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反撃
しおりを挟むそうして訪れた次の日、私は泣きそうな表情をし、登校した。
兄は心配そうな表情で私を教室まで送ってくれた。
私はそのまま、挨拶もせずに席につき、上の空といった様子で窓の外を眺めていた。
そしてしばらくしてからそれを怪訝そうに見ていた天也が話しかけてくる。
「咲夜?
どうかしたか?」
私は泣きそうな顔をさらに歪ませながら拒否の一言を告げる。
「……放っておいてくれないでしょうか?」
「おい、咲夜…本当にどうした?
何かされたのか?」
その天也の一言で周りにいた人達がざわめいた。
私はついに涙を流し、天也に言った。
「……天也…私、ある方を虐めたなどと嘘を流されてしまったんですの……。
久しぶりに会えたお父様とも言い合いになってしまいましたし、お兄様とも……。
そんな事を流されてしまったせいで転校になるかもしれませんわ……。
折角出来た友人と離れたくありませんの…。
滅多に会えない家族とようやく会えましたのに……この様なことになってしまいましたし……。
お兄様にも申し訳が……!」
私の言葉に周りは余計にざわついた。
奏橙と愛音が私の近くへとやって来て声をかける。
そのクラスの様子に内心微笑んでいる私はかなり性格が悪いのだろう。
まぁ、あの兄の妹と考えれば普通かもしれないが。
「咲夜!
私も大切な友達と離れたくないです!
それに、咲夜がそんな事するはずありません!」
「咲夜がやるならもっと効率的に、誰がやったか分からないように徹底的にやるからね」
愛音はそんな事思ってくれてたのか……。
……けどさ……奏橙はそれ貶してるよね!?
蹴り飛ばしたい衝動にかられるのをグッとこらえ、私は口を開いた。
「愛音、ありがとうございますわ。
私はやっていないんですもの…。
頑張ってみますわ」
私は弱々しくも笑みを浮かべる。
すると、天也が顔をしかめる。
いや、天也だけではない。
周りにいた、同じクラスの人達が顔を顰めた。
その表情に秘めた意味は異なるかもしれないがその時思った事は大きく2つにわかれていた。
『咲夜にこんな事をした奴は許さない』
という者と、
『自分があの咲夜を守ってあげなければ』
という者だ。
主に、後者はファンクラブに所属している者で前者はファンクラブには所属していないがクラスメイトとしても好意的である者だ。
「…誰がやった?」
「……答えるつもりは、ありませんわ。
私のせいで誰かを巻き込みたくはありませんもの。
それに、これは私自身の問題ですし」
私は拒否の姿勢をとり、ハッキリと答える。
だが、何か含みのあるようになってしまった。
そこで、見ていたクラスメイトの1人が手を挙げ発言した。
「それなら松江さんか李東さんだと思う」
「李東さんは海野さんを慕っていますし違うと思いますわ」
「なら松江愛梨か……。
そういえば隣のクラスの結城さんを呼び出してた気が……」
「邪魔されたことに対する八つ当たりとか?」
私を抜いたクラス全員で犯人探しの様なことをし始める。
それを呆然と見ていた私はフッと笑みを浮かべた。
先程までと違い、自然な笑みだ。
…私は良いクラスメイトをもったようだ。
そんなクラスメイトを利用しているのだと考えると申し訳ない気もするが……また今度、お詫びはしよう。
「結城さんか……僕が呼んでくるよ」
奏橙が紫月を呼びに教室を出ていく。
私はそれを止めようとするが無駄な抵抗となってしまった。
ふむ、今のところは台本通りだ。
少しして紫月が教室へ来ると質問攻めになり困り果てていた。
とりあえず奏橙が簡単に説明をすると私に謝ってくる。
「わ、私のせいで申し訳ありません!
咲夜が私を助けてくださったから……。
松江さんに……」
「紫月は悪くありませんわ!
私が勝手に行った事ですもの。
私の自業自得ですわ。
ですからお礼ならともかくお詫びを受ける気は一切ありませんわ」
この話なら昨日済んだはずなのだが……。
少し台本から外れたことに戸惑いつつもこのくらいであれば問題ないだろうと思い直す。
だが、そのお陰なのかクラスメイトが先程よりもやる気を出した様だった。
そして、何人かの令嬢が私のもとへくる。
「海野さん、災難でしたわね。
私達も協力しますわ。
以前、海野さんに手伝って頂いた恩がある事ですし……」
「そうですわ。
私も海野さんには助けていただきましたもの」
そう言って私に手を差し伸べてくれるクラスメイトの優しさをしみじみと感じ、私はある後悔に苛まれた。
私はその感情を隠し、微笑む。
「ありがとうございます……。
ですが、皆さんに迷惑はかけられませんわ…」
……いや、ここまで紫月以外はシナリオ通りに進んでいるが……。
まさかここまで上手くいくとは……。
物凄い罪悪感がわいてくる……。
実は昨日あの後私はこのシナリオを考えつきクラスメイトの協力を得ようとしたのだ。
そして、松江愛梨の悪評、それを罰としようと。
それがまさかこんな親身になって協力してくれるとは……。
予想外だったのだ。
「海野さんが虐めたなんて事、あるわけありませんのにその様な事を口にされるんですもの。
それが海野さんでなければ何もいたしませんが海野さんに対してその様な事を口にされるのならそれ相応のお返しをしませんといけませんわ。
海野さんが虐めなんてやる方でしたら相談にのってくださったり、テスト前に勉強を教えてくださったり、後輩が割った花瓶の片付けをお手伝いいたしたりしませんでしょう?」
「そうですわ。
そんな方でしたら李東優奈さんの事だって従姉妹だからとあの方が何かやった時に頭を下げたりいたしませんわ」
以外なところを見られていた様だ。
少し恥ずかしくなってくる。
先程の令嬢も言っていたが李東優奈は私の従姉妹だ。
それを知ったのは初等部の5年の時だっただろうか?
母から紹介されて転入してくる旨を知らされた時は仲良くなりたいと思ったものだ。
その後すぐに優奈が
『あなた咲夜?
いいわ!
私の従者にしてあげるわ!
光栄に思いなさい!』
なんて言わなければね。
優奈が入学して以来、あの子が起こした問題を大事にしないために兄にバレないように注意しつつ頭を下げに行っていたのだ。
時には後輩や先輩にまで頭を下げる事があった。
それでもわたしにとっては従姉妹。
だからこそ仕方なくやっていた事だったがまさか見られていたとは。
「ありがとうございます…」
そして、昼休み。
私はいつものように教室に来た兄に連れられ食堂へ来ていた。
そして、やはりいつものメンバーで昼食をとっていた。
「見つけましたわ!
海野咲夜!!
あなた…よくも私を……!」
大声で叫んだのは松江愛梨だった。
私はまだ口に出す時はさん付けしてるのになぁ……。
呼び捨ては相手が許可しない限り駄目でしょ……。
「松江さん……。
申し訳ありませんが放課後にしていただけませんか?」
「なっ……あなた自分がやった事に対して…!」
え?
私が悪いとこもあるけどさ……主に悪いのはどう考えても…ねぇ?
さも当然の様に言い張る愛梨に対し驚きながらも私は平然と食べ続ける。
「咲夜、いいのか?」
「えぇ、問題ありませんわ。
優先順位の違いというだけですもの」
私の返答に天也が苦笑する。
……流石、顔だけはいいな。
私とは大違いだ。
「あ…あなた…どこまで私を侮辱すれば気が済むのよ!」
ついに怒鳴り始めた愛梨を横目に仕方なく箸をおく。
「わ、分かればいいのよ」
何が分かればいいのかよく分からないが言わせてもらうとしよう。
「巫山戯ないでくださいまし。
見て分からないのですか?
私は今、先輩方と昼食をとっているのですよ?
それと、紫月に謝ってください。
あなたのせいで私の大切な友人が泣いてしまったのですよ?
それどころか、あなたが引き起こした事を『私のせいで』と私に謝罪をしてきましたの。
その意味がお分かりでしょうか?」
周りが私の雰囲気に気圧される。
白鳥先輩や皐月先輩も心配そうに見ていた。
だが、この件について聞いているのだろう。
私や彼女を止めることはなかった。
そして、兄は怒りのオーラを全開にしていた。
そのせいなのか天也と奏橙、朝霧先輩が顔を引き攣らせていた。
鬼龍院先輩は敵意まるだしだった。
愛音は何故か笑顔だった。
……ただし、見ていて恐くなるような、だが。
「松江さん、あなたの行動のせいで私とお父様の関係が崩れるところだったのですよ?
あなたの嘘1つでそこまでの事が起こりゆるという事を理解してくださいませ」
私はこれでも怒っているんだ。
ただ、外には出そうとしないだけで、ね?
「それともう1つ、今後一切紫月に関わらないでくださいませ。
謝罪もする気が無いようですし…」
紫月は私達と一緒になる事が多いだろうから問題ないだろうし。
「…な、な……何でそんな事をあなたなんかに言われないといけないのよ!
あなたが居なければ…神崎様だって…!」
うわぁ……。
それはないわぁ……。
私が居なければ奏橙が愛梨のものになるって……凄い考え方だね。
「…それはないよ。
僕は君といる気はないからね。
咲夜を、僕の友人を陥れようとした君と一緒にいるだなんてお断りするよ」
奏橙が言う。
そのハッキリとした物言いに愛梨は信じられないように見ている。
「残念でしたわね、松江さん。
わざわざ私に虐められただなんて嘘を吐いてまで奏橙と友人になりたかったのでしょうけど……」
「……咲夜、違うと思うよ?」
愛音が呆れたように言った。
……え?友人になりたかったんじゃないの?
私が呆然としていると奏橙が苦笑しながら教えてくれた。
「…友人よりももっと親しい関係になりたかったんじゃないかな?
有り得ないけどね。
……もしかしてだけど、咲夜、クラスの男子から昼食誘われるのって自分と友人になりたいからって思ってた?」
え?
そうだけど……違うの?
「……違いますの?」
すると、奏橙だけでなく、愛音と天也までため息をついた。
兄は嬉しそうに微笑んでいたが…何故だ。
「あぁ……うん、いいや」
「……奏橙、後でいいか?」
「いいよ」
「悪い…」
奏橙と天也は私を見てため息をつき、意味不明な会話をした。
そして、気づいた時にはもう兄と朝霧先輩、そして愛梨だけが居なくなっていた。
私は疑問に思いながらもきっと兄と朝霧先輩は用事があるのだろうと思い、追求しない事にした。
…愛梨?
愛梨は奏橙に拒否られたから逃げたんじゃないかな?
「咲夜さん、大変だったようですが…大丈夫ですか?」
皐月先輩はやはり優しい。
皐月先輩に会えてよかったぁ……。
「皆さんも私の事をやっていないと信じてくださりましたから。
ご心配をおかけしてしまい申し訳ありません…」
本当、皐月先輩と愛音と、白鳥先輩は心配させたく無かったのに……。
あ、奏橙や天也はいいって訳じゃないよ?
それと兄は別の意味で心配させたくなかった…。
怖いし……。
「私と咲夜さんの仲ですもの。
もう少し頼ってくださってもいいくらいですのよ?」
そう微笑む皐月先輩は本当に綺麗だった。
流石は私の憧れの先輩だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃、悠人はというと……。
食堂から少し離れた誰もいない教室にいた。
その教室にはもう1人、松江愛梨がいた。
「松江さん、ここに来てもらった理由は分かっているよね?」
内心、怒りで満ち溢れている中、何を勘違いしたのかこの妹を泣かせた馬鹿は顔を赤らめていた。
「はぁ………僕は君を許してはいないよ?
咲夜は優しいからあれで許したかもしれない。
…けど、僕は咲夜みたいに優しくは無いんだよ。
君は咲夜を、僕の天使を泣かせた。
それだけでも許し難い事なんだ。
でも、君は僕達家族の仲を引っ掻き回した。
そのせいで咲夜は泣いてしまい、心に傷を負い、両親との大切な時間も無くなったんだ。
僕達の両親は仕事で忙しくて会うどころか話す事すら1年に1回あるかどうかなんだ。
それなのにその両親との大切な時間を君は潰したんだよ。
咲夜も僕も両親と久しぶりに会って話せる事を楽しみにしていたんだ。
それを君は……。
君は咲夜にどこまで私を侮辱すれば、と言っていたけどそれは僕の台詞だよ。
どれだけ僕と、僕の天……咲夜を侮辱すれば気が済むのかな?
それに、咲夜の大切な友人まで傷つける?
大概にしろ。
もう2度と咲夜達に関わらないでくれ。
これ以上近づくというのならこちらにもやり方がある。
今度、咲夜や咲夜の友人に手を出したら……海野家だけじゃなく、他の家も敵にまわすことになる。
それを覚えておけ」
最後の方は素が出てしまったがまぁ問題ないだろう。
「……で……ばかり……。
何で皆、あの子ばかりを見るんですの……。
あの子と比較して……。
何で……」
咲夜ばかり…か。
可愛いからな。
咲夜は天使以上に可愛くて優しくて可愛くて可愛くて可愛くて……。
「咲夜は君みたいに人を見下したりはしないし誰よりも努力をしているからね。
君は、誰とも平等に接してきたかい?
努力をしてきた?
……してないのにそうやって僻まないでくれるかな?
努力をしてまだ追いつかないというなら分かるけれど、努力もしてない奴に咲夜を否定する権利は無いよ。
だって、咲夜は君や僕よりも余程努力をしている。
誰にも見られないところで1人頑張っている。
だからこそのあの結果なんだ。
努力もしていない君に咲夜を侮辱する筋合いはないよ」
僕はもういう事は無くなったとばかりに彼女を1人置いて教室を出ていくと友人に礼をいい、大学に戻る。
これで咲夜を泣かせた事を後悔すればいいのだが……。
まぁ、まだ始まったばかりだけどね。
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