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8ー暴かれた真実と逃げ出した犯人ー
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自宅に戻ると美希は洗濯機を回し、終わるのを待つ間リビングでお茶を飲み寛いでいた。
やっぱり家はいいと思った。
類との結婚生活も蓋を開けてみたら、美希は類を好きになってしまい。
あれだけ『抱かれたら捨てられる』と怯え拒んでいたが、実際身体の関係を持ってからの類は誠実で優しい。
ベッドの中では毎夜美希に快感を与え乱れさせてくれる。
女の悦びを与えられ、満ち足りた気持ちで夫の腕に抱かれ眠りにつく、もう普通に幸せな新婚夫婦だ。
「さっきの類すごかった・・」
昨夜は何もせず抱き合って寝たので、帰宅してすぐに類は美希を抱いて絶頂に導いてくれた。。
「あんな女みたいな綺麗な顔して、類はやることが凄い男臭いんだよね。ギャップ萌え?私じゃ手も足も出ない」
美希はこの結婚が楽しく幸せであることを心から実感し、類の良い妻になろうと心に誓った。
まずは得意の料理で、類の胃袋を掴むため、冷蔵庫の中を覗く。
「買い物行かないと夕飯作れないな~どうしよう、車で出かけようかな・・」
別荘に行っている間、類から買ってもらった車が納車されていたのでそれで出かけようと思っていた。
「私、ここに越してきて一度も近所を自分で運転してないんだよね、ドラッグストアで妊娠検査薬も買いたいし。買い物行こう!」
早速手提げバッグを持って買い物に出かけることにした。
類は別荘から帰って、寝室に直行し美希を抱いた。
今日加奈に会い、手を握るくらいのことをしないといけないからだ。
後ろめたさで激しく美希を求め愛し合った。
それから捜査スタッフと合流し、いろんな機材が載せられた物々しいワゴンに乗り込んで、前回同様隠しマイクとカメラを取り付けた。
今回は店を貸し切り、客は変装したスタッフで、あらゆる位置から映像を撮っている。
テーブルの上に飾ってある豪華な花籠には高性能のマイクも設置されていて類の耳に入れた小型のイヤフォンから加奈との会話で何を喋るのか指示が出る、もう映画やドラマの世界だと類は思った。
「上手くいくといいんですが・・」
「相葉さんの演技次第です。頑張りましょう」
大きく息を吐くとテーブルに着き加奈を待つ。
10分ほどして加奈が店に到着、類を見て嬉しそうに席に着くと。
「まさか今日、相葉さんが私のために来てくれるなんて、思ってもいなかったので嬉しいです」
「いえ僕の方こそ加奈さんのお陰で目が覚めました。田中さんのことは、美希との別れで寂しくてつい甘えてしまったんだ思います・・加奈さん!今日は全て話してくれるんですよね?実は美希から退社する気は無い、研修が終わったら復帰すると連絡がありまして。そうなると僕はこちらに戻ってもやりずらい、美希をクビにすれば済むことなんでしょうが、彼女とは学生時代から一緒で、憎いとは思っていますが、別れたのが理由でクビにしたことがバレたら、僕はいい笑い者です」
「美希とは直接話をしたんですか?」
『相葉さん聞こえてますか?話したと言って下さい。地下で目隠しされ脅されたことも』
「話しました。美希は研修に行く前、誰かに脅されたと、証拠の動画を持って警察に行くと言っていました。以前屋上で嫌がらせをされたのを見ているので、美希が恨まれているのはわかっています。でも本当にそんなことが起こったのでしょうか?」
加奈の顔は見る間に青ざめ、唇がわずかに震えていた。
「そんなことが?証拠とは何か聞いてますか?」
「ああ、なんだか目隠しされてたので相手の顔は見てないそうですが、開放された直後に手に持っていたスマホで動画を撮ってたらしいです。それを持って警察に被害届を出すと言ってました。ただ社内の人間が関わっていたら、マスコミの格好の餌食になるので止めるようには言っておいたんですが・・」
加奈は低い声で
「動画なんて本当に持ってるんですか?意外とハッタリなんじゃないですか?美希ってよくカマかけてきたり、そうゆうところあるから」
類は加奈の顔色が酷いこと、明らかに動揺してる様子でこの件について関わりがあると確信した。
『相葉さん!森田を追い詰めましょう、被害届を出すのは今日だと言って下さい』
「ん~でも今日、動画持って警察行くって言ってました。証拠も何もないのにハッタリでそんなこといいますかね?あと目の前に停まっていた車のドライブレコーダーの、駐車監視システムで録画されていたみたいで、その車の持ち主をやっと探してきたって言ってましたね」
『ドラレコの監視システム!いい発想です。相葉さん次で森田に駐車場の件に関わったか聞いて下さい、知ってたってだけでもいいです』
「そんな・・監視システムって・・あの!美希は今どこにいるのかわかりますか?知ってたら教えて下さい」
「え?加奈さんどうしたんですか?あれほど美希には関わり合いたくないって言ってたのに、それに今日は美希が脅されたって時の話、加奈さん知ってること全部話してくれるって言うから、僕九州から戻ってきたのに・・」
「ですから!しってるんですか?美希を止めないと、私たちが・・」
『森田が動揺してます。ここで相葉さんは森田に優しく接して下さい、今度は追い詰めないで。逃げられては意味ないですから』
「いや、電話繋がらないので美希には連絡取れないんです。さっきもメールと通話したんですが繋がりません。加奈さんどうしたの?何か美希にまだ脅されてる?僕ならあなたを庇うことできますから、知っていること、隠してること全て教えて下さい。僕だって美希には復讐したいくらい憎んでるんですから」
そう言うと加奈の手を握り顔を覗き込む。
「相葉さん!私その・・駐車場の件知ってたんです。もし警察に届けられたら」
「加奈さんもその場にいたんですか?」
加奈は頷くと。
「私は駐車場から皆んなを逃す役で、非常口のドアを抑えていました。開けておかないと自動で閉まってしまいますから。でもまさか彼女たちがそんなことをしているなんて知らなかったんです。私は美希を脅してもいないしそれに参加もしていません、頼まれてドアを押さえていただけなんです」
『相葉さんもう少しいいですか?森田の口から実行犯の名前を聞き出してください。映像を証拠として本人たちに見せたいのでお願いします』
「加奈さん・・問題です。もし警察が入ったら加奈さんもその仲間になってしまいます。父が会社経営者なのでトラブル対策で、弁護士はもちろん、元刑事がやっている探偵事務所などに日ごろお世話になっているんです。加奈さんがその実行犯の名前を話してくれたら僕が裏で加奈さんだけを助けることは可能です。当然警察に届けても弁護士をつけるので美希から加奈さんを守ってあげます。だから僕を信じてくれますか?僕は美希からも田中さんからも裏切られて、今は加奈さんしかいない」
加奈は、類が自分に落ちたと勘違いし、これで類の恋人として、お金と弁護士をつけてもらい、警察から守ってもらえるのだと思っていた。
「相葉さん・・私、全部お話しします。その代わり助けてくれるって約束して下さい」
「わかりましたから、さあお茶でも飲んで落ち着いて、何も心配しなくていい。僕と父なら美希を止めることができます。この紙に貴方の手で美希を脅した人の名前を書いて下さい。そして最後に加奈さんのサインを書いて、そしたら弁護士に相談に行ってきます」
加奈はもう安心だと思ったのか、言われた通りメンバー全員の名前を書き出した。
実際この件に関わったのは加奈を入れ9人もいたのだ、類は指が白くなるほど拳を握り締めたいた。
『相葉さん今からスマホに着信入れます。
電話に出て呼び出されたといって紙を持ってこちらの車まで戻ってきて下さい』
スタッフが喋り終わると同時に類のスマホが鳴りだした。
「はい僕です。今移動中なのですぐに向かいます」
「加奈さん、父から呼び出しなのでこれで失礼します。この紙は必ず弁護士に渡し相談してきますので、じゃあ行きます」
「相葉さんお願いします」
まんまと騙され駐車場での一件を類に喋ってしまった加奈は、これから社長子息と、自分が付き合えるのだと有頂天になっていた。
「ああ!やっと手に入ったわ、早く妊娠して絶対結婚してやる・・」
類は店を出て通りの反対側に駐車してある車に素早く乗り込み、スタッフに紙を渡す。
マイクやカメラを外してもらいながら。
「どうです?残りの8人から今日中に話を聞けますか?」
「ここまできたら大丈夫ですよ。本当にご協力有難うございました」
「いえ僕が原因なので当然です。できたら社の駐車場まで送ってくれませんか?妻を一人自宅に残してきているので早く帰りたいんです」
類が帰宅した時、美希の姿はなかった。
電話をかけたらキッチンカウンターのテーブルから着信音が鳴り、類は死ぬほど驚く。
そこには家族だけしか知らない新しいスマホが充電されて置いてあったのだ。
見ると最初に美希が持っていたスマホがなくなっているではないか。
「なんだ?どうしたんだ?あいつ前のスマホ持って出かけたのか!バカが」
すぐに電話をかけるが出ない!メールを送ってから、GPSアプリで美希の居場所を検索する。
場所の特定ができた。
その時玄関から大量の荷物を抱え美希が帰ってきたのだ。
類は玄関で美希を抱きしめ、その後ベッドに連れ込み一時間はたっぷりと説教をした。
「すごく乱れてた。無理やりされても感じたの?」
「だって、類がいいとこばかり、あん!」
類はまだ美希の中の指を抜こうとせずクチクチと動かしている。
「もう抜いてぇ、夕飯の支度しないと・・ん~」
「二度と僕に黙って出かけないで、次はもっと酷くするからね・・あ~美希はこれじゃお仕置にならないか、喜んでたもんね~すごかったよ声大きくて『類~そこ~もっと突いて~』痛い痛い!って」
美希が類の腕に噛み付いたのだ。
「ああ~歯形ついてるじゃん!もう酷いな~」
「セクハラ言うから」
美希はTシャツとショーツを身につけ寝室を出て行ってしまった。
類はキッチンに立つ美希を手伝いながら、本当にこれで安心できるのだろうかと不安に感じていた。
集団心理の恐ろしさを知った今、どうやって美希を守ろうか考えていた。
「何考えてるの?仕事休んでるから心配なんでしょ?」
「え?ああ・・そうだね・・」
「私も少しづつやらないとな・・」
「・・俺も家で仕事できるし、実は考えがあるんだ。親父と福岡の兄貴にはもう相談してる」
「何それ?」
「一番上の兄貴は義姉さんの実家が福岡で、それで向こうに行って新規で会社作ったんだよ。母さんは怒っていまだに嫁姑の仲が悪いんだけど、でもね、僕は夫婦が仲良くて幸せなら、それで良いって思うんだ。だから俺も今度建てる家の近くに会社作ろうかって考えてた。広い土地買って、気をたくさん植えて、中から見ると森での中みたいな式場作って、外部とは別世界にしちゃう。美希がデザインしたジュエリーのブースも作る、家から近ければ妊娠して子育てしてても、通うの楽だし。俺の目の届くところに美希を置いておける、まあ先ずは先に家建てないとなんだけどね」
「すごく素敵・・私、引っ越して仕事辞めさせられるんじゃないかって思って、家建てるの乗り気じゃなかった。けど類がそこまで考えてたなんて、私いっぱいデザイン考える。楽しみ!」
食事と風呂を済ませ、美希はリビングでスケッチブックに、今まで撮りためた写真を見ながらデザインに使えそうな物のラフ画を書いていた。
類は風呂から上がりビール片手に、ソファーの周りに散らばった紙を避けながら美希の隣の座ると。
「もう仕事始めるとこれだから美希は・・」
美希はスケッチブックから視線を逸らさずに。
「踏まないでね・・」
「こうやって家でやってる分にはいいけど、まだ復帰はできないよ」
「なんで?」
美希はようやく顔を上げ不機嫌そうに類を見る。
「まだ危険なことがあるかもしれないでしょ?」
「でも類と一緒なら大丈夫でしょ?」
「とにかく、まだ早い!」
「勝手に決めないでよ」
類は溜息をつく、こうなった時の美希は絶対に引こうとしない。
(まだ解決してないし、しても美希をあの会社で働かせることはできない、親父に相談に行くかな、出来上がるまでどれくらいの期間がかかるかわからないけど、自分の会社作って、そこで美希を働かせればいい)
「類、本当に私をここに閉じ込めておくつもり?それは嫌よ」
「嫌でも今は聞き分けて」
類はビールを飲みながら、美希のスケッチ画を眺めながら答える。
美希はその態度に腹が立ち。
「私、出社するから、決めるのは類じゃない」
「お前の休暇は親父の指示だよ、社長の命令に逆らうの?」
「じゃあ、類からお義父に言ってよ。もう大丈夫だって」
類はだんだん面倒になり、美希の話を無視して2本目のビールを飲み始めた。
「なんで返事しないのよ!」
「美希こそ、こうって決めたら人の言うこと聞かないでしょ?それじゃ話し合いにならないから」
美希は散らばった紙をかき集めスケッチブックに挟むと寝室に行ってしまった。
「どうしたもんか、お嬢さんをどうやって説得しよう・・おっと!メール見てこよう、8人から話は聞き出したみたいだけど、主犯格や動機なんかも聞き出してるはずだから、あとは社内でどれくらいの人間が知ってたかによるな」
(美希の復帰はもう無理だろう・・)
類は自分の仕事部屋のパソコンでメールのチェックをしていた。
あれから加奈から何度も連絡があったが、全て未読にして無視をしている。
「もうお前の仕事は終わったよ、あとは元刑事に全てを話せばいい、2度と顔も見たくない・・」
スタッフからの経過報告では聴き取り調査は、8人全員同時が望ましいと言うことで終業一時間前に全員を呼び出し個々に話を聞いていると言うことだった。
全員の話を照らし合わせるのにまだ時間がかかるので、また連絡すると。
「そりゃそうだな、人数いるし大変だよな・・そんなことより俺今夜ベッドで寝かせてもらえるのかな?問題はそこだよ今は」
類は3本目のビールをリビングで飲みながら美希が寝るのを待っていた。
(起きてたらまた喧嘩になる、あいつが寝てからベッドに入ればいい!それまでここでビール飲んで待ってよう)
そうと決まれば冷蔵庫から美希の手作りのつまみを何品か皿に盛り4本目のビールを取り出しテレビをつけてソファーでくつろぎ始めた。
結婚以来、類に放って置かれたことがない美希は、寝室でリビングの様子を伺いながらイライラと部屋の中を歩き回っている。
美希たちが住んでいるタワーマンションにはベランダなど、外の風に当たれるような場所はない。
子供の頃から自然の中で生活していた美希にとって、室内にいること自体が苦痛で仕方がない。
会社でよく屋上に行くのもビルの中にいると息苦しくてしかたがないからだ。
「あ~もう、類なんで一人で飲み始めたのよ!いつもなら私を誘うのに」
(まさか?類、私に飽きたの?でも今日は二回も抱かれた・・もしそれが他の女性との関係を隠すためだけの行為だったら?)
美希は今朝からのことを思い出していた。
朝確かに抱いたが類は子種を美希の中に出していない・・帰ってきてからもお仕置きと称した激しい愛撫を受け、3回も達したが、美希とは繋がることなく夕飯の支度を始めたのだ。
「どうしよう・・今夜この寝室に来ないなんてことないわよね?」
どう考えても類が美希に溺れきっているのは、普通ならわかるはずだ。
だが結婚前からの類に対する、疑いの感情がいまだに消えないため、正常な判断ができないでいる。
どうしても、居もしない女性の影に怯えてしまう。
一方リビングの類は。
「まだ起きてるのかよ・・俺の方が眠くなってきた。今行っても入れてくれるかわかんないしな、なんか面白いチャンネルねーかな?」
リモコンを片手にビールを飲みながら美希が寝るのを待っていた。
美希は我慢できず、キッチンに用があるフリをして、リビングの様子を伺う。
テーブルの上にはビールの缶が並んで、類はソファーで横になっているようだ。
思い切って呼んでみる・・
「類?」
返事がない・・
そっとそばに寄って覗くと、類はソファーで眠っていた。
「・・疲れてるよね」
美希はテーブルの上を片付け、類の手からリモコンを取り上げる。
どうやら完全に眠っているようだ。
寝室から毛布を持ってきてかけてやる。
美希はソファーの下に座り類の手を握って自分の頬にすり寄せ。
「類、私だけを見て・・」
夢の中で美希は類に抱かれ、歓喜の声を上げ絶頂に達していた。
「んんーーーーイクーーーー」
(ああーー蕩ける・・類が私を抱いてくれてるの?私また、はしたない声出してるわ、でも我慢できないの、感じてしまって・・ああまだ欲しいもっと私に頂戴)
「美希。可愛いよ、まだまだ舐めてあげる、もっと欲しいんだろう?こんなに蜜を垂らして、いやらしい身体だね」
類はソファーで寝てしまったことに気が付き目が覚めた。
「なんて可愛いんだろう僕の奥さんは・・」
自分の手を握って寝ていた美希を、寝室のベッドまで運び、そのまま美希をの身体に愛撫し始めた。
指と舌だけで、眠っている美希は二回も達していた。
「類・・」
類は美希の粒を舐めていた動きを止める。
「夢なの?あなたは誰?・・私は類じゃないとダメなの、類にしてもらわないとイケないの・・」
「僕だよ美希・・」
「類なの?」
「そうだよ、眠っていた美希を愛していた」
「ああ!よかった」
美希の瞑った眦から涙がこぼれ落ちた。
類は突然泣かれ、慌てて上体を起こし美希を抱きしめる。
「どうしたのさ・・泣かないで」
美希は薄っすらと目を開けると類を見た。
「だって、もう私を抱かないと思ってたの、飽きられたって・・」
「バカだな、俺の方こそ君に嫌われたくないって思ってるのに」
美希はまだ半分夢の中にいる、でも類の言葉はしっかり聞こえていた。
「美希?抱いてもいいか?」
「抱いて・・」
その言葉を待っていた。
類は美希の腰を引き寄せると、ひと突きで美希の中に巨大な凶器となった昂りを収めてしまった。
「いや!く、ぁぁああああーーーーーーーー」
美希は完全に目が覚め。
「起きたか?抱くぞ、嫌なら言え。やめてやる・・でも、俺に抱かれたいなら容赦しないぞ」
すでに貫かれ、中は類の熱で満たされ喜びで戦慄いていた。
「は、はぁ、抱いて、壊れるくらい私を・・あああああーーーーー」
美希の言葉を最後まで言わせる前に、激し腰を打ち付けていた。
「美希、善いみたいだな。締め付けがすごい、すぐにでもイキそうだぞ。奥を突いて欲しいか?同時に粒も弄って中と外でイったら気持ちいぞ」
「ああーーそれ欲しい、いっぱいイかせて、はぁ、あん」
類は美希をうつ伏せて奥を突きながら、胸の頂と粒に手を這わせ、同時に責め立てる。
「ひぁ!んん、んーーあ、あ、あん」
腰を突き出し、奥へと導く美希の中は畝って締め付けがきつくなってきた。
そろそろだと思った類は体位を変え、今度はゆっくり腰を揺さぶりながら、胸の頂を口に含み、ねっとり舐めしゃぶり硬い尖に快感を与える。
美希は類から焦らされているとも知らず、来ると思った絶頂が少し遠のいたが、それでも心地よい類の愛撫に酔いしていた。
類から与えられる快感に美希は蕩けるほど感じ、声も抑えることができず。絶え間なく嬌声を上げ。
いやらしく身体をくねらせては類の目を楽しませる。
「悩ましくて可愛いね美希、こんなに蜜を垂らして、さっきから声が抑えられなくて大きくなってる、そろそろ達すると思ってたが我慢してるのか?中はトロトロだぞ?ああ~日中何度も達して疲れてしまったか?さっきまで寝ていたんだ仕方がないな、美希がイカないならもう寝るか?」
「あーー!類、違うの、ふぅ、イクから、さっきも、いやぁーーー」
類は意地悪く、激しく腰を揺さぶり美希のいい場所をグリグリ擦ってやる。
痺れるような快感が走り、美希はギュッと類の熱棒を締め上げる。
そろそろくる絶頂を期待し中を戦慄かせるが。
類は脚を持ち上げ、また体位を変え、美希の絶頂を先延ばしにする。
(我慢させてるから中が畝ってこっちが持っていかれそうだ。結構焦らしてるから美希も我慢の限界だろう、乱れまくってるしな)
「おかしいな~ここ責めると美希善がってすぐに達するのに、今イかなかったよね?もう終わりにする?」
「いや~類!イくから、感じてるの、ああーーふう、そこグチョグチョってして、中と外でイかせてくれるって、うぅ、はぁ、もっとお願い、類なら、ああん」
「そうだね両方でイキたいんだっけ、じゃあしてやるよ!ほら善がれ」
類は激しく腰を振り、粒に指を這わせクチュクチュと円を描きながら振動を与え続ける。
待たされた美希は全身を貫く快感に、イヤイヤと頭を振りながら背をしならせ、腰を振って類を咥え込んでいる。
足はピンと伸びてシーツを掻き、全身が緊張で力が入る。
激しい類の抽送に感じきって、もう中も外も限界が近づいていた。
「ああああーーー!中がゾワゾワして変になる、はあ、凄いの、んんーーーああ来る、外も、はぁはぁ、ああーーーイクイク、類ーーううう!」
美希の体がビクンと大きく跳ね。
「あ・あ・あ・ああああーーーーーーーーーーーー」
類は一気に腰を引いて、美希の中に指を入れると上側の壁をグイっと押しながら素早く引き抜く、ピュッと液体が飛び散る。
また指を中に入れ同じ場所をグチュグチュ圧迫しピュッピュ!と液体を飛ばしてやる。
美希の腰は浮いたまま、まだイキ続けていた。
「どうだ?潮吹きされた感想は、感じたか?」
やっと弛緩し、ベッドに沈み込んでいる美希は。
「んんー感じる・・なにそれ?クジラ?ああん!押されると中ビクビクしちゃう」
「シーツ交換するから風呂入るぞ
美希を抱えバスルームまで連れて行くとシャワーの下に立たせる。
類はその間シーツを交換し、美希と入れ違いにシャワーを浴びにいく。
二人はベッドに入り抱き合っていた。
「もう寝ろ、疲れただろ?」
「無理よ・・」
類は美希に下着をつけることを許さず。
中に指を納め、ゆっくり動かしている。
「美希、仕事のことは考えてるから辛抱しろ・・」
(なんで今その話持ち出すのよ。うっかり承諾しちゃいそうで怖い)
「あん、そんな話、いや」
類は自由に、クチクチと中を当てもなく弄りながら
「こうゆうこと毎日して美希を可愛がってやりたいんだ。ここでデザイン書いててもできるだろ?二人ともまだ休暇はたっぷりある」
「あ、あ、ああ、そこ違うの、横・・」
「美希はどこでも感じるじゃない、ねえどうなの?いつでもしてあげるよ?家にいれば感じさせてもっと乱れさせてあげる、今日だって良かったろ?」
「あーーふあーー!ん」
「シーツ替えてもまた水溜りができるなこれじゃ、ここまで感じててまだ出社しようと?」
「あん」「あん」「いい、奥まで入って」
「ほら、やっぱり良いんだ。指増やしてもっと感じさせてあげる。揺すって音聞かせてあげよう、その方が美希も興奮するし」
類は指を真っ直ぐに揃え、激しく出し入れしながら、時たま指を曲げ天井の壁を引っ掻きグジュグジュ、ぬちぬちと水音を聞かせてやる。
「ああーーあん、はあ、あ、あ、はん」
「声の方がデカくて良い水音が聞こえないよ美希」
「あ、あん、類~舐めてここが、ジンジンして痛の、吸ってくれないと、ああ辛い」
美希はもう指での抽送が善くて、胸の尖が疼いてどうにも我慢できなくなっていた。
「ああ~こんなにか硬くして、辛そうだ。優しく舐めて吸ってあげるよ、だから家にいて」
類はぷくりと腫れた蕾を口に含むと舌で転がし吸ってやる。
「あ、あ、あああーーーいい、もっと~ん~あーー!気持ちいい類~」
「仕事は家でするよね?そしたら粒を舐めてイかせてあげる、朝までだって舐め続けるよ?どお?して欲しい?」
「あ、あ、欲しい、私、イキたい、んんーーーー」
類は美希の脚を上げ、体を割り込ませる。
脚の付け根は蜜の香りで雄を誘っていた。
粒に舌を這わせゆっくりジワジワと刺激を与え、指で美希の良い場所を執拗に掻き出す。
(たぶん3分かからないかな?)
「ああ!そこばかり、あ、あ、あああーーーイっちゃ、イヤイヤ~もっと気持ちよく、いっぱい欲しい」
美希は我慢していたらしいが腰を振って粒を類の顔に押し付ける、と!ブルリと身震いし。
「!!ーーーーーーーーーーーー」
ビクビクしながら類の頭を押さえ、何度も粒を押し付けてくる。
「イったね、約束は守れるか?それなら明日も、これから毎日可愛がってあげるよ」
美希は泣きながら頷いていた。
(今のもすごかった!悔しいけど類は女性の身体を知る尽くしている・・全身が蕩けそう。簡単に何度も達して、類の言いなりだわ。私これを手放すことなんてできない、彼に捨てられたらこの快感もなくなる)
目が覚めると美希は、まだ甘い声を出して類に縋り付いていた。
指が入ったままなのだ。
「類、起きるから抜いてよ」
「何時?休みなんだかからゆっくり寝てようよ、僕朝まで美希の粒舐めてたから、まだ眠いんだ。美希起きちゃうの?」
「おしっこ行きたいなんて、恥ずかしくて言えないでしょ聞かないで!」
「ぶはっはっは!ああ~生理現象ね。わかった行っておいで」
類は指を抜くと上掛けをかぶりまた寝てしまった。
トイレを済ませ、リビングでアイスティーを飲みながらスマホのメールをチェックしていた。
可奈から大量のメールが届いている。
内容はよくわからないがとにかく会って話がしたいとの事だ。
「何か重要なこと?彼女滅多に私には連絡してこないのに」
美希は
[メール見てなかったよ!珍しいね加奈がメールなんて、今研修中で忙しくて毎日バタバタしてます。用事?なにかな?]
「今日はお休みだからまだ寝てるのかな?急用なら返事来るだろ、さてと洗濯物でも干して掃除機かけよう」
美希は家事をこなし、朝食の支度を始める。
匂いにつられたのか類が全裸でキッチンに入ってきた。
「キャーーーーーーーー!!だから!裸はダメって何度言ったらわかるのよバカ!」
類はあくびをしながら美希の隣に立ち味噌汁の鍋を覗き込む。
「豆腐とワカメ?腹減った」
美希は腹に付きそうなくらいそそり勃った類の熱棒を見て、ゴクリと唾を飲む。
「シャワー浴びないの?とにかく服着てよ」
類は意識している美希をからかうかのように、後ろから手を回し胸を揉みだす。
「類!いやあ、やめて」
うなじを吸いながら美希の腰により凶暴になった杭を押し当て擦り始めた。
「抱きたくなった。入れさせろ」
「あ、ああん、そんな・・」
類はIHのスイッチを切り美希の下着の中に手を突っ込んで乱暴に掻き混ぜ始めた。
「いや!あ、あ、あああ、くぅーー」
ウエストに腕を回され、中には指を入れたままリビングまで歩かされた。
「類、だめ歩けない、あ、あ、うう」
「俺の指が入ってるから抱っこできない、歩けよ、ほら」
一歩踏み出す度にじゅぶじゅぶと、わざと指を動かす。
「いや、もうお願いここで・・あ、あ、ああーー」
「ここで?入れて欲しいの?」
「ちが、抜いて、あふ、ううー」
「こんなに感じてるのに?しなくていいの?・・ふーん」
類は動かしていた指を一気に引き抜く。
「いやあーーーーーー!!」
ペタリと床に座り込んだ美希に。
「シャワー浴びてくる」
「類~いやあ」
「お前が抜けって言った」
類は美希を置いてバスルームに行ってしまった。
類と入れ替わりに美希はシャワーを浴び、食事も摂らずにリビングの隅に置かれたL字のパソコン机で、昨日の続きを書いていた。
「美希!いい加減に飯食え。食事だけはちゃんと摂るって約束だろ?くだらないことで拗ねるな」
「拗ねてない」
「だったら飯食え」
「・・・・」
「犯すぞ!」
「下品」
「下品?さっき中途半端で、濡れて仕方ないんだろ?して欲しそうだったから言ったのに」
その時キッチンカウンターの上のスマホが鳴り出した。
それは美希の古い方のスマホで近くにいた類が画面を見る。
(加奈!!)
加奈からの着信に気がついた類はスマホを取り上げると電源を切ろうとした。
その瞬間、類の手からスマホを取り上げた美希は。
「加奈からだ!勝手に人の電話見ないでよ」
そう言って通話ボタンを押してしまったのだ。
「加奈?どうし、あう!!」
類は立っていた美希の下着を一気にズリ下げ、床に這いつくばるように押さえつけ、後ろからひと突きに熱楔を刺し貫いた。
全身をブルブル震わせ、突然の衝撃に美希は軽く達していた。
『美希?私よ加奈、今会える?』
類は美希の身体をガクガクと揺さぶりながら激しく腰を打ち付ける。
部屋の中に、パンパンと夫婦が交わう音が響き渡る。
美希の手からスマホが床に落ち、加奈の声が僅かに聞こえるが、喋ればきっと嬌声が漏れてしまう。
顔を手で覆い床に腕を置いて呻き声が聞こえないように食いしばって耐える。
類はスマホを取り上げ電源を落とし、思い切り壁に投げつけた。
その後、類は美希の身体を責め立て、何度も絶頂に導き、美希が耐えきれず気絶するまで続けられた。
美希をソファーに寝かせ、床に落ちているスマホを取りに行く。
「まだ電源がついてる、ショートさせて基盤を壊そう、電源が入らなければ諦めるだろう」
美希のデータは類のパソコンに保存されている。
念のためにクラウドに保存されたデータは削除してあるので、これで新しいスマホからアクセスしてもデータは無い。美希が撮りためた画像だけは新しいスマホに取り込んでやった。
加奈との連絡は何がなんでも絶ないといけない。美希が真実を知ればショックを受けるに違いないからだ。
「あんな人間でもこいつにとっては友達だ、知らなくていいこともある」
類は美希の食事を用意していた。朝食べていないからステーキを焼いている。
「美希?起きて、肉焼いたから食べて」
「・・いらない」
「また犯されたいか?本気だけど俺・・」
のそりと起きあがると美希は類をキッと睨む。
「その目はファイティングポーズ?今は食事して、話は後」
裸の美希に着る物を与えず、逆らえば強引にさっきのようなことをすると脅している。
「せめて下着くらい着させてよ、じゃないとご飯食べない」
「意味ないだろ?すぐ濡らすし」
美希があまり睨むので仕方なくバスローブを着せてやる。
食事をしながら。
「加奈と電話するのもダメなの?そこまで自由がないの私には・・」
「自由だろ、会社関係だけ制限してるだけで」
「ちょっとメール見てくるから、全部食べなよ」
美希は食事を終えシャワーを浴び着替えをしてリビングに戻る。
類はまだ自分の部屋から帰ってこない。
パソコン机に向かい自分のPCを立ち上げクラウドにアクセスする。
「へんね~私のデータが画像以外全部消えてる・・」
「パスワードかけてあるから、私以外操作はできないはず。間違えて削除しちゃったかな?これじゃ会社に行かないと加奈に連絡取れない」
類は部屋から戻って、キッチンでアイスコーヒーを入れながら美希の様子を伺っている。
「なに?パソコン調子悪いの?」
「ん~私、データ消しちゃったみたい・・」
「デザインのか?」
「え?ああ、そうじゃなくて他のデータ、仕事のは大丈夫」
「なら良かった。作品のデータは大事だ。でも気を付けろよ」
「うん・・」
「アイスコーヒー入れた。こっちおいでよ」
類はアイスコーヒーを飲みながら、頭を悩ませていた。
(加奈が消えた・・どうする?まだ休暇中だ、今日にでも美希を連れて別荘に行くか?でもまた俺が必要な場面があった時、移動が面倒だしな、それにその間美希を一人にしてしまう。あと数日様子を見ようか・・)
「美希、徳さんの工房に週3くらい見学しながらデザイン書かせてもらうか?あそこなら集中できるだろう」
美希はパッと顔を輝かせ。
「徳さんの工房!いいの?」
「ああ、前に勉強させてやるって言ってただろ、その時に徳さんにも話を振っておいたんだ。徳さんの工房なら本や資料もたくさんあるし、結婚式で身につけるティアラとネックレスとイヤリング作るんだろ?それと俺たち今、結婚指輪ないんだよ、美希がデザインして徳さんに寝ずに作ってもらってくれよ」
「結婚指輪・・ごめんね私のせいで」
類は美希の側に来て肩を抱き寄せる。
「美希のせいじゃない、あの件は忘れろ終わったことだ」
「結婚指輪のデザインはストレートで、文字入れをするから少し幅広になるけど身につけてても邪魔にならないよう調整してもらう」
「そう?任せるよシンプルなのが一番いいね、年取ってキラキラしたのはちょっと男は嫌だから」
「そうね、だから結婚指輪は女性に決めさせちゃダメって説があるくらいだもの、年齢を重ねてくると派手なデザインが嫌で着けない旦那さん多いって聞くし」
「指輪のことは美希の任せる。だからしばらく待てるか?徳さんとは週明けにでも話をしに行ってくるから」
「うん待つ」
美希は類の胸に頭を預ける。
(ごめんな、徳さんのところにもいかせない。今お前を外に出す訳にはいかないんだ。事件の真相が明らかになるまで我慢しろ)
週末の土日で捜査スタッフが8人から事情を聞き、全員が美希を脅し、指輪を奪ったことを認めた。
それに伴い月曜の午前に類と父親、次男の優、各部署の部長以上で会議が開かれることになった。
「類、買い物くらいは出てもいいでしょ?」
玄関先で類を見送りながら美希が聞く。
「会議終わったら帰れると思うんだけど、一緒に出かけて夕飯は外で食べない?ジュエリーショップ寄って間に合わせのペアリング買いに行きたいんだ」
ジェリーショップと聞いて美希は我儘を飲み込んだ。
「え?宝石店行くの?なら待ってる」
「よかっった。僕が買ってきてサプライズしようかとも思ったけど、自信なかったから、仮とはいってもそれなりの買いたかったから美希がいれば安心だ」
「何軒か回るよね?類が出かけたら私もお店調べとくね、いってらっしゃい」
美希はニコニコしながら手を振っている。
「お~い!宝石店行くってわかったら、夫に行ってらっしゃいのキスもないの?冷たいな~」
「はは、忘れてた」
美希は背伸びをし、チュッと唇を合わせ。
「気をつけてね」
会議は異例ともいえる社長室で行われた。
防音がされており、盗聴などのチェックも完璧、入室する人間は全員スマホや録音機器の持ち込みを禁止し、探偵事務所のスタッフが金属探知機でチェックするという厳重さだった。
それだけ外部に漏れたらまずい内容であることが伺い知れる。
中には初めて内容を聞く社員もいて、驚きを隠せない様子だ。
まずは、今回捜査に協力してくれた元刑事から事の経緯を話してもらい。
関わっていた9名の名前が読み上げられた。
加奈に関しては連絡が取れず。
現在捜査続行中であるため、他の8人の処分を、この会議で決めると、類の父親から社員に説明された。
話を進行するのは中林専務と兄の優、話は簡潔だ!全員が『解雇』なのか『懲戒解雇』なのか、類家族の意見とし次男の優が発言した。
義妹の心情を考えると関与した社員が今後一切我々家族に関わらないのであれば、裁判や金銭で解決しようとは思っていない事。
マスコミに騒がれたら、義妹が苦しむ結果になる。
罪を犯した者が出来るだけ早く、この会社から消えて欲しいだけだと。
社長室は騒めいていた。
警察をという意見も何名かから出たが、ほとんどの人間がマスコミを嫌い。
弁護士を立て誓約書を書かせ、何かあった場合それらの証拠を持って警察に訴えるという内容の文章を作ろうという結果になった。
処分は満場一致で『懲戒解雇』扱いになった。
会議も終わり部屋には親子三人だけ。
「父さん、優、迷惑かけて申し訳ありませんでした」
「いいんだよ、親はな、いつだって子供の味方なんだ。守ってやるのが務めだ、母さんがあれから心配してな。あとで電話してやってくれ」
「うん、そうする」
「美希ちゃんは?元気にしてるのか?類はまだ休んでていいんだぞ、側についててやれよ。な?親父」
「ああ!もちろんだよ康太も営業で頑張ってくれてるし、類も仕事のことは気にせず休め、なんだか疲れてるみたいだぞ。若いからって無理するな」
「ああ、それなら美希と毎晩子作りに励んでるからそれでだよ」
ニヤリと笑う類に。
独身の優が類を羽交い締めにし、プロレスごっこが始まった。
それをニコニコと見つめる父の笑顔。類は家族ってありがたいと思った。
「パパ~優君がイジメる~」
と子供の頃の言い方で、父に甘えて抱きつくと。
「鬱陶しい!お前ら外でやってこい」
そう言う父は笑顔で目を細めている。
会議が終わり帰宅の運転中、類は加奈のことを考えていた。
「加奈はなんで俺にじゃなく美希に電話してきたんだ?まさかバレたか?」
類は胸騒ぎがして仕方ない、休暇はまだある美希を連れて自宅から離れた方が良いのではと思った。
類の住所は人事課に登録さてある、総務の加奈なら調べようと思えば情報を手に入れることはできるかもしれない、いや、既に知っているのかもしれないと思うと、背中に嫌な汗が伝う・・
今にしてみたら結婚を公表し美希が妻であると知っていれば、誰も美希に手は出さなかったのだと思う。
だがそれをしなかったのは偽装結婚だったからで、今は悔やまれて仕方ない。
やっぱり家はいいと思った。
類との結婚生活も蓋を開けてみたら、美希は類を好きになってしまい。
あれだけ『抱かれたら捨てられる』と怯え拒んでいたが、実際身体の関係を持ってからの類は誠実で優しい。
ベッドの中では毎夜美希に快感を与え乱れさせてくれる。
女の悦びを与えられ、満ち足りた気持ちで夫の腕に抱かれ眠りにつく、もう普通に幸せな新婚夫婦だ。
「さっきの類すごかった・・」
昨夜は何もせず抱き合って寝たので、帰宅してすぐに類は美希を抱いて絶頂に導いてくれた。。
「あんな女みたいな綺麗な顔して、類はやることが凄い男臭いんだよね。ギャップ萌え?私じゃ手も足も出ない」
美希はこの結婚が楽しく幸せであることを心から実感し、類の良い妻になろうと心に誓った。
まずは得意の料理で、類の胃袋を掴むため、冷蔵庫の中を覗く。
「買い物行かないと夕飯作れないな~どうしよう、車で出かけようかな・・」
別荘に行っている間、類から買ってもらった車が納車されていたのでそれで出かけようと思っていた。
「私、ここに越してきて一度も近所を自分で運転してないんだよね、ドラッグストアで妊娠検査薬も買いたいし。買い物行こう!」
早速手提げバッグを持って買い物に出かけることにした。
類は別荘から帰って、寝室に直行し美希を抱いた。
今日加奈に会い、手を握るくらいのことをしないといけないからだ。
後ろめたさで激しく美希を求め愛し合った。
それから捜査スタッフと合流し、いろんな機材が載せられた物々しいワゴンに乗り込んで、前回同様隠しマイクとカメラを取り付けた。
今回は店を貸し切り、客は変装したスタッフで、あらゆる位置から映像を撮っている。
テーブルの上に飾ってある豪華な花籠には高性能のマイクも設置されていて類の耳に入れた小型のイヤフォンから加奈との会話で何を喋るのか指示が出る、もう映画やドラマの世界だと類は思った。
「上手くいくといいんですが・・」
「相葉さんの演技次第です。頑張りましょう」
大きく息を吐くとテーブルに着き加奈を待つ。
10分ほどして加奈が店に到着、類を見て嬉しそうに席に着くと。
「まさか今日、相葉さんが私のために来てくれるなんて、思ってもいなかったので嬉しいです」
「いえ僕の方こそ加奈さんのお陰で目が覚めました。田中さんのことは、美希との別れで寂しくてつい甘えてしまったんだ思います・・加奈さん!今日は全て話してくれるんですよね?実は美希から退社する気は無い、研修が終わったら復帰すると連絡がありまして。そうなると僕はこちらに戻ってもやりずらい、美希をクビにすれば済むことなんでしょうが、彼女とは学生時代から一緒で、憎いとは思っていますが、別れたのが理由でクビにしたことがバレたら、僕はいい笑い者です」
「美希とは直接話をしたんですか?」
『相葉さん聞こえてますか?話したと言って下さい。地下で目隠しされ脅されたことも』
「話しました。美希は研修に行く前、誰かに脅されたと、証拠の動画を持って警察に行くと言っていました。以前屋上で嫌がらせをされたのを見ているので、美希が恨まれているのはわかっています。でも本当にそんなことが起こったのでしょうか?」
加奈の顔は見る間に青ざめ、唇がわずかに震えていた。
「そんなことが?証拠とは何か聞いてますか?」
「ああ、なんだか目隠しされてたので相手の顔は見てないそうですが、開放された直後に手に持っていたスマホで動画を撮ってたらしいです。それを持って警察に被害届を出すと言ってました。ただ社内の人間が関わっていたら、マスコミの格好の餌食になるので止めるようには言っておいたんですが・・」
加奈は低い声で
「動画なんて本当に持ってるんですか?意外とハッタリなんじゃないですか?美希ってよくカマかけてきたり、そうゆうところあるから」
類は加奈の顔色が酷いこと、明らかに動揺してる様子でこの件について関わりがあると確信した。
『相葉さん!森田を追い詰めましょう、被害届を出すのは今日だと言って下さい』
「ん~でも今日、動画持って警察行くって言ってました。証拠も何もないのにハッタリでそんなこといいますかね?あと目の前に停まっていた車のドライブレコーダーの、駐車監視システムで録画されていたみたいで、その車の持ち主をやっと探してきたって言ってましたね」
『ドラレコの監視システム!いい発想です。相葉さん次で森田に駐車場の件に関わったか聞いて下さい、知ってたってだけでもいいです』
「そんな・・監視システムって・・あの!美希は今どこにいるのかわかりますか?知ってたら教えて下さい」
「え?加奈さんどうしたんですか?あれほど美希には関わり合いたくないって言ってたのに、それに今日は美希が脅されたって時の話、加奈さん知ってること全部話してくれるって言うから、僕九州から戻ってきたのに・・」
「ですから!しってるんですか?美希を止めないと、私たちが・・」
『森田が動揺してます。ここで相葉さんは森田に優しく接して下さい、今度は追い詰めないで。逃げられては意味ないですから』
「いや、電話繋がらないので美希には連絡取れないんです。さっきもメールと通話したんですが繋がりません。加奈さんどうしたの?何か美希にまだ脅されてる?僕ならあなたを庇うことできますから、知っていること、隠してること全て教えて下さい。僕だって美希には復讐したいくらい憎んでるんですから」
そう言うと加奈の手を握り顔を覗き込む。
「相葉さん!私その・・駐車場の件知ってたんです。もし警察に届けられたら」
「加奈さんもその場にいたんですか?」
加奈は頷くと。
「私は駐車場から皆んなを逃す役で、非常口のドアを抑えていました。開けておかないと自動で閉まってしまいますから。でもまさか彼女たちがそんなことをしているなんて知らなかったんです。私は美希を脅してもいないしそれに参加もしていません、頼まれてドアを押さえていただけなんです」
『相葉さんもう少しいいですか?森田の口から実行犯の名前を聞き出してください。映像を証拠として本人たちに見せたいのでお願いします』
「加奈さん・・問題です。もし警察が入ったら加奈さんもその仲間になってしまいます。父が会社経営者なのでトラブル対策で、弁護士はもちろん、元刑事がやっている探偵事務所などに日ごろお世話になっているんです。加奈さんがその実行犯の名前を話してくれたら僕が裏で加奈さんだけを助けることは可能です。当然警察に届けても弁護士をつけるので美希から加奈さんを守ってあげます。だから僕を信じてくれますか?僕は美希からも田中さんからも裏切られて、今は加奈さんしかいない」
加奈は、類が自分に落ちたと勘違いし、これで類の恋人として、お金と弁護士をつけてもらい、警察から守ってもらえるのだと思っていた。
「相葉さん・・私、全部お話しします。その代わり助けてくれるって約束して下さい」
「わかりましたから、さあお茶でも飲んで落ち着いて、何も心配しなくていい。僕と父なら美希を止めることができます。この紙に貴方の手で美希を脅した人の名前を書いて下さい。そして最後に加奈さんのサインを書いて、そしたら弁護士に相談に行ってきます」
加奈はもう安心だと思ったのか、言われた通りメンバー全員の名前を書き出した。
実際この件に関わったのは加奈を入れ9人もいたのだ、類は指が白くなるほど拳を握り締めたいた。
『相葉さん今からスマホに着信入れます。
電話に出て呼び出されたといって紙を持ってこちらの車まで戻ってきて下さい』
スタッフが喋り終わると同時に類のスマホが鳴りだした。
「はい僕です。今移動中なのですぐに向かいます」
「加奈さん、父から呼び出しなのでこれで失礼します。この紙は必ず弁護士に渡し相談してきますので、じゃあ行きます」
「相葉さんお願いします」
まんまと騙され駐車場での一件を類に喋ってしまった加奈は、これから社長子息と、自分が付き合えるのだと有頂天になっていた。
「ああ!やっと手に入ったわ、早く妊娠して絶対結婚してやる・・」
類は店を出て通りの反対側に駐車してある車に素早く乗り込み、スタッフに紙を渡す。
マイクやカメラを外してもらいながら。
「どうです?残りの8人から今日中に話を聞けますか?」
「ここまできたら大丈夫ですよ。本当にご協力有難うございました」
「いえ僕が原因なので当然です。できたら社の駐車場まで送ってくれませんか?妻を一人自宅に残してきているので早く帰りたいんです」
類が帰宅した時、美希の姿はなかった。
電話をかけたらキッチンカウンターのテーブルから着信音が鳴り、類は死ぬほど驚く。
そこには家族だけしか知らない新しいスマホが充電されて置いてあったのだ。
見ると最初に美希が持っていたスマホがなくなっているではないか。
「なんだ?どうしたんだ?あいつ前のスマホ持って出かけたのか!バカが」
すぐに電話をかけるが出ない!メールを送ってから、GPSアプリで美希の居場所を検索する。
場所の特定ができた。
その時玄関から大量の荷物を抱え美希が帰ってきたのだ。
類は玄関で美希を抱きしめ、その後ベッドに連れ込み一時間はたっぷりと説教をした。
「すごく乱れてた。無理やりされても感じたの?」
「だって、類がいいとこばかり、あん!」
類はまだ美希の中の指を抜こうとせずクチクチと動かしている。
「もう抜いてぇ、夕飯の支度しないと・・ん~」
「二度と僕に黙って出かけないで、次はもっと酷くするからね・・あ~美希はこれじゃお仕置にならないか、喜んでたもんね~すごかったよ声大きくて『類~そこ~もっと突いて~』痛い痛い!って」
美希が類の腕に噛み付いたのだ。
「ああ~歯形ついてるじゃん!もう酷いな~」
「セクハラ言うから」
美希はTシャツとショーツを身につけ寝室を出て行ってしまった。
類はキッチンに立つ美希を手伝いながら、本当にこれで安心できるのだろうかと不安に感じていた。
集団心理の恐ろしさを知った今、どうやって美希を守ろうか考えていた。
「何考えてるの?仕事休んでるから心配なんでしょ?」
「え?ああ・・そうだね・・」
「私も少しづつやらないとな・・」
「・・俺も家で仕事できるし、実は考えがあるんだ。親父と福岡の兄貴にはもう相談してる」
「何それ?」
「一番上の兄貴は義姉さんの実家が福岡で、それで向こうに行って新規で会社作ったんだよ。母さんは怒っていまだに嫁姑の仲が悪いんだけど、でもね、僕は夫婦が仲良くて幸せなら、それで良いって思うんだ。だから俺も今度建てる家の近くに会社作ろうかって考えてた。広い土地買って、気をたくさん植えて、中から見ると森での中みたいな式場作って、外部とは別世界にしちゃう。美希がデザインしたジュエリーのブースも作る、家から近ければ妊娠して子育てしてても、通うの楽だし。俺の目の届くところに美希を置いておける、まあ先ずは先に家建てないとなんだけどね」
「すごく素敵・・私、引っ越して仕事辞めさせられるんじゃないかって思って、家建てるの乗り気じゃなかった。けど類がそこまで考えてたなんて、私いっぱいデザイン考える。楽しみ!」
食事と風呂を済ませ、美希はリビングでスケッチブックに、今まで撮りためた写真を見ながらデザインに使えそうな物のラフ画を書いていた。
類は風呂から上がりビール片手に、ソファーの周りに散らばった紙を避けながら美希の隣の座ると。
「もう仕事始めるとこれだから美希は・・」
美希はスケッチブックから視線を逸らさずに。
「踏まないでね・・」
「こうやって家でやってる分にはいいけど、まだ復帰はできないよ」
「なんで?」
美希はようやく顔を上げ不機嫌そうに類を見る。
「まだ危険なことがあるかもしれないでしょ?」
「でも類と一緒なら大丈夫でしょ?」
「とにかく、まだ早い!」
「勝手に決めないでよ」
類は溜息をつく、こうなった時の美希は絶対に引こうとしない。
(まだ解決してないし、しても美希をあの会社で働かせることはできない、親父に相談に行くかな、出来上がるまでどれくらいの期間がかかるかわからないけど、自分の会社作って、そこで美希を働かせればいい)
「類、本当に私をここに閉じ込めておくつもり?それは嫌よ」
「嫌でも今は聞き分けて」
類はビールを飲みながら、美希のスケッチ画を眺めながら答える。
美希はその態度に腹が立ち。
「私、出社するから、決めるのは類じゃない」
「お前の休暇は親父の指示だよ、社長の命令に逆らうの?」
「じゃあ、類からお義父に言ってよ。もう大丈夫だって」
類はだんだん面倒になり、美希の話を無視して2本目のビールを飲み始めた。
「なんで返事しないのよ!」
「美希こそ、こうって決めたら人の言うこと聞かないでしょ?それじゃ話し合いにならないから」
美希は散らばった紙をかき集めスケッチブックに挟むと寝室に行ってしまった。
「どうしたもんか、お嬢さんをどうやって説得しよう・・おっと!メール見てこよう、8人から話は聞き出したみたいだけど、主犯格や動機なんかも聞き出してるはずだから、あとは社内でどれくらいの人間が知ってたかによるな」
(美希の復帰はもう無理だろう・・)
類は自分の仕事部屋のパソコンでメールのチェックをしていた。
あれから加奈から何度も連絡があったが、全て未読にして無視をしている。
「もうお前の仕事は終わったよ、あとは元刑事に全てを話せばいい、2度と顔も見たくない・・」
スタッフからの経過報告では聴き取り調査は、8人全員同時が望ましいと言うことで終業一時間前に全員を呼び出し個々に話を聞いていると言うことだった。
全員の話を照らし合わせるのにまだ時間がかかるので、また連絡すると。
「そりゃそうだな、人数いるし大変だよな・・そんなことより俺今夜ベッドで寝かせてもらえるのかな?問題はそこだよ今は」
類は3本目のビールをリビングで飲みながら美希が寝るのを待っていた。
(起きてたらまた喧嘩になる、あいつが寝てからベッドに入ればいい!それまでここでビール飲んで待ってよう)
そうと決まれば冷蔵庫から美希の手作りのつまみを何品か皿に盛り4本目のビールを取り出しテレビをつけてソファーでくつろぎ始めた。
結婚以来、類に放って置かれたことがない美希は、寝室でリビングの様子を伺いながらイライラと部屋の中を歩き回っている。
美希たちが住んでいるタワーマンションにはベランダなど、外の風に当たれるような場所はない。
子供の頃から自然の中で生活していた美希にとって、室内にいること自体が苦痛で仕方がない。
会社でよく屋上に行くのもビルの中にいると息苦しくてしかたがないからだ。
「あ~もう、類なんで一人で飲み始めたのよ!いつもなら私を誘うのに」
(まさか?類、私に飽きたの?でも今日は二回も抱かれた・・もしそれが他の女性との関係を隠すためだけの行為だったら?)
美希は今朝からのことを思い出していた。
朝確かに抱いたが類は子種を美希の中に出していない・・帰ってきてからもお仕置きと称した激しい愛撫を受け、3回も達したが、美希とは繋がることなく夕飯の支度を始めたのだ。
「どうしよう・・今夜この寝室に来ないなんてことないわよね?」
どう考えても類が美希に溺れきっているのは、普通ならわかるはずだ。
だが結婚前からの類に対する、疑いの感情がいまだに消えないため、正常な判断ができないでいる。
どうしても、居もしない女性の影に怯えてしまう。
一方リビングの類は。
「まだ起きてるのかよ・・俺の方が眠くなってきた。今行っても入れてくれるかわかんないしな、なんか面白いチャンネルねーかな?」
リモコンを片手にビールを飲みながら美希が寝るのを待っていた。
美希は我慢できず、キッチンに用があるフリをして、リビングの様子を伺う。
テーブルの上にはビールの缶が並んで、類はソファーで横になっているようだ。
思い切って呼んでみる・・
「類?」
返事がない・・
そっとそばに寄って覗くと、類はソファーで眠っていた。
「・・疲れてるよね」
美希はテーブルの上を片付け、類の手からリモコンを取り上げる。
どうやら完全に眠っているようだ。
寝室から毛布を持ってきてかけてやる。
美希はソファーの下に座り類の手を握って自分の頬にすり寄せ。
「類、私だけを見て・・」
夢の中で美希は類に抱かれ、歓喜の声を上げ絶頂に達していた。
「んんーーーーイクーーーー」
(ああーー蕩ける・・類が私を抱いてくれてるの?私また、はしたない声出してるわ、でも我慢できないの、感じてしまって・・ああまだ欲しいもっと私に頂戴)
「美希。可愛いよ、まだまだ舐めてあげる、もっと欲しいんだろう?こんなに蜜を垂らして、いやらしい身体だね」
類はソファーで寝てしまったことに気が付き目が覚めた。
「なんて可愛いんだろう僕の奥さんは・・」
自分の手を握って寝ていた美希を、寝室のベッドまで運び、そのまま美希をの身体に愛撫し始めた。
指と舌だけで、眠っている美希は二回も達していた。
「類・・」
類は美希の粒を舐めていた動きを止める。
「夢なの?あなたは誰?・・私は類じゃないとダメなの、類にしてもらわないとイケないの・・」
「僕だよ美希・・」
「類なの?」
「そうだよ、眠っていた美希を愛していた」
「ああ!よかった」
美希の瞑った眦から涙がこぼれ落ちた。
類は突然泣かれ、慌てて上体を起こし美希を抱きしめる。
「どうしたのさ・・泣かないで」
美希は薄っすらと目を開けると類を見た。
「だって、もう私を抱かないと思ってたの、飽きられたって・・」
「バカだな、俺の方こそ君に嫌われたくないって思ってるのに」
美希はまだ半分夢の中にいる、でも類の言葉はしっかり聞こえていた。
「美希?抱いてもいいか?」
「抱いて・・」
その言葉を待っていた。
類は美希の腰を引き寄せると、ひと突きで美希の中に巨大な凶器となった昂りを収めてしまった。
「いや!く、ぁぁああああーーーーーーーー」
美希は完全に目が覚め。
「起きたか?抱くぞ、嫌なら言え。やめてやる・・でも、俺に抱かれたいなら容赦しないぞ」
すでに貫かれ、中は類の熱で満たされ喜びで戦慄いていた。
「は、はぁ、抱いて、壊れるくらい私を・・あああああーーーーー」
美希の言葉を最後まで言わせる前に、激し腰を打ち付けていた。
「美希、善いみたいだな。締め付けがすごい、すぐにでもイキそうだぞ。奥を突いて欲しいか?同時に粒も弄って中と外でイったら気持ちいぞ」
「ああーーそれ欲しい、いっぱいイかせて、はぁ、あん」
類は美希をうつ伏せて奥を突きながら、胸の頂と粒に手を這わせ、同時に責め立てる。
「ひぁ!んん、んーーあ、あ、あん」
腰を突き出し、奥へと導く美希の中は畝って締め付けがきつくなってきた。
そろそろだと思った類は体位を変え、今度はゆっくり腰を揺さぶりながら、胸の頂を口に含み、ねっとり舐めしゃぶり硬い尖に快感を与える。
美希は類から焦らされているとも知らず、来ると思った絶頂が少し遠のいたが、それでも心地よい類の愛撫に酔いしていた。
類から与えられる快感に美希は蕩けるほど感じ、声も抑えることができず。絶え間なく嬌声を上げ。
いやらしく身体をくねらせては類の目を楽しませる。
「悩ましくて可愛いね美希、こんなに蜜を垂らして、さっきから声が抑えられなくて大きくなってる、そろそろ達すると思ってたが我慢してるのか?中はトロトロだぞ?ああ~日中何度も達して疲れてしまったか?さっきまで寝ていたんだ仕方がないな、美希がイカないならもう寝るか?」
「あーー!類、違うの、ふぅ、イクから、さっきも、いやぁーーー」
類は意地悪く、激しく腰を揺さぶり美希のいい場所をグリグリ擦ってやる。
痺れるような快感が走り、美希はギュッと類の熱棒を締め上げる。
そろそろくる絶頂を期待し中を戦慄かせるが。
類は脚を持ち上げ、また体位を変え、美希の絶頂を先延ばしにする。
(我慢させてるから中が畝ってこっちが持っていかれそうだ。結構焦らしてるから美希も我慢の限界だろう、乱れまくってるしな)
「おかしいな~ここ責めると美希善がってすぐに達するのに、今イかなかったよね?もう終わりにする?」
「いや~類!イくから、感じてるの、ああーーふう、そこグチョグチョってして、中と外でイかせてくれるって、うぅ、はぁ、もっとお願い、類なら、ああん」
「そうだね両方でイキたいんだっけ、じゃあしてやるよ!ほら善がれ」
類は激しく腰を振り、粒に指を這わせクチュクチュと円を描きながら振動を与え続ける。
待たされた美希は全身を貫く快感に、イヤイヤと頭を振りながら背をしならせ、腰を振って類を咥え込んでいる。
足はピンと伸びてシーツを掻き、全身が緊張で力が入る。
激しい類の抽送に感じきって、もう中も外も限界が近づいていた。
「ああああーーー!中がゾワゾワして変になる、はあ、凄いの、んんーーーああ来る、外も、はぁはぁ、ああーーーイクイク、類ーーううう!」
美希の体がビクンと大きく跳ね。
「あ・あ・あ・ああああーーーーーーーーーーーー」
類は一気に腰を引いて、美希の中に指を入れると上側の壁をグイっと押しながら素早く引き抜く、ピュッと液体が飛び散る。
また指を中に入れ同じ場所をグチュグチュ圧迫しピュッピュ!と液体を飛ばしてやる。
美希の腰は浮いたまま、まだイキ続けていた。
「どうだ?潮吹きされた感想は、感じたか?」
やっと弛緩し、ベッドに沈み込んでいる美希は。
「んんー感じる・・なにそれ?クジラ?ああん!押されると中ビクビクしちゃう」
「シーツ交換するから風呂入るぞ
美希を抱えバスルームまで連れて行くとシャワーの下に立たせる。
類はその間シーツを交換し、美希と入れ違いにシャワーを浴びにいく。
二人はベッドに入り抱き合っていた。
「もう寝ろ、疲れただろ?」
「無理よ・・」
類は美希に下着をつけることを許さず。
中に指を納め、ゆっくり動かしている。
「美希、仕事のことは考えてるから辛抱しろ・・」
(なんで今その話持ち出すのよ。うっかり承諾しちゃいそうで怖い)
「あん、そんな話、いや」
類は自由に、クチクチと中を当てもなく弄りながら
「こうゆうこと毎日して美希を可愛がってやりたいんだ。ここでデザイン書いててもできるだろ?二人ともまだ休暇はたっぷりある」
「あ、あ、ああ、そこ違うの、横・・」
「美希はどこでも感じるじゃない、ねえどうなの?いつでもしてあげるよ?家にいれば感じさせてもっと乱れさせてあげる、今日だって良かったろ?」
「あーーふあーー!ん」
「シーツ替えてもまた水溜りができるなこれじゃ、ここまで感じててまだ出社しようと?」
「あん」「あん」「いい、奥まで入って」
「ほら、やっぱり良いんだ。指増やしてもっと感じさせてあげる。揺すって音聞かせてあげよう、その方が美希も興奮するし」
類は指を真っ直ぐに揃え、激しく出し入れしながら、時たま指を曲げ天井の壁を引っ掻きグジュグジュ、ぬちぬちと水音を聞かせてやる。
「ああーーあん、はあ、あ、あ、はん」
「声の方がデカくて良い水音が聞こえないよ美希」
「あ、あん、類~舐めてここが、ジンジンして痛の、吸ってくれないと、ああ辛い」
美希はもう指での抽送が善くて、胸の尖が疼いてどうにも我慢できなくなっていた。
「ああ~こんなにか硬くして、辛そうだ。優しく舐めて吸ってあげるよ、だから家にいて」
類はぷくりと腫れた蕾を口に含むと舌で転がし吸ってやる。
「あ、あ、あああーーーいい、もっと~ん~あーー!気持ちいい類~」
「仕事は家でするよね?そしたら粒を舐めてイかせてあげる、朝までだって舐め続けるよ?どお?して欲しい?」
「あ、あ、欲しい、私、イキたい、んんーーーー」
類は美希の脚を上げ、体を割り込ませる。
脚の付け根は蜜の香りで雄を誘っていた。
粒に舌を這わせゆっくりジワジワと刺激を与え、指で美希の良い場所を執拗に掻き出す。
(たぶん3分かからないかな?)
「ああ!そこばかり、あ、あ、あああーーーイっちゃ、イヤイヤ~もっと気持ちよく、いっぱい欲しい」
美希は我慢していたらしいが腰を振って粒を類の顔に押し付ける、と!ブルリと身震いし。
「!!ーーーーーーーーーーーー」
ビクビクしながら類の頭を押さえ、何度も粒を押し付けてくる。
「イったね、約束は守れるか?それなら明日も、これから毎日可愛がってあげるよ」
美希は泣きながら頷いていた。
(今のもすごかった!悔しいけど類は女性の身体を知る尽くしている・・全身が蕩けそう。簡単に何度も達して、類の言いなりだわ。私これを手放すことなんてできない、彼に捨てられたらこの快感もなくなる)
目が覚めると美希は、まだ甘い声を出して類に縋り付いていた。
指が入ったままなのだ。
「類、起きるから抜いてよ」
「何時?休みなんだかからゆっくり寝てようよ、僕朝まで美希の粒舐めてたから、まだ眠いんだ。美希起きちゃうの?」
「おしっこ行きたいなんて、恥ずかしくて言えないでしょ聞かないで!」
「ぶはっはっは!ああ~生理現象ね。わかった行っておいで」
類は指を抜くと上掛けをかぶりまた寝てしまった。
トイレを済ませ、リビングでアイスティーを飲みながらスマホのメールをチェックしていた。
可奈から大量のメールが届いている。
内容はよくわからないがとにかく会って話がしたいとの事だ。
「何か重要なこと?彼女滅多に私には連絡してこないのに」
美希は
[メール見てなかったよ!珍しいね加奈がメールなんて、今研修中で忙しくて毎日バタバタしてます。用事?なにかな?]
「今日はお休みだからまだ寝てるのかな?急用なら返事来るだろ、さてと洗濯物でも干して掃除機かけよう」
美希は家事をこなし、朝食の支度を始める。
匂いにつられたのか類が全裸でキッチンに入ってきた。
「キャーーーーーーーー!!だから!裸はダメって何度言ったらわかるのよバカ!」
類はあくびをしながら美希の隣に立ち味噌汁の鍋を覗き込む。
「豆腐とワカメ?腹減った」
美希は腹に付きそうなくらいそそり勃った類の熱棒を見て、ゴクリと唾を飲む。
「シャワー浴びないの?とにかく服着てよ」
類は意識している美希をからかうかのように、後ろから手を回し胸を揉みだす。
「類!いやあ、やめて」
うなじを吸いながら美希の腰により凶暴になった杭を押し当て擦り始めた。
「抱きたくなった。入れさせろ」
「あ、ああん、そんな・・」
類はIHのスイッチを切り美希の下着の中に手を突っ込んで乱暴に掻き混ぜ始めた。
「いや!あ、あ、あああ、くぅーー」
ウエストに腕を回され、中には指を入れたままリビングまで歩かされた。
「類、だめ歩けない、あ、あ、うう」
「俺の指が入ってるから抱っこできない、歩けよ、ほら」
一歩踏み出す度にじゅぶじゅぶと、わざと指を動かす。
「いや、もうお願いここで・・あ、あ、ああーー」
「ここで?入れて欲しいの?」
「ちが、抜いて、あふ、ううー」
「こんなに感じてるのに?しなくていいの?・・ふーん」
類は動かしていた指を一気に引き抜く。
「いやあーーーーーー!!」
ペタリと床に座り込んだ美希に。
「シャワー浴びてくる」
「類~いやあ」
「お前が抜けって言った」
類は美希を置いてバスルームに行ってしまった。
類と入れ替わりに美希はシャワーを浴び、食事も摂らずにリビングの隅に置かれたL字のパソコン机で、昨日の続きを書いていた。
「美希!いい加減に飯食え。食事だけはちゃんと摂るって約束だろ?くだらないことで拗ねるな」
「拗ねてない」
「だったら飯食え」
「・・・・」
「犯すぞ!」
「下品」
「下品?さっき中途半端で、濡れて仕方ないんだろ?して欲しそうだったから言ったのに」
その時キッチンカウンターの上のスマホが鳴り出した。
それは美希の古い方のスマホで近くにいた類が画面を見る。
(加奈!!)
加奈からの着信に気がついた類はスマホを取り上げると電源を切ろうとした。
その瞬間、類の手からスマホを取り上げた美希は。
「加奈からだ!勝手に人の電話見ないでよ」
そう言って通話ボタンを押してしまったのだ。
「加奈?どうし、あう!!」
類は立っていた美希の下着を一気にズリ下げ、床に這いつくばるように押さえつけ、後ろからひと突きに熱楔を刺し貫いた。
全身をブルブル震わせ、突然の衝撃に美希は軽く達していた。
『美希?私よ加奈、今会える?』
類は美希の身体をガクガクと揺さぶりながら激しく腰を打ち付ける。
部屋の中に、パンパンと夫婦が交わう音が響き渡る。
美希の手からスマホが床に落ち、加奈の声が僅かに聞こえるが、喋ればきっと嬌声が漏れてしまう。
顔を手で覆い床に腕を置いて呻き声が聞こえないように食いしばって耐える。
類はスマホを取り上げ電源を落とし、思い切り壁に投げつけた。
その後、類は美希の身体を責め立て、何度も絶頂に導き、美希が耐えきれず気絶するまで続けられた。
美希をソファーに寝かせ、床に落ちているスマホを取りに行く。
「まだ電源がついてる、ショートさせて基盤を壊そう、電源が入らなければ諦めるだろう」
美希のデータは類のパソコンに保存されている。
念のためにクラウドに保存されたデータは削除してあるので、これで新しいスマホからアクセスしてもデータは無い。美希が撮りためた画像だけは新しいスマホに取り込んでやった。
加奈との連絡は何がなんでも絶ないといけない。美希が真実を知ればショックを受けるに違いないからだ。
「あんな人間でもこいつにとっては友達だ、知らなくていいこともある」
類は美希の食事を用意していた。朝食べていないからステーキを焼いている。
「美希?起きて、肉焼いたから食べて」
「・・いらない」
「また犯されたいか?本気だけど俺・・」
のそりと起きあがると美希は類をキッと睨む。
「その目はファイティングポーズ?今は食事して、話は後」
裸の美希に着る物を与えず、逆らえば強引にさっきのようなことをすると脅している。
「せめて下着くらい着させてよ、じゃないとご飯食べない」
「意味ないだろ?すぐ濡らすし」
美希があまり睨むので仕方なくバスローブを着せてやる。
食事をしながら。
「加奈と電話するのもダメなの?そこまで自由がないの私には・・」
「自由だろ、会社関係だけ制限してるだけで」
「ちょっとメール見てくるから、全部食べなよ」
美希は食事を終えシャワーを浴び着替えをしてリビングに戻る。
類はまだ自分の部屋から帰ってこない。
パソコン机に向かい自分のPCを立ち上げクラウドにアクセスする。
「へんね~私のデータが画像以外全部消えてる・・」
「パスワードかけてあるから、私以外操作はできないはず。間違えて削除しちゃったかな?これじゃ会社に行かないと加奈に連絡取れない」
類は部屋から戻って、キッチンでアイスコーヒーを入れながら美希の様子を伺っている。
「なに?パソコン調子悪いの?」
「ん~私、データ消しちゃったみたい・・」
「デザインのか?」
「え?ああ、そうじゃなくて他のデータ、仕事のは大丈夫」
「なら良かった。作品のデータは大事だ。でも気を付けろよ」
「うん・・」
「アイスコーヒー入れた。こっちおいでよ」
類はアイスコーヒーを飲みながら、頭を悩ませていた。
(加奈が消えた・・どうする?まだ休暇中だ、今日にでも美希を連れて別荘に行くか?でもまた俺が必要な場面があった時、移動が面倒だしな、それにその間美希を一人にしてしまう。あと数日様子を見ようか・・)
「美希、徳さんの工房に週3くらい見学しながらデザイン書かせてもらうか?あそこなら集中できるだろう」
美希はパッと顔を輝かせ。
「徳さんの工房!いいの?」
「ああ、前に勉強させてやるって言ってただろ、その時に徳さんにも話を振っておいたんだ。徳さんの工房なら本や資料もたくさんあるし、結婚式で身につけるティアラとネックレスとイヤリング作るんだろ?それと俺たち今、結婚指輪ないんだよ、美希がデザインして徳さんに寝ずに作ってもらってくれよ」
「結婚指輪・・ごめんね私のせいで」
類は美希の側に来て肩を抱き寄せる。
「美希のせいじゃない、あの件は忘れろ終わったことだ」
「結婚指輪のデザインはストレートで、文字入れをするから少し幅広になるけど身につけてても邪魔にならないよう調整してもらう」
「そう?任せるよシンプルなのが一番いいね、年取ってキラキラしたのはちょっと男は嫌だから」
「そうね、だから結婚指輪は女性に決めさせちゃダメって説があるくらいだもの、年齢を重ねてくると派手なデザインが嫌で着けない旦那さん多いって聞くし」
「指輪のことは美希の任せる。だからしばらく待てるか?徳さんとは週明けにでも話をしに行ってくるから」
「うん待つ」
美希は類の胸に頭を預ける。
(ごめんな、徳さんのところにもいかせない。今お前を外に出す訳にはいかないんだ。事件の真相が明らかになるまで我慢しろ)
週末の土日で捜査スタッフが8人から事情を聞き、全員が美希を脅し、指輪を奪ったことを認めた。
それに伴い月曜の午前に類と父親、次男の優、各部署の部長以上で会議が開かれることになった。
「類、買い物くらいは出てもいいでしょ?」
玄関先で類を見送りながら美希が聞く。
「会議終わったら帰れると思うんだけど、一緒に出かけて夕飯は外で食べない?ジュエリーショップ寄って間に合わせのペアリング買いに行きたいんだ」
ジェリーショップと聞いて美希は我儘を飲み込んだ。
「え?宝石店行くの?なら待ってる」
「よかっった。僕が買ってきてサプライズしようかとも思ったけど、自信なかったから、仮とはいってもそれなりの買いたかったから美希がいれば安心だ」
「何軒か回るよね?類が出かけたら私もお店調べとくね、いってらっしゃい」
美希はニコニコしながら手を振っている。
「お~い!宝石店行くってわかったら、夫に行ってらっしゃいのキスもないの?冷たいな~」
「はは、忘れてた」
美希は背伸びをし、チュッと唇を合わせ。
「気をつけてね」
会議は異例ともいえる社長室で行われた。
防音がされており、盗聴などのチェックも完璧、入室する人間は全員スマホや録音機器の持ち込みを禁止し、探偵事務所のスタッフが金属探知機でチェックするという厳重さだった。
それだけ外部に漏れたらまずい内容であることが伺い知れる。
中には初めて内容を聞く社員もいて、驚きを隠せない様子だ。
まずは、今回捜査に協力してくれた元刑事から事の経緯を話してもらい。
関わっていた9名の名前が読み上げられた。
加奈に関しては連絡が取れず。
現在捜査続行中であるため、他の8人の処分を、この会議で決めると、類の父親から社員に説明された。
話を進行するのは中林専務と兄の優、話は簡潔だ!全員が『解雇』なのか『懲戒解雇』なのか、類家族の意見とし次男の優が発言した。
義妹の心情を考えると関与した社員が今後一切我々家族に関わらないのであれば、裁判や金銭で解決しようとは思っていない事。
マスコミに騒がれたら、義妹が苦しむ結果になる。
罪を犯した者が出来るだけ早く、この会社から消えて欲しいだけだと。
社長室は騒めいていた。
警察をという意見も何名かから出たが、ほとんどの人間がマスコミを嫌い。
弁護士を立て誓約書を書かせ、何かあった場合それらの証拠を持って警察に訴えるという内容の文章を作ろうという結果になった。
処分は満場一致で『懲戒解雇』扱いになった。
会議も終わり部屋には親子三人だけ。
「父さん、優、迷惑かけて申し訳ありませんでした」
「いいんだよ、親はな、いつだって子供の味方なんだ。守ってやるのが務めだ、母さんがあれから心配してな。あとで電話してやってくれ」
「うん、そうする」
「美希ちゃんは?元気にしてるのか?類はまだ休んでていいんだぞ、側についててやれよ。な?親父」
「ああ!もちろんだよ康太も営業で頑張ってくれてるし、類も仕事のことは気にせず休め、なんだか疲れてるみたいだぞ。若いからって無理するな」
「ああ、それなら美希と毎晩子作りに励んでるからそれでだよ」
ニヤリと笑う類に。
独身の優が類を羽交い締めにし、プロレスごっこが始まった。
それをニコニコと見つめる父の笑顔。類は家族ってありがたいと思った。
「パパ~優君がイジメる~」
と子供の頃の言い方で、父に甘えて抱きつくと。
「鬱陶しい!お前ら外でやってこい」
そう言う父は笑顔で目を細めている。
会議が終わり帰宅の運転中、類は加奈のことを考えていた。
「加奈はなんで俺にじゃなく美希に電話してきたんだ?まさかバレたか?」
類は胸騒ぎがして仕方ない、休暇はまだある美希を連れて自宅から離れた方が良いのではと思った。
類の住所は人事課に登録さてある、総務の加奈なら調べようと思えば情報を手に入れることはできるかもしれない、いや、既に知っているのかもしれないと思うと、背中に嫌な汗が伝う・・
今にしてみたら結婚を公表し美希が妻であると知っていれば、誰も美希に手は出さなかったのだと思う。
だがそれをしなかったのは偽装結婚だったからで、今は悔やまれて仕方ない。
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