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サスペンス警視庁物語

サスペンス警視庁物語

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「サスペンス警視庁物語」原作者 献残屋藤吉郎

第一話「無常道」

第二話「紙風船」 




「無常道」原作者 献残屋藤吉郎

1)非情な無常道を走る刑事

この世には巨悪な悪事を働き、、弱者を叩き潰す悪人が多い。
その巨悪に立ち向かう熱血漢刑事の物語で、、傷つき痛められようと立ち上がる男もいるのだった。今の世のなか、、弱きものが悪人になることも有り、、悪人が正当化されてしまうことも多い、、変な世の中でである。
間違いを間違いと云えないようなことも有るのだから不思議なのだ。
それを「間違いだ」「悪いのだ」と言える人間に成りたいもの、、、しかし、、捻じ曲げらることも有るような、、、
世の中で起きる事件にはいろいろある、、「殺人」「強盗」「傷害」「談合」「脱税」「贈収賄」
とあるのだ、、、それにかかわる関係事件と多種多様だ。
しかし、、人は何故、悪行をするのだろう、、誰も悪行はしてはいけない、、と人は思うのである。
この世に生まれたばかりの幼子や子供たちには「悪事」をやろうとか、悪行をしてやろうとかの心は無い筈だ、、、あったら、それは「悪魔」だ。
その純真無垢な人間が社会の波や風に吹かれていくうちに、世の中の「ごみ」が染みつき,やがては知恵となっていくような、、、
それがいい知恵であれば善行の道を歩き、、卑しき、悪知恵であれば悪行の道を歩くのかも知れない。
そんな世の中で、悪行に走った人間を取り締まる人間も必要なのだ。
だからこそ、、間違いのない正しい道へ導くためにも、警察や検察、司法機関が必要な筈であり、、、
間違った取り締まりや間違った判決は駄目なのである。
しかし、世の中は矛盾ばかりが横行する、、、権力や金力で、法律を捻じ曲げることも有るようだ。
そんな時こそ、、矛盾をただし、、、非情なまでにも悪を正す力が必要であり、、規則を守る
非情なまでの「無常道」を歩かなければならない。

2)警視庁特捜部、、詐欺集団を追いかけて。。

警視庁の中には「詐欺集団や詐欺師」を専門に追いかけ、取り締まっている「特捜部」がある。
世の中には騙される人が多い。。そして、騙す人間が居るのだ。
通常「詐欺」は捜査二課が担当している、、知能犯係は特別な捜査員が追跡をしている。
最近は携帯電話の普及、特にスマートホンによる、「詐欺が多い」のだ、、、特に老人が騙される、、、「投資詐欺」とか「オレオレ詐欺」とかが多い。
スマートホンによる詐欺が多く、、つい、うっかりとメールなどを空けていまうと、、それだけで騙されるようだ、、、
騙す側に、知恵の働く、、スマホの扱いが旨い人間が居ると堪らない、、、情報化時代であるから、、、うっかり「カード暗証番号」などを教えてしまうと、、自分の預金通帳から現金が引き出されて利用されるのだった。そして、利用された現金は数日後には戻されているのであった、、
その数日間に現金は利用されて、その現金で儲けて、元金だけは戻されるのだから始末が悪い。。その利用する金額が大きいほど、儲けは大きい、、、
これはスマートホンがあっての悪行だ、、、一時的には詐欺行為であるが、、一時的に借りて、元金を戻すのだから、、本質的には執られていないのだった。
とんでもない詐欺だ。
しかし、今どきの詐欺は「スマートホン」を利用して、、世界中のどこからでも指示が出来て、詐欺が出来るのだから、、どうして防げばいいのか、、特別捜査班が必要になってきたのであった。
これから、ますます、、増えるであろう携帯電話に関する詐欺事件には防ぎきれないこともあり、、問題が多すぎると思われる。
高齢化社会に向かって便利になった携帯電話に絡んだ、詐欺を防ぐのは容易ではないように思われた。
特殊班の活躍が期待される。


3)ますます増える知能犯、若者に、、


現代は「パソコン」「スマートホン」という風に、電子化社会に進でいる。
どうにも高齢者には棲みにくい社会になってきたようだ。
すべてが、いずれは「カード化社会に」行政も「マイカード」を、推し進めている。
銀行もすべての金融会社でも、、便利なカードを進めている。
まるで「犯罪」を推奨しているようだ。
最終的には全て、自分のする側の都合にしか見えないのだ。
行政は「カード化」することにより、管理が容易となり、、税金などの回収が簡単に管理できるという便利さからではないのか、、、「盗難防止か言っているが、少し意味が違うような、、、金融関係も管理が一目で分かり、金を集中管理が出来るという一言のような、、盗難がどうのこうの言うなら「現金」が一番安全なのだ。
いろんな各種の販売店でも、レジでの計算が簡単になり、、経費節約となることが多く、、その設備投資は馬鹿にならない。。。
あらゆることで、「カード化」は利点が多いようだが、、難点、欠点もある。
そんなかでの、盗難防止を防ぐことも困難である。
「カード化」すればするほど、、進むのが「頭脳的詐欺」だ、、、機械化すればするほど、増える犯罪でもあり、、対応する人間が機械に特化した
人間が必要になってくるのだった。
やはり、、パソコンやスマートホンの取り扱いに慣れた、若い年代の捜査官を養成しなければならないようだ。
そこ で警視庁特別捜犯として「特別電子化組織捜査班」を設けた。
指揮官に吉良純一警視を任命したのであった、年齢は30歳の若さであるが「電子工学」に長けた東大卒業のエリート官僚だった。
ただエリートというだけでなく「空手4段の猛者」であり、、射撃も警察の中で優秀であった。
かと思えば「落語愛好家」でもあり、、ユウモアもあった。
そんな指揮官の元に全国の警察署から、選び抜かれた「電子工学の猛者」が集まって来た。


4)特別電子化組織捜査班が動き出す。。。

警視庁特捜部の中に「特別電子化組織捜査班]が、設けられた。警視庁内部でもあまりにも問題になって来た「知能犯による組織サギ」を撲滅するために本部刑事部長境原浩一郎警視正の指揮下に設けた捜査班であった。
そのトップに東大卒業のエリート官僚の吉良純一警視が任命されて、その部下に全国の電子工学の猛者を集めたのであった、その猛者は10名ほどであった。
好き勝手にパソコンや携帯電話などの電子機器を操って来た、犯罪集団を撲滅するための「狼煙」を国家権力の組織警察が挙げたのであった。
やる気にな成れば、国家暴力組織の警察が一番だった。
吉良純一警視はやる気十分な若さもあり、、心配す家族もなく、後ろ髪惹かれるものとていない一人身であった。
全国の警察署から配属になって来た警察官も、独身者が選ばれた。
組織犯罪、特に知能犯と言われる、頭脳的犯人と対処するには決められた時間もなく、、始まったら終わるまで、、これで良しという終わりはなかった。
24時間、世界中を相手に戦うことしかなかった。
眠ることがなかったのである、、、電子犯罪は休みがなく、、常に闘わなければならなかった、、、殲滅させるまで終わりがないのである。
その覚悟で吉良純一警視は就任したのであった。
そして、全国から集まって来た電子工学の専門警察官を前にして訓示を言い渡した。吉良警視の覚悟を伝えたのだった。
「特別電子化組織捜査班」は警視庁庁舎の最上階に設置されて、部屋中にパソコンなどのコンピューターがびっしり詰まったいた。まるで、何かの研究所の様相を呈したいた。
そんな部屋には常に,科学者のような警察官が10人ぐらい、パソコンを捜査していたので、、警察署とは思えなかった。
常に機械とのにらめっこのような捜査員が、無線や携帯電話で連絡を取りながらの捜査なので、今までのような歩いて、車で追跡捜査をするのではなかった。
そして、詳細が分かった時に、警視庁庁舎の一階に待機していた,機動捜査部隊の警察官が動き出す仕組みになっていた。
その機動捜査隊は常に完全武装で、目的地に向かう体制が出来ていたのであった。
機動捜査隊の隊長は大石隆警部で、荒法師と言われる坊主出身の殺し屋でもあった。
「電子化組織捜査班」が入手した情報をもとに、速やかに動き出して、「振込詐欺」や「投資詐欺」の指示者の元を急襲していた。
そして、どんな場所であろうとも、殲滅をしていたのである、、、必ず、何らかの指示があり、何らかの方法で連絡を受けた手段を見つけ出しての、、組織犯罪対策であった。
目的は詐欺グループの撲滅であった、、、従って、逮捕が目的ではなかった。
あくまでも撲滅をはかり、、容赦なく一人残らずに皆殺しを狙っていた。
電子化による詐欺集団の全滅を狙っての、犯罪撲滅国家権力であった。
誰もが「詐欺を働き」人の金を騙しとったら、、命は助からいぞという、、国家威嚇であった。
詐欺という手段で人の物を執ったり、騙したりしたものは「裁判もへちまも無いぞ、、」という国家の脅しであった。。
やるからには「死」を覚悟して、詐欺をしろという、、最後通達であり、死の宣告を与える警察署であるぞ云う姿勢を示していた。

5)詐欺集団に情けは無用。。。

吉良純一警視班長は詐欺集団の元凶である「組織暴力団」を殲滅すことが大事ではあったが、、目の前の実行犯を潰していく方が早道だと考えて、、特別機動捜査隊の大石警部と打ち合わせをしたうえで、、ローラー方式で撲滅することにしたのであった。
詐欺をしたら、、人を騙したら、、許さないという方針で、詐欺集団に臨んでいった。
そして、吉良警視特別班は「特権」を持って、「振込詐害」や「投資詐欺」の関係犯罪人には容赦なく排斥していったのである。
「罪」の重い、軽いは関係なく、同罪と見なして、殲滅を計っていったのであった。
詐欺をしたら、、見つかる、見つからないに関わらず、、詐欺行為に携わったら「死刑」だと思い知らせることが大事であった。
起訴してから、裁判がどうだとか、、罪が軽いとかも言わさせずに、、詐欺をしたら「死刑」になると思わせることが必要な気がする、世の中だ。
詐欺集団の犯人の「人権」とか言うけど、、騙された人間の人権はどうするのだと、、と、、云いたい。
そんなことを考えながら吉良警視班長は、特別機動隊隊長の大石警部と会って、お昼を一緒に過ごした。
そして、機械に囲まれ、、詐欺悪人に囲まれ、、悪人面に囲まれている警察署内から、二人で逃げ出した。
桜田門外の日比谷公園にいた、、、木陰のベンチに座り、、少しでも緑の風にあたりたかた、、そして、二人は無言でベンチに横たわっていた。
二人の警察官は警視庁でははみ出して居た、、、上層部のお偉いさんからは、、、
「我が国は法治国家なのだから、、犯人検挙の際には、出来るだけ無傷で逮捕して、射殺は控えるようにと、、、」指示を受けていた。
しかし、日本の裁判のなまるっこさを嫌い、、ついつい、、過剰逮捕に走ってしまっていた。
そんな二人は検挙した後の後始末を見ながら、、いつも笑みを浮かべて頷いていた。
過剰防衛の逮捕劇に、、、、
悪事を働く人間に情けは無用なのだと、、、言い聞かせて犯人逮捕の現場に臨んでいた。
悪行を働くものを許してはいけないのだ、、、間違いを正して、云うことを聞くのは人間も3歳ぐらいなものだ、、、だから、間違ってやったという「悪事」「悪行」は無いのだから、、罰するしかないのだと、、、吉良警視班長は思うであった。
庭木が間違った方向に延びれば剪定をするのだ、、森の木々も余計な枝は切り落とし、、花も余計な枝葉は取り除く様に。。人の世界の悪人は「悪行」は排斥しなくては、、
出来れば早い方がいい、、、、


6)騙す人間は「人間の屑だ」容赦なく叩け、、、

詐欺事件の犯罪組織撲滅班の責任者となった「吉良警視班長」は情無用と取り締まりを容赦なく始めた、同時に機動特別捜査班の大石警部隊長も検挙の際の協力を惜しまずにしてくれた,その成果も挙がり、詐欺犯罪の検挙率が高く成り、、詐欺犯罪組織を少しは怖がらせ始めたのであった。
携帯での高級アルバイト募集が目立って、減少をして来たのであった。それは表面上のことかもしれないが、、その広告は無くなって来た。
詐欺行為の「呼子」や「受け子」は逮捕された時のリスクが大きく成り、、間違えば命を失うことが起きるようになった為であった。
吉良警視班長の方針は当たったようであるが、、まだまだ、振り込み詐欺や投資詐欺は減少しなかったのである。。
元の悪人たち、、組織やくざは悧巧であるから、、違う方法を考えたようだった。
吉良警視班長達は見つけなければならなかった。
悪人たちはまた、、何かを見つけたような、、、吉良警視班長は考えた。
何かある筈だと、、、そうしないと、オレオレ犯罪が出来ないのだから、、詐欺した資金を回収する方法を考えた筈で有る。
そして、吉良警視班長は組織犯罪班の捜査員にも考えてもらった。
直接、受け子などを使わずに、詐欺した資金の回収方法を、、、今の時代はやはり、、利用するのは「カード」であった。
そのカードの「暗証番号」を聞き出す方法手段を考えたのであった。
その結果、今なら「高齢者狙い」を徹底してやれば、、「下手な鉄砲も数うちゃ当たる」の例えで、電話攻撃をかけてくるようだった、
その電話攻撃をするアルバイトの募集は、懲りない携帯電話募集を掛けていたのだった。これも「犬も歩けば棒に当たる作戦」で、数多く出しているようだった。今の時代、携帯電話、スマートホンを止めることは不可能だった。
まるで悪業をするために、犯罪を起こすために有るような気がするものだった。
しかし、何かある筈だと思いながら、悶々とする吉良警視班長だった。
毎晩、桜田門一家の屋上にあがり、、夜空の星屑を眺めながら、、黒い闇の世界を恨んだ、、何故に流れ星のように、きれいな人たちが流されていくのだろうと、、止めることの出来ない流れ星か、、、


7)吉良警視班長は考えた、、詐欺防止を、、

悪行を働く詐欺集団の屑人間たちは、更にどうしたら、人を騙せるかと考えていたのである、、、騙される人を守るのは難しい、、騙す悪を、目につくところから叩き出すことを考えた。
電子工学犯罪部門で、徹底的にサーバー乗っ取りを考える奴を見つけ出して、潰していくという、、地道ではあるが、どんな小さな携帯電話利用違反でも見つけ出すことに集中もした。そして、不審と思う記事を叩き出していく方針を執っていったのである。
犬も歩けば棒に当たるとか、、下手な鉄砲も数うちゃ当たるとかであった。
そして、どんな小さな不審点も見つけ出す方法を執っていったのである。
何処までも追いかけて、極刑にして行った。
詐欺は呼子も売り子もみんな同じであるという考えから、、罰していった。
此処までの犯罪なら軽いとかはなく、「騙し」は悪行で有るから、許してはならないのであった。
そうすることにより、罰が重いので、恐ろしく成り、やらなくなるという作戦をとっていったのであった。
極端な話が「人を騙したら死刑」という、、「死」が待っていることを知らせたのである、、騙しをしたら「死」だと、、簡単に手を出せないように仕向けたのであった。
「呼子」をさせられたから「勘弁してください、、二度としません」は無いのだと、、
「受け子」だとは知らないでやったも「無いのである、、絶対にダメなのであった、、」
この世で人を騙して、「金」を巻き上げてはならないのであることを徹底させることを、目的とした犯罪取り締まり係りなのであった。
吉良警視班長は容赦なく行ったので、、いつのまにか「鬼警視」と呼ばれるようになった。桜田門に咲いた「鬼花」であった。


8)吉良警視班長、暴漢に

警視庁組織犯罪班の吉良警視班長は、余りにも強引な捜査手段方法を講じていたので、警察内部でも少々、問題になっていた。
しかし、「オレオレ詐欺」や「投資詐欺」が減少していることも事実であり、、効果が出ているので無下には駄目とも言えなかった。
そうは言っても「マスコミ」などでも叩かれているので、警視庁上層部としては頭が痛かったのである。
肝心の吉良警視班長は一向に気にしていなかった。
上層部が何を云おうが、、無視であった。。云えば、、「そんなんことを云うなら、、自分を首にすればいいじゃあないか、、」と、、居直るのであった。
始末が悪いのだ、、悪行や違反をしている訳ではないので、、、
そんな吉良警視班長が狙われているという噂が入ったが、それも無視であった。
少々、甘く見ていた悪組織の暴力を、、ついに、狙われたのだ。
吉良警視班長の昼食は日比谷公園の中で販売している「ほっドック2本と、その店のミルクセーキ」が好きで、よく食べていた。
天気のいい日は決まって,日比谷公園のベンチで、木々に囲まれて過ごすのが日課であった。
そして、日当たりのいい、ベンチでうたた寝をするのが好きだったのである。
そんな吉良警視班長の日常を調べて、一番隙を見せている時に狙われたのであった。
吉良警視班長は銃弾を数発、撃ち込まれ即死状態で、連絡を受けた。
警視庁殺人課の捜査員が駆けつけたが、息絶えていたのである。
警視庁上層部では連絡を受けて、、「やっぱりな、、」と、、ため息が出ていた。
しかし、慌てた、、すぐに、上層部では次期責任者を決めなければならないこともあって、もめたのである。。


9)特別機動隊捜査班の大石隆一隊長を抜擢。。

吉良警視班長と共に組織犯罪逮捕に貢献していた、特別機動隊捜査班の大石警部を組織犯罪班の責任者に抜擢したのだった。
大石警部は組織犯罪班の捜査員とも顔馴染であり、気心が知れていたので、引き継ぐことに支障が少なかったことも有ったのである。
そして、吉良警視とも気が合っていたので、、今回の暗殺は許せなかった、、何が何でも大石警部は自分の手で、検挙したかったのだった。
吉良警視班長の捜査は強引ではあったが、、詐欺集団には効き目があった筈で、、かなりの痛手であった。そのための報復手段であり、、詐欺集団にとって、吉良警視は目障りだったからの暗殺であったのだ、、、そんな道理が通って溜まるかと、、大石警部班長は憤慨していた。
吉良警視を暗殺した詐欺集団は、そのグループを動かして、反ぐれ集団の辰巳会を操っている「関東連合東西会」だと睨んでいたのである。。吉良警視はその組織暴力団に的を絞り、追い詰めていったのであった。
関東連合会東西会の目黒浩二若頭の逮捕の為の証拠固めをしていた矢先の狙撃であり、狙いは若頭検挙の阻止のためであった。
引き継いだ、大石警部班長は燃えていた、、そのために、違法ではあったが潜入捜査もしていたのである。
なにがなんでも、組織暴力団の勝手な暴力に対しては、国家暴力で対抗しようとしていた。
そして、、大石警部班長は、自ら捜査にも参加して、反ぐれ集団辰巳会の覚せい剤密売を
していた、辰巳会の幹部の大森三郎を現行犯で逮捕して、強制的に吐かせたのであった。
新宿歌舞伎町での一斉取り締まりの網にかかったので、、大石警部班長は半ば、拷問的な攻めをしたのだった。
吉良警視が暗殺されていたので、、大石警部班長は殺してもいいと思い、大森三郎をゆさぶったのである。
そして、、そのまま、反ぐれ集団辰巳会の事務所に急遽、乗り込んでガさ入れをしたのだった、、その結果、覚せい剤を押収、更に銃刀法違反で拳銃と日本刀を押収した。
更に、反ぐれ集団辰巳会リーダーの辰巳修一を検挙したのであった。
その後の取り調べの結果で東西会へのガさ入れの足掛かりをつけようとしていたのであった。


10)吉良警視の後を引き継いだ大石警部班長は敵討ちと燃えた。

組織犯罪の撲滅を狙い、、吉良警視は電子工学の専門家で構成する捜査班を立ち上げ、「オレオレ詐欺」や「投資詐欺」などの捜査や摘発を強行的に行い、指揮してきた、吉良警視が暗殺をされて、その逮捕に協力してきた大石警部特別機動隊の隊長が吉良警視の後を引き継ぎ、燃えたのである。
大石警部班長は「詐欺集団」の元締めは組織暴力団が巧妙に操っていることは分かっていたので、、組織犯罪班は反ぐれ集団の辰巳会代表「辰巳修一」を逮捕してから、攻めまくり、更に関東連合会東西会の幹部、大森三郎も逮捕して、二人の東西会幹部と傘下の反ぐれ辰巳会のリーダーを徹底的に、拷問に近い形で吐かせたのである。
関東連合会東西会の若頭目黒浩二を「暴行教唆」で、検挙に連合会事務所に向かったが逃げた後であった。
完全に逃亡したのである、、大石警部班長は組織犯罪班を上げて、東西会の目黒浩二若頭を追ったが、行方をくらました。
地下組織に隠れ、、指示を出していたのである。
大石警部班長も、亡くなった吉良警視も元を絶たなければ、、臭いものには蓋をしろ、、の考えだったので、関東連合会東西会を潰さなければ、今回の一連の「詐欺事件」は解決しないと、、、全力を挙げて、若頭の目黒浩二を逮捕しなければ、と、、動いていた。
関東連合会東西会でも、目黒浩二若頭の指令で、吉良警視の時と同じような「暗殺命令」が出ていたのである。
その情報が入った時に、、「ふざけれな、、、馬鹿野郎、、二度と同じ手は食わぬわ、、」と大石警部班長は警戒をしていた。
「来るなら、、来てみな、、皆殺しにいてやるぞ、、、」と、言いながら手ぐすねを引いていたのである。
東西会も必死であり、、桜田門の警視庁に、、一人の男が入り口で大石警部班長に発砲したのであった。警視庁の警察官が居るところで、、しかし、防弾チョッキを付けていたので、命拾いをしたが、、、警察官が集まり、、騒めいていた間から一発の銃弾が撃ち込また。敵も考えての命がけの殴り込みであった。
大石警部班長は右脚を撃たれたのである。警察側は不味いと思い、囲みを人波で警護したのである。
犯人たちは捨て身であり、鉄砲玉であった。


11)大石警部、、大いに怒る


桜田門一家の警視庁入り口で狙われた大石警部は怒りに燃えた。。
「嘗めたことをしてくれたな、、警察をなんだと思ってんだ。」
腹から憤慨した。
負傷した大石警部は、入院中のベット中から組織犯罪班の部下たちに指示を出したのである。
「俺が退院するまでに、、狙撃犯の身元を調査しておいてくれ、、どの係よりも、突き止めて置く様に、」と、強く厳命をしたのであった。
吉良警視に引き続き、またも、担当責任者を狙撃してきた、「詐欺グループ」集団の悪行を許す訳にはいかなかったのである。
警察の威信とかではなく、大石警部の誇りが黙ってはいられなかった。。そして、大石警部班長は松葉杖を附いて、早めに退院して、陣頭指揮にあたったのである。
何がなんでも、今回の様な暴挙を認める訳には出来なかったのだった。
警視庁の上層部が何と云おうとと、、強引でも、関係暴力団事務所を急襲しようとしていた。
その為の、どんな小さな「綻び」でも探して、こじつけてでも、その関係やくざ組織を潰してやろうと考えていたのである。
秋も深まり、年末が近づき、騒がしくなってきた初冬の街に、大石組織対策班は動き回った。
そして、組織対策班の沢田警部補が常に使っている情報屋の「街の蝙蝠」と言われる男から、耳よりの情報が入って来た。
関東連合会東西会の逃げた目黒若頭の隠れ家が分かったのである。
すぐに組織対策班の沢田警部補たち精鋭を向かわせたが、またしても逃げられたのだった。
大石警部は不思議に思った、、その時、大石警部は考えたのだった。あまりにも早い逃亡であったので、、情報が洩れているのではと疑いを持った。誰か通報者がいるのではないか、、警察内部に、、
そんなことまで考えるようになった。
大石警部班長は、、なんとなく理解が出来た、、吉良警視が暗殺されたのも、大石警部自身が狙撃されたことも、全て、情報が洩れていたのだと、、
この「詐欺集団グループ」の捜索に関しては、捜査員を厳密に調査して、選び抜かなくてはと、、少数精鋭で、検挙時には当たらないと駄目だなと思ったのである。
そして、信頼のできる沢田警部補と、、組織対策班の中から、寡黙で行動力の有る警察官を3人選んだ。
そして、突入するまでは特別機動隊には場所を告げずに、行動を起こすことにしたのであった。
今度こそは、逃がすものかと沢田警部補たちが網を張ったのである。


12)詐欺グループを殲滅するためには、、、、


大石警部班長は負傷した傷も痛々しく、松葉杖を付いての指揮であった。
常に隠れて、甘い汁を吸っているやくざ組織を崩さなくてはと思う、大石警部班長であった。人を騙して、人の物をもぎ取る行為を許すことが出来ないという、一心で捜査に臨んでいる大石警部班長の指揮する「組織犯罪班」であった。
その詐欺犯罪も、文明の発展の科学の成果である「携帯電話」が利用されているという皮肉が悲しかったのである。
詐欺犯罪の被害者には高齢者がほとんどであることも皮肉であった。
騙す側は携帯電話特に「スマートホン」の扱いに慣れている悪人たちが、、文明の成果の「スマートホン」の扱いに不慣れな高齢者が騙されているのであった。
騙される人の話を聞くと、恐ろしい、、知らず知らずの間に、詐欺の道へ導かれてしまうのだった。
その騙された人も80歳近い人だったので、、携帯に入ってくるメールには手を出さないことが肝心であると言っていた。
誘導が巧みであって、気が付くと詐欺集団の罠に嵌ってしまうらしい。
騙されないためには、知らないメールは無視することが一番だと、、、防犯側のガードである。
そして、警察署関係に相談することが大事であり、、素人判断をしないことである。
知らないことや知識のないことを知ったふりはしないことが肝心であった。
その為に、どんな小さな情報でも、大石警部の組織犯罪班は捜査を繰り返し,見逃がさないことを、各捜査員に指示を出していた。
「いいか、、どんな小さな情報も漏らすなよ、、、それからな、、内部情報を漏らすなよ、、いいな、、」と、、強く言い渡したのである。
そんな捜査体制の中で、関東連合会東西会の目黒浩二若頭の潜伏先の情報が入ったので、、大石警部班長は沢田警補たち、数名に特別捜査機動隊20数名を待機させながら、隠密裏に動いた。
年も明けた冬の寒い明け方だった、、場所は箱根の別荘地の一角の隠れ家を取り囲み、蟻の出る隙も無いくらいに特別捜査機動隊を配置した。その別荘の裏手は芦ノ湖で有るので、もしもとい
うことで船も手配していたのである。
箱根の朝は雪が降っていた、、まるで忠臣蔵の討ち入りさながらであり、、大石警部班長も松葉杖支度で、陣頭指揮をしたのであった。
大石警部班長の合図の元に、乗り込んだ、、銃声も鳴り響いたが、正月気分でいた東西会の連中も取り押さえられて、その中にパジャマ姿の目黒浩二若頭も、負傷しながら雑じっていた。
そして、、大石警部班長は目黒浩二若頭を、沢田警部補と二人だけで本人確認をしたのちに、、「やっと、、会えたな、、目黒さんよ、、あんたは人間の屑だ、、この銃撃戦で死んでも
誰も可哀そうだとは思わないからな、、俺があんたを殺してやろうか、、
お前なんか、正当な裁判など駆ける価値もないからな、、」と言いながら拳銃を目黒若頭の額に当てた。
「なんだよ、、あんた、警察官だろう、、そんなことしていいのかよ、、」と、、食って掛かってきたので、
「何を寝惚けてやがる、、そんな口を、一兆前に聞くなよ、、この野郎」と、突き付けていた拳銃で。目黒若頭を殴りつけた。
「いくら、殺しても飽きたれねぇ、、野郎だ、、、俺を他の警察官と同じにみるなよ、、」
と、、言って、もう一発殴りつけた。
そして、若頭目黒浩二の脚に銃弾を一発撃ち込んだのである。


13)東西会本部を急襲


大石警部班長は、ここで一気に関東連合会東西会を殲滅してやろうと、目黒浩二若頭を検挙した勢いで、東西会本部事務所を急襲した。箱根山荘襲撃から日をおかずでのガさ入れだったので、
東西会もまさかと、少々油断をしていたのであった。
また、東西会本部では目黒浩二若頭が逮捕されたので、今後の対策を練るために、大岩檀次郎会
長も出席しての会合であるために、東西会幹部の殆どが顔を揃えていた。
その会合への大石警部班長の家宅捜索であるために、会合場所の東西会本部ビルには多数のやくざ達がガードしていたので、入り口付近で銃撃戦が始まった。
親分たちを逃がすために、子分のやくざ達は必死に抵抗したのである、、、駄目な時代とは言ってもやくざはやくざだった、命がけで自分たちの親分を守るために奮闘していた。
そして、東西会やくざは、いざという時を考えて、逃げ道を造っていたのだった。
東西会本部ビルの隣の古びたビルに屋上で繋げてあり、、大岩檀次郎会長以下の数名の幹部は逃げて、逮捕から免れたのである。
一挙に壊滅してやろうと計画した大石警部班長の目論見は崩れたのであった。
逃走した大岩檀次郎会長たちと、国家権力警察の暴力戦争は過激さを増したのである。
何としても「詐欺犯罪」の元を断ち切るためには必要な、暴力団壊滅であったので、、、
大石警部班長は「組織犯罪対策班」の力と情報を結集して、大岩檀次郎会長たちの追跡捜査を強化していった。
闇に消えて、地下組織に潜った、彼らを追うことは困難を極めたのである、、大石警部班長は今回の強硬ガさ入れを失敗したことを悔いた、、もう少し、調査してからの踏み込みをすればよ
かったと、自分を責めた。
闇に隠れた大岩檀次郎会長たちは、これからの活動には用心して、容易に表に出てこないので、
組織暴力団の壊滅が難しくなったのある。
ますます、、「詐欺犯罪」は巧妙化していくだろう、、、と、心配した大石警部班長であった。
その為に「組織犯罪対策課」の電子工学部門の活躍を期待する大石警部班長であった。
そして、今までに逮捕したなかに、詐欺グループでパソコン専門に携わっていた男を見つけたのである、、、どう見ても、やくざには見えず、犯罪組織に何等かの理由で巻き込まれたような、気がしたので、大石警部班長が特別に取り調べることにした。
大石警部班長の勘は鋭かった、、案の定、弱みに付け込まれて、無理やりにやらされたいたのだった。そこで、身の保全と、弱みであった家族の保全を図り、その男を説得したのである、、
最初は組織の怖さを知らされている男は話に乗らず、口を噤んでいた。
そこで、まずはその男の家族を、大石警部班長は国家力で住居移転をして、身の全確保を示したのである。勿論、移転先は記載せずに。。。
それを確認した男は、初めて口を開き、自分の名前
そして、詐欺グループの巧妙な仕組みを話してくれたのである、彼の作った罠である、誘い携帯電話の仕組みや、資金回収システム、更には高齢者向きの罠の数々を説明してくれた。
警視庁組織犯罪対策課としては参考になったのである、、これからも男「名島達夫」は
詐欺対策には役に立つ人間であろうと思われた、
そして、一番肝心なっシステムを考案していたのであった、電話回線でもなく、無線でもなく、特殊な連絡技術をもっていた、、そのための、今回の脱出劇であったのである。


14)名島達夫の活躍、、、

犯罪組織やくざの「詐欺の手口」は大石警部班長達も、、警視庁電子計算班の研究、捜査でおおよその検討は付いていたが、、回収した資金の流れはまだ、解明できていなかった。
黒い金は全て、ロンダリングされて、暴力団の資金源となり、覚せい剤の購入資金や銃など武器の購入資金などにも流用されたが、、ほとんどは「闇金融」に流れて、更に資金を増やしていたのである。。
また、構成員の増強資金などにも、、更に、いざという時の「逃亡資金」にも準備したいたので
あった。
組織やくざが使用する場所、設備には逃げ道を造っていたので、、その設備にも金はかけていた、、更に、一番肝心な情報収集の手段には、さらなる資金を投入していた。
悪行をするからには、、必ず「警察」が動くので、その対策、、つまり、逃げる方法は常に準備
したいたのである。
いくら金儲けをしても、掴まっては元も子も無いので、、やるからには捕まらない手を打たなければならなかった、、いざとなれば、、やくざの大本の幹部連中は残酷であった、蜥蜴の尻尾きりを平気で行う、、自分たちが助かるなら、捨てるのであるから、恐ろしい。
やくざとはそんなものである、、、そん訳で雑魚は逮捕されるが、大物はにげてしまうのであった。そのための通信方法は特別で、、末端のやくざ幹部にも教えられていなかったのである。
本当の大幹部だけが持っている、特殊携帯電話であるために、分からなかった筈なのだった。
その特殊電話は警視庁と繋がっていたのである、、そのことが分かった時に、、大石警部班長は怒りに怒った。命まで駆けて、詐欺グプと闘い、組織暴力団を追いつめて、最後の詰めで味方に裏切られていたので、あったのだから悔しかった。


15)警察内部に裏切りが、、、

詐欺グループの司令塔というか、一番の元になっていたのが組織暴力団ではあったが、、常に本部を急襲して逮捕を目前に親玉が消えるのである、、それは、家宅捜査が直前に漏れるのだった。
それは内通者に直前に漏れて、連絡が行くからであった。
その罠を仕掛けたのが「名島達夫」であったのである。元警視庁の通信担当を受け持ち、警視庁
上層部の担当者の弱みを掴み、脅しての内通であった。そのために、内通されていたのである。
大石警部班長にしてみれば、、「この野郎だ、、今にみてろよ、、必ず、失態をさせてやるからな、、」そのためにも名島達夫は利用できるのであった。
「いくら、、命がけで捜査して、がさ入れをしても、、仕掛けた罠から逃げられたのも、ふざけた野郎が居るからだったと、、悔しがった大石警部だった。
詐欺グループの本拠地の組織暴力団へのガさ入れは、大石警部班長の特捜班だけで、秘密裏に動く計画を立てることにした。
そして、電子工学部係りにも情報は漏らさないように厳命を下した、連絡は全て、今回の決着が
着くまでは、大石警部班長のみとしたのであった。
なにがなんでも、詐欺グループの本部を、肝心の頭を押さえたかったのである。
雑魚をいくら、釣り上げても留置所がいっぱいになるだけで、拉致があかないのであった。
例え、繰り返し、やくざ組織が変わり、犯罪が行われようが、、罪を重くして,悪事の代償としての代価が合わなければ、、現在、行われている犯罪は減る筈である、
しかし、時代が変われば、犯罪も巧みになるが犯罪は、また、増えるだろう。。その時はその時
の捜査方法も変わる筈だ、、世のなかの「善と悪」は消えることがないだろう。。
まったく、イタチごっこかも知れない。


16)組織を大事にする警察、、「それも大事ではあるが、、馬鹿野郎だ」

大石警部班長は「詐欺グループ」を陰に隠れて操る知能的を許すことが出来なかった、、そのための、今回の組織やくざ団体である、、関東連合会東西会を潰すまでは諦めないと決めていたのである。特に、大岩檀次郎会長一派は逃がさないと、、更に、捜査網を強化して行ったのであった。
詐欺で荒稼ぎをしている東西会には「資金」があったので、資金にものを言わせて、政治家たちに鼻薬を聞かせていた。たちが悪い、、今の世の中、どうも「金力」と「暴力」が大手を振って歩いているようだった。
考え方によると「金が一番」、そして、その金に群がる「ハエエナ」が金欲しさに、悪行を平気で行う社会構造のような、、、
その資金源の元を潰さなければと、、、「臭い物には蓋を」の精神で、徹底的に壊滅しなくてはと、、大石警部班長は、捜査員たちに激を飛ばしていた。
そして、情報を集めて、大岩檀次郎たちの隠れ家を突き止めたのだった。
今回こそは逃がさないという体制を整えて、準備をして、、、隠れ家を急襲した。
情報が漏れないように,急襲現場は一部の捜査員だけで、特別捜査機動隊の隊員にも知らせずに、
襲ったのである。
今回の襲撃には大石警部班長が自らが指揮を執って、隠れ家の別荘を二重、三重に取り囲んだのであった。
襲撃班には銃の携帯を許し、、囲いを破って突破する者は射殺を命じて、狙撃班を配置したので
ある、、今回は絶対に逃がさないぞ、、と、、言う覚悟であった、
大石警部班長が指揮して、暴力団との銃撃戦は1時間も経たないうちに、鳴りやんだ。
東西会のやくざ連中もしつこく立ち向かってきたが、、最終的には国家暴力の警察には制圧されたのだった。
大石警部班長は乗り込んで、大岩檀次郎会長に云ったのである、、、
「大岩会長、、あんたは許せない、、」と、、言ってから、、周囲には信頼できる部下だけだったので、、「あんたは、、死ねや、、絶対に許せない、、、」と、、言いながら銃弾を数発、撃ち込んだ。
自分が殺人罪になっても、、「詐欺グループ」のトップの大岩檀次郎を許せなかったのである。

 


第二話「紙風船」


「紙風船」原作者献残屋藤吉郎

 1)新宿警察署に起きた「殺人事件」

新宿警察署刑事課に特別捜査班が設置された、、、それは新宿管内では風俗に絡んだ事件が
多かったので、風俗取り締まり班を特別に置き、管理指導するための捜査班であった。
責任者に浜野内涼子警部が就任して、担当捜査官が5人配属になった。
いずれも各課のはみ出し刑事ばかりで、一癖も二癖もあるような捜査官であった。
班長に就任した浜野内涼子警部は北海道警からの転属であり、、その異名が「暴力女デカ」であった、柔道3段の猛者で、、取り調べも荒ポッカたのである。
二人の警部補がいた、、、荒木由美、添田真澄の覚せい剤取り締まりの専門警部補であったが警視庁からの配属であった。
残る3人のうち二人は若手の巡査部長であり、、管内の交番勤務からの配属であった。
残る一人はベテラン刑事で出世などには程遠い、巡査部長で、新宿警察署内から移った物知りオジサン的な警察官であった。
そんな刑事集団が新宿の繁華街を取り締まるのであるが、、朝から晩まで市中見回りが多かった。
海千山千の風俗街の女たちや男達なので、、、取り締まるのではなく取り締まられてしまうのではないかと思われた。
しかし、、浜野内班長の取り締まりは厳しかったのである、、更に二人の女警部補の覚せい剤摘発取り締まりも激しかった、、そして、二人の後輩の若手部下も一緒に強く厳しく取り締まっていった。
一人だけベテラン刑事の平松権兵衛はのんびり構えて、、事後処理をこなしていた。
周囲から見ると動きが激しく、、取り締まりも厳しくしており、、いつも神経を研ぎ澄ましているようで、、いつ弾けても、破裂しても可笑しくないように見えた。
ベテラン刑事の平松権兵衛には気を張り過ぎて、、、危なくみえたのであった。
たずなを執る浜野内班長は一人で走り過ぎるように見えるし、、、二人の女警部補も手柄優先で検挙を急ぎ過ぎるので、、若い二人の部下ももたもたしているように見えて、いつ破裂しても可笑しくない集団に見えた。
ベテラン刑事の平松権兵衛は、その危なっかしい集団を「紙風船集団」と呼んでいた。、、
そのためについたあだ名が「紙風船」だった。


2)風俗取り締まり班「紙風船」が出会った「田舎育ち」

新宿繁華街は夜中でも人通りが多かった、しかし、酔っ払いが多く、、道路に座り込んでいる若者や、路地裏でシャブ「覚せい剤」を密売している奴や、、酔っぱらって喧嘩をして居る奴とか、、いろいろだ。
そんな若者の集団の中には寝る所もなく、、路上で寝る奴もいた。
見回りをしていた「紙風船」が叫び声を耳にして路地裏にとんでいった。
「きやぁ、、、誰か死んでるみたいだよ、、、」と、、らりってる風な女が悲鳴を上げていた。
「紙風船」の荒木由美警部補と若手の杉田巡査部長が駆けつけた。
確かに確認したが「死んで一人の男が横たわっていた」ので、、応援を要請した。
見た目には殺人事件に見えた。
すぐに、浜野内涼子班長が飛んできた、、一緒に新宿管内の事に詳しい、平松権兵衛刑事が付いてきていた。。
浜野内班長は北海道警察から転属なので新宿管内、歌舞伎町繁華街の状況が把握できていなかったので、、その補佐役として、平松権兵衛刑事が付いてきた。
放置された死体は「新宿紅組」という反ぐれ集団の副長太田武と分かったが。
赴任したばかりの浜野内班長は気が短かったので、すぐに、身元確認を兼ねて反ぐれ集団紅組に踏み込もうとした、、しかし、平松権兵衛刑事は止めた。
死体が出たからには用心している筈なので、、調べてから乗り込んだ方がいいと、、
新宿界隈を知っている平松権兵衛刑事は助言をしたのであった。
用意周到に準備した事務所に捜査に入ってたところで何も出ないのがいいところであり。
殺人は殺人課の担当刑事に任せた方が、いいのだと考えた。
その辺の事情を知っていた平松権兵衛刑事は止めた。その晩は「紙風船」忙しかったのである。。。
青森からの家出娘を5人も補導したのであるから。


3)家出娘にてこずる「紙風船」

殺人事件は警視庁殺人課に任せて、新宿区歌舞伎町で補導した5人の女のこたちに、振り回された「紙風船」であった。
担当した「荒木由美」「添田真澄」の警部補二人と、交番勤務から来た若い警察官は、田舎弁というか「東北弁丸出しの言葉」に、、その晩は振り回されていた。
荒木由美警部補がまず、尋ねた、、、
「あなたたちは何処から来たの、、新宿歌舞伎町に何しに来たの、、、」と、、、
すると、年長者のようだった女が答えた。
「あれぇ、、おらーたち、青森からきたんだよ、、、ホストクラブをみたくってよ、、
いい女ならモテるっていうべえ、、だから、来てみたんだべーな。。」
と言われて唖然とした。
すると、添田警部補が、、答えた、、、
「そのホストクラブは危険なところだから、、いかないように、、」と、、諭した。
飛んでも無い「甘い情報」で、つられてくるものだとおもった、
5人の女の子は年が15歳から17歳までの世間を知らない田舎育ちであった。
荒木由美、添田真澄の二人の警部補は恐ろしかった、、こんな純真無垢な女の子が騙されて、いずれは夜の蝶になるのかと。。。
二人の警部補は自分たちの仕事が、、補導がいかに大事で、、必要であるかを実感したのであった。
新宿歌舞伎町をふわふわと飛んで流れる「紙風船」がいかに大事かを知った夜だった。


4)新宿歌舞伎町にきらきら舞う不良花一輪

新宿歌舞伎町には毎夜の如く、不良花が咲いては散っていくような甘い蜜を振りまく毒蜂が飛んでいるような溜まり池があるようだった。
飛んでいる毒蜂を振り払い、、汚れそうな花を守る「紙風船」も、毎夜飛んでいる。
通称「紙風船」の荒木由美警部補は「麻薬取り締まりのエキスパート」であったので、、部下の若手の杉田巡査部長がペアを組んで巡回していた。
もう一組は添田真澄警部補と若手の中村巡査部長がペアを組み,ミニパトーカーで不審者の取り締まりをしていた。
荒木由美警部補と杉田巡査部長が屯する少女たちを見つけて、、傍に近付いていった。
彼女たちは「覚せい剤」を買う金が無いので、、俗にいう「アンパン」を使用して、ふらふらと正気を失って「らりって」いたのである、、、まるで、夢遊病者の如くに、意識が半分ぐらいなくなっていた。そして、悪ガキが近づき、売春をさせていたのであった。
悪ガキの上の組織には「反ぐれ集団」が居た。やくざより始末が悪かった。
彼らは組織と言っても、若さでぐれて、、やくざの真似事のような集団をつくり、麻薬密売、売春管理などをしていたので、、不良少女は彼らの餌食になっていたのであった。
しかし、、反ぐれ集団も最終的には麻薬を扱うので、組織暴力団に組み込まれていった。
新宿には全国の指定暴力団が入り込み、しのぎを削りあっていた。
そんな組織の力と資金力で、反ぐれ集団が組織化されていった。
新宿歌舞伎町では、反ぐれや不良少女が粋がる場所はなく、暴力で抑え込まれていき、その組織で動かされるようになるのであった。
現代やくざは頭脳的であり、巧妙であった。
そんな環境の中の不良少女たちを少しでも救おうと、、「紙風船」は日ごと巡回を繰り返して、努力していた。
荒木由美警部補と部下の杉田巡査部長を意識朦朧な少女たちを補導した。
そして、保護したのであった。
一旦は警察署内に留置して、正常な状態になってから事情いて、対処していった。
補導した少女たちは全てが家出娘だった。
事情を聴くと、、親と旨く行かずに家を飛び出している、、、中には、付き合い家出もあった。
しかし、、大部分が両親との不仲が原因であり、、荒木由美警部補たちは悩んだ。
どうすれば、、家出を防ぐことができるのかと、、家出をした少女たちの話を聞くと同情するところもあった。
紙風船では補導だけして、その事情で補導施設に送ればいいという問題ではないことを痛感させられた。それでも、、悪の牙から守るためには「補導」するしか、今は方法手段がないと、、思われたのであった。


5)新宿歌舞伎町で奮闘する「紙風船」、、、

新宿警察署の中に「風俗取り締まり班」が設けられて、、北海道警察署からの転属であり、、その捜査は男勝りであり、新宿とは何の癒着も関係のない「女猛者の警部」が赴任して来ての取り締まりだった。しかし、、新宿歌舞伎町の隅から隅まで知る尽くしているベテラン刑事の「平松権兵衛」が補佐役として、新宿警察生活指導から配属となっていた。
そして、若手女警部補の荒木由美、麻薬密売専門の刑事が公安から配属になり、新宿歌舞伎町管内の麻薬密売撲滅を推進することになった。
もう一人の女警部補は「売春取り締まり専門職」の添田真澄で、大阪府警からの転属となっていた。
他に若手の巡査部長二人を、、東京都内の交番勤務と機動隊から選抜したのであった、、、全てを、新宿歌舞伎町という、、悪のやくざ組織が蔓延る街の清涼剤にと、、警視庁本部の刑事局長「大前田総一郎」の計らいで、、新宿警察署内に設置してあるが、、直属の指揮系統は警視庁に属している、、特務機関であった。
若手の巡査部長は二人とも柔道と剣道の有段者を選び、射撃の腕も一流である、、、中村太一巡査部長と杉田寿三郎巡査部長で、、、敏腕な女警部補の早い話がボディーガードであった。
荒木由美警部補と杉田巡査部長がペアで、、添田真澄警部補と中村巡査部長が一緒の巡回をしていた。
二人の女警部補はやる気満々で、、捜査取り締まりをビシビシやっていった。
特に「反ぐれ集団、紅グループ」の関係事務所や経営する店舗には毎日のように顔を出して、、、「今日は大丈夫かな、、責任者の青山にいっとくようにな、、薬はやるなよ、、すぐに情報が入るから、、がさ入れをするからと、、、」
麻薬を扱わなければ維持できない「反ぐれ」に意地の悪い冗談を言っては帰った言った。
「まったく、うるせえ奴らだな、、糞くらえ、、」と言いながら、毎日塩を巻かれていた。そんなことは百も承知の荒木警部補たちであった。
とにかく、毎日顔を出して、すこしでも権勢を掛けて、忘れたころにがさを入れて、違反者を検挙を繰り返していた。そして、、添田警部補の売春取り締まり班は目星を付けたクラブや酒場を巡回して、様子を見ていたのであった。
荒木班も添田班も手を緩めずに巡回取り締まりをして、、時たま「がさ入れ」をして、、事件を未然に防ぐことに専念していた。
そして、時たま班長の「浜野内警部」が同道することもあった。
荒木警部補も添田警部補も手抜き捜査や巡回をすることは無く、、歌舞伎町内の街角で屯している少年少女たちには気配りをしていた。
そんなある晩に、、新宿警察風俗係りに連絡が入った、、、「助けてーー殺される、、」という悲鳴にも似た叫びであった。夜の巡回をしていた、添田班に至急、連絡を取り、現場に行かせた。
不良少女たちが喧嘩をしていたので、、駆け付けた添田警部補と中村巡査部長は仲裁に入り、喧嘩をとめた。
その中の一人の少女が、ナイフを振り回していたので、それをとめた、、さすが中村巡査部長であった。
そして,落ち着かせてから添田警部補が事情を聴いた、、、理由は不良少女たちの縄張りがどうのこうのであり、、売春行為でもめていたのであった。
彼女たちには売春による売り上げが、縄張りによっては客の取り合いがあるようなのだ。
添田警部補によれば、、「ふざけるな、、他人の土地で、、しかも売春だよ、、何が縄張りだと言いたい、、」のであった。
その個人的な感情は抑えて、警察仕事をした。
彼女たちを管理しているのは「反ぐれ集団、紅グループ」であり、、売春管理元はひとつであった。そこで応援を呼んだ。
その場の喧嘩していた全員を補導した。「売春取り締まり」で、、そして、詳しく取り調べて、今回は「反ぐれ集団紅グループ」と、それらを管理している「組織暴力団」の捜査まで食い込んでやろうと、、浜野内班長警部は燃えたのであった。


6)浜野辺警部班長は燃えた。

毎日、荒木警部補の話を聞き、添田警部補の報告を聞いているうちに、浜野内警部班長は腹が立ってきたのだった、、二人の警部補と二人の若手巡査部長が張り切って、新宿歌舞伎町管内を巡回して、取り締まりを繰り返しても、検挙できるのは末端の雑魚ばかりだった。
それでも立派に社会には貢献してはいるが、、おおもとで胡坐をかいている、組織やくざたちを許せなかったのである。。。なんとしても、、竈の火を消さないと、、煮だったお湯は焼けどを繰り返すのだった。
そこで、浜野内警部班長は部下の捜査員全員で相談をしたのであった。
特にベテラン刑事の平松権兵衛捜査員には、いいアイデアを期待したのだったが、、それは外れた。
彼は経験は豊富であったが、新宿歌舞伎町に慣れ過ぎというか、なれ合いに染まってしまっていた。
刷新的なアイデアは若手巡査部長たちの方が、その考え方はユニークであった。
不良グループに潜入スパイを潜り込ませるとか、、、軽い罪の不良たちを許す代わりに情報屋に仕立てるとか、、極端な話は「国家権力」を盾にとって、拷問に近い脅しをかけて、白状させるとか強硬な考えまで飛び出した。
浜野辺警部班長は聞いていて、どれもいいアイデアではないように思われたが、意見が無いよりはましだと考えた。
二人の女警部補は、裏付けというか「証拠固め」のための、、絶対的な証拠がほ欲しかった。
そのためには、「違法捜査」ではあるが、、若手巡査部長たちが言っていた「潜入捜査員」を送り込んだ方が早道ではあるという結論が出たのであった。
危険ではあったが、、その方法をとることにしたのである。
浜野辺警部班長は全国の女囚刑務所の中から、気骨があって、度胸も備わっていて、、頭脳明晰な模範囚を二人、選んで来たのであった。
危険な賭けではあったが、、浜野内警部班長は自分の警察官生命をかけたのである。
浜野内警部班長は警視庁刑事部長「大前田総一郎警視」の許可をもらっての行動であった。
そして、浜野内警部班長は若手の杉田巡査部長を連れて、九州佐賀刑務所へ向かった。まずは暴行障害の懲役に服している「御影京子20歳」を迎えに行った。
始めた有った浜野内警部は、、静観な狐顔をしたいい女だったので、直観ではあるが気にいった。
そして、佐賀刑務所を出る時にも、、「いいんですか、、手錠をはめないで、、」と、、刑務所担当係りに云われたが、、、「ああ、、いいよ、、心配しなくても、、」と、、豪快な笑いが出たのであった。
もともと、浜野内警部は男勝りの女刑事であった。
行動そのものが男ぽっく、大胆であったのである、、、性格的に一目見て信用できると思えば、どこまでも信じ、騙されるまで付き合うのであった。
そんな彼女の性格を知った上での登用であった、、警視庁刑事部長「大前田総一郎」は彼女の父親を良く知ってもいたので。
一緒に行った杉田巡査部長も心配そうに「大丈夫ですか、、、」とっ言ってきたが、笑い飛ばした。
帰りの新幹線の中で、、御影京子に対して「あんた、、お昼の弁当はなにがいい、、」と、聞いておいて、、「そうだ、自分で好きな弁当を買ってくればいいと、、」と、、お金を渡した。
そして、「私の弁当も買って来てくれ、、、肉がいいな、、、」と、、一人で行かせたのであった。
御影京子は二つ弁当を買って戻って来た。
それを見た杉田巡査部長は「凄いな、、、」と感心したのである。
帰りの新幹線の中では、まるで母娘のような感じで東京についた。
そして、東京駅に迎えに来ていた平松権兵衛刑事と荒木警部補に、御影京子を預けて、その足で栃木刑務所に向かった。御影京子を手配しておいたワンルームのマンションに連れていく指示をだして、、、
同じように栃木刑務所からも障害暴行の刑で服している「白鳥恵子」を連れて、浜野内警部は戻った。


7)浜野内警部は大胆な潜入捜査を指示した。


浜野内警部班長は全国から選んで連れて来た女囚二人を一日だけ特訓したのであった。
頭のいい、悪女である二人の女囚の、、御影京子と白鳥恵子は呑み込みも早かった。
「ねぇ、、警部さん、私らを信用して大丈夫なの、、途中で屯ずらしたらどうするの、、私ね、、あんたには義理も恩もないから、逃げるよ。。」と、言い出した
すると、、もう一人も「私なんか、、鼠とりが鼠になるよ、、、面白いもの、、、新宿歌舞伎町だもな、、天下の歌舞伎町だ、、、薬も手に入るしな。。遊んじゃうよ、、きっとな、、
まるっきり、警部さんの言うとりにはならないけど、、いいの、、」
と、、二人とも今から、遊びに行く気分であった。
浜野内警部班長は平然として云った。。。
そして、、「好きなようにするといいよ、、、私はそんな軟じゃあないからな、、お前らを信じることにしたから、、、一度決めたら、どこまでも一緒だ、、、、あはあはあはっ、、」と、笑い飛ばした。
二人の女囚は驚いた、、「たまげたな、、あはあはは、、そこまで信じられたら、、やるしかないな、、、私は引き受けたよ、、、」御影京子は承諾した。
すると、、白鳥恵子も「面白そうだ、、やってみるか、、」と、、然し、、「まずく成ったら、私は逃げるからね、、命あってのものだからね、、」と、、やることにしたのであった。
二人の女囚の御影京子と白鳥恵子は新宿歌舞伎町の夜の雑踏に消えたいった。
歌舞伎町の闇は深かった。
浜野内警部班長は心配する部下たちを気遣いながら、、夜の巷に消えた行った二人の女囚を信じて待つことにしたのであった。
ネオン輝く街並み、彩る女たちの夜の蝶が羽ばたく歌舞伎町に、今夜も散るであろう花弁を、どれだけ救えるかと、巡回する「紙風船」であった。
そんな潜入捜査を進めながら、荒木警部補チームと添田警部補チームは、夜の街なみを、、公園のベンチに寝てはいないかと心配しながら、歩き廻っていた。
僅かに残る街路樹の木々の葉が風にそよぐのを見ては秋が深まってきたことを肌で感じながら。。頑張る「紙風船」であった。


8)潜入捜査の御影京子から連絡が入る、、

新宿歌舞伎町の暮れも押し迫り、、街路樹に木枯らしが吹きあたり、落ち葉もなくなった、そんな夜に潜り込んだクラブ「花弁」の御影京子から連絡が入った。
連絡内容は、「売春現場」を見つけ、その仕組みを明るみにしたので、一度,下見がてらに来て欲しいと言ってきた。
場合によっては、その時に現行犯で、売春元の主犯格やくざを挙げてもいいのではないかと言ってきたのであった。
浜野内警部班長は考えた、、「やるなら、、一気に潰したいので、、」と言って、警視庁特別警察官の「響竜子警部補」を行かせたのであった。
潜入捜査の更に潜入捜査であった。
御影京子を疑うわけではないが、、更に念押しをしたうえで、がさ入れに入ろうと決めたのであった。
寒い冬空の暑い戦いであった。
新宿歌舞伎町は女の闘いで燃えたいたのである、、黒い闇夜に赤々と、、、
そして、御影京子がクラブ「花弁」で、売れっ子になり、、そのクラブを経営している「新宿花園会の若頭、花岡寿」に気に入られていたのだった。
危ない賭けでもあった。
御影京子は半年をかけて、新宿花園会に食い込んでいた。
そして、、男と女である、、売春の仕組みを知ることが出来たのであった。
そこで、更に警視庁特別捜査官の「響竜子」が更に潜り込んだのであるから、、浜野内警部班長はしたたかであった。
そして、確証を掴んで、浜野内警部班長は、警視庁特別機動隊を引き連れて、新宿花園会本部の事務所に乗り込んだ。
有無を言わさず、、がさ入れだった、、「銃刀法違反での検挙」「売春防止管理法違反」や。「反ぐれ集団紅グループの覚せい剤密売」などの一斉検挙で、新宿花園会の花岡寿若頭を始め、数人の幹部連中を連行して留置したのであった。
浜野内警部班長はこれで、売春組織の一角を潰すことは出来たと確信した。
まだまだ、、その他の指定暴力団が仕切る犯罪組織は多い、、気は抜けなかった。
更に、捜査方法は手段を考えないと、、、思う浜野内警部班長であった。
そして、もう一人の潜入捜査の「白鳥恵子」の連絡を待ったのである。
浜野内警部班長は年の瀬も押し迫った、新宿歌舞伎町の夕暮れを独り歩きながら、枯れ葉舞い散る街並みを、、、この花街を守ることの難しさを冬空の星屑を見つけるより難しいと思ったのであった。


9)潜入捜査員、「不良女囚、白鳥恵子」


浜野内警部班長が送り込んでおいた潜入捜査の「女囚白鳥恵子」は新宿歌舞伎町で女不良番長になっていた。関西からの流れよたくれ女として、名前を売っていたのであった。
当然のことに。反ぐれ集団「紅グループ」に目を付けられて、もめた挙句に。
そして、歌舞伎町で女番長にのし上り、、歌舞伎町のネオン街を闊歩して歩いていた。
証拠の裏付けを執るために、、覚せい剤の密売にも関わっていったのであるが、、白鳥恵子は、潜入捜査でやってはいけない、、情を絡めてしまい、、同じ田舎「福島」から出て来た少女を助けて、逃がしたのであった。
それが、反ぐれ集団のリーダー、青木次郎にバレて、リンチをされたのであった。
グループでの掟ともいうべき、決めごとを破ってしまい、、わからない筈の少女を逃がしたことが、反ぐれ集団の中でしのぎを争っていた、別女番長グループにチクられてしまったのであった。
裏切りに対する見せしめともいうべきリンチはきつかった。
大概の拷問には平気であった白鳥恵子も,、根を挙げそうになったのであるが、、逃がしたはずの少女が戻って来た、助けてくれたのであった。
もともと悪の女囚の白鳥恵子も黙っては居なかった、新宿警察署の浜野内警部班長に連絡する前に、リンチをしてくれた、、反ぐれ集団の青木次郎リーダーと、同グループの別不良女番長「矢島洋子」に報復をしたのであった。
女囚白鳥恵子は暴力的な残虐をしての服役であったから、、歌舞伎町で女不良グループを集めて反撃に出たのであった。
男も女も喧嘩すれば、、道具をもってすれば女も強かった。
新宿歌舞伎町のネオン街で、集団でリンチをすれば、ビルの合間の出来事だから目立たなかった。
その喧嘩様子を、白鳥恵子は浜野内警部班長に連絡をとり、、一斉に検挙させたので
有った。。。頭脳的な反ぐれ集団のリーダー青木次郎の逮捕であり、、女不良グループの摘発であった。覚せい剤の密売も暴かれて、反ぐれ集団茜グループの解体に繋がった。
浜野内警部班長の潜入捜査摘発は上手く行ったので、、違法捜査ではあるが、青少年を守るために、、社会悪の毒我退治にはいいような気がした、浜野内警部であった。


10)秘密警察組織を創る。。。


浜野内警部班長は進言をした、、、今回の潜入捜査による成果を、、そして、覚せい剤密売組織撲滅には浜野内警部班長が計画した、女囚犯による秘密裏に行った捜査が組織やくざの一部を壊したのであった。
その結果を管理職である、警視庁刑事部長「大前田総一郎」に相談をしたのであった。
「危険すぎると反対をされたが、、」浜野内警部の熱意に押し切られて、承諾をしたのだった。
浜野内警部はせめて、自分が管轄する新宿警察署管内だけでも、彼女は「秘密警察」なるものを創り、覚せい剤密売や売春から若い少年少女を守りたかったのであった。
新宿歌舞伎町の夜の街で、、反ぐれや組織やくざの資金源に利用されていると分かっていながら、阻止できない悔しさを味わってきた警察であった。
そして、そのことを知ってか知らずか、、肩で風切る無法者を許せなかった。
浜野内警部班長であった。
「秘密警察」組織から得た情報をもとに、、荒木警部補や添田警部補たちが巡回や捜査がやり易い環境を確立したかったのである。
今一歩のところで逃げられた、犯罪を阻止して、悪行が蔓延る世界を少しでも無くしたかったのであった。
今回の御影京子や白鳥恵子が任務遂行して、、浜野内警部班長の元に帰ってきた時に、心の底から感謝した。「ありがとう、、二人ともお疲れさまでした、、これで、あんたらは自由の身だからね、、自分の好きな道を歩けばいい、、本当にありがとう、、」と、、二人が無事に戻ってくれたことを喜んだのだった。
二人は意外とけろっとしていた、、「良いよ、、そんなに頭下げなくても、、」と京子は言ってくれた。そして、恵子も「結構、楽しんだよ、、こっちこそありがとう」
と、、笑顔を見せてくれた。
「案外さ、、人の為になるって思いながら、悪さをするのも、なかなかいいもんだな、、」と、、云いながら、二人で相談したのかも知れなかっが、、、
「班長さん、、暫く、警察の真似事してもいいかな、、これといって、やることもないから、、手伝うよ、、」と、言ってくれた。
浜野内警部班長はこの二人なら大丈夫だと確信したのだった。
そして、、浜野内警部は休暇を取り、二人を連れて骨休みを兼ねて、温泉旅行に出かけた。
二人も喜んでついてきたのだった。浜野内警部班長は二人の頼もしい「秘密警察官」が出来たと嬉しかった。
寒い冬も終わり、心地よい春風が吹く、、日光の温泉街を歩く3人の姿があった。

11)女囚探し、、、全国の刑務所へ。

春風がそよぎ、、桜の花もつぼみが大きく膨らみ、桃色の淡い花が開くのもまじか、中禅寺湖畔を散歩しながら、浜野内警部は呟いた。
湖畔を渡る波風が清々しかった、、、「京子、、恵子、、今回は本当にご苦労様でした、、あなたたちは凄いよ、、本当は素敵な女(人)だったのね、、、よかったら、これからも付き合ってほしいな、、」と、、云いながら、二人の素敵な悪女を眺めていた。
「一度は捨てた女だから、、チャンスをくれた班長には感謝してるよ、、、素敵な楽しい人生をありがとう、、」と、いう、、御影京子だった
白鳥恵子も、、「私みたいな、、世の中のはみ出し女を信じてくれて、ありがとう、、私も楽しかったよ、、、」笑みを浮かべてた。
そして、自由の身にはなったが、、自分たちと一緒で、、中途半端なやさぐれ人生を歩いている奴らを救ってやりたいと思い、、これからも、浜野内警部の唱える「秘密警察」とか、、云い組織で動いてもいいと、、承諾をした二人であった。
春うらうらの東武東急電車で東京浅草に戻った二人は、、雑踏の中に消えて行った。
連絡は常に浜野内警部班長に直接取ることで、、二人の「女囚秘密捜査員」は東京の巷を徘徊し始めた。
浜野内警部班長に連絡が取れない場合は、、新宿警察署風俗取締り課の平松徳兵衛刑事に連絡をすることにしていた。
浜野内警部班長は、更に、全国の女囚から、、秘密捜査員にするための、女囚候補者を絞って、選んでいた。
そのために、全国の女囚刑務所を訪ねた。広島刑務所の青少年育成施設から、一人の女囚を見つけた面接をしたのであった。
集団強盗の一員であったが、、その責任の取り方の潔さと、、腕っぷしの強さに目を付けたのであった。運動神経も抜群であり、、頭脳テストも群を抜いていた。
名前は「海道八千代」であった。
そして、もう一人は仙台刑務所の障害で服役していた、、「大鳥竜子」であった。両親に早く死なれて、里子に出されて、15歳から流浪の旅をしていた不良少女であった。流れ着いた先が的屋の貸元の家であったために、「女的屋」の修行をしていた。
その家業のいざこざから出入りになり、、女だてらに斬りこんで、怪我して、挙句の果てに逮捕された女極道であった。
そんな二人を、浜野内警部班長は東京へ連れてきたのであった。


12)女囚「海道八千代」「大鳥竜子」が秘密捜査員に、、、

浜野内警部班長は新宿歌舞伎町から「覚せい剤密売」「売春」を殲滅するために、新たな潜入捜
査を計画していた。
新宿歌舞伎町の街並みに、さわやかな春風が吹くような、誰もが安心して楽しめる街にしたかったのである、、日本の町は何処へ行っても、濁った風は吹いているが、、せめて、女の涙風が吹かないような、、健全な街並みにしたいのだった。
そのために、、どんな小さなことでも努力をしていきたかった。
そして、荒木由美警部補チームも添田真澄警部補チームも歌舞伎町の巡回、捜査摘発を日々、努力していた、、更に、秘密捜査員の御影京子も大鳥恵子も悪行退治のために地下組織に潜入していたのであった。その上に秘密捜査員を二人増やしたので、浜野内警部班長はその管理で忙しかった、その補佐役をベテラン刑事の平松権兵衛が補っていた。
平松権兵衛刑事は警察組織内のことも、新宿歌舞伎町の事も知り尽くしているので、浜野内警部班長は助けられていた。
彼は出世欲もなく、、黙々と刑事生活を送ってきたので、冷静に物事を判断できる男であった。
そんな体制を敷いている、新宿警察署風俗係に、秘密捜査員の「大鳥恵子」から連絡が入った。その日は浜野内警部班長が法事で、北海道に帰っていたので、平松権兵衛刑事が対応した。
新宿歌舞伎町には「反ぐれ集団紅グループ」とは別に、、指定暴力団「関東連合会」の傘下の
「反ぐれ集団があって、それらの勢力争いも激しかった。
彼らの資金源である「覚せい剤の密売」は鎬を削っていたのだった。その、縄張り争いは日ごとに起きていた。
その争いに関して、秘密捜査員の大鳥恵子が情報を入れてきた。
新宿警察としても、その都度、取り締まることは大事であったが、覚せい剤密売の取り引きが、まとめて行われるという事実を知ったので、連絡を受けた平松権兵衛刑事はすぐに、浜野内警部班長の了解をもらって、警視庁本部に連絡を入れた。
そして、その取引は未然に防ぎ、関係した「反ぐれ集団橘会幹部」や立ち会った「関東連合会」幹部やくざ数人を検挙出来たのであった。
足がかりを付けた警視庁麻薬対策課が、それらの組織の撲滅を計った。


13)新宿警察署風俗係の荒木警部補チームを助ける大鳥竜子

覚せい剤や「あんぱん」を使用して、幻覚症状を起こしている不良少女グループに絡まれて、歌舞伎町の裏通りに曳きづり込まてた、荒木警部補チームの二人が警察官にも関わらず、暴行を受けていた時、、
極道崩れの女囚「大鳥竜子」に、助けられた。
「こら、、てめぇら、何晒してんねぇ、、、辞めんか」と言って、不良少女たちを蹴散らしてきた、女番長がいた、、、いかにも極道ねぇーちゃんみたいだった。
10人ぐらいいた不良少女たちはたじろいた。
「お前ら、、まっぽをいびって、どうするんね、掴まるのがいいとこだろ、、くだらん、辞めときゃ」
と言って、「それより、、お前ら、歌舞伎町でとぐろ巻いているんなら、もっと、金になることせんか、、」と、、云いながら、不良少女をまとめてしまった。
、不良女たちを連れて、ネオン街の闇に消えていった。今、新宿歌舞伎町で売り出し中、、
「大阪の龍」という女番長だったのである。
浜野内警部班長が潜り込ませた「女囚秘密警察官」であった。
荒木由美警部補と杉田巡査部長は急場を救ってくれた、、二人とも武道は有段者であり、決して不良少女たちに劣っては居なかったが、、女子供相手では状況が悪かったので、辛抱していた。
そして、二人は救ってくれた女極道のような女番長が「女囚秘密警察」とは知らないのであった。
そのころ、浜野内警部班長が新しく、ネオン街のクラブ「花美」に潜入させた、街道八千代は夜の蝶に紛れて羽ばたいていた。容姿健美な海道八千代は、源氏名を「さゆみ」と名乗り、男好きのする顔で男を酔わせたいた。
そのクラブ「花美」で瞬く間に、ナンバー1に追いつく売り上げを挙げる女になっていた。
毎夜、通ってくる助兵衛な男蜂からちやほやされていた。そんな女、街道八千代に目を付けたやくざがいた。新宿に巣くうやくざ組織「中道狂人会」という、武闘やくざ集団の大浜参与部長という男だった。凶暴でいったん怒ったら、相手を殺すか片和になるまで殴り倒すような大男でもあった。
そんな危険な男に目を付けられたのでは、不味いと思った、街道八千代であった。
頃合いを見て、、消えた方がいいと、、女の勘で思えたのである。
そんな二人の「女囚秘密捜査官」の身の危険も察知したので、守らなければならなかった、浜野内警部班長は気の休まる暇はなかった。
今夜も歌舞伎町には色とりどりの夜の花が咲き、、そして、散っていくのだと思うと、、寂しい街だった。


14)女囚「御影京子」組織やくざに正体がバレる

潜入捜査してた女囚「御影洋子」が、やくざ組織の懐深く入り過ぎたために、その組織の幹部「服部五郎」に、その正体がバレたのであった。
服部五郎は関東連合会櫻木会の中でも知恵者で通り、会長二階堂譲三の信任が厚かった、、次期若頭の出頭候補で有った。
そして、新宿歌舞伎町に乱立する組織暴力団の中でも、巧妙さでは群を抜いていたのである。また、経営する高級クラブ「花の園」は、監理売春でも有名であったが、掴まるようなミスはしていなかったのであった。
浜野内警部班長も何度も試みたががさ入れは失敗していたので、、女囚御影京子を、高級クラブ「花の園」に潜入させていたのであったが、
服部五郎に見抜かれ、組織やくざの事務所内に監禁されてしまっていた、、そして、拷問を受けた。
その話を、後から潜入した女囚「白鳥恵子」が知り、、浜野内警部班長へ連絡をしたのであった。
それを知った浜野内警部班長は関東連合会櫻木会事務所に乗り込んだ。
なにがなんでも助けないと、、自分の命に代えても救出しなければならないと、、腹を括って、部下の杉田巡査部長と中村巡査部長の猛者を引き連れて、、服部五郎を目掛けて飛び込んだ。
そして、強引に銃で威嚇射撃して、服部五郎を捻じ伏せた、、、
「この野郎、、舐めるなよ、、監禁した女を出しな、、、」
「捜査令状だと、、ふざけるな、、手前のような屑には、関係ねえ、、」
と、、威嚇どころか、脚に銃弾を撃ち込んだのであった。
服部五郎が悲鳴のような声で叫んだ。
「助けてくれ、、警察がこんな非道をしていいのか、、」と、、、
浜野内警部班長は、、「何がたすけてくれーだ、、この下種野郎、云わないと、、殺すぞ。。」と、、云いながらに二発目の銃弾をもう一方の脚に打ち込んだのだった。
服部五郎も浜野内警部の鬼のような形相に肝を冷やして、、
呻くような声で、、「誰か、、奥の部屋の女をつれて来い、、」と、命令をしたのであった。
御影京子が血だらけになって、連れて来られた。
すぐに、杉田巡査と中村巡査が近づき、ぐったりした御影京子を支えたのであった。
その姿を見た浜野内警部班長は腹の底から怒りがこみあげて来たと同時に涙が何故か溢れた。
そして、浜野内警部班長は、服部五郎に銃弾をこれでもかと打ち込んで殺したのであった。
更に、事務所内にいた「関東連合会桜木会」全員を皆殺しにしたのである。。
それを見ていた杉田巡査と中村巡査は恐怖を覚えた。
ぐったりした女囚「御影京子」を病院に連れて行ったが、、彼女は意識が無くなっていた。
新宿総合病院で手当てがすんで、病室のベットに、、、その横顔は拷問を受けた彼女にしては清々しかった。
浜野内警部は、、「すまない、、ごめんな、、京子、、許してくれ。。」と、、御影京子の無事を祈った。
「京子、、死ぬなよ、、生き延びてくれ、、頼む、、」と、、願いながら、京子の病室から離れられなかった。
一緒に日光へ温泉旅行に行った、「白鳥恵子」も来てくれた。


15)女囚秘密捜査員「御影京子」療養に、、、

関東連合会桜木会の本部事務所に乗り込んだ、浜野内警部班長たち3人は、御影京子を救い出して、覚せい剤密輸関係の服部五郎幹部やくざたちを殲滅したが、その見返りに受けた、
御影京子の拷問の傷は大きかった。
浜野内警部の心は痛んだ、、「すまなかった、、京子、許してくれ、、もう少し早く、助けだすことが出来なかったと、、」後悔した。
今は、御影京子が元気になってくれることだけを願った。
そして、女囚秘密捜査員「白鳥恵子」が、病院に駆けつけてくれたので、浜野内警部班長は頼んだのだった。
「恵子、、関東連合会桜木会の潜入捜査は中止して、、京子についていてやってくれ、、
それから、完全に回復するまでの間、療養中もや頼むな、、」と、、頼んだのであった。
「分かった、、任せておいて、、」と、、京子の身を心配してくれた。
その後、浜野内警部班長は、新宿警察署風俗係を挙げて、関東連合会桜木会のガさ入れを行い、、変わったばかりの櫻木会の櫻木太蔵会長を「暴行教唆」や「麻薬取締法違反」更には「銃刀法違反」などで検挙したのであった。
関係幹部やくざ連中の事務所も方端から、浜野内警部班長は無茶とも思える捜査検挙を行っていった。
傍から見れば、国家暴力の暴走とも取れた、、彼女から言えば悪くいえば「報復」であったような、、、そんな風評はお構いなしだった。
そんな行動に、白鳥恵子は嬉しかった、、自分のような女囚の為に命を掛けてくれたことに感謝したのだった。後でその話を聞いた御影京子も、嬉し涙を流した。
そして、今、歌舞伎町の潜入捜査をしている、、
「海道八千代」と「大鳥竜子」にも連絡をとり、、「中道狂人会」の大浜参与には十分気を付けるようにと指示をしたのだった。
今までの組織やくざの中では武闘派で危険すぎるので、深入りをしないように念を押した。
なるべく早く、引き揚げるようにと、、
確かに潜入捜査は成果を上げてはいるが、今回の御影京子を見ると、、やはり、危険すぎたと反省する浜野内警部であった。新宿歌舞伎町の夜のネオン花も、気持ちではあるが、濁った花が綺麗になったような気もしたのであった。
今年の夏こそは古き時代の打ち水が似合う街並みなって欲しいと願うばかりであった。


16)女囚「海道八千代」と「大鳥竜子」の働き

新宿歌舞伎町で最も武闘派で、悧巧な商売をしているのが「中道狂人会」であり、、その陣頭指揮を執っているのが大浜五男参与部長であった。
思いっきりがよくて、ことが起きた時の後始末がいいのである、、、証拠をすべて消滅させてしまうのである。早い話が、この世から消してしまうのであったから、、彼には「もったいない」の心がないのであった。
どんなに自分が必要であっても、「まずい」「やばい」と思ったもの、、思った人間は切り離し、処分してしまうのである。言い換えれば「冷酷無比」というか「残忍」な男であった。
「間違いました、、、許してください、、、勘弁してください」は無いのである。
それを知っている人間は、謝る前に逃げ出していた、、然し、どこまでも追いかけて始末するのであった、、、睨まれたカエルのごとくであり、、逃げた者に対しての処刑は「残酷残忍」であった。
そんな男が経営する、高級売春クラブ「花美」へ、潜入捜査で潜り込んだ,海道八千代と大鳥竜子の二人に、なぜか不安と危険を感じた、浜野内警部班長は引き上げの指示を出したのである。
以前より、潜入捜査員の女囚の彼女たちを守るために警視庁特任課の「響竜子警部補」を潜り込ませたいた浜野内警部であった。
そして、響竜子警部補から連絡があり、、中道狂人会の大浜参与部長の動きが可笑しい、、二人の女囚秘密捜査員が「危険だと、、、」
それで、、浜野内警部班長は二人に指示を出したのであった。
海道八千代は間に合ったが、、大鳥竜子はすでに、大浜参与部長たちに拉致されたあとだった。
「まずい、、、」と、思い、単身で浜野内警部班長はクラブ「花美」に急いだ。
そして、、クラブ「花美」はオープン前だったので、クラブ事務所に大浜参与部長は数人の配下を従えて、大鳥竜子を拷問にかけようとしていたところだった。
一糸まとわぬ白鳥竜子は天井から下げたロープで吊るされていた。
「やめろ、、、てめーら、、ぶち殺すぞ、、」と、、云いながら、浜野内警部は自摸の通りに、拳銃を撃ちながら、大浜参与部長に、、云うなり銃弾を撃ち込んだ。
廻りにいた数人のやくざ達にも銃弾を放った。
大浜参与部長も撃たれながら、、浜野内警部班長に撃ち返したのであった。
彼女も慌ててきたために防弾チョッキを付けていなかったので、撃たれた、、しかし、怯まずに、大浜参与部長に、、「この野郎、、」と、云いながら行き根が止まるまで打ち込んで、
彼女も倒れた。
銃撃戦が終わったところに、、潜入捜査で潜り込んでいた響警部補が飛び込んで来た。
「浜野内警部、、、しっかりしてください、、、大丈夫ですか、、」と、、抱き起すと、、
「大丈夫だ、、大鳥竜子をおろしてくれ、、頼む、、」と、、云いながら、響警部補に指示をしたのだった。
下ろされた大鳥竜子は浜野内警部に近寄り、、「班長、しっかつしてください、、」と、、云いながら、抱き着いて泣きじゃくった。
「班長、、死なないで、、起きてよ、、」と、、自分の姿より、浜野内警部を心配したのだった
その後の処理は響警部補がてきぱきと片付けた、そして、、救急車もすぐに来て浜野内警部は警察病院に運ばれた、白鳥竜子は付き添っていった。
中道狂人会は監理売春法違反、麻薬取締法違反、銃刀法違反、暴力教唆違反などで、多数の逮捕者が出て、、解散までに追い込まれたのであった。
今回の浜野内警部班長の活躍で、新宿歌舞伎町の夜の巷は。かなり静かになった。
しかし、悪行の栄える夜のネオン街は、また、そのうちに濁るのであろうと、、繰り返し繰り返し人は、悪を好んで蜜を吸い求めてやってくるから不思議だ。
浜野内警部は危機一髪で有ったが、一命を取り留めたのだった。
ある晴れた春の陽に、、怪我をした浜野内涼子が4人の女囚と言われた女たちと、中前寺湖の水辺の洒落た山荘にいた。
浜野内涼子は銃弾で撃たれ、下半身麻痺を起こして、車いす生活になったので。
警察を辞めて、、4人の女囚と山荘経営を始めたのであった。
湖畔には5人の笑い声が響いていた。


17)女囚と共に。。。。

浜野内涼子は清々しかった。車椅子の生活になったが、素晴らしい女性4人に囲まれていた。
人は悪女というけれど、この世で最も素晴らしい彼女たちであった。
浜野内涼子の人生は悔いのない、、充実した日々を過ごし、、今また、悔いのない人生を歩いていた。
小さな山荘ホテルだけど、娘たち4人に恵まれた、いつも笑いの絶えない、日々を楽しんでいた。
そんな、ある日、嬉しい客が来てくれた。
新宿警察署の風俗係りの連中と、、昔の仲間が揃って、顔を出したのであった。
退職した平松権兵衛さんと、、新宿警察署風俗係りの班長に出世した響警部補が、警部に昇進して、二人の荒木警部補と添田警部補を連れて、、、
風俗係りも捜査員が増えたので、揃って来られたのであった。
杉田巡査と中村巡査は今回は来られなかったが、次回は参加したいということで。。。
「浜野内警部、、班長のお陰で、みんな元気です、、そして、逞しく成長しましたよ、、ありがとうございました、、、」と、、響警部は深々と頭を下げた。
「みんな、浜野内警部の働きで、新宿歌舞伎町も大分、静かになりましたよ、、それを持続したいとみんなで頑張りますから、、見ててください、、
更に、4人のあなたたちの働きは素晴らしかったわ、、本当にありがとうね、、」と、、4人の元秘密捜査員であった彼女たちに礼を尽くした。
そして、その晩は楽しい食事会になり、、それぞれに歌舞伎町の街を懐かしんだのだった。



























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