻撃力は純魔法使いには大きく劣るし、土属性のパッシブスキルで増強されているとはいえ、MPの最大値も少ない。
これでは怪しまれる。
なぜなら、攻略サイトに掲載されていたパーティプレイのキャプチャーを見る限り、パーティメンバーの戦闘時インターフェースには自分のHP、MP,STPが表示されてしまう。
あまりMPが少ないと、変に思われるに違いない。
それを打開するアイテムを、ソロプレイ時にどこかで拾った覚えがあった。
たしか、PKを仕掛けてきたプレイヤーを返り討ちにしたときに落としたペナルティドロップ品だったと記憶している。
ローリエはそれを必死に探しているのだった。
「えっと――。あ、これは使おう」
大きな羽ペンのようなアイテムを見つけた。
これは、風属性魔法を強化してくれるワンド系の武器だ。
残しておいてよかった。
ローリエは小さいカバンを一つしか携帯していない。
そのかばんには、エリクシルが詰まっているので、羽ペンはドレスの隙間――懐に入れた。
そしてついに発見する。
「あった……『骸王シズレナヴの指輪』」
その趣味が悪すぎる見た目のえげつない指輪は、間違いない。
インターフェースを呼び出し、ローリエはその指輪を装着する。
装備はあまりこだわってこなかったので、ずっと空欄だった装飾品の装備カ所に指輪がセットされる。
すると、
MaxHP 784 ⇒ 392
MaxMP 313 ⇒ 626
MaxST 452 ⇒ 452
インターフェースに表示されていた、ローリエのステータス数値のうち、最大HPと最大MPが変動する。
指輪の効果は、最大HPを半分にする代わりに、最大MPを2倍にするという効果だ。
おそらく、魔法使いには使いどころがある指輪だろう。
HPが激減するのでかなり危ないけれど。
しかし、ローリエは木属性と土属性のパッシブスキルで最大HPは、かなり増強されている。
ローリエの基本ステータスのVITは1であり、全く強化されていないにもかかわらず、784というHP数値はかなり多い方だと言える。
なので半分になっても、何とかなるレベルだ。
幸運にも、ワンドも調達できたことだし、これで風の魔法使いをすることができるだろう。
ローリエは倉庫を出る。
まだメッセージ等で催促は来ていないが。
他の二人はもう待っているかもしれない。
南門に急がなければ。
そうして、ローリエは急いで南門に向かうのだった。
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