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プロローグ

こんなはずじゃなかった。

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現代の地球には、不死人が数人確認されている。初めに確認された場所は、アメリカだった。飛行機の墜落事故があり、その原因はテロリストによる物だった。そのテロリストの死亡が確認されず、次にテロリストが現れたのは、軍事基地で確認された。
軍事基地をたった一人で潰したと言う。軍事基地の防犯カメラに写っていたのは、撃たれても、撃たれても死なない者が一人で軍人を殺しているものだった。そこからが、不死人の誕生の物語だ。

〈プロローグ〉

俺の名前は神条翔カミジョウカケルごく普通の高校生だ。俺には、一人の妹がいる。家族は好きだ。家族は、俺を大切にしてくれている。俺も、家族を大切にしている。遊びよりも家族。だけど昔っからの友人がいる。そいつも一人の家族みたいなもんだ。

今日も朝から学校がある。

扉の向こうから、妹が呼びに来る。

「兄さん。朝ごはん」

「おう。今行く」

俺は、返事をして、部屋を出てリビングに向かった。

「翔おはよう。ご飯たべなさい」

母さんが言う。

「「頂きます」」

妹と一緒にご飯を食べる。

そして、食べ終わると、すぐに家を出た。

すると、ドアを開けた先に、友人の勇気がいた。 

「おはよう!ヤバイぞ。電車遅れる」

「えっ?もうそんな時間?」

「何寝ぼけてんだ、もう、7時だよ」

「マジか!」

勇気と朝から慌てて走って駅に行く。

「勇気助かったよ、遅刻免れた」

「おう」

笑顔で笑い合う二人。

電車に乗り込んで、勇気と会話をする。

「また、妹とぺちゃくちゃ喋りながら飯くってたろ?」

「ばれたか」

「当たり前だろ?何年お前といるとおもってんだ」

「それもそうだな」

そんな話をしながら電車を降りて、学校に着くなり、教室に入る。

教室は賑やかで、担任が来ては、教室は静まり、ホームルームが始まる。

ホームルームが終えるなり、皆は、次の授業の準備をする。

主な授業は、移動教室だったり、教室何かでするもんだ。けど、もう高校生で文化祭も近く、午後からは授業は無しで、文化祭の用意に変わったのだ。

皆は大変喜んでいた。

午後からは文化祭で何の出し物をするか話合っている。俺は、妹や母ならどんなのがいいか考えた。

俺と皆の違いは、皆は、クラスで楽しめればいいと思っている。俺は、身内が楽しかったら、後はどうでもいいと思っている。

これは悪いことなのだろうか?いや、俺は少なくともそうは思わない。考えてみたら、クラスって上から決められて、強制的に分けられ出来る集まりだ。それを、クラスと名ずけただけ。

ならば、簡単に言えば赤の他人が集まっただけ、話していく内に打ち解ける者もいるだろう。恋愛なんてのもあるだろう。クラス全体を好きになるなんて、まず、不可能なんだ。だから、イジメもなくなんないし、ボッチもいなくならない。これは偶然ではなく必然だ。全く違う環境で生きた者達が簡単に分かち合える訳がない。それが俺の言い分だ。

そう言う事で、俺は、他人とはそう簡単には仲良くしない。いつ、裏切るか分からないし、もし、友達になっても、クラスじゃなくなったらそいつは、新しい奴と絡んでる。

俺は、意味の無いことをしたくない。
  
「はぁ、勇気何してるかな」
 
小さな溜め息をして、誰にも聞こえないように呟く。

その頃、勇気は。

「ハ、ハクシュン!」

「「「クスクス」」」   

教室は、音を殺した笑いにつつまれる。

「勇気くん、くしゃみが大きいですよ?」

「すいません。先生ー」

恥ずかしそうに、勇気は頭を下げてノートとにらめっこする。

そうして、授業が終わり、下校の時間になった。

俺は、ルンルンな気分。いや、ハイテンションで、勇気を迎えにいく。

「おい、勇気帰ろう」

「おう、今いく」 

勇気は返事をした。

そして、しばらくして、勇気が来ていつもの駅に向かう途中で、あの、事件が起きた。

「なぁ、勇気。アイス買わない?」

「俺、いいわ」

「じゃあ、俺も止めとく」

ここから、少し店は遠いので、勇気が行かないなら、俺も行かない事にした。

すると、勇気が話かけてきた。

「なぁ、翔。不死人って知ってるか?」 

妙な話が出てきた。

「あぁ、今の現状では、絶対に死なないと言われてる。不死人だろ?」

「そうだ。翔は、この事どう思う?」

「うーん。俺は、家族と勇気がいたら、後はどうでもいいかな?」

「そうか!翔らしいや」

勇気が腹を抱えて笑う。

「おい、どういう意味だよ!」

「そのままの意味だよ!翔は翔だなって」
 
「意味わかんねぇ」

そして、二人で笑いあった。

信号が青人間になり、通ろうとすると、信号無視をした車が勇気に向かう。それに気づいた俺は、「危ない!」とだけ、いい勇気を押して、視界が突然真っ暗になった。よく分からないが、凄い耳に音が入ってくる。車のブレーキの音。ガードレーンにぶつかる音。悲鳴。あぁ、俺は死んだのか。


 
「翔!しっかりしろ!翔ほら、目を開けて、なっ!ウグ翔何とか言えよ!」

勇気は、段々言葉を失い、静かに涙をながす。

おい、なくなよ。勇気は男だろ?段々寒くなってきた。何だ?考える事も難しく、、、なって、、、

急に頭が真っ白になるように意識がなくなった。

それも、すぐに戻ってしまった。

「ん?あっ、勇気だ」

視界が見えてきて目に映ったのは、勇気が俺をみて涙をながして、俺を抱いていた。

勇気は、俺が目を覚ましたのに気づき驚く。

「え?!ウグ、翔何で生きてウグるの」

勇気は、声を詰まらせながら喋る。

「俺、死んでないみたいだけど?」

「嘘?!翔だって、四メートルも跳ねられたじゃん、、、」

それを聞いた俺は、こう呟いた。

「不死人、、、」

その言葉に勇気は驚きを隠せなかった。

「そ、それって!まずいよ翔!立てる?速く逃げよう」

もう、気づくには遅すぎた。

「すいません!け、け、警察ですか?!東京駅の近くで、不死人がいます!」
「おい!速く逃げろ!不死人に殺されるぞ!」「嘘!マジあり得ないだけど」「え?あれって神条くんだよね?神条くんが不死人?えっ?」「いや、神条って昔から心読めなかったし、空気読めないし、人間じゃないと思ったんだよねwそれより速く逃げようフミ」「う、うん」

一般人の中には同じクラスの人や、老人、サラリーマン等から目を向けられ、ゴミを見るように視線が俺を襲う。

それとは別に野次馬が言った。

「なぁ、そこのお前、何不死人の化け物かばってんの?もしかして、同類?」

それに俺は心から怒り覚え、野次馬に言った。

「お前、本気でいってんのか?」

反抗するように野次馬が言う。

「え?だってそうだろ?今、この場であいつだけがお前をかばってんだぜ?疑ってもしかたないよなー」

薄気味悪い笑みを浮かべる。

「調子にの「おい!翔そんな事はどうでもいいあいつは警察がくる時間を稼いでるんだ。俺の事はいいから速く一緒に逃げるぞ!」うん。ごめん、行こう」

勇気に今するべき事を言われて、正気に戻り逃走した。 

あの、光景が現実だ。人は弱い生き物。死を感じると、冷たい心が現れる。俺も、毒を持った生き物は居なくなればいいと思っていた時期があった。けど、勇気があんなめに合うなんて、おかしいだろ!不死人は俺だ。勇気じゃない。ましてや、家族でもない俺だけが不死人なのに。

家まで逃げると、すぐにニュースになった。いずれ、ここもバレるだろう。こんなはずじゃなかった。


















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