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魔王と多重人格者、相対ス
2人は何を思うのか
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何が違う
武器か?魔法か?技術か?運か?
先程食らった拳の一撃と何が違う無論先ほどの一撃も重かったが、それは神器によるものでしかなく、本人の技量のものではない。人しかし今は違う、先程岩にぶつかり、奴に何があったと言うのだ。
何故こんなにも こいつの一撃は重い。
全てが利に適ってるとは言い難い、効率良い体さばき、型にはまった技、そんなものではない。無茶な角度、負荷のかかる角度からの攻撃、にも関わらず、否だからこそなのか?
こいつの一撃は早く、予測不可能なのだ。
自分には才能がない。いや才能がないわけではない。彼は良くも悪くも普通の人間なだけなのだ。
ただ、元の世界で平凡に生まれ、平凡に生きてきた男だ。それが転生し、ゴブリンになってから、今の今までただ、生きてきただけである。生き延びようとしてきただけなのである。それが平凡とは程遠く、結果として彼を頑強にしていったことは間違いないのだが。彼の元の世界での知識も役に立ったことには間違いない。神器が手に入ったのは全くの偶然ではあったが、それもまた何かの因果だろう。
神器どうしがぶつかる。元々神を打倒さんがための武器だ。周りへの衝撃波が飛び、地面にヒビが入る。
だか、だが、何故だ、生きるために戦った。殺した、食った、壊した、心をへし折ってきた。
だが、この男との戦いは、何もかけてない。向こうに殺気が微塵もない。ただの喧嘩だ、こんな戦いは知らない。こんな闘争は知らない。こんな殺し合いは...経験したことがない。
こんなに、こんなに、楽しい戦いを
我は知らない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
払われ、いなされ、止められ
何もできない。いやさせてもらえない。理詰めのように、まるで将棋のように。苦手だ、このタイプは。
一撃は決まる、だがそれは相手も同じこと、しかし相手は殺す気で来てる。剣で切られれば出血する。避けねばジリ貧だ。
喧嘩で負けたことはない、だが
ここまでの殺気を、ここまでの威圧を、元の世界の誰からも感じたことはない。
今自分が繰り出している攻撃は喧嘩のための術であった。理詰めの剣、誰かに師事したわけではない。あちらも我流だろう。だがそれは、必要な時に必要な力を込め、敵を必要最小限の力で打つ。決して剣の正しい型ではない。しかしそれは種族が違うからだろう。だからこそ読めない。元魔物...今は...なんだ?化け物か?この未知の化け物の動きがわからない。関節可動域がどこまでなのかわからない。剣の術は知らないが、生き残るために特化した剣術ーー殺すより、護る。魔王から感じた剣はそんな剣だ。
わからない、のとは別にわかるもの、にもクロは恐怖していた。その気迫、修羅場を潜り抜けたものにしか備わらないそれ。
......気迫のそれだけなら師匠よりも上か?
相手は命をかけて来ている。全身全霊であるかどうかは定かではないが、少なくとも「今」出せる全力で、決し
私は知らないてこちらを侮ることなく。
侮りはあった、先程騎乗してこちらに向かって来た時だ。しかしそれも今は消えた。今でも魔王はこちらを観察し、確実な一手を加えようとしてくる。
こちらにくる前は散々喧嘩をして来た。温い、温い、今の戦いに比べれば前のなど児戯にも等しい。
たが、だが、この男...魔王がやってくれる。飽きていた、やってはいけないと止められていたこれが、こんな楽しいなんて。
私は知らない
武器か?魔法か?技術か?運か?
先程食らった拳の一撃と何が違う無論先ほどの一撃も重かったが、それは神器によるものでしかなく、本人の技量のものではない。人しかし今は違う、先程岩にぶつかり、奴に何があったと言うのだ。
何故こんなにも こいつの一撃は重い。
全てが利に適ってるとは言い難い、効率良い体さばき、型にはまった技、そんなものではない。無茶な角度、負荷のかかる角度からの攻撃、にも関わらず、否だからこそなのか?
こいつの一撃は早く、予測不可能なのだ。
自分には才能がない。いや才能がないわけではない。彼は良くも悪くも普通の人間なだけなのだ。
ただ、元の世界で平凡に生まれ、平凡に生きてきた男だ。それが転生し、ゴブリンになってから、今の今までただ、生きてきただけである。生き延びようとしてきただけなのである。それが平凡とは程遠く、結果として彼を頑強にしていったことは間違いないのだが。彼の元の世界での知識も役に立ったことには間違いない。神器が手に入ったのは全くの偶然ではあったが、それもまた何かの因果だろう。
神器どうしがぶつかる。元々神を打倒さんがための武器だ。周りへの衝撃波が飛び、地面にヒビが入る。
だか、だが、何故だ、生きるために戦った。殺した、食った、壊した、心をへし折ってきた。
だが、この男との戦いは、何もかけてない。向こうに殺気が微塵もない。ただの喧嘩だ、こんな戦いは知らない。こんな闘争は知らない。こんな殺し合いは...経験したことがない。
こんなに、こんなに、楽しい戦いを
我は知らない
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払われ、いなされ、止められ
何もできない。いやさせてもらえない。理詰めのように、まるで将棋のように。苦手だ、このタイプは。
一撃は決まる、だがそれは相手も同じこと、しかし相手は殺す気で来てる。剣で切られれば出血する。避けねばジリ貧だ。
喧嘩で負けたことはない、だが
ここまでの殺気を、ここまでの威圧を、元の世界の誰からも感じたことはない。
今自分が繰り出している攻撃は喧嘩のための術であった。理詰めの剣、誰かに師事したわけではない。あちらも我流だろう。だがそれは、必要な時に必要な力を込め、敵を必要最小限の力で打つ。決して剣の正しい型ではない。しかしそれは種族が違うからだろう。だからこそ読めない。元魔物...今は...なんだ?化け物か?この未知の化け物の動きがわからない。関節可動域がどこまでなのかわからない。剣の術は知らないが、生き残るために特化した剣術ーー殺すより、護る。魔王から感じた剣はそんな剣だ。
わからない、のとは別にわかるもの、にもクロは恐怖していた。その気迫、修羅場を潜り抜けたものにしか備わらないそれ。
......気迫のそれだけなら師匠よりも上か?
相手は命をかけて来ている。全身全霊であるかどうかは定かではないが、少なくとも「今」出せる全力で、決し
私は知らないてこちらを侮ることなく。
侮りはあった、先程騎乗してこちらに向かって来た時だ。しかしそれも今は消えた。今でも魔王はこちらを観察し、確実な一手を加えようとしてくる。
こちらにくる前は散々喧嘩をして来た。温い、温い、今の戦いに比べれば前のなど児戯にも等しい。
たが、だが、この男...魔王がやってくれる。飽きていた、やってはいけないと止められていたこれが、こんな楽しいなんて。
私は知らない
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