食 〜違いの分かる男〜

浅野淳一

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はじめに

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 人間という生き物は、生きていくために食べ物が欠かせない。生まれて死ぬまで食べ続ける。食っちゃ寝、食っちゃ寝で一生を終える。美味しい物だけを食べていたいのだが、世の中そんなにうまい話があるはずない。これまで、どれだけの落胆を味わったことか。
 生まれ育った地方や環境で『美味しさのレベル』が違う。
 私が評価した料理が他人と違うことがあるのは当然である。私の舌レベルは、人より頭抜けている。水でさえ微妙な違いが分かる。
 私が『美味しくない』と感じても、店の料理がダメだということではない。個人で味覚が違うから。客に料理の感想を求めて客観的に判断を。
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