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2部2章 バウムクーフン伐採
伐採旅 sideグリーン
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「よっしゃーわー行くぞ!かなり遅めの新婚旅行に!」
「え?新婚旅行って何?まぁいいか!きゃー楽しみぃーーっ!」
「ジャック氏!?聞いていないのですが」
「俺も聞いてねぇよ・・まぁ大将がそう言うならそうなんだろうさ。」
「あ?聞いてねぇのかよジャック、今回はオレとコレットの新婚旅行だぞ、結婚式いなかったから知らないのかお前。」
「えぇそうですよ!1年前に領地が落ち着いて来たからって、正式に奥様を正室としてラトランダ領に招くって話が出た時。私休み貰ってたからね!」
「拙者は出ました!料理が美味かったです!あ、あれ作ったの全部拙者でしたwブフォ」
「ファムルスは自分で作って、招待客の分まで食いそうだったからね」
「そうですぞ奥様、パンドラの箱におりました時は環境的にも最悪の状態で魔物の肉を喰らう日々。味気もなく辛い日々を乗り越え、美食の王に、拙者はなる!」
「すごい!ファムルスくん、新作ができたら、私のところに持って来るように!」
「アイアイサーです!奥様!」
「勝手にしろよ・・」
あぁもうなんだこのメンバー!リョウトウ連れて行けば良かったんじゃないか?
でもアイツは、イエローもいないラトランダ領を支える為に、過労死ギリギリ、ブラック企業など屁でもないぐらいの仕事量をさばいてもらう為に必死だ。
このままだとアイツ死にそうだし、仕事を増やしたくない。
ということで、今回のオワリの国視察団のメンバーはグリーン、コレット、ジャック、ファムルスである。
今回のグリーン達の目的は『視察』である、とは言っても、元々閉鎖的なオワリの国だったが、現在はグリーン達との交易なんかも王国認可の元で行われており、便利な魔導車などは既に使われ始めていた。
今回の視察も、王国とオワリ国の仲の良さをアピールするのが目的ということだろう。後に、グリーンは王国の親善団の代表を務めるマリス辺境伯と合流する予定だ。
グリーン達の団は、先頭がジャックが運転、ファムルスが後ろでくつろぐ中型車。
コレットがどうしても運転したい!と言うのでコレットが運転手、グリーンがその隣に座る小型の高級車。そもそも魔導車自体が普及したてで高級だが、これはその中でも特に選りすぐりの逸品だ。
後方には、パンドラの箱の比較的人間体の者達が控えているのと、今回の戦いに必要な装備一式が積み込まれており、数としては総勢20名ほどの少ない団であった。
「まぁ、イヴァンの早さには劣るが、少なくとも明日にはオワリの国に着くだろう」
グリーンはそうポツリと呟きながらも、助手席でそう呟く。現在オレの頭のなかでは、これからのプランを練るのに夢中だ。
今回のミッション、内容的には簡単な者であるとグリーンは推測している。種族名、生息条件などを鑑みるに、『バウムクーフン』は極めて一般的な樹木であると思われる。それが人智を超える『根』の深さによって、ここまで深く根付いてしまっているのだと言う予想をグリーンは建てた。
異常に樹木の『根』のみが発達した木だからこそ、世界中の栄養を吸い取り、いずれは爆発的に大きくなる。
オワリの国より、先日ありえない速度で成長する樹木の存在が報告されたばかりだ、現在様子見をしており、切るように指示を出したが、どうしても切ることが叶わないと言う。
(だが、これなら切れる筈だ、今のオレの戦闘においての最高傑作ならーー)
そう思いながら、オレは後ろの大型車に積まれたアーマーに思いを馳せる。あれでやらないなら、もう俺の手にはどうにもならないだろう。
正直、ラトランダ領はまだ未完成だ。レッド達に見せていない、全体の5分の1領内は、まだ完成していない箇所もある。住宅などの交通のインフラを整えても課題は山積みだ、その土地の決まりごとなどを簡易的にであるが設置してはいるが、いずれちゃんとした法律を作らなければならないだろう。王国の法律、ガバガバだし。全てはここからなのだ。
グリーン個人としても、早く自らの領内改革に全精力を注ぎたい。こんなアーマーを作ったところで、神に勝てる保証もないし、まぁこれらを応用してできた商品も多いのが現実だが。
守らなきゃな、その為には力があ いる。単純だ、シンプルなんだ。強ければ守れる、知恵があれば守れる。
俺は、貴族だ。
「また何か考えごとしてるの?」
「あぁ」
おっと、心配させちまったかな?コレットに
「また、心配ごと?」
「いやぁ?念には念を入れてな、整理してた」
オレはそう言いながら、オレの奥さんの方を見る。
コレットには、今回の世界の危機のことは伝えていない。オレが途中で公務と言っていなくなっている間、オワリの国の奥様方を相手してもらう。その為に連れて来たということは、彼女も理解している。
まぁ新婚旅行とも言ってるが、だってどこも行けてないし、久しぶりにゆっくりしたいな
「大丈夫だよ」
「へ?」
「不安だし、心配に思ったことも一杯あるけど、きっと大丈夫!」
「コレット・・」
「はいはい、運転中だから、後でね。オワリの国に着いたらにしよう。」
「はいはい」
アストルフ伯爵に、娘やオレと連絡が取れるように電話を配置したところ、毎週のように電話がかかってくる。
大体はコレットが元気にしてるかなどの話題だが、たまにオレに貴族としての助言もくれる。
ご主人とは違う
他の人格達とも、恐らく違うだろう。
オレにはもう家族がいる。
娘に対して甘々だがキレ者の義父、コレットに貴族の女性としての気品を教え込んだ義母。アストルフ家の家族達。
いい人達ばかりだ、これからそれをオレは守らなくてはならない。ついでに領民や、今現在もこうしてオレに着いて来てる面々もな。
神々との取引が終わったら元の世界に返ってしまう主人、レッドとは違う。オレ達はここに根を下ろし、生きていくしかないのだ。
「守るぞ、オレは」
再度、オレは窓を見つめ、これからの策を練り始めた。
「え?新婚旅行って何?まぁいいか!きゃー楽しみぃーーっ!」
「ジャック氏!?聞いていないのですが」
「俺も聞いてねぇよ・・まぁ大将がそう言うならそうなんだろうさ。」
「あ?聞いてねぇのかよジャック、今回はオレとコレットの新婚旅行だぞ、結婚式いなかったから知らないのかお前。」
「えぇそうですよ!1年前に領地が落ち着いて来たからって、正式に奥様を正室としてラトランダ領に招くって話が出た時。私休み貰ってたからね!」
「拙者は出ました!料理が美味かったです!あ、あれ作ったの全部拙者でしたwブフォ」
「ファムルスは自分で作って、招待客の分まで食いそうだったからね」
「そうですぞ奥様、パンドラの箱におりました時は環境的にも最悪の状態で魔物の肉を喰らう日々。味気もなく辛い日々を乗り越え、美食の王に、拙者はなる!」
「すごい!ファムルスくん、新作ができたら、私のところに持って来るように!」
「アイアイサーです!奥様!」
「勝手にしろよ・・」
あぁもうなんだこのメンバー!リョウトウ連れて行けば良かったんじゃないか?
でもアイツは、イエローもいないラトランダ領を支える為に、過労死ギリギリ、ブラック企業など屁でもないぐらいの仕事量をさばいてもらう為に必死だ。
このままだとアイツ死にそうだし、仕事を増やしたくない。
ということで、今回のオワリの国視察団のメンバーはグリーン、コレット、ジャック、ファムルスである。
今回のグリーン達の目的は『視察』である、とは言っても、元々閉鎖的なオワリの国だったが、現在はグリーン達との交易なんかも王国認可の元で行われており、便利な魔導車などは既に使われ始めていた。
今回の視察も、王国とオワリ国の仲の良さをアピールするのが目的ということだろう。後に、グリーンは王国の親善団の代表を務めるマリス辺境伯と合流する予定だ。
グリーン達の団は、先頭がジャックが運転、ファムルスが後ろでくつろぐ中型車。
コレットがどうしても運転したい!と言うのでコレットが運転手、グリーンがその隣に座る小型の高級車。そもそも魔導車自体が普及したてで高級だが、これはその中でも特に選りすぐりの逸品だ。
後方には、パンドラの箱の比較的人間体の者達が控えているのと、今回の戦いに必要な装備一式が積み込まれており、数としては総勢20名ほどの少ない団であった。
「まぁ、イヴァンの早さには劣るが、少なくとも明日にはオワリの国に着くだろう」
グリーンはそうポツリと呟きながらも、助手席でそう呟く。現在オレの頭のなかでは、これからのプランを練るのに夢中だ。
今回のミッション、内容的には簡単な者であるとグリーンは推測している。種族名、生息条件などを鑑みるに、『バウムクーフン』は極めて一般的な樹木であると思われる。それが人智を超える『根』の深さによって、ここまで深く根付いてしまっているのだと言う予想をグリーンは建てた。
異常に樹木の『根』のみが発達した木だからこそ、世界中の栄養を吸い取り、いずれは爆発的に大きくなる。
オワリの国より、先日ありえない速度で成長する樹木の存在が報告されたばかりだ、現在様子見をしており、切るように指示を出したが、どうしても切ることが叶わないと言う。
(だが、これなら切れる筈だ、今のオレの戦闘においての最高傑作ならーー)
そう思いながら、オレは後ろの大型車に積まれたアーマーに思いを馳せる。あれでやらないなら、もう俺の手にはどうにもならないだろう。
正直、ラトランダ領はまだ未完成だ。レッド達に見せていない、全体の5分の1領内は、まだ完成していない箇所もある。住宅などの交通のインフラを整えても課題は山積みだ、その土地の決まりごとなどを簡易的にであるが設置してはいるが、いずれちゃんとした法律を作らなければならないだろう。王国の法律、ガバガバだし。全てはここからなのだ。
グリーン個人としても、早く自らの領内改革に全精力を注ぎたい。こんなアーマーを作ったところで、神に勝てる保証もないし、まぁこれらを応用してできた商品も多いのが現実だが。
守らなきゃな、その為には力があ いる。単純だ、シンプルなんだ。強ければ守れる、知恵があれば守れる。
俺は、貴族だ。
「また何か考えごとしてるの?」
「あぁ」
おっと、心配させちまったかな?コレットに
「また、心配ごと?」
「いやぁ?念には念を入れてな、整理してた」
オレはそう言いながら、オレの奥さんの方を見る。
コレットには、今回の世界の危機のことは伝えていない。オレが途中で公務と言っていなくなっている間、オワリの国の奥様方を相手してもらう。その為に連れて来たということは、彼女も理解している。
まぁ新婚旅行とも言ってるが、だってどこも行けてないし、久しぶりにゆっくりしたいな
「大丈夫だよ」
「へ?」
「不安だし、心配に思ったことも一杯あるけど、きっと大丈夫!」
「コレット・・」
「はいはい、運転中だから、後でね。オワリの国に着いたらにしよう。」
「はいはい」
アストルフ伯爵に、娘やオレと連絡が取れるように電話を配置したところ、毎週のように電話がかかってくる。
大体はコレットが元気にしてるかなどの話題だが、たまにオレに貴族としての助言もくれる。
ご主人とは違う
他の人格達とも、恐らく違うだろう。
オレにはもう家族がいる。
娘に対して甘々だがキレ者の義父、コレットに貴族の女性としての気品を教え込んだ義母。アストルフ家の家族達。
いい人達ばかりだ、これからそれをオレは守らなくてはならない。ついでに領民や、今現在もこうしてオレに着いて来てる面々もな。
神々との取引が終わったら元の世界に返ってしまう主人、レッドとは違う。オレ達はここに根を下ろし、生きていくしかないのだ。
「守るぞ、オレは」
再度、オレは窓を見つめ、これからの策を練り始めた。
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