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外伝1 四聖会議
四聖会議
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「終わったなぁ」
「そうだな」
「終わりましたね~」
「終わったのはいいのでありんすが、皆々様方これからどうするのかえ?」
「まだ決めてないな!そんなことより、ガンダルヴァの顔面がボコボコなのの方が私にとっては驚きなのだが」
「イロハの姐さんにやられました、殴り殺される一方手前でした」
「自業自得でありんす」
創世の四聖...
バハムート、アルフィィオス、ガンダルヴァ、イロハからなる、世界の始まりよりこの大地に君臨するこの4体は、今王宮の一室で飯を食っていた。
4人とも、ガンダルヴァ以外は目立たない、普通の格好をしている。
イロハはオワリの国の女性の一般的な服、小袖を着たスタイル。バハムートはアラビアの石油王みたいな服。アイテールは浴衣。ガンダルヴァは芸術家と呼ぶに相応しい変わった服装に身を包んでいる。
「私は魔族領に戻り、新しい魔王を支える。シン・・・魔王の意思だ、従ってやらねばな。それからはどうしようか」
「俺は何も変わらないですよ、詩人は旅をするのみ。ふらふらしてます、ひょっとしたらみんなのところに行くかもしれませんので、そんときゃよろしくお願いします~」
「いや、お前は王国と帝国の復興に手を貸せよ」
「いままで散々迷惑かけてきたのなら、ここからは少しぐらい、手を貸すのが筋じゃあありませんえ?」
「え、何誰も味方になってくれんの?アルフィィオスさん?」
「お前も少しは人間の役に立った方がいいぞ...」
「やだぁ~味方いなぃ~」
ガンダルヴァがわざと戯けたような表情を見せる。そう、アルフィィオスは魔族領、バハムートがウォルテシア、イロハも、影からでも表に直接立ってでも、どちらとしてもこの世界の生命と関わりを持っている。
しかし、この男だけは、帝国や王国の面々と積極的に関わろうとはしない。
「だって、帝国も王国もほってとけばちゃんと発展しますよ。必要ないですって!」
「これからの復興には、多少なりお前の手助けが必要になるだろう。お前のことはこの国の王に話をしておいた。精々こき使われるんだな」
「嫌です、投げますね」
「あんた...もういっぺんボコボコにして欲しいのかえ?」
「はーい!誠心誠意取り組ませて頂きまーす!取り敢えず、作物が良く育つ魔法とかどうですか?」
「よし、解決した」
「バカだな...」
「そんなこと言って、姐さんはどうするんですか?」
「妾もオワリに帰る、サブロウとの約束があるでな」
「お前も義理堅いな、イロハ。あの男との約束を永久に違えないつもりか?」
「勿論、妾は約束は違えぬ。」
三郎がこの世界に転生し、とある機会にてイロハに貸しを作った。その時にイロハにある条件を三郎はぶつける。
「裏切りなく、我が子孫が安らかに過ごせる国を」
約束は違えられることなく、今も彼らの国は守られている。オワリの国は四聖によって守られているからこそ、東部諸国の中で最大級の国になり得たのである。
「ま、惚れた弱みでな、会おうと思えばウルフィアスに頼めば会えるでありんすが、そんなことをしては怒られてしまいそうで。またふらっと会えるのを待っているのです」
「うへっ超どーでもいい話だな」
「バハムート、お前よくそんなデリカシーの欠片もないことを言って結婚できるものだな。嫁の顔が見てみたいものだ。」
「淑やかで大人しいいい女だぞ!イロハとは大違いだ」
「おい、殺すぞ」
「すいません、素で喋るの怖いのでやめて頂いてよろしいでしょうか...」
バハムートのデリカシーの欠片もない発言に、イロハが怒る顔を抑えきれなかった。
結果、 バハムートは、四聖最強のパワーによって王宮の窓ガラスをぶち破り、植木に上半身を突っ込むギャグみたいな無様を働くことになる
「うわぁ、姐さん、あんな漫画みたいなことできるんですね。」
「何千年と生きてる筈なのに、全く精神的に成長せんよな、あの者は」
「むむむむむむむむ...!もうよい、最後だ。これでもう神々が、人への危害を止めると思うか?」
「神などと言ってもその本質は「進化した人間」に過ぎない...過ちも犯す。無理だろう」
「それはいつ頃になるのかえ」
「さぁ、アイテールも自分の考えが違うとは認めないが、その人間に敗れてしまったのだ、まぁ納得するしかあるまい。ウルフィアス、フレイヤに人間に危害を与える気はないだろう。問題は...新しく神へと昇華した2人の男だな。」
「えっ?あの人魔戦争の時に魔王とグリーンに接触してたピエロみたいなのと、魔王軍全体に撤退の指示を出していた元魔王でしょ?どうしてそうなるんですかい、アルフィィオスの兄貴」
「ピエロ...フォルテはその場を引っ掻き回すのが生きがいの男だ、生きていれば人間にとって害しかないというのがあるが。元魔王に関しては、憎悪しかなかった。一度だけあの男を見たことがあったが・・あの目は、良からぬことを企んでいるようにしか見えん」
「なるほどね、じゃあしばらくはそいつらを警戒しておけばいいってわけだ」
「そういうことだ。他の神達は忙しいだろう、なんせ数千年我らに顔を出していない連中だからな。」
「その通り!正直今あげた2人の神以外の他の神なんか、我々と敵対している余裕なんてないだろう!安心しろ!」
「うわっバハムートの兄貴、草だらけじゃないですか。植木もぐちゃぐちゃだし、ガラスもどうするつもりですかい?」
そう、事実、バハムートの体には泥や草がびっしりとついていた。イロハの一撃から復活した後、すぐこちらに戻ってきたらしい。草中ぐちゃぐちゃだった。
「あ、やべ、ガンダルヴァ、治しておいてくれ!」
「嫌です、兄貴の自業自得なんですから、自分でやって下さい~」
「え?」
「確かに」
その後、ガウェインの口車に乗せられて王国の復興に創世の四聖が大々的に協力することになるのは、もう少し先の話。
「そうだな」
「終わりましたね~」
「終わったのはいいのでありんすが、皆々様方これからどうするのかえ?」
「まだ決めてないな!そんなことより、ガンダルヴァの顔面がボコボコなのの方が私にとっては驚きなのだが」
「イロハの姐さんにやられました、殴り殺される一方手前でした」
「自業自得でありんす」
創世の四聖...
バハムート、アルフィィオス、ガンダルヴァ、イロハからなる、世界の始まりよりこの大地に君臨するこの4体は、今王宮の一室で飯を食っていた。
4人とも、ガンダルヴァ以外は目立たない、普通の格好をしている。
イロハはオワリの国の女性の一般的な服、小袖を着たスタイル。バハムートはアラビアの石油王みたいな服。アイテールは浴衣。ガンダルヴァは芸術家と呼ぶに相応しい変わった服装に身を包んでいる。
「私は魔族領に戻り、新しい魔王を支える。シン・・・魔王の意思だ、従ってやらねばな。それからはどうしようか」
「俺は何も変わらないですよ、詩人は旅をするのみ。ふらふらしてます、ひょっとしたらみんなのところに行くかもしれませんので、そんときゃよろしくお願いします~」
「いや、お前は王国と帝国の復興に手を貸せよ」
「いままで散々迷惑かけてきたのなら、ここからは少しぐらい、手を貸すのが筋じゃあありませんえ?」
「え、何誰も味方になってくれんの?アルフィィオスさん?」
「お前も少しは人間の役に立った方がいいぞ...」
「やだぁ~味方いなぃ~」
ガンダルヴァがわざと戯けたような表情を見せる。そう、アルフィィオスは魔族領、バハムートがウォルテシア、イロハも、影からでも表に直接立ってでも、どちらとしてもこの世界の生命と関わりを持っている。
しかし、この男だけは、帝国や王国の面々と積極的に関わろうとはしない。
「だって、帝国も王国もほってとけばちゃんと発展しますよ。必要ないですって!」
「これからの復興には、多少なりお前の手助けが必要になるだろう。お前のことはこの国の王に話をしておいた。精々こき使われるんだな」
「嫌です、投げますね」
「あんた...もういっぺんボコボコにして欲しいのかえ?」
「はーい!誠心誠意取り組ませて頂きまーす!取り敢えず、作物が良く育つ魔法とかどうですか?」
「よし、解決した」
「バカだな...」
「そんなこと言って、姐さんはどうするんですか?」
「妾もオワリに帰る、サブロウとの約束があるでな」
「お前も義理堅いな、イロハ。あの男との約束を永久に違えないつもりか?」
「勿論、妾は約束は違えぬ。」
三郎がこの世界に転生し、とある機会にてイロハに貸しを作った。その時にイロハにある条件を三郎はぶつける。
「裏切りなく、我が子孫が安らかに過ごせる国を」
約束は違えられることなく、今も彼らの国は守られている。オワリの国は四聖によって守られているからこそ、東部諸国の中で最大級の国になり得たのである。
「ま、惚れた弱みでな、会おうと思えばウルフィアスに頼めば会えるでありんすが、そんなことをしては怒られてしまいそうで。またふらっと会えるのを待っているのです」
「うへっ超どーでもいい話だな」
「バハムート、お前よくそんなデリカシーの欠片もないことを言って結婚できるものだな。嫁の顔が見てみたいものだ。」
「淑やかで大人しいいい女だぞ!イロハとは大違いだ」
「おい、殺すぞ」
「すいません、素で喋るの怖いのでやめて頂いてよろしいでしょうか...」
バハムートのデリカシーの欠片もない発言に、イロハが怒る顔を抑えきれなかった。
結果、 バハムートは、四聖最強のパワーによって王宮の窓ガラスをぶち破り、植木に上半身を突っ込むギャグみたいな無様を働くことになる
「うわぁ、姐さん、あんな漫画みたいなことできるんですね。」
「何千年と生きてる筈なのに、全く精神的に成長せんよな、あの者は」
「むむむむむむむむ...!もうよい、最後だ。これでもう神々が、人への危害を止めると思うか?」
「神などと言ってもその本質は「進化した人間」に過ぎない...過ちも犯す。無理だろう」
「それはいつ頃になるのかえ」
「さぁ、アイテールも自分の考えが違うとは認めないが、その人間に敗れてしまったのだ、まぁ納得するしかあるまい。ウルフィアス、フレイヤに人間に危害を与える気はないだろう。問題は...新しく神へと昇華した2人の男だな。」
「えっ?あの人魔戦争の時に魔王とグリーンに接触してたピエロみたいなのと、魔王軍全体に撤退の指示を出していた元魔王でしょ?どうしてそうなるんですかい、アルフィィオスの兄貴」
「ピエロ...フォルテはその場を引っ掻き回すのが生きがいの男だ、生きていれば人間にとって害しかないというのがあるが。元魔王に関しては、憎悪しかなかった。一度だけあの男を見たことがあったが・・あの目は、良からぬことを企んでいるようにしか見えん」
「なるほどね、じゃあしばらくはそいつらを警戒しておけばいいってわけだ」
「そういうことだ。他の神達は忙しいだろう、なんせ数千年我らに顔を出していない連中だからな。」
「その通り!正直今あげた2人の神以外の他の神なんか、我々と敵対している余裕なんてないだろう!安心しろ!」
「うわっバハムートの兄貴、草だらけじゃないですか。植木もぐちゃぐちゃだし、ガラスもどうするつもりですかい?」
そう、事実、バハムートの体には泥や草がびっしりとついていた。イロハの一撃から復活した後、すぐこちらに戻ってきたらしい。草中ぐちゃぐちゃだった。
「あ、やべ、ガンダルヴァ、治しておいてくれ!」
「嫌です、兄貴の自業自得なんですから、自分でやって下さい~」
「え?」
「確かに」
その後、ガウェインの口車に乗せられて王国の復興に創世の四聖が大々的に協力することになるのは、もう少し先の話。
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