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第一章 エルフの里

第10話魔力循環と大根?

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 「はぁぁぁぁぁ」

 部屋が太陽の光で明るくなり、眩しくて起きてしまった。
 いつもならカーテンを閉めているが昨日は疲れたのか閉め忘れた。
 それにしてもよく寝た。
 昨日から合わせると19時間ぐらい寝たのでは

 「はぁぁぁぁ」


 私は大きな欠伸をしながら1回に降り顔を洗う為に洗面所へ。
 そこには歯を磨いているサリアがいた。

 「おはよう」
 「おはようお姉ちゃん。今日はどうするの?家でゆっくりしておくの?体調大丈夫?」
 「体調もいいからもう行くつもりだよ。結局昨日は魔力循環ができなかったから今日こそは必ずできたいんだよ」
 「でもお姉ちゃん。このままいくと遅刻だよ」
 「え?」

 いつもは子鳥のさえずりだ起床しているはず。
 今日は珍しくカーテンを閉めていなかった為眩しくて起きたはずだから、いつもより早く起きたはずでは……
 これは、私を急がせる為に仕掛けている罠なのか?
 それとも本当なのか?
 疑問を持ったまま顔を洗い、時計のあるリビングへ。

 「おはよう」
 「おはよう。体調は大丈夫か?」
 「おはよう。今日の修業どうするの?体調が悪かったら無理することないわ。明日でも明後日でもできることなんだから。」
 「おはよう。体調もいいし、行こうと思ってるんだけど……」

 お母さんは、エプロン姿でお皿の洗い物。
 お父さんは狩りに出る時の姿で椅子に座ってゆっくりお茶を飲んでいた。(狩りに出る時は安全の為長袖長ズボン。下が緑色で上がYシャツのような感じだ)


 時計を見ると家を出る5分前……


 ああああああああぁぁぁ


 このまま行けば遅刻確定!!
 登校2日目で遅刻とか絶対印象悪くなるやつ!!(1週間もほっつき歩いていたから印象悪いだろ!!)

 「お母さん時間が無いからパンだけ焼いといて!!その間に着替えてくるから!!」
 「はーい」


 私は急いで自室に戻り着替えをする。
 疑似体験時に見たアニメでは一瞬で着替える魔法とかがあったが羨ましい!!
 これだけ魔法が流通している世界だから着替え魔法もあるかもしれない。
 後で紗夜ちゃんに聞いとこう。
 それよりも急がなきゃ!!

 私は急いで着替え、リビングに移動しパンを咥えサリアと一緒に家を出た。


 よくパンを食べながら通学して、角で相手にぶつかり恋に発展とか見る光景だけど、修業場所までに角というものはほぼない。
 実際にぶつかったことのある人に出会ったことがないし……(私が友達が少なかったから出会わなかった訳では決してないんだからね!!)。


 少し小走りで修行の場所に向かったが、別に遅刻というわけでもなかった。
 もちろん、長老とマーサとラッサーは既に居て、長老と一緒になにやら遊んでいる。
 私が小さい頃にやっていたおもちゃは木で作ったつみきとかしか無かったが、今もそうなのかな?
 もしもけん玉とかなかったら作ってあげたいところだ!!
 だって絶対に喜ぶ顔が見られるからね!!
 それに嫉妬するサリアの顔も見たいし。
 私は「ふっふ」と声に出して笑ってしまったみたいで、長老たちからなにやら変な目で見られた。
 もちろんパンは、ここに着くまでに完食済みだ。

 「では今日も始める!!怪我なく安心して魔法を学んでいくからな」
 「「はーい」」

 長老は、マーサとラッサーには実用的な脚の身体強化の鍛錬をするように指示し、サリアには腕の身体魔法に挑戦するように言っている。
 そしてその後私のところに来て

 「本日からしっかり魔法を使ってもらう。まずは魔力循環からじゃ。まずは体の奥底にある魔力を感じるところからじゃ。その後は体に少しずつ流していって魔力を全身で感じること!!これを重点的にやって欲しい。魔力を感じられたら声をかけてくれ。」
 「魔力はもう感じられます!!」
 「そうか。魔力循環はできそうか?」
 「こないだお父さんに教えてもらったのですけど、まだできなくて……」
 「そうか。ディーロは優秀だからな。教え方も上手かったじゃろ。魔力の流しすぎだけには気をつけるんじゃよ。」

 さすがに紗夜ちゃんとは、言えないのでお父さんが教えてくれたことにやっといた。
 そうして長老は、みんなの姿を見て困ったそうにしていたら手助けをする。


 私は昨日の復習と新たに教えてもらった水面横作戦を実行する。
 まずは目をつぶりどこまでも続く魔力海をイメージさせ、水面横にすごい小さなホースをつける。
 横につけることで底ほど勢いよく出ることは無いし、自分で調整がしやすい。
 いつかは底でしないと魔力を続けて出せなくなるからね。
 最初は昨日魔力循環ができたぐらいのすごいゆっくり(1滴1滴感じさせる)感じでやってみる。
 昨日よりも勢いが薄いのか魔力の進みが遅い。
 どこも体が暖かくならない。
 これから少しずつホースの穴を大きくする予定だが、昨日のことがあるから少し怖い。
 ええい!!昨日とは違い急な魔力が入ってくることがないと思うから大丈夫だ!!
 サリアも実際にこれで魔力循環をみにつけていたと言ってたし!!
 うん大丈夫!!


 自分に「大丈夫」と言い聞かしながら少しずつホースの穴を大きくしていく。
 すると少しづつではあるが魔力の流れが早くやってくる。
 やはり水面横につけることで流れの調整がしやすい。
 昨日なんて調整する時間さえもなかったからね。
 昨日少し流した時より少しだけ速度が早いところでホースの穴を大きくするのを止める。
 ここからは全身に魔力を循環するだけだが、これが難しい。
 大体の循環は誰もがすぐにできるが、細かいところまでとなると時間がかかってしまう。
 将来的なことを考えると細かいところまでできるようになった方が突発的な身体強化などに対応することができるからね。
 私は焦らずゆっくり体全身に魔力を注ぐ。
 今のところは何も問題がない。
 昨日みたいに倒れたらどうしよう!!と思っていたけれど、今日はそんな心配は要らなかったみたい。
 そのまま集中して全身に魔力を流し続ける。
 魔力循環は、魔力を全身に流しているプラス動いたりしなくては始まらない。
 身体強化や魔法を打つ時は必ず止まってやるものではないからだ。
 初めてだからか非常に難しい!!
 目を開けるとイメージが途切れそうだし、他の子の修業も気になっていくと思うし、私は結局目をつぶったまま魔力循環を行う。
 目を開けない代わりに細かなところまで行うことにする。
 手の指先までしっかり通すと足の指先まで忘れそうになったりと色々忙しい。


 そこからすこ時間が経ったので一度魔力循環を切り、目を開ける。
 ほんとにどっと疲れた感じがする。
 いつも流さないところに魔力が流れたから体も驚いていることだろう。
 目を開けると、長老に教えて貰いながらマーサとラッサーは修業を続けサリアは休憩中だった。

 「お姉ちゃん魔力循環できた?」
 「できたよ。まだ目を瞑らないと出来ないけど、その分指先まで頑張ってるんだ!!」
 「お姉ちゃんすごい!!」

 すごいの声で皆がこっちを見てくれて、拍手までしてくれた。
 修行の途中だったのに拍手までしてくれるとはなんていい子たちなんだ。

 「「アリアお姉ちゃんおめでとう!!」」
 「これで第一関門突発!!と言った感じじゃな!!これから1週間ぐらいは魔力循環をして徐々に慣れさせる感じじゃ。焦る気持ちはあると思うが焦りは禁物じゃ!!」
 「はい!!」

 その後もう一度魔力循環を試し、時間になったので終了!!

 「「今日はありがとうございました!!」」
 「明日も元気出くるんじゃよ!!」

 長老はマーサとラッサーと手を繋いで自宅に帰宅。
 私はサリアと手を繋いで自宅に帰宅する。

 「お姉ちゃん良かったね。ほんとに心配だったんだよ。また倒れちゃうんじゃないのかって」
 「心配かけてごめんね。もうお姉ちゃん元気だから!!それにサリアが昨日教えてくれたから今日の魔力循環成功したしありがとね」
 「うん」

 サリアは、自分のおかげで私の魔力循環ができると聞いてすごい笑顔になった。
 それに今日はパン屋にも行くから幸せいっぱいだ!!


 「「ただいま!!」」
 「おかえり」

 手洗いうがいをした後お母さんのいるリビングに向かう。

 「お母さん!!パン屋パン屋に行くよ!!準備して!!」
 「まだ早いよ。お昼ご飯の時にパンを買いに行くからそれまで大人しく待っててね。」
 「えー。お姉ちゃんもお腹すいたでしょ?」
 「せっかくだからお昼までのお楽しみにしようか。ゆっくりしたら紗夜ちゃんと一緒に修業してこよう」
 「うん!!」


 お腹がすいた私は、お母さんに頼んで昨日食べなかった魚を焼いてもらった。
 食べすぎると昼食が食べられなくなってしまうので食べるのは魚だけだ。
 昨日は大根おろしがなかったけれど、本日は時間に余裕があるので作ってやる!!
 私は冷蔵庫を見たけれど大根がない……
 我が家には野菜保管庫があるぐらいだから全然大丈夫!!

 「ちょっと野菜保管庫に行ってくるから」
 「なにか捜し物?」
 「大根が欲しいなって思ったんだけどある?」
 「裏庭の畑にミニ大根があると思うから取ってくるといいわ!!」
 「私もミニ大根とる!!」

 サリアと一緒に裏庭へ。
 エルフの里の家は一軒一軒がとても大きい。家だけではなくミニ畑までついているからその分大きくなってしまう。
 共通で育てている野菜畑は少し離れたところにあり、誰でも自由にとっていいし、自由に育ててOK。
 だからエルフの里には八百屋がないのだ。
 畑に植えられてる野菜の種類はすごす多すぎる為誰も把握出来てないらしい。
 でも今回は家のミニ畑なので迷うことは無い!!
 玄関から出て、ミニ畑まで歩いていく。
 一番端で育てているのですぐに分かる。
 すごい小さい金時人参のような形で葉が土から出ている野菜がある。
 これがミニ大根!!

 「お姉ちゃん!!どれぐらいとるの?三本ぐらい?」
 「一本で十分だよ!!これで魚がより美味しくなる。ふっふっふ」
 「お姉ちゃん。笑い方ちょっと怖いよ」

 大根をサクッと収穫してもらい、急いでリビングへ(早くしないと魚ができてしまうからね)。

 「おかえり。もうお魚できたけど、大根で何するの?」
 「秘密!!あとおろし金ある?ちょっと貸してほしいだけど」
 「あるけど……」

 これから何をやるのか分からない私に不安そうな顔で渡してくれた。
 余所見をしながら大根をすったら手を怪我して危ないからね。
 大根の泥をとって皮をめくっていざスリスリタイム!!


 ザッザッザッ


 「お姉ちゃん大根のスープでも作るの?今からだとお魚冷めちゃうよ。」
 「何作るのか楽しみね」


 ザッザッザッ


 ある程度大根おろしができたら完成!!
 残りの大根と葉っぱは今度料理に使ってもらおう。
 私は魚の取り皿に大根おろしを乗せそこに醤油を垂らす。
 疑似体験では、当たり前のような食べ方だがエルフの里では誰もしない食べ方。
 エルフの里近辺では人族が中心となっている国などがないから人族向けの料理がとても珍しいのだろう。
 私が席に着くとお母さんもサリアも一緒に席に着いた。

 「お魚と一緒に食べるってこと?1口貰っていいかしら?」
 「私も私も!!」
 「今まで食べてた魚がより美味しくなるからね。ふっふふ」

 私は、不気味な笑みをした後に「いただきます!!」と言い食事を始めた。
 まずは一口分とった魚に大根おろしを乗せてパクっと。

 美味しい!!

 そうそう。これだよ。

 そしてご飯を一緒に駆け込み。はー満足!!ってご飯がないんだよ!!
 お魚だけでも十分に美味しいけど、やっぱり米!!
 米は畑の種類がまったく違うからエルフの里では難しいかもしれない。

 「お母さん。サリア。食べてみて。この大根おろしを乗せて食べるんだよ」

 まずはお母さんから大根おろし乗せ魚をいただく。口に入れた途端。「んん!!」と美味しい時にしか出ない声が出てしまっている。

 「これ、大根をすりおろしたものに醤油を少し垂らしただけなのよね」
 「うん。そうだよ」
 「魚だけでも十分に美味しいけど、大根付きだとより美味しい!!今度から魚の時は出してみようかしら」
 「私も私も食べる!!」

 サリアもパクッと一口。
 パンを食べたい口になっているがしっかり大根おろしの美味しさを感じられるだろうか……

 「お姉ちゃん!!美味しいよ!!大根があった方が私は好き!!お魚さんも美味しく食べてもらえて喜んでるよ!!」

 良かった。

 私の好きな食べ方を好きになって貰えるとここまで嬉しいのか。
 自分が開発した訳では無いけれど、少し誇らしくなった。
 紗夜ちゃん疑似体験ありがとう!!
 結局2人とも一口で終わることがなく、三人で一つの魚を食べるのであった。

 「「ごちそうさまでした!!」」
 「美味しかったね。お父さんに食べさせるのが楽しみでしょうがないよ。明日あたりお魚のメニューにしちゃおうかしら?」
 「「賛成!!」」

 近々お魚を食べることが決定し、家でのんびりするのだった。

 「私の出番は!!」(紗夜ちゃん)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ついに10話!!最初の予定ではここまで毎日投稿でしたが、これからも続けていくつもりです!!
初めに立てたプランとは全く違ってきているので、少し困惑してます

(最初の予定)エルフの里→旅に出る
(今の予定)エルフの里→1年修業→学校3年ぐらい?→旅

旅までに100話以上書くのでは!!って感じですので、まだまだ旅のお話は先になりそうです!!
焦らずにゆっくり書いて行くので、よろしくお願いします!!
今後は思い浮かばなかったり忙しかったりする時は投稿なしって感じになります。(前日に進捗状況みたいなのでアナウンスします。)

最後まで読んで頂きありがとうございます。
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