托鉢、旅の果に

献残屋藤吉郎

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野良犬物語

野良犬物語

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短編小説「野良犬物語」原作者 献残屋藤吉郎

第一話「野良犬の遠吠え」

第二話「探偵物語」

第三話「特務員」

第四話「迷探偵柳生幸次郎」


〇「第一話」野良犬の遠吠え

1.ぼやき探偵登場

東京の下町,王子の駅前路地に事務所を構えている、探偵「大光寺大洋」は35歳で、警視庁捜査一課のエリート刑事だった。

しかし、ある大物政治家の贈収賄事件で誤認捜査の結果責任を取らされて、辞職した。

熱血刑事であったが、あまりにも走りすぎて、大きなミスをしたのであった。

余りにも理不尽な警察の対応にあきれて、自分から警察を見限ったような。。。

そして、野に下り、探偵事務所開いたのであった。

大光寺大洋は世の中の悪事を取り締まり、安心した国民生活を送るために、警察は必要だと信じていた。

しかし、京都大学を卒業してから警視庁に就職した。そして、正義感に燃えていた、大げさに言えば、自分一人で世の中の不正に立ち向かっていたような気がした。

大学を卒業してから、警察官僚の道を歩んでいた。13年間、疑いもしないで不正に、悪時に立ち向かい、犯人検挙、事件解決に努力してきたのであった。

しかし、3年前に起きた贈収賄事件で、談合を見つけ、捜査をしているうちに不信に、不合理に気が付き追及していったら、捜査途中で警視庁上層部から突然「捜査打ち切り」の指示が出た。

大光寺大洋警部補は、捜査を担当していて、最終的責任者の逮捕までたどり着いていたのであった。

第一土木建設株式会社の不正入札を追い詰め、証拠固めをしている最中であった。

それを突然に、捜査中止の命令が出され、特捜班は解散させられた。

その捜査の中心的位置で、指揮を執っていたので、大光寺大洋警部補は上層部に食いついていった。

その結果、責任を押し付けられ、出世コースから遠く外されて、地方警察に転勤命令が出たのであった。しかし、大光寺大洋は意に従わず、退職したのであった。

そして、探偵事務所を開いた。当初は仕事もなかったので、自分が手掛けた談合、贈収賄事件を調べてみた。性格上、納得いくまでやり遂げることを旨としていたのであった。

そして、捜査中止が出た事件であったが、その後に面白い展開を見せた。


2.事件開帳

大光寺大洋は仕事がまだ依頼されていなかったので、自分が最後に担当した贈収賄事件を調べてみた。あと一歩で、大物政治家党幹事長の水野忠助の逮捕までこぎつけながら、捜査中止になった経緯を突き詰めてみた。

何処で、誰が、誰の命令で中止になったか、ひとつひとつ、当時の捜査資料を追ってみた。勿論、正式な捜査資料はなかったが、自分の捜査手帳と自分の知ってる限りの記憶をたどってみた。

捜査は警視庁特別捜査班の責任者までは、資料がすべて上がつていた。そして、特別捜査班では担当刑事が、もう少しのところまで、証拠をそろえていた。

大光寺大洋、当時警部補たちが贈収賄側の第一土木建設株式会社の担当経理課長を追及して承認を得るまでに至ったが、警視庁特別班に向かう途中で事故に遭い、入院してしまった。かかり」
その後、経理担当係長の堤三郎は口を閉じてしまった。二度と証言は取れなかった。

その事件があってから、警視庁刑事部長の鈴木一郎から担当捜査班に捜査中止の命令が出されたのであった。

大光寺大洋は担当上司を通して、警視庁上層部に申し建てをしたが無駄だった。そして、退職にしたのであった。

退職した後も、大光寺大洋はしつこく、仲間や関係各所を調べて歩いた。そんなある日、彼は暴漢に襲われた。

自宅アパートでの睡眠中のことで、暴漢二人に殴る,蹴るを繰り返して襲われて、大けがをしたのであった。

ろっ骨に罅が入り、片足を折られてたのであった。救急車で運ばれて、2か月入院した。

その後は方法手段を考えて行動しようと思った。

しかし、事件を経験してから彼は燃えた。必ず、彼らの悪事を暴いて、世の中にさらしてやると。。。。。

半ば、社会悪に足して復讐をしてやると血が燃えたのであった。



3.燃える大光寺大洋

入院生活を終えた大光寺大洋は2か月振りに実家に戻った。

実家は京都府の丹波で、山々に囲まれ、丹波栗の産地で田舎風情の漂う村であった。

久しぶりに会う家族とともに、のんびりと体を癒した。一日中、田舎道を散歩したり、ゆっくりお風呂に入ったり、日当たりがいいので日光欲をしていた。

三度の食事付きで、たっぷり両親の愛情に触れて、このまま田舎暮らしをしようとか思ったが、、、、

身体の調子もよくなり、精神的にも元気を取り戻した大洋は

東京に戻って、やり残したことを仕上げようと考えだした。

大洋の性格では我慢が、辛抱ができなかつたのであった。

自分なりの独自の捜査をしている途中で、暴漢に襲われ、捜査を諦めることは出来なかった。

復讐ではないが、やられぱっなしでは気が済まなかった上に、暴力で屈服させれば、身を引くと、黙ると思われることに我慢ができなかった。

そして、体調も良くなり、気分もよくなったので、東京へ戻った。

大洋は世の中の反勢力、社会悪を、悪行と思わずに活動している連中と戦うには、自分の住まいを砦化して、寝ていて襲われても助かる方法を考えた。今回の狙撃を考えてのことであった。

これからも、反勢力や権力者と戦っていくには防御態勢も作っておかないと、、、、

東京に戻った大洋は、まず、砦化するにふさわしい住まい探しをした。

そして、大洋の希望条件に合う古いビルを見つけた。以前は鉄工所の工場であったが、2階が事務所兼住まいだった

今は後継者がいなく閉鎖しており、その所有者と会うことができた。

出来れば買い取って欲しいということだったが、資金的に足りずに借りることにした。しかし、所有者の行為により分割で譲ってくれることになった。

そして、大洋は改造に取り掛かった。

初めから砦化するつもりで、堅固に作り、逃げ道も用意して、自分の思うような外見は工場、中身は戦闘可能な要塞に作り上げた。仕上がった自分の住まい、我城に満足した。



4.戦闘開始、、、、大光寺大洋

大光寺大洋は体も元に戻り、社会悪に挑戦するための砦、わが城も用意ができたので、いよいよ行動開始をした。

手始めにすることは、警視庁時代に手掛けていた談合贈収賄事件だった。警察時代は上層部から捜査中止が出たが、今度は何の規制ももなく、自分の思う通りの捜査ができた。

大洋は覚悟していた、必ず、捜査妨害、邪魔が入ると、、、

其のためにも個人生活を知られない方がいいと思い、行動は出来るだけ秘密裏に捜査した。

それでも関係者の捜査になれば、自然に先方、敵方に伝わるはずだった。

今回の贈収賄事件の片割れ、増収側の第一建設土木の係長、堤三郎は自殺してしまったが、その係長周辺から執拗に調査を始めた。

談合贈収賄事件の中心人物であり、影の黒幕でもある、水野忠助を表舞台に引きずり出し、法的制裁をしなければ、大洋は納得しなかった。

世間一般のありきたりの法的判決で済まされてはたまらない。会社を巻き込み、関係者を死に追いこみ、社会的な不正をしておきながら、平然と日常を生活していることに我慢ができなかったのであった。

会社に損害を与え、人の命をうばっても、今もって社会的な権力を保ち、次の経済的悪商をやろうといている、悪ともいうべき人物を放置していては、法治国家の恥である。

だから、中途半端な悪行に対する裁きでは揺れされないのであった。

そのために、大物政治家で世の中の大悪でもある、水野忠助の不正、前からの不正をすべて暴かなくてはならなかった。

そのための証拠固めには、大洋はあらゆるコネを使い、危険をともなつた調査もした。

そして、水野忠助のあらゆる人間関係を調べた、追跡をした。

大光寺大洋は警視庁時代の仲間で、今は警視庁資料室の室長大野雅代からも必要に応じて参考資料を入手していた。大野は警視庁時代から、大光寺大洋には行為を寄せていたので、仕事に真摯に当たっていた大洋を尊敬もしていた。

また、大東新聞の警視庁詰めの社会部記者、高田茂ともいまだに交友があり、時には情報を得ていた。そして、高田茂に迷惑が掛からない程度の連絡をしていた。

そして、警視庁時代の街の情報ごろとも、付き合いを保ち、情報収集をしていた。

大光寺大洋なりに情報を集め、時には尾行、張り込み踏査もしていた。

いろいろな人々から、場所から情報を得ていたので、時には相手仲間に迷惑をかけていた。また、危険負担をしていたようだ。

しかし、何かあつても大洋に愚痴をこぼすような奴はいなかつた。逆に、社会悪に立ち向かっている大洋に協力をしていた。

表立っての力貸しはできなかつたが、陰ひなたで応援してくれていた。

そんなこともあつて、徐々に水野忠助の行状が分かってきて、その中の情報行動には不審な点が大かった。

最近特に金の流れに不審な点が見つかり、その足跡を追跡した。



5.金の流れ、、、女道楽の道が。。。

大光寺大洋はいろいろ情報を集めて、水野忠助に迫っていった。なかでも女好きな水野忠助には隙があるように見えて、なかなかボロを出さなかった。誰が見ても、銀座にあるクラブ「赤バラ」のオーナーは間違いなく水野忠助なのであるが

金の流れ、資金的な不正が見つからなかった。

巧妙に仕組まれているようだった。水野忠助の経理担当の大槻公認会計士がすべてを動かしている。」

そして、すべてが会社経営という名目で代表取締役が違い、それぞれに営業活動をしていた。その資金の流れに不正はなく、まったく隙が無かったのである。

しかし、間違いなく金は流れて、動いている。巧みな経理処理をしていた。

そして、その処理を担当しているものが、水野忠助に関わる金庫番が一人いた。他人との付き合いがない。

そのために水野忠助の金の流用の情報が得られなかった。

また、担当している外山計理士は独身で、仕事以外に、数字以外に興味がなく、数字のトリックに付かれていた。

大槻公認会計士も適任者を担当させていた。

そんな訳で経理の不正というか、遊び金の流れはつかめなかつた。

調査によれば、その都度、現金祓いをしていたようだった。

従って、個人の財布の中身を調べていくより仕方がなかった。

始末の悪い、遊び上手な、賢い男だった。

水野忠助については別の金の流用を、金の集めかた、使い方を見つけなくてはならなかった。

大光寺大洋は必ず見つけてやる、水野忠助の泣き所をと、、、

あらゆる情報を集めた。仕事に絡んだ談合、贈収賄リベート。利権に絡んだあらゆる謝礼金、コンサルタント料金、パーティーに絡んだ上納金など、あらゆる政治家特典を調べ上げていった。

その調査過程で水野忠助サイドから横やりが入ったり、嫌がらせが横行した。しかし、めげなかった。

水野忠助を失脚させるにはよほどの失態を見つけ、証拠固めをしないと、、、、

そんななかで、大洋は古い事件だけど見つけた。

水野忠助の失態を、、、若い時のことなので、覆い隠せなかったのであった。

水野忠助の地元選挙区でのことであった。



6.地元選挙区での失態

水野忠助の選挙区は栃木県佐野市であった。その地元で選挙運動運動中に若かりし頃

間違いを起こした。

選挙民と酒宴の時に、地元と安心したのか、車の運転をしてしまったのであった。

自宅の近くの田舎道で、自転車に乗った女性と衝突をして、気が付いたら車の前で倒れていた。

水野忠助は慌てた。そしてしまった.。。とも、思った。

そこへ町内で親戚筋の酒井和男が通りかかり、兎に角、怪我をしているようだから、病院へつれていこうということで。。。

病院へ連れていき手当てをしてもらった。足の骨が折れたみたいなので、入院をさせた。

水野忠助は選挙中でもあり、本当に困ってしまった。

親戚筋の酒井和男に頼むことにした。頭を下げ、それ相応の謝礼金を渡すことで身代わりをしてもらうことにした。

誰も見ている人は無く、本人も気を失っていたので。。。もみ消しを頼んだ。

若い時から人に責任を押し付け、自分はなんでも金で後始末をしていたようだ。

その時の事故もすべて金で処理し、自分は身を守っていたのであった。」

その後、親戚筋の酒井和男は金に困って、何度か無心していた。

しかし、事故から20年がたち、水野忠助も大物政治家と言われるようになったら、事故のことや世話になったことなどすっかり忘れてしまっていた。

そして、酒井和男がうるさくなり、煩わしくなってきた。そこで、裏世界の人間との関わりもあることから、その人間たちを使って処理をした。

処理というと、酒井和男もその後、事故を起こして経済的にも困り、さらには体にも支障をきたし、入院したままであった。口がきけなくなってしまったのであった。

水野忠助の非情な仕打ちに誰も文句を言えなかったのであった。

水野忠助は自分が都合が悪くなると、冷徹にも抹殺してしまうのであった。

その事実を掴んだ大光寺大洋は証拠固めをした。それ以外にも日常茶飯事の出来事で

横暴な言動を集めた。



7.水野忠助の横暴、自分の都合で

大光寺大洋は水野忠助を刑事事件で告発するための事件資料をまとめた。

20年は経過したけど、地元での選挙期間中に交通事故を起こして、身代わり事故届けを出して処理したこと。この件では刑事事件を隠蔽して、虚偽の申告をしたこと。そして、さらにその隠蔽事故を隠すために、身代わりに立てた「地元選挙民の酒井和男」を襲い、不治の体にしてしまい、その事故をうやむやにした疑い。

この一連の隠蔽工作は法治国家の立法を冒涜したことに他ならない。

すなわち刑事事件の隠蔽という、法律を無視した行為は、日本の政治に携わるものとして、犯してはならない行為である。速やかに政治家を辞任すところであり、法律を守るべきものがとるべき行動ではない。

その点においても行政をつかさどるものとしての資質を疑い、責任を取るべきである。

以上の点から、政治家として、国会議員として、査問会で尋問をするべきである。

其の他、国民に対しての暴言挙動、選挙民に対し当選してしまえば、お大臣という、国民に対する格差感覚が露骨であり、人間失格であると考えて、大光寺大洋は常識ある報道に訴えたのであった。

この大洋のデモンストレーション的な行動は、一般国民に支えられ、地元選挙民の間でも問題になつた。

そして、良識ある国民によって、水野忠助は失脚していった。

いつもの水野忠助の、大光寺大洋に対する特異な嫌がらせ、報復は無かった。

大衆、世の中の国民の声、民意は通つたのであった。



8.大光寺大洋の正義

大光寺大洋の今回の社会悪に対する戦いは、世の中の弱者に勇気づけたものがあった。

今の世の中、長いものには巻かれろの風習が多いような、、、自分に覆いかぶされような災難でなければ、見て見ぬふりのような、、、、

しかし、大光寺大洋のように、何の力もないものが、一人で権力者、金権者に立ち向い「正義」を振りかざし、勝利したことが世間の弱気者に、芯の勇気を見せたようだ。

大光寺大洋の噂はひろまり、不平不安を持っている人々から、地域から相談が寄せられた。

しかし、水野忠助たち、他の権力者、金権者たちは面白くなかった。金を持ち、グループを組織を組んで、世の中を動かしていると思っている人間たち、世の中は自分たちのもののような顔をしている連中が動いた。

冗談言うなよ、、、今回のような事件はあっても、今までは潰してきたと豪語している連中が黙ってはいなかった。

この世は成功者たちが作った道を誰しもが歩き、一般人は力あるものの言いなりに、、、そう信じている連中が反旗を翻したのであった。

そんなことから、世間から英雄視された大光寺大洋に対しての風当たりは強くなった。

彼に味方してくれる人種は世の中の弱気者、、、力を持たない人間だ、、、大にして情報には限りがあり、今までのようには情報が入りづらくなった。

そして、時には邪魔が入り、嫌がらせも、、、また、大光寺大洋を罠に嵌めるような情報もはいってきた。

大洋は考えた、、、、もっともっと、世の中の汚れた渦の中にも入り込んでいかないと、上には上をいかないとと、、、、

人間、ずるく、賢くなり、罠にもかかったふりをしていかないとダメなんだと思うようになった。

警視庁仲間の、現在資料室室長をしている、大野雅代と会った時に言われた。

「大洋、、、あなたは正直すぎるから、、、もっともっと、ずる賢くなりなよ、、」と。。。

そして、

「人を信用することはいいことだけど、、、信用することもほどほどにと」

そうかもしれないと、反省する大洋だった。

また、大東新聞の大学同級生の高田茂からも、、、

「余計なことを話すな、、、情報を得るためだろうが、もう少し、用心しろ。。」

と注意された。

「お前の情報は洩れる、、、だから、注意しろよ、、敵方に逆手に取られ、利用されているからな。。。」

大洋はいつもながらに二人には感謝していた。

大洋は思った。自惚れるな、、、人は口じゃ上手いこと言って、そのじつは、腹を探られていると。。。

だから、もっともっと慎重にならないといけない。

まだまだ、世の中の社会悪と戦うには青二才だと思った。



9.道は遠い、、前途苦難、

大光寺大洋は今回の水野忠助との戦いで、考えさせられたことが多かった。人とはもって生まれた器量というものがり、その人の特技というか才能というか、生きてる人生で表現できる人間と出来ない人間がいること。

環境がそろっており、舞台も整ったに人間が必ず、人生と言いう荒波を神風漫歩に渡り切れることのないことを。。。。

今回の水野忠助のように、裸一貫で身を起こし、地域での土木事業で財を成して、徐々に権力を得た人間もいる。

だから一概に悪者扱いにすることとも出来ないような、、、

彼にもいい面があり、地域貢献をしているから、常に選挙でトップ当選もしている。

人とは見える部分と、見えない部分がある。その見える部分が人を威圧したり、権力を見せつけたりして、世の反感を買ってしまうのかもしれない。

だから、人とは見た目だけで「悪」そして「善」と決めつけることはいかがなものかと、思うようになった。

水野忠助が言ったことがある。。。

「大洋君、あなたは人を批判したり、批評したりしているが、、、自分で政治をしてみれば、携わってみれば、少しは政治がわかるものだよ」と」。。。

それほど政治とは難しいもの、一筋縄ではいかないもの、、、やってみないとわからないことが多い。

そんなことを言っていた水野忠助を思い出した。

しかし、大光寺大洋は正すものはただす、、、という考えには変わりはなかった。

そんなこと心に刻みながら、人々の相談事をうけるようになった。

そして、大洋が正義にむかつて走り出した時に、事件が起きた。

警視庁時代に扱った贈収賄事件が思いがけない方向に向かったのだった。その事実を警視庁仲間の大野雅代から連絡が入った。

「大洋、、、気をつけてよ、、、当時の捜査がきつく、追い来みが酷かったので容疑者が自殺をしたという、、、、やりすぎの捜査を疑うものが出てきた、、、そして、内定が始まったから」

大野雅代が言うには、しばらく言動を慎み、めだたないようにと。。。

大洋はわかってはいたが、内定までになるとは思っても見なかかった。そして、本格的な捜査が始まった。

これも水野忠助たち、悪の裏返し制裁行動かもしれない、社会の悪の罠の始まりだった。



10.身に降りかかる火の粉は、、、大きい

大光寺大洋に対する恨み、憎しみを水野忠助は常に抱ていた。機会があれば、思い知らせてやりたいと、大人げなくも

考えていた。

そんな折に、水野忠助絡みの贈収賄事件で、責任を追及され、第一土木建設においても、会社からも検察庁からも追い込まれた経理担当の堤三郎が生きずまり、自殺してしまった事件。誰にも相談できずに,只、避難にさらされ、責任だけをとれされてしまった堤三郎が、書き残したメモが後日出てきたのであった。

そして、堤三郎が取り調べがきつく、連日に続いてたことへの愚痴が、そのメモには記されていたのであった。

当時の警視庁の担当刑事は大光寺大洋警部補であった。

その取り調べが強引だったと、、、半ば脅しかかった取り調べだと、、、そして、大光寺大洋も若かったこともあって、検挙して手柄を立てようと、、、取り調べ室の中で、堤三郎の頭をどついたりしてと、、、

同室だった刑事、深田光一の証言まで出てきたのだった。

これらの失態を見逃さずに、付いてきたのであった。

水野忠助は政治家ではなくなったが、政界に経済界に大きな影響力を持った権力者だった。

そのことから、警察内部の兎角に黒い噂のある幹部官僚に圧力をかけて、大光寺大洋に魔の手をのばしてきたのであった。言いがかり、因縁だった。

そして、その手先の警察官僚幹部からの指示を受けた特捜部が動いたのであった。

大光寺大洋の信頼できる警視庁資料室の大野雅代からも連絡があった。

「大洋、、、本腰を入れて、あなたの取り調べ過剰による、違反事項についての追及をしていく方針だよ、、、行動は慎重に、注意してな、、、なにか、捜査事項に進展があれば、連絡するから、、体には気をつけてよ、、」

、、と、心配の電話が入つた。

大洋もまずいな、、、と、思いながら覚悟を決めた。

警視庁在籍中に不当な取り調べはしてなかったことの証明をしなければと、、、、



11.しつこい、追従

大光寺大洋に対する捜査は執拗にしてきた。しかし、すべてが状況証拠であり、本人も死亡していたので、警察としても確証がなかったので身柄を拘束は出来なかった。

あくまでも水野忠助側としては、大洋の動きを止めるための工作として、苦しまぎれの捜査であった。

しかし、何が起きるかわかない、、、捜査過程で,瓢箪から駒ということもある。また、以前の捜査過程でのミスが有るかもしれない。

そして、贈収賄事件の時の第一土木建設の堤三郎の死にも不自然さが残っており、再度捜査の見直しが決められたのであった。

警察としても、第一土木建設の談合贈収賄事件も、鍵を握る堤三郎の死により、また、警察内部の権力の行使により、事実を捻じ曲げ、証拠不十分として処理されてしまったのであった。

当時の水野忠助の権力は凄かったのであった。政界での圧力、が。。。金権によるものだが。。。

時の権力者というものは、誰も逆らえなかったような、、、

逆らえば、官僚職務者は左遷という恐ろしい仕打ちが待っていたのであった。

日本の裁判では90%が有罪で、無罪はあり得ななかった。

民事裁判においては、無罪に近い「執行猶予」が付き、その身は、堂々、悠々と日常生活ができるのであった。

裁判で「無罪」の判決を出した場合は、よほどのことがない限り、担当裁判官は翌年に左遷が待っている。

日本という法治国家は恐ろしい国だ。。。。

だから、時の権力者になることがどれだけ必要なのか。。。政治家になれば、権力者となりたいのであった。

そんな日本で、大光寺大洋は権力者にさからったのであった。

大洋も覚悟はしていたはずである。しかし、水野忠助はたかが一介の「野良犬ごとき」に、その政治家の地位を追い落とされるとは思ってもみなかった。

水野忠助にも甘い姿勢があった。自分は時の権力者、その上に大物政治家としての自負があり、うぬぼれてもいたような。。。その、甘さゆえに、自惚れが身を滅ぼしたというか、傷を負ってしまったのであった。

そのための悔しさ、怒りから、大光寺大洋を許せなかった。

そして、まだ、権力者の立場にいる限り、大洋を追い込んでいくと豪語していた。

お互いが「追う立場」で攻めあっているのであった。



12.大光寺大洋も贈収賄事件を振り返る、反撃。。

大光寺大洋も水野忠助たちの悪だくみともいううべき、罠の殺気を感じながら対抗手段を考えた。

もともと、大洋たちが担当して起訴にまで持ち込んだ贈収賄事件であった、当事者の堤三郎について調べ直した。勝訴できる筈だつた事件を捻じ曲げ、不起訴になり、堤三郎までもが自殺に追い込れた。その捜査途中での大光寺大洋の執拗な尋問に屈辱に耐えられずにということだつた。

本人の大洋はそのような捜査も尋問もしていないという自負があったので、難癖にしか思えなかった。

何処が、どのように執拗だつたか、屈辱的な取り調べをしたのかをはっきりさせるためにも、事細かく、細心の注意を払って、自分の取り調べた調書を見直した。

勿論、警察内部の調書を見ることは、今は出来ない。疑いがかかっているので。。。。

大洋が最も信頼している、警視庁資料室の大野雅代に頼んで調べた。そして、自分が当時、記録していた捜査手帳を念入りに確認した。

また、気がおける友人でもある、大東新聞の高田茂の当時の新聞資料を見てもらった。

更に、第一土木建設株式会社の当時の人物たちにも当たった。時が経っているので、気軽に当時の堤三郎について語ってくれた社員も何人かいた。

そして、参考人、証人として当時の調書に記した人物にも会うことができた。

大洋が調べた結果では、どこをどう見ても、大洋の捜査や取り調べに違法性はなかった。

水野忠助の権力で捻じ曲げた、ごり押しであったと、大洋は確信をした。

水野忠助の金力で抑えられた官僚警察官たちの難癖捜査に他ならなかった。そう確信した大光寺大洋は進んだ。

まだまだ、攻めて来る水野忠助の強引な罠に立ち向かうことを。。。。

これからも、社会悪、そして、捻じ曲げられた権力者たちにめげることなく、臆することなく、大洋自身の正義を振るって。。。

この先にどんな道が、巨悪な罠が、世の中の権力者によって仕掛けられてくるかもしれない、闇の道に。。。



13.横暴な権力者に立ち向う。。。

大光寺大洋に対する権力側からの圧力は止まることは無く、

続けられた。しかし、権力側も知っていた。

あくまでも大洋を封じ込めるため、動きを止めるためのものであり、権力の嫌がらせであった。

水野忠助は言いたいのだ、、、、「いつまでも、権力者の自分にたてつくのだと、あんたを逮捕するまでに追い込み、刑務所まではいかなくても、拘置所で拘留し、裁判まで持ち込んで自由を束縛するぞと、、、」

水野忠助ぐらいの権力者になれば、最終的は不起訴になるかもしれないが、逮捕、拘留、裁判まで約7か月から1年間は

日本の立法である法律を盾にして、警察庁管理のもとに身柄の自由を束縛できるのであった。

裁判までの保釈は認めない、、、証拠隠滅の疑いがあるとし

て、裁判終了まで拘留できるのである。

日本という法治国家は恐ろしいところである。

検察庁、警察庁とは怖い、、、力のある拘束力のある国家権力とは本当に怖い。

悪知恵のある権力者が警察、検察官僚と手を組んだ場合は本

当に怖いところだ。

これらの権力官僚を管理し、公平な対応をするべき裁判官でさえも人間であり、世の中の巨悪な権力悪にはねじ伏せられている。

裁判でも恐ろしいことがある、法律の是非を判断する裁判所が、刑を求刑する検事側が、、情報手段として年に何回か裁判官と検事担当の交流会があるくらいなのだ。

裁きを求刑するものと、裁きを判断するものとの、交換会とは甚だおかしい。。。

日本の法律とは、すべてが被疑者以外のところで、うちうちに相談しているという珍事実を。。。

だから、悪いことはしてはいけないが、、、間違いで、誤認逮捕で捕まると留置所、拘置所と拘留されて、それなりの尋問を受ける。

大光寺大洋はとにかく、警察側の罠に嵌って、逮捕されと不

利になることは知っていた。

たとえ、不起訴とわかっていても、拘留されることは避けなければならなかった。

従って、情報収集はいていなけばと、至るところに情報の網を張り巡らしていた。

この世の中は、その時の権力者は怖い。。。14



14.時の権力者は怖い、、、

人の世界というか、浮世というか、この世の中、、、

法治国家という日本は恐ろしい世界だ。

国を治める政治というやつは得体の知れない魔物だ。

法律という道具で、規律を作り、人も、物事もすべてを抑え込んでいるような、、、、、

見た目には法律という鎧で身を固め、言葉という便利な道具で形作っているようだ。

そして、それらの道具を、言葉を上手く操って、この世という舞台を踊っている。一つの演劇を演じているような、、、この世という舞台で主役を演じ切る、数少ない人間が人生舞台で光を浴びるような。。。。

その人生の光を見ることができる人間が、政治で、仕事で、あらゆる世界の成功者なのだ。

しかし、成功者にもいろいろな模様を持った形がある。

そして、人から、世の中から「善人」と言われる景色を

広める人間もいる。

また、この世で社会で大物とかやり手とか、権力者と言われる風景を持った人間もいる。

それらの景色や風景を描きながら、「悪人」と言われる人間もいるような、、、、

人が生きる社会で、世の中で、「権力」を、、、、特に勘違いした己のための権力を得たものが「独裁者」と言われるようだ。

その類の人間が現れると悲劇だ、、悲劇が起きるような、、

大光寺大洋は自分に降りかかった人生の大海原で、揺れ動かされ、波に風にさらされた小舟だ。。。

大学を出て、法律を正す警察組織に正義を求めて従事したが、時の権力者に道を閉ざされてしまつた。

この世の中には人生の道半ばで、第三者の力によって捻じ曲げられる人間の多いこと。。。

人の世界ほど「矛盾」の多い、不公平なことの多いことのような。。。。

大光寺大洋は戦った、、、矛盾だらけの世の中に、人間社会に正義を盾に挑んでいった。

しかし、捻じ曲がつた権力者社会では最後まで、権力者には勝てなかった。

まるで、この世をふらつく、さ迷う「野良犬」のようだ。

そして、叫ぶ。。。野良犬の遠吠えみたいに。。。。



15)大光寺大洋は死なず、、、再び、、

大光寺大洋は今回の一連の権力者の圧力を嫌というほど知らされたのである。
しかし、へこたれるような大洋ではなかった、、、気持ちを整理して、再度出直そうと思い,故郷の京都丹波に帰った。
田舎の綺麗な空気に触れて、旨い田舎料理を食べて来ようと秋の夕暮れに戻ったのである。
久しぶりに母親の栗ご飯が食べたくなり、田舎の五右衛門風呂が懐かしくなった。
田舎の甘い空気は何よりも旨かったのである、、、汚れた都会の空気にはうんざりだった。
大洋は10間ほど田舎道を散歩したり、ガキの頃に遊んだ悪ガキとも時間を過ごした。
丹波に残り「栗栽培」などの農業に従事していた悪ガキの「橋本兵吉」とも、しばらくぶりに酒を呑んだ。
楽しい心温まる日々を過ごせた、、「ありがとう、、兵吉、、また、来るよ」と言って別れた。
「大洋、、、いつでも戻って来いよ、、歓迎するから、、」と、、送られたのである。
東京に戻った大洋は忙しかった。
警視庁記者クラブの高田茂記者から連絡が入っていたので、連絡を取った。
「おう、、、大洋か、、お前が居ない時に、、逮捕状が出たぞ、、、お前の過剰取り調べによる暴行罪だ」
「逮捕状が出たのは昨日のことだよ、、覚悟して対応しないとな、、兎に角、お前を縛っておきたいんだよ、、」
「わかった、、ありがとう、、22日間は諦めるか、、結果はわ理でってるけどな、、、癪だな、、」
大洋は覚悟をしたのであった。
「茂、、、頼むな、、、不法逮捕のことを流してくれよ、、拘留期間が過ぎるか、面会禁止が取れたならな、、」
面会に来てくれと頼んだ。
大洋は二重にガードしていたので、家宅捜査の件も心配はしていなかった。
取り合えず逮捕されるまではアパート住まいで「隠し砦」には戻らないようにしたのである。

大光寺大洋は権力者「水野忠助」の恨みを買い、とことん追い詰めらたのであった。何とか、無力の一般国民の大洋に国会議員のバッチをもぎ取られたので、その仕返しを計ったのである、、、
そして、あらゆる権力を駆使して、過去の取り調べを強要したことの虚偽の事実を作り上げて警視庁特捜部に逮捕状をださせたのだった。
大洋は結果を分かっていた、、、どんなに過去の取り調べのときの暴行罪で逮捕しようが、起訴できないことを知っていたのである、、、、警察の中にも、、検事局の中にも権力者に対して無言の抵抗をする国家役人がいることを、、、
全てが権力者の言いなりになる者ばかりはないのであった。
権力者の言いなりになって、出世ばかりを狙ってる司法役人の方が少ないことを、、、

16)逮捕された大光寺大洋は。。。

逮捕状が出ていることを知った大洋は自分から出頭したのであった。
警視庁特捜部に丹波から帰ってすぐに顔を出した、、、
「なんか、、逮捕状が出ていると聞いたので、、来ました、、」と、昔の上司である黒川課長を訪ねた。
「おう、、大光寺か、、そうなんだよ、、お前に逮捕状が出てな、、悪いけど、今から自首扱いで逮捕するからな、、、担当は、坂口警部補、お前やれよ、、」
指示をしたのであった。
坂口警部補が、、「すいません、、大光寺さん、、仕事なので規定通りにやりますよ、、」と、、言って身柄を拘束したのである。
そう言って、警視庁留置所に拘留する手続きを始めた。
坂口警部補は規定通りに、大光寺大洋に手錠を付けた、、、そして、留置所に連れて行き、、規則通りに持ち物検査をして、留置所の入り口の所定の部屋で身体検査をおこなった。
身体検査は丸裸での検査である、、決まりなので仕方がなかった
そして、大洋が出頭したのが午後3時ごろだったので、、そのまま、留置所に拘留になった。
取り調べは翌日からになって、その日は夕食から始まった。
留置所に入ってから、担当看守が来てくれた。
「大光寺さん、、酷いことになりましたね、、関根です、、私が当番の時はなんか困ったことがあったら言ってくださいね、、」知っていた看守が声を掛けてくれた。
「ありがとう、、何も心配なことはないよ、、ここにいる間は宜しくな、、」と、、短い会話を交わしたのであった。
警視庁の留置所は雑居房であり、、一人の犯罪者が居たので挨拶をした。。
大洋は今日から「22日間」の法律に従っての拘留であった。


17)取り調べ

大洋は一晩、警視庁の留置所に止められて、、次の朝から留置所の規則で「起床6時」で起こされて「点呼」「洗面」が行われて。「7時から朝食が配られる」
留置所の全面の小さな出し入れ口から「お茶」「弁当」と、、まるで豚と一緒だ。
そして、、「9時ごろから取り調べの刑事が迎えに来て」それから取り調べ室に連れていかれて、取り調べが始まる。
取り調べはかっての同僚である、、坂口警部補であった。
「おはようございます、、、これから暴行事件の取り調べを始めます、、」と、、、
始めにお茶が出るのであった。
取調室の広さは畳で言うと2畳半ぐらいで、、取調官と記録係と二人で、一人の被疑者を取り調べる。
最初に名前、住所が確かめられて、事件内容の調書が取られる。
聞くことは分かっていたが、、大洋は全て「NOーやってません」と、認めなかった。
その日はお昼に取り調べは終わり、、留置所に戻り、昼食の弁当を食べる。
午後も取り調べが行われたが、、答えは全て「やっていません」と承認することはなかった。
担当警察官の坂口警部補もやりずらかったと思う、、、
大光寺大洋は「やっていないものはやっていない」と、答えるより仕方がなかった。
12日間の警察取り調べは全て、認めなかった。
その後の検事取り調べも認めなかったので「起訴」しても「状況証拠」だけでは目に見えていることを分かっているので「検察庁」では「不起訴処分」で大洋は釈放になった。
22日間の拘留が終わって「不起訴処分になった大光寺大洋は奮起した。
更に燃えて、、水野忠助を許さないと、、彼の悪行を探して、暴いてやろうと思った。悪事に対しての憤りを覚え、、権力者は何でも出来るという「極悪人」を永久に社会から遮断してやろうと、、動き出した。
極悪人がこの世を自由に歩けないように永久に「塀の中に」閉じ込めてやろうと考えだしたのである。
世の中の名もない一人の日本国民がどれほど怖いか思い知らせてやろうと決心をした日でもあった。

18)不起訴から燃えた大洋だ、、、、

自由の身になった大洋はやられたらやり返すの精神で、社会の巨大悪へ立ち向かったのである。
水野忠助の身上調査を始めた。大洋は切り詰めて質素に生活はすることにした。
興信所のアルバイトをしながらの調査であった。
車も節約のために軽自動車を使い、、水野忠助の過去を徹底的に調べたのである。
昔の交通事故に関しても、再度調べなおした、、、
警視庁記者クラブの高田茂にも警視庁資料室の大野雅代にも頼んだ、、、何でもいいから水野忠助に関する 資料を集めてもらうようにしたのであった。
それと、地元住民でも水野忠助を快く思わない奴がいるのだった、、、坂松十郎という地元の大地主で選挙の時にも反対に回る偏屈者がいた、、、どういう訳か、大洋は気にいられてたのだった、、、遊びに行くたびにご馳走になってくる、、、今回も釈放されてから挨拶に行った。
「おう、、大変だったな、、お疲れ様、、、今日は旨いものでも食べに行こうや、、、寿司がいいかな、、」
と、、言って連れて行ってくれた。
「頑張れよ、、何かあったら連絡するから、、、大洋、、無職じゃア大変だな、、ちょくちょく来いよ、、飯ぐらいご馳走するからな、、」と、、励ましてくれた。
「はい、、、ありがとうございます。わしの方も調べて連絡するよ、、、」と、、、
大洋は自分の足でも情報を集めた。
今は金に余裕がないので、、夜の世界の調査は出来ないでいでいたら、、、電話が入った。
銀座のクラブ「黒蜥蜴」のナンバーワンであった絵里からであった、、、
「大洋、、、しばらくだね、、、どうしてるの、、たまには顔を出しなよ、、」と、、誘われたが、、
「今はからっけつだよ、、行きたくてもいけない、、情けないけどな、、」
「私がご馳走するから、、おいでよ、、」と、、言われても行けなかった。
「兎に角、一度会おうか、、連絡するから、、いいね、、大洋会いたいの、、」と、、、
そんなことで昼間会うことにした、、、


19)水野忠助を追い込むための情報集め。。。

大洋は銀座クラブ「黒蜥蜴」の絵里に誘われるままに会うことにした。
帝国ホテルのレストラン「土門」へ行き,しばらく振りに絵里にあった、、、「やあ、、ご無沙汰したな、、」
と、言いながら、先に来ていた絵里の席に就いた。
「本当だね、、元気そうでよかった、、いろいろ話はきいたよ、、大丈夫なの、、」と、、心配してくれた。
「大洋、、少しやせたみたいね、、栄養をつけようか、、ステーキが美味しいから、、頼んでおいたよ」
「ありがとう、、、久しぶりだな、、肉は、うれしいよ、、今日はご馳走になるな、、」
と、、大洋は絵里に甘えたのであった。そして、、本当にありがたいと思った。
大洋は久しぶりに食事らしい食事をした。
「良かった、、喜んでくれて、、それから大洋が知りたいと思う情報があるからね、、、」
と、、、水野忠助の近況を教えてくれたのである。
「最近ね、、あいつがご執心の女の子がいるんだよ、、私の妹分で、博美というんだけど、、その博美の話だと、、泡銭が入るみたいで、マンションを買ってくれる見たなの、、」
というか、、買え買えと口説かれているので少々困っているので。
そこで私は買ってもらいなと進めている、、、買って、嫌なら私に相談するように言ってあるから、、
大洋にいい知恵を借りたいと思っているのだった。
あの憎たらしい、傲慢な助平爺いを懲らしめる,いい方法を考えて欲しいと相談をされたのであった。。。
「そうか、、、それなら頼みがあるよ、、水野忠助が誰と呑みに来ているのか調べておいて欲しいと、、そして、聞こえたらでいいから、、話の内容が知りたいので、、あくまでもそれとなくでいい、、聞こえる範囲の話を聞いておいて欲しいんだな、、、」
「うん、分かった、、、それ位ならできるよ、、」と、、引き受けてくれた。
そして絵里に言ったのである、、、「水野忠助もバカじゃあないので、、、そんなには答えをを伸ばすわけにはいかないと思う、、、」ので、、
答えを1か月だけ、なんかの理由をつけて待ってもらうことにして、最終的には絵里がマンションを確認して決めるということで話をしたらどうだろう。。。
「買ってもらうマンションの住所を調べて、、、俺が安全かどうかを確認しておくから、、、」
そして、、、絵里と相談して、、そのマンションを奪ってやることにしたのである、、、
兎に角、今付き合っている人脈を知りたかった、大洋である。


20)宿敵水野忠助攻め。。。

大洋は水野忠助が政治家を辞めても尚、、陰の力となって、権力を保持していることが許せなかった。。。何かあると、談合とか、脱税とか、贈収賄などの黒幕の様な存在の影をちらつかせては、、甘い汁を吸い上げてる寄生虫の様な悪虫を世の中の正義は、許して、見て見ぬ振りをしているのかが分からなかった。
触らぬ神に祟りなしかの態度に腹がたった。
世の中の弱者にも腹がたったのである、、、世の中の悪に立ち向かえよと言いたい。陰でぶつぶつ文句を言わずに,思い切り本人にぶっけてみろと、、、
しかし、現実には言えないのも道理であった。
大洋は絵里から連絡をもらったので、会うことにした、、、
水野忠助の情報が入ってきた、、絵里の話だと、大手ゼネコンの大日本工業(株)の太田専務取締役と呑む回数が多いとのことであった、、、他に珍しいところでは、関東連合睦会の新三十郎若頭がときたま来るらしいというのである。
大洋には十分な情報であった。
早速調べた、、、
警視庁記者クラブの高田茂記者に調べてもらった、、細菌の大日本土木工業(株)に絡んだ国営事業を、、、
あったのである、、大きな建設事業が、、開発事業で残っていたのであった。
北海道縦貫高速道路工事の計画が動き出したのである、、、
関係者なら鵜の目鷹の目で狙っている事業であった。
その利権に水野忠助が絡んでた、、そして、その根回しで手付金の様な形で、金が動くことになり、、水野忠助は甘い汁をすうことになったのである。
大洋はその金の流れを捕まえてやろうと考えた、、
そして、、絵里に頼んだ、、、水野忠助が妹分に買ってくれるというマンションを見に行って欲しいと、、、場所がしりたかったのである。。
大洋は金の流れと、マンションを購入しようとする金の流れの証拠を見つけてやると動き出した。
断然、大洋は燃えたのである。
「水野の狸爺、、今に見てろよ、化かしてやるからな、、覚悟してまってろよ、、」と、、、大洋は絵里に感謝したのだった。


21)大洋、、証拠固めをする

大洋はゼネコン「大日本工業(株)」と水野忠助の癒着は間違いない、、その関係の金の流れを見つけることが難しいのだった。。探せばどこかに綻びは見つかる筈だった。
金だけは現金で渡さないと証拠が残るので、どこかで、誰かがやらないと現金は渡せないのであった。
それも小切手や証券では証拠が残るので、どんなことがあっても、現金を用意する筈だ。
その他には「覚せい剤」とか「不動産」を仲介しても、最後は「現金」の受け渡しがある、、
その方法を見つけ,その現場か確実な証拠を見つけ出すことであった。
それで、、大日本工業(株)の経理課長の大隅重雄に目を付けて、大洋はしばらく、その人間の動向を見張った、、勿論、経理担当が動くであろうと、その大隅課長の部下の坂本隆係長も見張ったのである。
見張って分かったことがあった、、
関東連合会睦会の新三十郎若頭がときたま、大日本工業(株)の関連会社の「大工興行(株)」を訪ね、大日本工業(株)の坂本隆係長と会っていたのであった。それも定期的であり、毎月第三月曜日であるから,おかしいと思い調べてみたのである。
会う時には必ず、段ボールが運ばれた、、二箱だった。
大洋は確証した、、、「そうか、、現金はこうして運ばれたのか、、」と、、
大洋は何とか段ボールの中を見たかった。
大洋は刑事時代に扱った中に「反ぐれで集団強盗」をした奴を思い出した。
その男「大室正雄」を訪ねた、、、確か、今は隅田川の近くで、スクラップ屋をやっている筈と聞いたので、、、
「何でも屋」で、法律すれすれの商いをしていた。。
「しばらくだな、、大室、、元気にやっているみたいだな、、金儲けは上手くやっているのか、、ところで薬やチャカの密売もやっている、、」と、、
聞いたら、大室は手真似して「しー」と頷いた。
「そうか、、、頼みがあるんだが、、簡単なひったくりをやるやつはいないかな、、、金は大室、お前が分配していいから、、」
「口の堅い奴がいいな、、、二人で十分だけどな、、1000万か2000万位にはなるよ、、、」
大室は話に乗ってきた。
「俺が現場まで案内して指示するから、、車一台を襲って、段ボール2箱を奪うだけだよ、、、ひとには危害を与えないでな、、」
そして、やることに決まり、、、日時は指定するからと別れた。
大洋は大室たちに強盗をやらせることにした、、奪われた大日本工業(株)は警察に訴えることが出来ない金なので、、後のトラブルは関東連合睦会との戦いである、、その時はその時で、、大室たちと命がけの闘いをするだけだった。
彼らも命知らずの無法者だったので覚悟はできていた

22)強奪、、、、

大洋は大室と打ち合わせをして帰った。
強奪実行の前日に大洋は大室のスクラップ集積場を訪ねた、、、そして、確認をしたのだった。
今回の強奪実行犯はどこから集めたかを、、、、
「大洋さん、心配ないよ、、一人は青森から、、もう一人は熊本からで、、身寄り無しの無頼者だから。。」
と、、保証してくれた。
「そうか、、、分かった、、、くれぐれも慎重にな。。。」
「大丈夫だよ、、、念のためにあんたは会わないほうがいい、、いざという時の為に知らないほうがいいのでな、、」
「そうだな、、車は終わったらスクラップにするように、、頼んだよ、、、明日、錦糸町の会社駐車場でな、、」
打ち合わせを済ませた大洋は大室と別れた。
いよいよ実行である。「水野忠助」の一回目の証拠である「現金回収」を、、、
大洋は心臓の高鳴りを覚えた。

大日本工業(株)のある地下駐車場で大洋は一人車の中で待った。強奪の瞬間を見守るために、、、
大室たち別の車で待機していた。
段ボールを抱えて、車に乗り込んだ。次の瞬間に大室たち3人が催眠スプレーを持って、車のドアを閉める前に大日本工業(株)の大隅課長たちを襲った。
相手が右往左往している間に段ボールを奪い,大室たちは走り去っていった。
大洋も後に続いて駐車場を出たのである。。。大洋は駐車場を出てから、すぐに車のナンバープレートに別の物を付けた、、、用心のために。。。
大室たちも同じようにナンバープレートを別のプレート付けて走っていったのである。。
大洋の考えで、、監視カメラの追跡を避けるためであった。

大洋は自分の隠れ倉庫に戻って、、大室と連絡を取り、、無事にスクラップ集積場に着いたことを知った。
大室は打ち合わせ通りに車を処分して、、強奪犯人二人を逃がした。
二人への支払い配分は大室に任せて、、金の使い方には注意するように指示を出した。
大洋は大室に写真を撮っておくようにも指示をだしたのである、、、
強奪された大日本工業(株)では慌てた、、、すぐに、関東連合会睦会にも連絡が行き、、新若頭と、、大隅課長って、経緯を説明した。
いかに情報網を持っているといっても、今回の大洋の動きは掴めなかった。。
そして、、水野忠助の元にも連絡がされて、、これからの現金の受け渡しは考えないとならないということになった。
水野忠助のクラブ「黒蜥蜴」の女に買うマンションの下見することは中止にはならなかった。


23)強奪金は2億円あった、、、

大室から大洋に連絡が入った、、、「大光寺さん、、、段ボールを空けてびっくりしたよ、、現金で2億円入ってたよ、、多すぎるから、1億円は戻すから、、なるべく早く来て欲しいよ、、」
と、、大洋は、、いつもより多いのはマンション購入費が含まれていると思ったのであった。
大洋が入手した情報によれば、大日本工業(株)での騒ぎが大きいわけがわかった、、奪われた金が2億円では大騒ぎする筈であると、、、
いくら裏金で警察へは届けられなくても、秘密裏に動くだろうと大洋は思った、、、慎重に用心しないと不味いと、、言い聞かせたのである。
大洋は大室を訪ねて、、金の使い方は慎重にするように伝えた。
「大室、、逃がした二人の監視と使い方には用心してな、、、決して派手な、目立つような使い方はしないようにな、、」
と、、念を押して大洋は現金を受け取って、スクラップ集積場を出た。
そして、クラブ「黒蜥蜴」の絵里に連絡を取って会うことにしたのだった。
水野忠助と会って,マンションを下見して、その後の段取りを指示したのである、、、あくまでも、マンションの売買契約書を見せてもらうこと、、そして、契約書を見たらコピーをさせてもらう、、その辺のところは上手く言って、、、次に、
そのマンションの名義が代わったら、、「水野忠助」の女になるという返事をする、、、それが出来なければ女にはならないと、、強気で突っ張ることだ、、と、打ち合わせをした。
大洋は水野忠助への闘いの狼煙をあげたのである。
そん結果を待ってから、、次の行動に移ることにした。
大洋は東京連合会の新若頭の動きを監視していた、、、常に情報網をめぐらして、注意深く様子を伺っていたのである。
今のところは目立った動きは無く、、困っているようであった。
それでもやくざ組織の情報網は広いので用心していた。

しばらくして、クラブ「黒蜥蜴」の絵里から連絡があった、、、明日、妹分の女を連れて、マンションの下見に行くとになったと、、、それで、いつでも連絡を取れるようにしておいて欲しい。という連絡であった。
大洋は連絡を待つことにした、、、その日の夜に電話がはいった。
絵里の話だと、、マンションは見せてくれて、、売買契約書も見せてくれた、、、
その契約書の写しと言ったら、、、「なんだよ、、ここまでして、コピーだと、、お前ら何を考えてるんだ、、俺を信用しないのか、」と始まったので。
コピーは駄目かと思った、、水野忠助はごちゃごちゃ言ってたが、一緒に来た不動産屋にコピー、渡してくれたという報告が来たのであった。
マンションの名義替えは、女になる、その日に同時にしようとなったなったのである。
そして、大洋は絵里とそのことに関しては相談することにした。
まずはマンションの契約書を見て,登記簿謄本を見てからということにして、電話を切った。


24)水野忠助の助兵衛爺を銭なし乞食に、、、

大洋は狙ったというか復習してやろうと日々考えていた、、、まずは権力者の座から引きずり落として、、裏金という入手道を断ち切ってやろうと計画を立てていた。上納金ともいうべき金を誰も納めないような無権力者にするためには、裏金の証拠を押さえて「脱税」を立証してやろうと考え、入手道を探していたのであった。
そして、入手先がわかったら「強奪」をして、、「脱税」で告発する、、その事実を世間に公表して誰も水野忠助を頼らなくなるという構図を仕組んでいたのである。
世の中への公表はマスコミを利用する、、、その手段としては警視庁記者クラブの高田茂記者が引き受けてくれた。
大洋は一回目の強奪は成功したので、、更に大きな収入元を狙ったのである。
その前に今回のクラブの絵里の妹分のマンション購入の件で、水野忠助を罠に嵌めてやろうと考えていた、、そして、購入予定のマンションの登記簿謄本を手に入れたのであった。
これだけで、マンションの購入資金の出処を調べれば、、何とか「脱税行為」を積み上げることが出来るが、、名義をクラブ「黒蜥蜴」の女に変えれば、「贈与」もしく「売買」をしていても「脱税行為」を立証できる。
そして、大洋が狙っている「三紀建設工業(株)」との癒着が噂されている事実を突き止めて、今回の談合贈収賄の証拠を掴めれば、告訴に踏み切ろうと考えたいた。
クラブ「黒蜥蜴」の女への名義を変える方法と時期を考えた大洋であった。
大洋はクラブ「黒蜥蜴」の絵里に連絡を取り、妹分の博美と一緒に会うことにした、、そして、昼飯を食いながら作戦を授けたのである。
それから、絵里と妹分の博美は水野忠助と赤坂にある大野法律事務所にいた。
そして、名義変更の手続きをしていたのである。
その名義変更の手続きが終了する頃に博美に電話が入った、、、「入院中の母親が危篤状態になったので、すぐに来るようにと、、」水野忠助に話して、いったん博美は病院に行くことにしたのであった。
そして、必ず約束の日を決めて、来ることを告げて帰ることにしたのである。
「出来れば、母親を安心させたいので、登記手続きの申請書の写しでも見せたいので、、コピーだけでももらえませんか、、」
と、、博美は涙顔で訴えた。
絵里も「いいじゃないの、、コピーぐらい渡しても、、ねえー、会長、、」と甘えた猫なで声でねだったのである。
「死ぬ前に、、親孝行の真似事をしたいいんだから、、可愛もんじゃないの、、、、、」と言われて、、水野忠助もダメとは言えなかった。
それで、二人はマンションの名義変更の申請書の写しを持って、、大野法律事務所を急いで出たのである。。
その足で大洋と会って、不動産登記変更申請書の写しを渡した。
「お疲れ様、、、バレたら、、水野忠助の事だから、関東連合睦会のやくざ連中に連絡を取って、探すだろうから、、すぐに大阪経由で、いったん乗り換えて、福岡まで言ってくれ、、、必ず一人ずつな、、用心していけよ、、
いいな、、金は二人に約束通りに2000万円ずつ振り込んであるからな、、
行った先のことは全て段取りもしてるから心配すなよ。。」
と、、言って「不動産登記変更申請書」の写しをうけとったのである。
大洋は一人微笑んだ、、あと一息だ。
「見てろよ、、、水野忠助、、出られない塀の中に放り込んでやるから」
と、、、次の手段の準備をした。


25)追い詰める、、、大洋

大洋は水野忠助を追い込んだ、、、まずは裏金2億円の証拠品押収、、そして、クラブ「黒蜥蜴」の女へのマンション購入の名義変更申請書の写しの証拠品と揃えた。
そして、「三紀建設工業(株)」との癒着による、、裏金授受に関する情報提供だけで、水野忠助を「脱税容疑」で告訴することにしたのであった。
大洋は「三紀建設工業(株)」との癒着による、裏金献金に関する「脱税」も証拠を揃えてから告訴するつもりだったが、、関東連合睦会の新若頭の動きが怪しくなってきたので、、その前に警察や検察に動いて貰おうと考えたのであった。
警視庁記者クラブの高田茂記者からの情報で、睦会の新若頭が現金強奪の件であわただしく動いているようだと、、、、
そんな話を聞いた大洋は、まずいと思い、、関東連合会睦会の新若頭を警察力を利用して、封じ込めようとしたのであった。
大洋の流した情報を、警視庁記者クラブの高田茂記者が、警察と検察庁に流したのである、、、警視庁詰めの記者の情報から動き出した。
そして、関東連合会睦会本部の家宅捜査が実行されたのであった、事務所の「がさ入れ」も急遽だったので、事務所内で見つかったライフルと日本刀で「銃刀法違反」と、、債券取り立てに絡んだ「脅迫教唆の容疑」で新若頭を逮捕したのであった。
同時に検査庁で水野忠助を「脱税容疑」で逮捕した。更に大日本工業(株)にも「脱税容疑」で社長始め担当役員が逮捕された、、また、「三紀建設工業(株)」にも家宅捜査がはいったのである。
大洋の最初の目的は達成したのであった。
水野忠助が二度と浮世に戻れないように、、更に調査をしたのである、、数知れない悪行をしている水野忠助であるから、、大洋は更に悪行があると思っていた。


〇「第二話」探偵物語

(1)探偵事務所を開く

東京の片隅で、探偵事務所を開い
た、、、伊達政男35歳の物語。
男気のある正直者だが、金はない。。。そして、探偵事務所といっても何でも屋だった。
新宿区早稲田1丁目にある木造アパートの1室であり、、、学生時代からの住まいに電話を1っ本
引いただけの事務所兼住居であった。アルバイトしてためた金で中古の軽トラックを1台用意したで
ある。
そして、携帯1個の商いであり、、、広告は携帯で宣伝していた。
彼の容姿は身長1
80cm、体重75kgといった頑丈そうであり、、、「探偵事務所」と言っても、
資格も何もない。
そこで始めは「片付け手伝いから、引っ越しまでをお手伝いします」と言って、、、注文を待った。
事務所を開いてから、、、1か月くらいはあるので、、一間の事務所兼住まいで電話が鳴るのを待った。
彼は金がなくても貧乏とは思わなかった、、、、学生時代もアルバイトしながら、大学を卒業したので、、、
そして、なぜ探偵事務所を開いたからというと、、、規則正しい会社勤めが嫌いだったのであり、、、誰にも
束縛されずに生きたかったのであった。
東京の空は春らしく青空を見せていた。広告はだした、、、、
伊達政男は電話が鳴るのを待っていた。。。。部屋で待つより仕方がなかった。
何の組織力もなく、後ろ盾もなく、ましてや「コネ」があるわけじゃない、、、ただ、ひたすら電話が鳴るのを
待つよりほかになかった、、、、独り身であり、食べることに困っているわけじゃないで、、、それでよかった。
待つこと7日間かな、、、待望の電話が鳴った。
伊達政男は笑みを浮かべながら、電話に出た。
「はい、、、伊達探偵事務所です、、、ご用件はなんでしょう、、、」と、、、
「もしもし、、、そちらは探偵事務所ですか、、、何でも引き受けますという、、、片付け、引っ越しでも」
「はい、、そうです、、、仕事はどんなことでしょうか」と、、、
聞き返すと、、、、
「東京でなくても、、、地方でも来てくれますか、、、」
伊達政男が用件を詳しく聞いた。
仕事内容は東京の世田谷区から石川県七尾市までの引っ越しで、荷物は年寄り一人分で、引っ越した先での
片付け整理もしてもらえるかという依頼であった。
先方が言うには小型トラック一台分ぐらいだとのことであり、、、初めての仕事なので引き受けた。
お客様は、神田道子と言って、、、引っ越し先の住所、引き取り先まで連絡してきた、、、そして、
荷物量も正確でなく、運搬距離も分からないので、、、とりあえず、手付金として10万円を振り込んできた。
そして、運搬日を決めて、電話で仕事を引き受けた。


(2)初めての仕事、、、引っ越し片付け
伊達政男は最初の仕事の準備をした。
小型トラックのレンタルの手配、、、次に労働力の手伝い助手を、、、、
運搬のための労働力をいつも手伝ってくれるホームレス広場にたむろしてる「五郎」を探した。
そして、その日も昼飯をおごって、承諾させた。
「五郎、、、石川県の七尾市まで引っ越しを引きうけたので手伝ってくれ、、」
暇な五郎は引き受けてくれた、、、、
五郎はホームレスをしてるけど、、、伊達政男とは気ごころあって、学生時代から付き合っていた。
ホームレス広場にビニールハウスを作り、気ままに暮らしていた、、、そんなある時に町のごろつきに
絡まれていたのを伊達政男が助けたのであった。
伊達政男は空手有段者であり、、そんな伊達を五郎は何となく尊敬していた。
五郎も正業に就くことなく、気ままにホームレスをしているのが好きだった。
そして、今回も伊達政男の初仕事でもあるので、手伝ってくれることになったのである。



(3)引っ越し運搬当日

伊達政男は五郎を連れて、世田谷区成城の家に向かった。
世田谷区成城は立派な戸建ての屋敷が多かったが、、、向かった先は古い屋敷だった、、、、そして、
思ったよりは瀟洒な平屋建てで、老人が一人で住んでいそうな所だった。
目的地についた伊達政男は、、、、まだ、人が住んでいるらしかったので、、、玄関先に立って、
「ごめんください、、、引っ越しに来ました伊達ですが、、、誰かいますか、、」と、、、
中から、一人の初老のおばあ出てきて、、、
「ご苦労様、、、娘から話は聞いていますので、、、よろしくお願いします、、、どうぞ、
中へ入ってください、、」
と、言われて、伊達政男は家の中に入った。
部屋の中はきちんと整理されていて、、、引っ越す荷物もまとめてあった。
伊達政男は五郎を使って、運搬する荷物をトラックに積み込んでいった。荷物も少なかったので前中で済んだ。
積み込みが終わると、立ち合ったくれたおばあさんが、、、「ご苦労様でした、、、」と、、、
お茶を入れてくれた、、、汗をかいた後の熱いお茶は旨かった。
積み込みがおわり、、、部屋の中も片づき、、、伊達政男が引き上げようとしたら、、、
おばあさんが、、、、「すいませんが、、、丹波まで乗せて言って、もらえないでしょうか。。。なんとかお願いします」
「私は今までにひとりで遠出をしたことがないので、、、心ぼそいんですよ、、、」
そんなことで、伊達政男は、、、腹の中では
偉いことになったなと思いながら、、、きついトラックに3人で乗ることにした。
京都丹波市までの珍道中がはじまった。


(4)80歳のおばさんとの車旅
世田谷区成城から京都府丹波市迄のトラック旅であるから、目的地の到着は夜になるようだった。
東名高速で京都まで走り、丹後有料道路を丹後まで向かう。。。
年寄りが一人便乗しているので、インターへの寄り道が多かった。トイレの使用で、、、、
午後6時ごろに浜松のインターにより、、、夕食をとった。
おばあさんがウナギをご馳走してくれるというので、甘えて食べた、、、二人とも久しぶりのご馳走であった。
おばあさんの名前は、浅田きみえで、、、、東京の世田谷で夫である浅田武夫と二人暮らしをしていたそうだ、
きみえは夫が亡くなってから、、、3年ぐらい独り暮らしであったが、京都府丹波市に住む娘から、一緒に住むように
誘われて、、今回引っ越すことになったのである。
最近の物騒な世の中で、、、白昼強盗などもあり、、、さらには年寄りで病気などのことも心配で、
娘が呼び寄せたのであった。。。。
きみえは一人暮らしが気ままでよかったのであるが、、、娘の強い要望もあり、、、早い話が
「おしがましい親孝行」に押し切られてしまったのであった。
きみえは伊達に言った、、、、
「運転手さん、、、年寄りは子供が思うほど、、、やわではないよ、、、あはあはあはー」
そして、、、「余りにも心配するからね、、、老いては子にしたがえ、、の心だよ」
「伊達さん、、、一番美味しいウナギを食べなさい。。。」
と、言ってくれた。
浜松のインターでうなぎを食べて、、、丹波へ向かった。
車中、きみえおばあさんはいろいろな話をしてくれた、、、おかげで眠くなることはなかった。


(5)丹波市に到着
東京からのトラック長旅も,もうすぐ終わりになる、、、
丹波市に入る手前、と言っても随分手前だけど京都で遅めの夕食をすることにした。
京都市内、祇園にある寿司屋で、、きみえおばさんが知っている「祇園寿司」に連れていかれた。。。
「ここは昔から知っているお寿司屋さんで、ハブ料理が美味しいの、、、ご馳走すらから」と、、、
寿司屋の暖簾をくくった。
伊達は感心した、、、このおばさんは通なんだ、、、遊び人だなと、、、
「どう、、、美味ししでしょう、伊達さん、、」
「はあーーー食べたことありませんよ、、、こんな高級な寿司などは、、、なあ、五郎」
と、相槌を相棒の五郎に求めた。
そんな美味しいし食事をご馳走になりながら、、、夜の丹波路を生きなおばさんと目的地に向かった。
東京を出たのが遅かったから、、、、丹波市の引っ越し先着いたのが午後10時を過ぎていた。
「きみえおばあちゃん、、、夜も遅いので荷物は明日下ろしますよ、、、今夜、俺たちは車のなかで寝ますから
、、、娘さに挨拶だけしてきますよ、、」
と、言って伊達は車から降りた。
そして、、、「こんばんわ、、、神田さん、、、遅くなりましたけど、、、頼まれた荷物を運んできましたけど、、
きみえおばあちゃんも連れれ来ましたよ。」
着いた家の神田さんはびっくりしてた。
「ええーお母さんも一緒ですか、、、まったく、相変わらず無茶をするんだから、、、」と、、、
挨拶をしながら、びっくりで、、、「本当にすいません、、、無理を言ってごめんなさいね」
それから、伊達は説明をして、、、荷物は明日下ろすことにした。
その夜は神田さんの計らいで、泊めてもらうことにした。


(6)伊達政男ときみえおばあちゃん意気投合
神田道子さんの家に泊めてもらうことになった、伊達達ふたり、、、、
食事は済んでいたので、寝るだけだったが、、、すみえおばあちゃんが伊達を気に入ったのか、
世間話やら、家族の話を始めた。。。
更に、伊達のことをいろいろ聞き始めた。今は6畳一間のアパート住まいで、大学もアルバイトをしながら4年のところを6年かけて卒業したことを話した。。。
伊達は聞かれたので、、、家族は母一人で、どちらかというと貧乏暮らしであった。子供のころから母が苦労していたので、金の有難み、大事さは知っていた。
それでも貧乏は何とも思わなかったし、、、金が無いのも苦にはしていなかった。
生来が楽天家でもあり、、金は働けば稼げると思っていた。
仲間の五郎もホームレスであり、若くて、健康なので、働くことに生きがいをみい出していたのであった。
アルバイトをしながら早稲田大学法学部を出て、、、弁護士を目指していたのであった。
時間はかかるけど、頑張るつもりだと、すみえおばあちゃんに話した。
「そうか、、、伊達、、、お前は男だな、、、なかなかいいよ、、、頑張れ。。
ところで、わしが住んでいた世田谷の家を売るから買え、、、」
と、突然言い出したのである。
理由は誰も住まないし、空き家にしておくのはもったいないからというのであった。
「何を言うのですか、、、とても、俺には買えませんよ」
「いいから、、、買え、、、あの家をお前に売るよ、、、どうだ、10万円で」と言われた。
わしがもっていても、後を継いいで住んでくれるものが居ないというのだった。
娘の神田道子は結婚して、その旦那と丹波市に家を作って済んでいるからと、、、
そんな訳で話が進み。。。伊達政男は家持ちになったのである。
偶然だが、、、神田道子の旦那は弁護士だった。
「よし、決まった、、、伊達政男はわしの孫みたいなものだ、、、頑張れよ、、、
それからわしが当分の間はお前のスポンサーになってやるからな。。」
話はトントン拍子で進んだ。
丹波市でお引っ越し片付けが終わり、、、伊達達は丹波を引き上げた
人とは面白い不思議だ、、、親切に対応すると、飛んでもないいいことがあるもんだと、
伊達政男は思った。
思いがけなく家が手に入ったのであった。
今後の人世で伊達政男は覚えた、、、、人には親切にやさしくすることを。



(7)丹波からの帰り道
伊達政男は気分がよかった、、、偶然というか、、奇跡的に、幸運にも家が手に入ったのである。
内心思った、、、ついていると。
これが運がいいというのだ。これからの人世道で、さいさきがいいというような気がしてきた。
相棒の五郎と何とかなるまでは、二人で引っ越し片付け専門で頑張ろうと思った。
世の中のいろんな人と巡り合い、、人間関係を勉強していこうと、、、
きっと、弁護士の道にも通じると思った。
多くの人々と知り合い、人の情け、冷たさを知ることが、、、人の心を知ることが必要だと。
学問上の勉強も知識も、、社会の人が生きる知識もいいのだと、、、
伊達政男は社会学を世の中を知ることが大事なことと。
「五郎、、、お前も俺のところへ来いよ、、、そして、共同生活をしよう」
と誘った。
ホームレスをしている五郎は喜んで参加することにして、、、二人の共同生活が始まった。
東京への帰り道、、、二人は色々と夢を語り合った。
まずは二人は譲り受けた家を見に行って、、、改めて、その家を見て心が弾んだ。
「五郎、、、二人で稼いで、まずは中古でもいいから運搬車、そうだな2トン車を買って、
頑張ろうぜ、、、庭も広いし、、車庫が付いているようだしな」
「五郎、、、自分たちの引っ越しだな、、、」
「兄貴、宜しく頼むぜ、、、何があってもついていくから。。」
と、、それぞれの荷物を運びこんだ。
二人の荷物を運びこんでも部屋は広く、、、余裕であった。
引っ越しが終わった、その晩は新しいこれからの家で伊達政男たちは寝た。
これからの夢を見ながら、、最高の夜を過ごした。


(8)伊達政男、五郎を連れて中古トラックを探しに

世田谷の住まい兼住宅の一戸建てで、目を覚ました伊達政男はこの新居で、仕事が出来ることが嬉しかった。。。。生れて始めてかも知れない、幸せだと心から思ったことは、、、
今回のことでは「すみえばあちゃん」には感謝しなくてはならないと、、つくづく思っていた。
その為にも、頑張らないと、何が何でもやり遂げて、すみえばあちゃんにお礼をしないと、、、、
新居で目が覚めた、伊達政男は。。。五郎と新居で初めての朝食をとり、、軽トラックで出かけた。
世田谷通り、8号線を見て歩いた。
何せ、予算は40万円しか用意出来なかった、、今までに貯めていた虎の子と今回のすみえばあちゃんの引っ越し代金だけであったので、、、
「五郎、、安くて、いいトラックを見つけないとな、、、とにかく、いくつかの中古センターを見て回ろうか。。。」と話しながら、トラック探しを始めた。
「そうだよな、、、兄貴のなけなしの金だものな、、、よく見て回ろう」
と、、、二人で中古トラックを探した。
なかなか、いいものが見つからなかった、、、
「五郎、、腹減ったな、、、ラーメンでも食うか」
環状8号線通りにあるラーメン屋に入った、、、伊達政男は好きな餃子と醤油ラーメンを頼んだ。。。五郎も同じものを頼んだ。
そのラーメン屋の店内に張り紙があった、、、五郎が見つけて。。
「兄貴、、、トラック譲ります、、って、書いてあるよ。」
「おお、、ラーメン食べたら見に行くか。。」ということになり、、、二人で腹ごしらえをして見に行くことにした。
伊達政男がラーメン屋の店主に聞いてからということで、、、
「そのトラックを売るやつは、俺の友達だから紹介してやるよ。。」
となり、場所も教えてもらい行くことにした。
先方に連絡もしてくれて、その場所にある会社に出かけた。



(9中古トラックが縁で、運送会社の下請けを始める。

伊達政男は五郎と、ラーメン屋に紹介された自動車修理をしている町工場を訪ねた。
「こんにちわ、街道ラーメン屋で紹介されて来ました、伊達と言います、、売りに出てる
トラックを見に来たんですが、見せてもらいますか、、、」
「おう、ラーメン屋から話は聞いている、、、その売り物のトラックはこれだよ、」と言って、
見せたくれた、、、、
そして、運送屋もやっいるので、荷台にはシートが付いていた、、、、シートといってもほろ付きであった。。
伊達政男はトラックは色あせて古いようだったが、、、値段が合えばいいかなと思い、
「いくらですか、、、」と尋ねた。
「兄ちゃん、、、何に使うんだい、、、気にいたら安くするよ」とその自動車屋の人が言ってくれた。、、、
「はい、、、引っ越し屋をやるんですが、、、ほろも付いているのでいいですね、、」
「そうかい、引っ越し屋か、、、仕事はあるのか、、」と、、聞くので、仕事は探しながらだと答えた、、、
自動車修理屋のおやじは、、、
「どうだ、、、うちの下請けをしないか、、、運送屋もやっているので、」と言われて、
伊達政男は乗り気になった。
その自動車修理屋の話に興味をも持って、、話を聞いて、伊達政男はその車を買う気になった。
そして、下請けをしてくれるなら、、20万円で譲ってくれるというので、商談はまとまった。
伊達政男はその自動車修理屋、商店名は「坂東修理紹介」というところから買うことにした。
奇策な店主で、車検も残っているので、代金支払いが済んだら、、、
「今日、車を持って行ってもいいよ。」ということになった。
中古トラックの売買契約もすませた。
名義は変えておくので、必要な書類は届けて置く様にとなり、、、そのあとで下請け契約も
してくれた。
そして、車の修理は面倒を見てくれるということになり、、、伊達政男は五郎と引き上げた。
伊達政男は五郎と買ったトラックと、、軽自動車を運転して帰った。
伊達政男はつくづく思った、、、ついていると、、、自分にも人世運が向いてきたようなと。。。
人生はまじめに、真剣に前を向いて歩いていると、、、努力をすれば、少しづつではあるが、前進するのだと、、、
世田谷の自宅に戻り、、五郎と話をした。。。予算より安く手に入ったので、色あせた、古い車の塗装の相談を、、、自分たちで広告を書き込んで行くことにした。
「五郎、、ちょつとだけ、、、俺たちの夢が前に進んだな、、、頑張ろうな」
と、、、塗装のペンキを買いに出かけた。
その夜は将来の夢を語りながら夜が更けた。



(10)伊達政男と五郎は購入したトラックと軽自動車に名前を書き込んだ。

伊達政男と五郎は購入したトラックに「伊達探偵&運搬コンサル」と名前を書き込み、自分たちでトラックに色付けをした。
同時に宣伝文句を入れた。
「引っ越し専門、、何でも相談、探偵業務を引き受けます、、、そして連絡先電話を書き込んだ」
一日がかりで仕上、その日は二人ともペンキ塗れになり疲れたが、夜はなけなしの金で、外食をして、仕事始めのお祝いの真似事をした。
翌日から、トラックを買った「坂東修理商会」へ行ってこれからの仕事の打ち合わせをした。
坂東社長から運送業務、1週間分の予定表を渡され、指示に従った。
「おはよう、、、仕事は1週間分ずつに分けて予定票を渡すから、自宅から直接にやってくれ、、」
そして、毎日電話連絡をしろよ」
伊達政男と五郎は仕事を始めた。
最初の仕事は、東京板橋から茨城県守谷市までの引っ越し荷物であった。そして、そのあとは守谷市から水戸市、仙台市と泊まり込みの運搬だった。
守谷市の引っ越し仕事は単身赴任の仕事だったが、水戸市の引っ越し仕事は女性の引っ越しで、その女性の仕事は水商売らしく、、、荷物も洋服等が多かった。
そして、その女性の話だと、、、「兄ちゃん、、、ゴミ一つ残さないようにね、、兎に角、引っ越し先が分からないように、、、旦那から逃げるんだから」と、,
荷物の持ち出しに神経を使っていた。
荷物を積んだら、、自分の車の後をついてきてくれと言うのだった。
伊達政男は人世いろいろだと思いながら、その女の車の後をついていった。
行く先は石岡市で、、、途中で食事をしながら、目的地のアパートに着いた。
予定より時間、距離が増えた分は超過料金を貰うことにしたが、料金より多く払ってくれた。
仕事が終わり、、次の目的地、仙台に向かった。
「兄貴、、あんないい女の旦那って、何してるんだろうな、、、金もかかるし、、一人も女がいない奴から見たらうらやましいな、、、」
と、、五郎は話しかけてきた。
世の中、矛盾してる、、、金があれば自分の女房以外に女を作ったり、、、贅沢が出来る。
この世の中、金次第だ、、、なんといっても金を稼がないと思った。
「いや、、、俺は馬鹿なことはしないよ、、、結婚したら、、一緒になった女を大事にして、
家族を守るから
と、、、五郎は言っていた。

(11)伊達政男と五郎は東北へ出かける。
今回の伊達探偵事務所の仕事は、東京板橋から仙台松島の観光明媚な松島のホテル街の一つである、松島観光第一ホ陽テルの跡取り息子たちのおぼちゃま大学である名前も知らない遊び大学を卒業しての帰郷であった。
引っ越し荷物は贅沢なものばかりで、勉学には不必要のなものが多い。
伊達は、うらやましく無いが無駄なような気がした.
伊達の場合は6畳一間の風呂なし、トイレなしの木造アパートであり、実家から布団だけを持ってきた学生生活だった。
引っ越し相手が学生の場合には、どうしても比較してしまうのである。
引っ越しが終わっ後で、その学生の親であるホテル社長の海音寺東寺と会って、挨拶をしながら清算をしてもらった。
その時に頼まれた、、、
「あんた、、探偵もしているのか、、、一つ相談にのってもらえないかな」
と言いながら、身上調査を頼まれた。
伊達は東京に戻らず、資料を受け取り、五郎と二人で始めることにした。
非調査人は「海音寺一郎、、、ホテルの跡取り息子である、本来の調査依頼人は父親の
海音寺東寺であるが、息子の結婚相手の調査をするとともに、息子の大学時代の素行調査も
頼まれたのであった。
「五郎、嫁さんと、息子の調査はどっちからやるかな、、、」
五郎が応えた。。。。
「兄貴、調査対象の嫁さん、、大河内朱美は住まいも親もとも東京目黒だから、調査が早いし、海音寺一郎も大学も下宿も東京板橋だったので、、伊達と五郎は運搬車のトラックで東京へ戻った。
運送会社の元受け、坂東運送の社長へ報告をしてから、二人はいったん成城自宅へ戻り,その夜はゆっくり寝た。
次の日に二人は軽トラックで依頼された二人の人物の調査をはじめた。


(11)伊達政男と五郎は東北へ出かける。
今回の伊達探偵事務所の仕事は、東京板橋から仙台松島の観光明媚な松島のホテル街の一つである、松島観光第一ホ陽テルの跡取り息子たちのおぼちゃま大学である名前も知らない遊び大学を卒業しての帰郷であった。
引っ越し荷物は贅沢なものばかりで、勉学には不必要のなものが多い。
伊達は、うらやましく無いが無駄なような気がした.
伊達の場合は6畳一間の風呂なし、トイレなしの木造アパートであり、実家から布団だけを持ってきた学生生活だった。
引っ越し相手が学生の場合には、どうしても比較してしまうのである。
引っ越しが終わっ後で、その学生の親であるホテル社長の海音寺東寺と会って、挨拶をしながら清算をしてもらった。
その時に頼まれた、、、
「あんた、、探偵もしているのか、、、一つ相談にのってもらえないかな」
と言いながら、身上調査を頼まれた。
伊達は東京に戻らず、資料を受け取り、五郎と二人で始めることにした。
非調査人は「海音寺一郎、、、ホテルの跡取り息子である、本来の調査依頼人は父親の
海音寺東寺であるが、息子の結婚相手の調査をするとともに、息子の大学時代の素行調査も
頼まれたのであった。
「五郎、嫁さんと、息子の調査はどっちからやるかな、、、」
五郎が応えた。。。。
「兄貴、調査対象の、、、嫁さん、、大河内朱美は住まいもよであった親もとも東京目黒だから、調査して行くか、、」ということで調査を始めた。
大河内朱美は慶応大学の卒業で、現在は財務省勤務の妻女であった。
その河内朱美の素行は、調査をしてみると決していいとは言えなかった、、、
身長165㎝の長身でスタイル抜群であり、、、いわゆる容姿端麗である。
男がホッテハ置かない女だ、、、、


(12)探偵調査始まる
定時に出勤して、、、定時に退社してた。
しかし、彼女は遊び人だった、、、
白銀台のマンションで独り住まいであり、、、時間は自由であった。
従って、帰宅も自由であり、好きなように遊べた、、、、
伊達と五郎はびっくりした、、、こんな自由な女がいるものかと、、、、
考えてみるとおそろしい、、、
まるで、昼と夜との顔が違うのである。


(12)探偵調査始まる
大河内朱美は、、、、
定時に出勤して、、、定時に退社してた。
しかし、彼女は遊び人だった、、、
白銀台のマンションで独り住まいであり、、、時間は自由であった。
従って、帰宅も自由であり、好きなように遊べた、、、、
伊達と五郎はびっくりした、、、こんな自由な女がいるものかと、、、、
考えてみるとおそろしい、、、
まるで、昼と夜との顔が違うのである。
伊達政男は大河内朱美の素行調査をして、、、調査結果を報告するのが怖かった。
また、、海音寺東寺の息子の一郎の素行調査も散々だった。。。
海音寺一郎も大学はほとんど行かず、昼間はマンションでお昼ごろまでごろごろして、、、午後は遊び仲間とマージャンをしたりして遊んでいた。
夜になると、ディスコ遊びと、バカ息子をしていた、、、、
ゴージャスなマンションに住み、、、スポーツカーを乗り回す、、道楽息子だった。
海音寺一郎には危険な友達がいた、、、やくざの息子で、財善治五郎という男だった。
彼は普段から豪語していた、、、大学を卒業したらやくざ稼業を継ぐと、、、
危ないともだちであった。
従って、この息子の身辺報告も提出するのが嫌だった。
しかし、、、伊達政男は調査が終わると、、、仙台松島の海音寺東寺のもとに報告に言会った、、、、
報告書を提出すると。。。。
海音寺東寺は唸った、、、「やっぱり,そうか、、、ご苦労様」と言って、
謝礼金を渡してくれた。
「伊達君、、、君たちとは大分違うな、、、これを縁によろしくな。。。
いつでもいいから、、、遊びに来てくれた前、、、あはあはーーー」
別れた、、、最後に海音寺東寺は娘のさくらを紹介してくれた。


(13)伊達探偵事務所も運送業始めてから1年が、、、
伊達政男と五郎は、、探偵仕事「身上調査」をしながら、、、運送仕事をしてきた。
そんなある日、以前、依頼された仙台松島の海音寺東寺氏から、、、訪ねて欲しいと連絡があり、訪問した,

一郎の大学時代の友達で、財前五郎とのことであった、、、やくざの息子ということもあって、
注意はしていたのであったが、、、やはり、深入りしていた。
覚せい剤に手を出しのていたのであった、、、そして、ヤクザの息子の財前五郎が逮捕されて、、海音寺東寺の息子一郎は、現在、逃亡中であり、、、
海音寺東寺に助けを求めてきたのであった。
そこで、相談があり、、、どうした
ものかと、、、
伊達政男は早稲田大学法学部卒業で、弁護士を目指している話を、海音寺東寺聞いていたので、相談をしてきた。
相談を受けた伊達は、
「少し、時間をください、、、友達に検事がいるので、調べてみます」
と言って、、時間をもらった、
伊達政男の調査では、、まだ、警察までの話は出ていなかった。
伊達は海音寺東寺に報告した。
そして、息子の一郎を連れ戻し、、、親もとで、しっかり、監督してくださいと、、、今なら間に合うと、、、
伊達は告げた、、、家業をしっかり、継がせて、外に出さないようにと、
覚せい剤に手を出しているので、、、難しいかもしれないが、、、
「海音寺社長、、、よかったら、私が預かりましょうか、、、私のやり方で、
汗を流させましょうか、、、」
ということで、伊達政男が海音寺一郎を預かることになった。


(14)海音寺一郎を預かる、、、
伊達政男は、海音寺東寺の息子を預かり、、海音寺一郎をが運送業の運送手伝いとして、働くことになった。「一郎さん、、、これからは一郎と呼び捨てで呼びますから、、、辛抱してください、、」
そして、運送の仕事はきついですが、頑張ってください、、、と告げてから、、、
海音寺一郎、おぼちゃまを使うことにした、、、まだ、覚せい剤には侵されていなかったので、、
しばらく、労働して、いい汗を流せば、、いい青年になるだろうと。。。
伊達政男は同じ家で、寝起きをして、労働がどんなものかを分かってもらおうとしていた、、、
「一郎、、、仲間の五郎だけど、、、慣れるまでは、見よう見まねで、いっしょにな。。。」
「それから、、、一郎,逃げ出すなよ、、、」
と、伊達は念を押しておいた。
今まで、何もせず、、、遊びばかりしていた、、、一郎にはからだを動かすことだけでも、きついはずであった、、、それでも、伊達政男も動かした。
自分たちも動いての労働なので、、、泣きそうになりながら一郎も踏ん張った。
仕事が終わって、家に帰ると、一郎はダウンしていたが、、、五郎が励まして、一緒にご飯の用意をしていた、、、
次の日も次の日も、、、運送の労働だった。
伊達から見ても辛いと思った、、、しかし、今までの付けがきたのだと、、、一郎に言いながら、
励ました、、、、
一郎も汗まみれになって働いた、、、、
運送の仕事も1年が過ぎたころには、、一郎の遊ぶ癖も取れた、、、



(15)突然、訪れた過去の付け
伊達政男のもとで、汗まみれになって働いていた海音寺一郎に降ってわいたような、、偶然が起きた。
東京都内で引っ越しの仕事をしている時だった、、、、
「おい、、、一郎じゃあないか、、、久しぶりだな、、」と声をかけてきた男がいた。
かつて、ヤクザの息子、財前五郎のところで覚せい剤の売人をしていた、、、太田三郎というチンピラやくざだった、、、
海音寺一郎は、、、内心、嫌なやつと会ってしまったな、、と、思ったが、、、
その時、伊達政男が助け船を出した。
「いえ、、、違いますよ、、、人違いでしょう、、、」と言いながら、
伊達政男は「ぼやぼや、、するなよ、、、真剣に荷物を運べよ、、」と怒鳴りつけて、、、一郎を五郎のもとに行かせた。
伊達政男は出来るだけ一郎が、、、、過去の知り合いとはちかずけないようにしていた。
相棒の五郎も気が利いていて、、、そんな場合はには素早く,一郎を別の仕事に振り分けて、遠ざけた。
その仕事場を離れてから、、、一郎に、、、、
「出来るだけ、、過去とは触れ合わないように、、、特に、悪友には近 づかない」ということ、、、念を押していった。
避けられることは出来るだけ避ける、、、災いに近付かないとい叩き込んでいった。
しかし、、、どこで調べたか、、、それから数日が経ってから、、財前五郎が海音寺一郎を尋ねてきた。
伊達政男の自宅に、、、前触れもなく、海音寺一郎のもとに、、、
「しばらくでした、、、一郎さん、、、元気でしたか、、、いろいろ、迷惑を掛けました、、、本当にすいませんでした」
と、、、挨拶をしながら、、、近付いてきて、、、、
「一郎さん、、、私の関係者があなたに迷惑をかけることは決してありませんから、、、心配しないでください」
と、、、約束をしてくれた。
そのあとで、、堅苦しい話はやめて、、、
「なあ、、一郎、本当に久しぶりだな、、、友達として、また、つきあってほしいよ。。いいだろう」
一郎も「あーあーそうだな、、、宜しくな」と、二人は肩を抱き合っていた。
それを見ていた伊達政男も頷いていた、、、
仕事ばかりの一郎に、明るい日がさしたようだった。


(16)仕事が修行の一郎だった

仙台松島の海音寺東寺から息子の一郎を預かって一年が過ぎた、、、大分、一郎も肉体労働に慣れ、、汗を流すことが苦にならなくなってきた。。。
「一郎、、、久しぶりに休みを取って、、親父さんに会いに行ってくるか。。」と、、伊達政男が声をかけた、、、
しかし、一郎は首を縦には降らなかった、、、
「兄貴、、、まだまだだよ、、、俺の体に染みついた遊び癖は取れてないよ、、」と、一郎は兄貴分の伊達に頷かなかった。。。このころから、、、一郎は伊達政男を兄事と呼ぶようになっていた、、、
そして、五郎とは兄弟分のような仲になっていた。
仙台の親もと、、、海音寺東寺からは度々、連絡が入っており、、伊達政男は報告をしていた、、、しかし、、一郎は自分が納得していなかったのである。
人とは変わるものだった、、、ましてや、、人間本来の持つ本質的な人間性は、たたけばたたくほど、、光を戻すものであった。
もしかしたら、、、一郎にはそれがあったような、、、何か「光る」ものがあるようだった、、、
そこで、伊達政男は海音寺東寺に頼んだのであった。
一郎をあと2年間預からせてほしいと、、、「男にして返します」と、、、
約束をして、、、一郎を預かることにした。


(17)悪友現れる、、、一郎の前に立ちふさがる
伊達政男が請け負った引っ越し仕事の中で、、、水商売の女の引っ越しがあった、、、引っ越すわけを聞くと、、、今のパトロンから逃げ出すというこただった、、、、伊 達達にはひつこす理由はどうでもよかった、、、、しかし、訳を聞くとそうも言っていられなかった。
彼女の話だと、、、不動産会社の経営者であり、、、現在住んでいるマンションの持ち主でもあったので、、、信用して付き合ったのであった。
しかし、一緒に住んでいるうちにわかったことがあった、、、中身はやくざの親分だった、、、
そして、人の出入りが多く、、、彼の身内の子分たちも出入りが多くて、、、食事の支度などもさせられていた、、、、最初と話が違うと思い、、、逃げ出す計画を立てたのであった。
その引っ越しの相談を受けたのが、、一郎であり、、情にほだされて、、、その計画を手伝うことにしたのであった。
引っ越す日時も決めて、、、男の旅行中に段取りをしていた、、、
そして、引っ越しは旨く行った。
しかし、、、男が帰った後からがひどかったというか、、、問題が起きた。
その男の子分に、過去の一郎を知っているものが居たのであった、、、覚せい剤を扱っていて頃の悪友であったのが、、、彼の子分にいたので、、引っ越し業者がバレたのであった。
そこから、探し当てられて、その男たちに乗り込まれたのである、、、
一郎には大学時代の友人で財前五郎というやくざの息子がいたが、、、彼の父親も関東連合桜会の組員であった。
しかし、、同じ関東連合桜会であっても、末端組織は別だった、、、、それでも、大林大三が女に逃げられた噂は出ていた、、、、その噂を聞いた財前五郎は心配になって、、、一郎のもとを訪ねた。
財前五郎が心配していた通りに、、、大林大三の子分たちが、一郎のもとに来ていた。
対応に出た伊達政男は毅然として、、、ヤクザたちに敢然と言い切っていた、、、お客の引っ越し先は教えられないと。。。。
そこで、問題が起きた、、、大林大三が乗り込んできて、ヤクザを表ざたにしてきたのであったが、、、
伊達政男も引き下がらなかった、、、、
「やくざが怖くて、、、引越し家業はしてられないよ、、、どうぞ、、、何でもしてください、、、
俺たちも、ただ、、、黙ってはいられないから、、、」と啖呵を吐いた。
そんな押し問答をしているところへ、、、財前五郎が尋ねてきたのであった。
「あれ、、、五郎か、、、なんでこんなところへ来たんだ」
と、、、大林大三が聞いてきた、、、
「実は、、ここのひっ越屋は知り合いなんでねーー」と割り込んできた。
「そうか、、、都合がいいや、、、中に入って、、、話をまとめてくや」と言い出した。
困った財前五郎は切り出した、、、、
「今回のことは、、俺に預けて欲しい。。。それで、今日はひいてほしんだけどな」
と、、、いったん話をあずかって、纏めた。


(18)丹波の浅田きみえが上京してくるという、、、
久しぶりに丹波の浅田きみえから連絡が入った、、、、
「もしもし、、、政男か、、、元気でやってるか、、、来週そっちへ行くから、、、駅まで迎えを頼むよ」
と、、、約束をさせられた。
問答無用であった、、、、仕方がないか、、、世話になってるおばさんだからな、、、
今回の上京の用件は、、、「墓参」だった、、、浅田きみえの亭主の浅田武夫の墓参りだった。
亡くなって10年目のことだった、、、余りにもご無沙汰をしてしまい、、、少々気にはなっていたためである。
亡くなった浅田武夫は極道であり、、関東連合会の会長をしていた、、、そのために、、、関東連合の子分たちが墓参りや墓掃除などは常に心掛けていたので、、、きれいに整えられていた。
墓参りに連れ添った、、、伊達政男は改めて驚いた、、、浅田きみえばあさんの亭主がやくざだっということに、、、
伊達政男は思った、、、「道理で肝っ玉が太いと、、、自分の家をぱっとくれたりしてと、、」
やっと、、得心が偉られた。
「わしはな、、、仰々しいのが嫌いなんだよ、、、一人で墓参りがしたいだけなんだ、、、と」きみえばあさんは伊達政男に漏らした。
「今日はみんなに、、、美味しいものでもご馳走するから、、、何でもたべてくれよ、、、」と言って
赤坂の高級寿司屋に連れて行った。
「ここはな、、、爺さんが好きで、、、よく食べに来たんだよ、、、懐かしくなってな」
「いらっしゃいまし、、、浅田の姉さん、ご無沙汰していました、、」と寿司屋のおやじが挨拶をしてきた、、、
「浅田のねえさん、、奥に大林組の組長さんがみえてますよ、、」というと、、、
浅田きみえは、、、「しーー」と言って口止めをした。
いかし、、浅田ねえさんが来ていることは伝わってしまっていた。
奥から大林大三がでてきて。。。「姉さん、、、人が悪いですね、、、ご無沙汰いています、、元気なようで
何よりです、、、今夜のこの席は持たせてもらいますから、、ごゆっくりしてください」
と挨拶をしてから、、、大林大三も気が付いた。
「姉さん、、、お連れの方は知り合いですか。。。」と。。。
浅田きみえは答えた、、、
「わしの息子みたいなもんだよ、、、なんか文句でもあるのかな」
「いえ、、、とんでもないです、、、少しだけ知っているだけですから」
と、、ぼかして、、奥の座敷に消えていった。
大林大三は内心、これはまずいと思った。
案の状、、、後から問題が起きた。

(19)大姉御「きみえばあさん」
伊達政男たちが気軽に、「ばあちゃん、、、」と呼んでる浅田きみえさんが、関東連合桜会の初代会長、浅田武夫の奥さんだったのである。そんな世界の人とは知らないで、、、今まで付き合ってきたのであった。
伊達政男たちが関東連合桜会の大姉御の知り合いとは知らなかったので、、、これは「まずい、、」と、大林大三は舌打ちをした。
大林大三は、たかが女のことで問題を起こすわけにはいかなかった。
ひとまず、、、初代会長の大姉御の知り合いなので、、、逃げられて女のことは諦めたのであった。
伊達政男たちが逃がした女のことに関して、海音寺一郎がしでかした勇み足は、、、浅田きみえばあちゃんが、、とんでもない大姉御だと分かった時点で、、、ご和算になってしまった。
浅田きみえばあちゃんに事情を話したら、、、理解してくれた、、、そして、、大林大三の女の件は忘れてもいいと、、言ってくれた。
「ばあちゃん、、、すごい人なんだね、、、今まで、生意気な事ばかり言ってしまって、ごめんなさいな、、、」
伊達政男はばあちゃんに言った。
「もっともっと、、、大事にしないとな、、、親孝行じゃあないけど、、、ばあちゃん孝行するからね、、、」
その日のお寿司は格別旨かった、、、
「ばあちゃん、、、今日はごちそうさまでした」
浅田きみえばあちゃんを囲んで、楽しい、美味しい食事をしたのだった。
伊達政男は思った、、、本当についている人生だと、、、そして、、、一郎の父親の海音寺東寺との出会いも運のいい、出会いだった。
浅田きみえはその夜から1週間ほど滞在していた。
そして、、、折角東京へ出てきたのだから、、、どこか、温泉旅行でも行きたいと言い出した。
ついでのこともあり、、、海音寺一郎に里帰りをさせながら、、、仙台松島へ案内させることにした。
その温泉旅行の話をしたら、、、松島の海音寺東寺が、、久しぶりに休みを取って、みんなで社員旅行に来ればということになった。
伊達政男は海音寺東寺の言葉に甘えることにした。



(20)探偵事務所伊達政男たちが、、久しぶりの休みを取って松島への社員旅行へ、、、
「大事件勃発、、、東日本大震災が起きた、、、3月11日」

伊達政男たちが松島への社員旅行を計画していた、、その時に「東日本大震災」が起きた、、、その日のテレビニュースは大騒ぎでた、、、
海音寺一郎の実家のホテルも被害にあっていた、、、名勝地である松島も、、、260ある島々もがけ崩れなどの被害にあい、名勝の一つである長寿穴が無くなっていた。
また、伊達政宗の瑞巌寺の一部も破損が生じていた、、、海音寺一郎の実家のホテルは破損はあるが建物自体にさほどの被害はなかった、、、
海音寺一郎は家族の無事を確認してから、、、急遽帰宅することになった。
伊達政男も驚いたが、、、「一郎、、とりあえず帰って来い、、、」
「いろいろ手伝うこともあると思う、、、俺たちもあとから行くから、、」
と言って、、、一郎を急いで帰らせた。
浅田きみえばあちゃんを温泉旅行に連れて行くところではなくなってしまった。
「政男、、、これからは人手がいるだろう、、、丁度いいよ、、、あの大林大三は建設業と廃棄物処理業をしているはずだから、、、使うといいよ」
と、、きみえばあさんは、自分で決めていた。
「政男、、、なんか忙しくなりそうだ、、、しばらく東京にいることにするよ。。あははあはは、、、」楽しそうであった。
伊達政男も一郎を松島へ行かせて、、、五郎と松島へ行く準備をした。
今回の東日本大震災の後始末は忙しくなるなと感じていた。
きみえばあさんの言う通り、、、人ではいくらいても足りないだろう、、、まずはボランティアから始まることにした。
そして、、先に行かせた一郎と連絡を取り、、、寝どまりするところを確保して
松島や福島へ乗り込もうと考えた。
松島へ行く前に、、、きみえばあさんの力を借りて、、、関東連合会の大林大三に会うことにした。


(21)伊達政男、、ボランティア活動に動く

きみえばあさんの立ち合いで、関東連合会の大林大三に会った、、、しかし、すでに東日本大震災のことは知っており、、情報は早く伝わり、、後処理の段取りは始まっていた。
日本全国のやくざ社会の産業廃棄物処理の廃棄物の争奪戦はすでに動いていた、、、
従って、関東連合会も活発に大林大三が指揮を執っていた。
きみえばあさんの紹介が無くても、、、協力できるところは協力しようということになった、、、
伊達政男は一郎と連絡を取り、、、現地での宿泊所をホテルの一室にして、松島へ乗り込んだ。
一般のボランティア活動は、いろいろな規制があって、3月ごろからのあとかたずけが始まることになった。
伊達政男たちはホテルに関わる片付けを始めた。。。
海音東寺社長が、今回の伊達政男たちの行動に感謝をした。
「伊達さん、、、今回は本当にありがとう、、、一郎も見違えるように変ったようなきがする、、、家に帰ってからの、行動に見え針があって、、よく動いてくれるよ、、、本当にありがとう」
心から喜んでくれる海音寺社長の笑顔が嬉しかった、、、伊達政男だった。
まずはホテル内の片づけをして、、、ホテル周辺の片づけをしていった、、、そんな片付け、清掃に一生懸命な息子の一郎を満足そうに眺めていた海音寺東寺社長も、、、自分で動き始めた。
きみえばあさんも東京で一人ではいられずに、松島まで出てきた。


(22)再開、、、偶然の再開、、、不思議な人の巡りあわせ

きみえばあさんが東京から松島まで出てきた、、、少し、東日本大震災の
後片付けが落ち着いてきたころだった。。。
まだまだ、、東北の各地の街には瓦礫が、、家財道具が散乱はしていたが、、、ボランティア活動により、、、さらにはごみ処理業者たちによって片づいてはきた。。。
世界各地から日本全国からのボランティアの人々によって、東北の各地は復興が始まった、、、新しい街づくりである。
そんな松島へ来た、、、きみえばあさんは驚いた。
海音寺ホテルの社長に紹介された、、、きみえばあさんは、海音寺東寺社長に会って、、過去において知り合いだったことに驚いた。
余の懐かしさに、、さらに驚いた。
昔と言っても、、まだ、二人とも独身時代のことだった。
本当に偶然の再開だった、、、きみえばあさんが東京でクラブを経営してた頃の話だが、、、馴染み客だったのであった。
それも親しい間柄であった、、、
「びっくりしたわ、、、東寺さんだったとは、、、世間は狭いわね、、」
40年前の知り合いとは、、、不思議な巡り合わせだったと、、二人とも昔を懐かしく、、話に花が咲いた。
きみえばあさんが来た夜は、、、東寺社長の家族と、伊達政男の仲間がひさしぶりに笑顔で食事会が出来た。
伊達政男たちと海音寺一郎の働きで、、ホテルも再開できたのであった。


(23)東日本大震災(3.11)も落ち着いて、、東北に復興の光が、、

東日本大震災【3.11】から10年が過ぎた。
海音寺ホテルも復興の波に乗って、、、元の海音寺ホテルに戻った。
海音寺一郎もホテルに復帰して、、一人前のホテルマンとして働き始めていた。。。
海音寺東寺は以前から、伊達政男に興味を持ち、、その人柄に惚れこんでいたので、、、今回の
きみえばあさんに頼んで、、娘「さくら」の婿養子になって欲しいと頼み込んでいた。
「きみえさん、、頼みがあるんだが、、、昔よしみで伊達さんに頼んで欲しいんだよ、、、」
と、、娘さくらの婿養子にと、、、
きみえばあさんもその話には満更でもなく、、、ひと役買って出たのであった。
松島に滞在している間に、、、
「政男、、お前、、海音寺東寺の娘、さくらをどう思う。。。と聞かれ、、、
「それはいい娘さんですよ、、、どうかしました、、」と、
問い返されて、、、きみえばあさんも困った。
「面倒くさいな、、、早い話がだ、、、嫁さんにどうかということじゃあ。。」
「ええ、、、どうかと言われても、、、俺にはもったいないよ、、、」
と、、、照れくさがっての返事だった。
「わかった、、、良いんだな、、」と、きみえばあさんは伊達政男の気性を知っていたので、、
話をトントン拍子で纏めてしまった。
海音寺一郎は勿論、、、兄貴のような政男が妹さくらの婿養子になることにもろ手を挙げて賛成した、、、弟分の五郎も喜んだ、、、
そして、、きみえばあさんの仲立ちで、、伊達政男と海音寺さくらは結婚することになった。


24)伊達政男、、、復興も始まり、東北の地方行政が再建に本腰を入れた。。

地震もおさまり、、津波の後片づけも進んで、いよいよ再建計画の街づくりが動き出した。
伊達政男もボランティア活動をしていたので、片付けの為のトラックなどを用意していた、、、
そして、今回の関東連合会の大林大三も再開発事業に乗り出したのである、、特に土木事業を得意としていたので、福島に会社を設立して本格的に町の区画整理などの工事を入札で請け負いはじめた。
そんな時に松島の土木工事に来ていた、大林大三にさいかいしたのである。。。
たまたま、、「ぁ海音寺ホテル」に泊まった大林大三ときみえばあさんが出会い、、、
「おい、、大三、、お前なんで、このホテルにいるんだ、」と、なって、その晩は海音寺ホテルで食事をしたのであった。
そして、、伊達政男もその席に呼ばれて、、食べながら,飲みながら話が弾んだ。
大林泰三はやくざではあったが商売人であり、、今回の東北復興の土木事業を広範囲に請け負っていたのである、、、関東連合会の会長としての地位を利用してのことであった。
それが縁で、伊達政男は土木事業の一部を、、きみえ婆さんの顔で請け負ったのである。
そして、、そのきっかけで土木仕事を覚えた伊達政男であった。
大林大三とは始めからの出会いで、、なんとなく気が合うものがあり、、きみえ婆さんの縁結びで、
その付き合いが深くなったのである。
また、大林大三も伊達政男が嫌いではなかった。

25)土木や伊達政男誕生、、、

ヤクザではあるが土木工事にプロである、、、大林大三について土木仕事を学び、、現場に立って生コンを打ったり、コンクリートブロックを組み立てたり、穴を掘ったりした。そして、建設機械の講習を受けて免許を取得して、現場作業を覚えた、、、また、大型トラックや特殊車両の免許もとり、、作業員との人間関係も旨くいき、、弟分の五郎も伊達政男と一緒に作業に必要な免許関係を取得して附いてきた。
天気の良い日は外で,ねじり鉢巻きで肉体労働をしていたので、二人とも真っ黒に日焼けをしたが、、元気に動いていた。
現場によっては「現場宿(飯場)」に泊まり込みの時もあった。
伊達政男も五郎も力仕事が嫌いではなかった、、、そして、現場で働くうちに仕事の流れを覚えて、、政伊達流システムを考案したのであった。
そうすることにより、現場作業員を効率よく動かせて、作業員にも会社側にも利益還元でもよかったので、、、大林大三には歓迎された。
大林大三と伊達政男は年も離れてないので、仕事の出来る伊達政男が好きだった。
「政男、、、お前、各現場の総監督してくれ、、、」と、、大三が頼むと、、、
「まだまだだよ、、、もっと、経験を積まないと人を使いこなせない、、もう少し時間が欲しい」
と、、伊達政男が言うと、、
「いや、、大丈夫だ、、やっているうちに慣れるから、、やってみろ、、それと五郎を助手、に使ってな、、その方がお前もやり易いだろう、、」と、、五郎を付けてくれた。
そんなことで、伊達政男は大林大三の会社「大林土木工業(株)」の現場総監督に就任したんである。
伊達政男もこの土木仕事「復興事業」が好きだった、、そして、ヤクザであるが、大林大三が好きだった。


26)伊達政男、義侠心

伊達政男は復興事業の土木作業でめきめき男に磨きをかけた言った。今までの仕事で一番、輝いていたように、、太陽の下で真っ黒になりながら日々汗を流していた。
そして、五郎もいつもにこやかに一緒に汗していたのである。
「五郎、、ありがとうな,、、ついてきてくれて、、、いつも感謝しているよ、、、」
「何言っているんですか、、感謝しているのは俺の方ですよ、、兄貴、どこまでも行きますから、、、」
と、二人の笑顔は明るく、弾んでいた。
「そういえば、、、仕事を教えてくれた大三親分にも感謝しないとな、、、いい奴だよ、あいつは、、、」と、、、噂をしながら出先の現場飯場に戻った二人であった。
二人とも今は、福島の平潟漁港の近くの現場で土方作業をしていた。
平潟の現場は海に近くて、、魚料理が旨かった、、、特に政男は刺身が好きで毎日、食べていた、、そして、、食後に平潟の海を見ながら、海岸を散歩するのを日課にしてた。
散歩をしていたら、五郎が走って政男に近付き涙を流していったのである、、、
「兄貴、、、大三親分が刺されて、重症だって連絡がはいったよ、、、、」
「なにー、、それで死んだのか、、、」
「いや、、それは分からない、、、すぐに戻ってください、、」
と、、言われた政男は走って飯場に戻り、、大林土木工業(株)の会社に連絡を取り、、事の次第をしったのである。
「五郎、、運転してくれ、、福島までいくぞ、、」と、、車を走らせた。
途中で連絡を取りながら運ばれた病院を聞き出し、、、急いだ。
病院についた政男は更にびっくりしたのであった。
大林大三が襲撃されたのは福島市内のホテルレストランであったが、、同席していた「きみえ婆さん」も一緒で狙撃されて重傷で病院に運ばれたということだった。
病院に着くなり、状況を聞いたが、、「二人とも今夜が持つかどうかは分からないほどの重症だと、、」というので、
病院にとどまり様子をみたのだった。
大林土木工業(株)の事務所では大騒ぎだった、、、今は専務取締役であるが、、若頭白鳥逸男は今にも暴走を起こしそうな組員を抑えていった、、、「ダメだ、、、今は騒ぐな、、我慢をしてくれ、、いいな、、動くなよ」
と、、宥めたのである、、やる時は自分がやると決めていたので、、白鳥逸男若頭は「ガキの頃から育てられた恩義は自分が返す」と、、腹に決めていたので組員「今は社員」には手を出させないと、、、
そんな状況の所へ戻った政男にも、、、「今は社長の様子を見ての判断だ、、だから、政男も何もするなよ、、
お前はきみえ婆さんを見ててくれ、、、頼んだぞ。。」
それを聞いた政男はきみえ婆さんの様子を見ることにした。

政男が飛んで帰った、その晩の3時ごろに大三親分の様態が悪く成り、亡くなったのである、、、きみえ婆さんも同じころに息を引きとったのであった。
政男も一緒に来ていた五郎も泣いた。
政男は悔しかった、、、もう少し見ていてほしかったと、、、
若頭の白鳥逸男が「政男、、、悔しいよ、、しかし、、おやじさんの葬儀をするけど、、きみえ婆さんも一緒にして、、それから組葬儀は改めてするから、、それでいいかな」
と言われ、、政男は任せたのである。
全ての葬儀が終わってから、政男は世話に成った「きみえ婆さん」と「大三親分」に
お礼を言いたくて、一人で二人の墓参りをした。
そして、伊達政男は消えた、、、
二人を襲撃したのは地元やくざの「仙台興行」と、分かっていたのであったが、、警察の動きが鈍かった、、やくざ同士の抗争だと思い、捜査段階だったために、世間では噂が飛んだのである。
そんな時に、仙台興行の事務所が襲われて、大岩組長たち幹部が殺されたとのであった。


〇「第三話」特務員

1)(ボンボン特務社員, 光一郎誕生)

国一平のもとで3年間、訓練を受けた光一郎は何とか特務社員としての合格点をもらった。

国一平特務社員は当初はボンボンで、ダメだと思っていたが、時間が経つにつれて、捜査員としての器量を現し始めたのであった。

そして、3年間、国一平の特訓を受けて、知恵も、、、格闘技も一流になり、射撃の腕前も上達した。

そして、ボンボンなりに、親を利用して事務所は構えた。

名称も「ボンボン特務事務所」と。。。。

身辺警護から、探偵業務までとして、結婚したばかりの妻、あのじゃじゃ馬こと美鈴が相棒として始まった。

国一平は二人のコンビはいいと思っていた。

何かあれば手伝うこととしての出発だった。



2)(七光りな身辺警護、、、初めは仕方がないか、、、)

ボンボン光一の事務所は開いたが、初めから仕事依頼は来なかった。そんな美味い話はないものだ。

ボンボン光一の父親がお情けで、仕事を回してくれた。

港湾の事業の貸倉庫の管理だった。

芝浦桟橋の三川商船の倉庫の番人だった。最近、倉庫内に保管してある重機機械の小型が盗難に遭っていたのであった。
警備保障としては一番優しい、倉庫番がいいのではと三川汽船の社長の温情であった。

ボンボン光一が考えたいたほど、簡単ではなかった。何せ、倉庫が広くて、デカいのであった。

そして、エアコンもないので、夏ではなくても暑くてたまらなかった。

ボンボン光一は始めたばかりなので、社員一人と二人での番人だったので、きつい仕事だった。

自分で選んだ仕事だから、辛抱だつた。

初めから身辺警護のような、ガードマン的なスマートな仕事ではなかった。

三川汽船の荷物は重機ばかりではなく、多種多様な荷物が入ってきた。それが同じ倉庫内に積まれるのであった。

三川汽船から言われたことがあった。

入荷する荷物には注意するようにと。。。。時には違反物も入ってくるので、、、と。



3)(新米特務社員のガードマン情話)


ボンボン特務社員は光一と、新入社員とじゃじゃ馬の美鈴の3人での出発だった。

親の七光りで委託された倉庫番が最初の仕事だった。

倉庫内は広く、暑くて、やりきれなかった。しかし、新妻のじゃじゃ馬が元気だったので、光一は救われた。

最初の1年は何事も無く、倉庫番をこなした。

2年目に事故が起きた。

倉庫番を軽く見ており、そ番人も、簡単と鷹をくくっていた。

しかし、世の中には悪人はいるものだ。

管理する荷物と中身を確認をしていなかったのであった。

そして、棚卸の時に不祥事が発覚したのであった。

いつの間にか、中身をぬかれていたのだ。

簡単と思っていた倉庫番でミスをしたのであった。

それからは倉庫内に搬入する品物の確認を必ずするようにしていった。初歩の間違い、、、恥ずかしかった。

倉庫番も3年が過ぎて、一人前になった。

そして、身辺警護の仕事が来た。

前職の国一平が紹介をしてくれたのであった。

ボンボン警護の光一は張り切った。



4)(ボンボン警護の初仕事)


ボンボン警護に紹介された身辺警護の仕事は、有名女優の警護だった。最近脅迫状が届き、身の危険を感じたプロダクション事務所が自宅からの送り向かい、仕事場での警護であった。

我儘な女優だったので、国一平から助言があった。

この我儘な女優の身辺警護が出来たら、大概のガードマンは出きるから、頑張れと。。。

やってみてわかった事は、、、まず。時間がルーズであった、予定通りに行動をしないのであった。

そのくせ、予定通りに仕事の時間が間に合わないと怒る、、、怒鳴ると。。。

とにかく、破天荒な我儘な、半分気ちがいのようだった。

仕事場での時間がずれて、待ち合わせが長くなった時に、自分勝手に買い物に出かけけて、暴漢に襲われたことがあった。

ボンボン光一の機転が利いてたので、先回りして暴漢からも守ることが出来た。

また、ある時にはじゃじゃ馬が相棒の時だった。

買い物で勝手に動き回り、じゃじゃ馬が女を見失った時があった。

その時、じゃじゃ馬の美鈴は呆れて,探さなかったのであった。

偶然に、戻ってきて、、、じゃじゃ馬に、、、

「どうして、、、私を探してガードしなかったの。。」と言うので、、、

じゃじゃ馬は「ふざけるなよ、、、たかが女優の分際で、、

ふらふら歩きやがって、、、」

と言い返したやった。

それからその女優は身辺警護を頼んで来なかった。

ボンボンの初仕事、、、身辺警護は失敗だった。





5)(ボンボン警護と捕り物控え)


国一平から紹介された身辺警護は失敗に終わった、ボンボン光一の相棒でもあり、新妻のじゃじゃ馬美鈴の短気で、ガードマンの仕事がダメになった。

そこで国一平が、自分たちの身辺警護会社の社員一人を執行させることにした。国一平の愛弟子ともいうべき、合図公平をボンボン警護に。。。

「光一社長、、よろしくお願いします」と、出向いてきた。

「公平さん、お願いします、、、助かります。」と、、、

そして、公平が一つの仕事を持ってきてくれた。

仕事は大手企業の社長の身辺警護であった。

双葉企業開発株式会社といって、最近伸びてきた、IT企業であった。

株式会社の株式売買での取引で問題を起こしていた。早い話が「会社乗っ取り」である、、、その取引に広域暴力団「関西聯合睦会」が絡んできたのであった。

合法的な株式売買取引であったが、無理難題を押し付けてきたのであった。

そして、脅迫状が送られて来たのであった。

今回の株式売買取引が合法的であっても、暴力と言う圧力をかけてきたのであった。さらに政治的圧力を、、、

双葉喫行開発は若手企業もあって、経験も浅かったので、先方の悪行に、暴力に、金力に、政治的な圧力にあおられ気味になった。

そして、将来において商売ができない状態に追い込まれるような気がしたのであった。

更に、双葉企業開発の青木雄三社長が暴漢に襲われたのであった。その時はボンボン警護の光一と公平がガードをして、無事だった。

しかし、度重なる襲撃に対して、青木社長は恐れを覚えてきたのであった。

それでも今回の企業買収をやめなかったらとの脅迫状が届いた。「家族の危険を知らせてきたのであった」

青木社長はボンボン警護だけのガードだけでは心配になり、警察に届けたのであった。

しかし、関西聯合睦会の脅迫は止まらなかった。

警察は動いたが、関西聯合睦会は脅迫をしてきた、末端のやくざ連中が逮捕されただけだった。

青木社長が暴漢に襲われたのは反ぐれ連中とのトラブルでの襲撃とされ、、、元の企業買収の事件とは切り離されてしまった。

そこには捻じ曲げられた警察官僚の圧力もあった。

従って、それからも「いやがらせ」「横やり」はあった。

日本の経済界では政治力、暴力、警察官僚の歪みなどが絡んで、警察に頼んだから、治まるということは無かった。

ボンボン警護の光一は、、、

「青木社長、、、徹底的に戦うか、全面的に折れるかですよ」

「覚悟を決めてくれれば、、、ボンボン警護はやり遂げますから。」

と、ボンボン警護の光一は告げた。



6)(ボンボン警護の覚悟は、、、)


双葉企業開発の青木社長も若かった。青年の木の一人として、未知の世界との遭遇もしてみようと思った。

人生は一度きりだ、、、異次元世界のやくざに屈することはいやっだった。

ボンボン警護の光一社長の熱意に賛同して、世の悪に対抗してみたくなった。

やくざ世界がどんな悪辣非道かを覗いてきたくもなったのである。

「わかりました、、、青木社長が覚悟をしてくれたなら、とことんやります、、、そして、青木社長の身辺は警護します」

「どうか、よろしくお願いします、、、私ができることはすべてやりますから、、、」

今回の「関西聯合睦会」も本腰を入れて,株式売買の取り決めの邪魔をしてくるはずであり、やくざとの抗争であるから、命がけであった。

やくざが無理難題を仕掛けてくるときは、やくざを前面に押して来るので、関西聯合睦会は人殺しも覚悟で攻めて来る筈だった。

知恵戦争でかなわないときは、「暴力」そのもで襲ってくるのであった。

青木社長は独身だったので、暴漢からは守りやすかった。

手を挙げての戦争だったので、、、

青木社長の身柄を守った、、、二人で交代で泊まり込みでガードをした。

関西聯合睦会は毎日、手を変え品を変え、嫌がらせと、襲撃を切り返した来た。

ボンボン警護の光一は告げた、、、、「同じことの繰り返しで、相手はやってきますから、、、辛抱してください」

そんなある日、関西聯合睦会の若い衆が襲ってきた。ゴルフ場からの帰り路だった。田舎の山道なので銃撃してきた。

光一たちは相手にすることなく、逃げ切った。

しかし、根を上げない青木社長に恐怖を与えた。

深夜、自宅に暴漢が襲ってきた、、、10人程度の銃を持った集団だった。光一と公平も応戦したが苦戦した。

二人は負傷までした、、、その上、青木社長の自宅が炎上してしまったのであった。

そして、関西聯合睦会はその晩に襲撃人数を増やして、青木社長を連れ去ってしまった。

この襲撃には光一も公平も参った。

その話を聞いた、国一平特務社員が乗り出した。

そして、秘密裏のうちに、国一平特務社員が後始末をしてくれた。

翌日の新聞にやくざ同士の仲間割れで、銃撃戦があり、やくざ多数が死亡したと、、、、



7)(闘争の最後は、、つゆと消えてもらう)

国一平特務社員の考えは一つだけである。世の中の悪者は邪魔なだけだと、、出来ることなら消えてもらう。

怖い恐ろしい思想の持主であった。人を困らしたり、悪事をしたり、人を殺したりする人間はいらないという。

なんで、悪人が世の中を闊歩して歩いているのかと、常に思っていた。

だからと言って、聖人君子ばかりでは面白くない。

悪人がいる、、、その悪人を退治するということが善人である人間の役目なのだ。

この世のなか、悪人がいて,善人がいるのである。

本当に面白い、、、悪人がいるから、その悪人を捕まえる警察がある。初めから、決められているような。。。

悪事が起こらないように、身辺警護をしたり、泥棒が入らないように戸締りをしたり、、、人には守ることが義務のような、、、

今回もやくざから狙われて、最終的にはそれらを撃破して守る、、、、

人はやられっぱなしではない、、、侵略されればやり返す、、、そんな本能的な知恵があり、行動をとるのだ。

本質的には闘争本能が備わっているような。。。

ボンボンガードの光一も、持っていたのである。闘争本能を、、、

この世のなか、やくざがどうのこうの言う前に、人にはそれぞれが持っているのだった。

最終的には守るためには「人殺し」は出来るのであった。

誰にでも殺人行動を起すことが出来る。



8)(人は誰でも己を守ることが出来る)

ボンボン警護の光一も思っていた。自負していたのであった。その覚悟が、心構えがあったからこそ、どんな困難にも、暴力的な行為にも対応して、身辺警護と言う危険な仕事にも立ち向かっていたのであった。

しかし、そうではなかった。

大物政治家と言われ、人格的にも人より優れたと言われた、

民友党幹事長の坂上藤十郎が暴漢に襲われた。地方選挙の応援会場でのことだった。

その時、ボンボン警護の光一も、国一平特務社員に頼まれて、応援の警護にあたっていた。

ボンボン警護の光一は民友党幹事長の坂上藤十郎のすぐ後方をガードしていた。

そして、暴漢が襲ってきた、3人がかりであり、拳銃と日本刀での決死の襲撃であった。

ボンボン警護の光一は立ち向かった。光一も以前よりは頑強になり、咄嗟に幹事長坂上藤十郎に多い重なり、身を挺してガードした。

すぐに国一平特務社員たちが、数人駆け寄り、暴漢を取り押さえた、

しかし、ボンボン光一は暴漢の発した拳銃に撃たれた。

幸いに腕だったので、命拾いしたのであったが、、、、

後が悪かった。数日後、ボンボン警護の光一が入院していた病院が襲われたのであった。

逆恨みの仕返しであった、、、光一は病院入院中だったので、瀕死の重傷を負った。

この時ばかりは、気丈夫な妻、じゃじゃ馬も病院で泣いた。

余りにもひどい負傷なので、、、、3人の暴漢で、手足を折られ、左腕を失った。

ボンボン光一は元気になってから、本当に怖いと思った。

やくざは殺すと言ってら、やるんだなと、、、自分の体の痛みを覚えた。

妻のじゃじゃ馬の美鈴は、、、

「命が有ったので、良かったよ、、、本当によかった、、、」

「ボン、、、やめよう、、ガードマンの仕事はやめよう。。

片腕、 片眼の光一でもいいよ。。。」とすがった。

じゃじゃ馬の目に涙が光った。

しかし、光一は腹の中で思っていた.

。。。いや、かんべんならね、、必ず仕返しはしてやると。。。

退院してから、光一はしばらく旅に出た。





9)(1年後、光一は帰ってきた、じゃじゃ馬の美鈴のもとに)


ボンボン警護の光一は負傷してから、1年たった、ある日にじゃじゃ馬美鈴のもとに帰った来た。

左目には黒の皮の眼帯をして、無くした片腕は義手を付けたいた。

「じゃじゃ、、、やっと、帰って来たよ、、、待っててくれてありあとう、、、」

「おかえり、、、よかった、、、元気そうで.片眼のボンさん」

駆け寄ってきたじゃじゃ馬美鈴を抱きとめた。

「おう、、公平に、、新米ガードマン、心配かけてっすまなかったな」

「今日から俺も、ボンボン警護に復帰するぞ、、、よろしくな」

ボンボン警護の事務所では光一が戻ったので、元気な声が響き渡っていた。

ところで、ボンボン光一を襲った関西連合睦会っでは、、、

幹部連中が集まって、恐ろしい相談をしていた。最後までとどめを刺せなかったのは失敗だった。

青木幹部参与はボンボン警護の光一には何度か邪魔をされて、襲撃を阻止されていたので、、、

「いいか、、、やくざの面子にかけても、ボンボン光一は獲るぞ、、、、奴の行動を見張れよ」

と、、、やくざ幹部会から指令が出ていた。

そんな状況を知らない光一は、単独行動をとった。

ボンボン光一は関西連合睦会への復讐心に燃えていたので。。。

しかし、関西連合睦会の動きを察した、国一平特務社員から注意が入った。

ボンボン光一を一人では行動させるなと、、、

そして、見えず悟られず、じゃじゃ馬美鈴が光一に張り付いていた。



10)(ボンボン光一は一人で探しまわった)


光一の頭の中には復讐心しかなかった。自分をここまで襲い,片輪にしてくれた恨みは強かった。

国一平特務社員が話しても、、、妻のじゃじゃ馬の美鈴が頼んでも、光一の復讐心は薄れることは無かった。

しかし、相手の関西連合睦会も光一を、今のままでは納得いかなかった。名前の通ったやくざが、、、広域暴力団が素人のガードマン風情に中途半端に許したのでは示しが付かなかったのであった。

いずれは二つのいがみ合いはぶつかると思い、、、国一平特務社員は特別に注意をしていた。

妻のじゃじゃ馬美鈴も四六時中、張り付き気を配っていた。

横浜連合睦会も事務所を変えていたので、光一にもなかなか見つからなかったのであった。

関西連合睦会が光一の行動を察して、尾行を始め、機会を狙っていたのである。

そして、ある夕方、ボンボン警護の事務所の入り口で、光一は襲われた。

横浜連合睦会は付け狙い、用意周到に5人のやくざ者で襲撃してきた。光一は普通ならやられている筈だったが、彼もまた準備をしていた。

襲ってきた3人を、義手に仕込まれていた拳銃で撃ち殺し、残りの二人を右手の訓練した拳銃で銃殺した。

あくまでも正当防衛を狙っての狙撃であった。

この状況を知った関西連合睦会は光一を銃撃したことで、暫く体制を引いた。

関西連合睦会はこの銃撃襲撃で捜査がはいり、首謀者の逮捕者が出たのであった。

ボンボン光一の復讐心は少しは治まった。





11)(ボンボン警護は片目のボンと異名を取り、恐れられた)


関西連合睦会のやくざ連中も今回の光一の襲撃で、警察の逮捕者も出たので、仕方なく一段落した。

ボンボン光一の事務所は妻のじゃじゃ馬美鈴と新米社員源氏守と3人での業務再開であった。

忙しい時に公平が手伝ってくれていた。

今回の関西聯合睦会との抗争で、ボンボン警護は信用がついて、ガードの仕事が増えた。

今回は町工場の「住田工業」と言う会社からの依頼であった。地元の反ぐれ暁からの手形取立の件での相談だった。

業者仲間の振り出した約束手形の裏書き保証の取り立てであった。不渡りになったので、全額支払ってほしいとの申し入れであった。

住田工業の住田社長はが確認したら、事実であった。

取り立てに来た反ぐれ暁の人と話し合いをして、期日を決めて、支払う約束をしたのであったが、、、

その間の担保を出せと言ってきたので困った、、、そこで、ボンボン警護の光一に連絡が入った。

そして、光一の父親と住田社長は仕事での付き合いがあったので、助けを求めてきたのであった。

連絡を受けた光一は住田工業へ向かった。

そして、待たせてあった反ぐれ暁の人間と会った。

片目の光一が入ってきて、挨拶をしたので、驚いて話が控えめになった。

「杉下と申します、、本日は手形保証している、住田工業さんにお支払いの件で伺いましたので、、、」

「わかりました、代理の三川光一郎と言います。。申し訳ありませんが、再度お話を聞かせてください。」

と、ボンボン警護の光一は説明を求めた。

そして、事情を聞いて理解した。

「ところで、不渡りを出した会社は、現在、仕事はしていますか、、、それともしていませんか」

と言う質問に、、、

反ぐれ杉下と言う人間が答えた。

「まだ、営業しています」と、、、

「そうですか、、、それでは、その債権回収の件は、振り出し人と話合いをしてからにしてくれませんか。。。

倒産して、全て、回収不能になってから、当社との話し合いになりますので、、、」

と言うことで話し合いがついた。

まずは法律的な解決をしたのであった。

裏書き保証した会社が完全に倒産して、支払い不能になってからの話をすればいいのであった。

「住田社長、、、調べて、保証した会社との話合い、準備をしておきましょう。。。」

と、ボンボン警護の光一は話をしたのであった。



12)(取り立ての話が飛んだ方向に、、、)


東京都墨田区内の反ぐれ暁からの取り立ては、ボンボン警護の仲介で話が付いた。不渡りを出した住田工業が一回目だったので、買戻しをすることで決着がついたのであった。

そのことよりも、反ぐれ暁の上部団体の関東連合紅葉会の因縁があったのである。

関東連合紅葉会の若頭青葉幸太郎が以前起こした殺人事件の裁判の証人をすることになっていたが、、、今回の手形の件で債権は無しにするということの要求がされたいたのであったが、ボンボン警護の仲介で債権は無くなった。

そのために、今度は脅迫が始まった。

暴力団が牙を向いて、嫌がらせ、脅迫を迫ってきたのである。

住田社長は警察に保護を頼んだが、四六時中ガードはしてくれなかった。裁判で証人をするならと言うことで、家族の脅しまで始まった。

住田社長の証人が無いと、殺人罪として立証できなかったので、関東連合紅葉会としても必死であった。

警察がガードしてくれないならと、、、ボンボン警護に再びガードを依頼したのであった。

「三川社長、、、ガードをしていただけますか。。。」

過去のガード実績をしていたので、家族の警護を依頼した。

関東連合紅葉会では、、、

「ガードをボンボン警護に依頼したようだ、、、、厄介だな」

「どうせなら、、、邪魔だから、、、一緒に潰してしまうか。。」と言うことになった。

関東連合紅葉会では再度、確認してからと言うことになった。

反ぐれ暁の杉下幹部が確認してきた。

「住田社長、、、どうしても,裁判には出ますか、、、証人は引き下がりませんか。。」

と言うことで、、、、

住田社長は「裁判には出ます、、、」と言って

覚悟を決めて返事をしたのであった。

ボンボン警護の光一も腹をくくって、ガードすることにした。

当然、警察にも連絡をして上でのことであった。



13)(住田社長、、、裁判に出頭)


今回の裁判証人問題では、、住田社長は警察と、、、ボンボン警護にガードされて、裁判に出席することにした。

それによって、関東連合紅葉会は最後の手段に出てきた。

裁判で証人されれば、、、間違いなく刑が確定する。

そして、事によれば死刑もありうるのであった。

そのために、関東連合紅葉会は必至であった。

関東連合紅葉会の若頭青葉幸太郎が有罪か無罪かので、命がけであった。

関東連合紅葉会では命知らずのやくざ者が、、、名を上げようとする馬鹿がいるので、、、ボンボン警護は用心していた。裁判が近くなってからはボンボン警護の光一が泊まり込みで警護していた。

警察関係も夜通し警護していた。

しかし、夜中に決死の暴漢が襲ってきた。

黒覆面で5人が住田社長宅を襲った。

ボンボン警護の光一はガードしていたが、一瞬のスキをついて、住田社長は襲われた。

銃撃されたので、住田社長は即死状態であった。

襲った暴漢は逃げて、犯人は分からなかった。

裁判は中止になり、、、事件は起きたが、暴漢がわからず、、、警察も犯人を特定できなかった。

誰が見ても、聞いても。。。関東連合紅葉会には違いないのだが、、、そうだとは断定できなかった。

このことがニュース流れ、、、ますます、やくざに関しては恐ろしくなり、見て見ぬふりをするようになった。





14)(ボンボン警護の光一は自分のふがいなさに、涙した)


住田社長の時は不覚を取った、、、トイレに行ってる、隙に乗り込まれたのであった。なんとも甘かった、、、

自分では警護に自信があった上に、家の中なので,ちょっと安心したようだ。。。一人の守るべき人間を守れずに失ったことが悔しかった。攻めるよりも守ることの難しさを痛感した。取り返しのつかないことなので、、、

ボンボン警護の光一は家族に、深く陳謝した、、、謝って,すむことではなかった、、、、

住田社長の無念を晴らさずにはおけなかった。なんとしても、襲ってきた暴漢を見つけ、その暴漢が今回の判決の犯人とつながっていることを証明しないと。。。

ボンボン警護の光一は決めた、、、、何が何でも見つけて証明すると。。。

そうしないと、いけないんだと、、、無念を晴らせないと。。いい聞かせた。

そして、ボンボン警護の光一は関東連合紅葉会に張り付いた。暴漢の一人は声に聞き覚えがあったので、、、その声を頼りに、来る日も来る日も。関東連合紅葉会の一人一人にあたっていった。

時間はかかったが、、、やくざ同士で自慢する話が聞けた。それを頼りに、襲った暴漢を探していった。

やっと、ひとりを見つけ、締め上げた。

暴行であり、暴力での締め上げで、吐かせた。

5人を締め上げ、証文を取った、、、、そして、警察に証拠固めをしてもらい、、逮捕にこぎつけた。



15)(ボンボン警護、暴漢5人を逮捕して、関連付ける)

ボンボン警護の光一は無気になっていた。自分が警護していたにも関わらず、警護者を殺されてしまったことに、悔いを残したのであった。

何が何でも、暴漢者を探して、判決を待っている関東連合紅葉会の若頭青葉幸太郎を有罪にするためには必要なことだった。

ボンボン警護の光一はその暴漢者を一人だけ分かっていたので、あらゆる情報を駆使して、探し出した。

そして、確保して、監禁したのであった。

何が何でも残りの暴漢を吐かせようと考えていた、違法行為は仕方がない、、、拷問に伏して、白状させようと行動を起していた。

光一も自分が、拷問にかけて、手を緩めなかったので、びっくりした。

最終的には残酷な拷問を遣って退け、のこる4人の住所探し出した。

そして、警察の力を借りて、全員を逮捕した。



  

16)(ボンボン警護も裏社会に名が通った)   


ボンボン警護の光一は今回は徹底して最後の始末まで済ませた。

自分が受けた警護の仕事で、依頼人を死に至らしたことに責任を感じていた。

その結果、命を懸けて仕返しをしようとしたのであった。

依頼人を殺した犯人をみつけ、最終的には裁判の被告人青葉幸太郎を有罪にするまではと踏ん張ったのであった。

ボンボン警護の光一も一流になってきたのであった、

ボンボン警護の光一は警護の仕事を始めて、最初から最後までを締めくくったのであった。

責任を果たしたような気がした。

金持ちの道楽息子に生まれて、初めて、片手、片目を失って、男としての仕事をしたような気がした、

これからは後ろ指刺されずに,警護の仕事ができるような気がした。

やっと、人を警護すること、守ることが分かってきた。

恋女房のじゃじゃ馬と一緒に、これからも命がけの警護をしていこうと思う。


17)ボンボン警護の新たな出発。。。

ボンボン警護の光一は今回の隅田工業の警護で学んだことが多かった。
狙われた依頼人の身辺警護ほど難しいものはなかったのである。昔からいわれれる様に、、狙うよりも狙われほうがたやすく狙えるという「剣客」の果し合いのようなものだということを。。。
守ることの困難さをしったのである。
これからの身辺警護は慎重に、きめ細かく計画的にやらなければということを,体で学んだのであった。
責めるよりも守ることの難しさを知ったのである。
昔の剣豪が戦う時に「守ることの難しさを説いているように」身を守ることの難しを言っているのであった。
責めるのは自分の都合で責められるが守ることは常に守りであり、、気が抜けないのである。
責めることと守ることでは「己の神経」の使い方がまるで違う、、、
その辺の武道の心得を修行しての旅でもあった、、、ボンボン光一であったのである。
心構えが違ってきたボンボン光一は、身辺警護に対応する時の気構えが変わってきた。。。
その気構えは警護される人にも伝わっていったようである、、、
その姿勢は警護を依頼する人々からも信頼されて、、、仕事がふえていったのである。
ボンボン光一は片腕片目になってから、、人格的にも成長して人からも頼られる警護員になってきたのである。。。
国一平からも「特務員」になったようだと、、、いわれるようになった。



18)ボンボン光一の特務員仕事が国一平から依頼された。

国一平から連絡が入り、、、ボンボン光一は国一平の事務所にむかった。
「光一、、、国会議員の有田由紀の警護の仕事が依頼されたので、お前、やってみないか」
と、、、身辺警護を頼まれたのである。
彼女は坂上藤十郎、民友党幹事長の息子の嫁さんで、将来を嘱望されている国会議員なのだが政界に敵が多いのであった。。。
しかし、坂上藤十郎幹事長は息子より、有田由紀を勝っているのである。。。何かと重宝狩り、有用しているのだった。
彼女は行動力が旺盛で、決断力があって、男勝りなのである。
坂上幹事長は常日頃から「息子藤吾と嫁の由紀が逆であれば」よかったと、、、
そんなことで、有田由紀議員もその地位を利用して、政治に辣腕を発揮していた。
内心思っていたのである。
民友党初の女幹事長になることを夢見て政治一身に働いていた。
そのような話を聞かされたボンボン光一は今回の身辺警護には興味を持ったのである。
やり手、女政治家かとも思い会える日を楽しみにしていた。
そして、国一平に連れられて、有田由紀議員の事務所を訪ねたのである。
ボンボン光一は思っていた人物像とは違っていたので好感が持てた。
気取った、気位の高い,いやな女を想像していたので思惑が外れたのである。。
国一平と有田由紀議員の事務所に入って、、
挨拶をされた。。。「はじめまして、、有田です、国さんから聞いていますので、、宜しくお願いします」と、、、丁寧に静かに頭を下げてきたのである。
「初めまして、ボンボン警護の光一と申します、、、宜しくお願いします」
と、、、ごく普通の挨拶をした。
ボンボン光一から見ると、、やり手の国会議員には見えなかった、、、
やさしいお姉さんにしか見えなかったので、、、光一は有田由紀議員をしみじみ見つめてしまったのである。
有田議員が不思議そうに、、「あら、、私の顔になにかついているかしら、、」
と、、尋ねられたのであった。
有田議員との面接は合格して、、決められた日に身辺警護のために来ることになったのでる。
最初は外出する際の警護であった。
ボンボン警護の光一は有田議員の予定表を貰い、、、緊急の場合は有田議員から連絡が来ることになった。


19)有田議員の警護について、、、


ボンボン警護の光一は今回の有田議員の警護に当たって、妻の相棒でもある「じゃじゃ馬の美鈴」と一緒に警護することにしたのであった。そして、、、訪問した最初の朝に妻、美鈴を紹介したのである。
「おはようございます、、先生、、、一緒に警護に当たる妻の美鈴ですので、よろしくおねがいします。。」
美鈴も丁寧に挨拶をしたのであった。
「おはようございます、、、有田です、、宜しくね、、、光一さん、素敵な奥さんですこと、、、」
送迎の車の運転は妻美鈴「じゃじゃ馬」がすることになり、、、ボンボン光一は警護に専念することにしたのであった。
「先生、、相棒の妻美鈴はあだ名はじゃじゃ馬というですよ、、、顔に似合わずに男勝りの猛者なので安心してください」
と、、冗談交じりの紹介もしておいたのである。
「そうですか、、、頼もしいですね、、、これから、長くお付き合いできるように頼みますよ、、、」
快く受け流してくれた。
最初の目的地である、、民友党会館についたので、、、有田議員が1時間ぐらい待つようにと言ってくれた。
その間は民友党会館の駐車場で待つことになったのである。
そして、ボンボン光一は会社事務所と連絡を取っていた。
久しぶりのじゃじゃ馬美鈴との仕事であり、、一緒に行動できることが光一にはうれしかった。
本当にいろいろあって、ボンボン光一は妻美鈴をどこへも連れてい行ってないので、すまないとおもっている。
事件が多すぎたし、、、怪我もしての入院もあった上に、心の癒しと称して旅に出たりして、本当にやさしくしていなかった。
ボンボン光一には出来すぎた妻であり相棒であったのである。
これからは時間を作って大事にしていきたい、、、心から感謝しているつまであった。

時間も経ち、約束の時間が来たので有田議員を民友党会館の玄関に向かいに行き、まっていたのである。。
有田議員が玄関から出てきて、車に乗ろうとしたときに、、一人の暴漢が襲ってきたのであった。
ボンボン光一が車のドアのところにいたので、よかったのである。
また、暴漢も日本刀を振りかざしてきたがボンボン光一にガードされてしまった。。
すぐに民友党会館の玄関でガードしていた警備員に取り押さえられたのであるから、、事なきをえたのである。
ボンボン光一は有田議員を乗せて、車のドアを閉めて、じゃじゃ馬に走らせた。
ボンボン光一は安全を確認してから車に追いつき乗車して、じゃじゃ馬美鈴にいったのである。。
「大丈夫だ、、、いいよ、、走って」と、、、
「先生、大丈夫ですか、、、怪我はありませんか」と、、安全を確認した。
有田議員は、、「大丈夫だよ、、、ありがとう、、、あなたは怪我しなかった、、、」と、、心配してくれた。
「先生、、、次の予定はどうしますか。。」と、、ボンボン光一はきいた。
う「なんか、ケチが付いたようだから、、、今日は中止しましょう、、、家に戻つてください」と、、、言うことになり
自宅のある田園調布に戻った。
「あなたも、今日は休んでください、疲れたでしょうから」
と、、、言うことになり警護の仕事はおわったのである。
きがした

20)この世は「出る釘は打たれる」の例えの人生だ。

ボンボン光一の警護の初日に暴漢に襲われた有田銀員はショックだった。。何事もなくボンボン光一が無難に対応してくれたのである。
次の朝、田園調布の自宅に迎えに行ったが、光一から見ると元気がなかかった。
ボンボン光一の相棒である「じゃや馬の美鈴」が心配して、、、
「先生、、、おはようございます、、嫌いでなかったらボンボン警護の特性の朝のコーヒーはいかがですか、、」と、薦めたのである。
有田議員は「ありがとう、、、私、コーヒーが大好きなので、喜んでいただくわ。」と、、、美味しそうに飲んでくれた。
光一は心の中で「じゃじゃ馬美鈴」に感謝したのである。
「今朝は、、警視庁本庁へ行ってください、、昨日の事情聴取があるにで、おねがいしますね、、」と言われて、、、
桜田門の警視庁へ向かった
事情聴取はボンボン光一もおこなったのである。
犯人のことは詳しくは分からないけど、、、警察の話だと自由党政治に不満を持つ者の行為らしいと、、言われた。
一通りの調べが終わってから、^自由党会館の本部に行き、、、坂上藤十郎幹事長に報告をしたのだった。
「昨日は大変だったね、、、政治家をやって、有望視されると、これからもますます狙われるからな、、、気をつけてよ、、、」
と、、念を押されたのである。。
「しかし、あんたの頼んだ警護はなかなかいいな、、、安心したよ」
そのあとは他愛もない世間話をして、自由党会館をあとにした。
「光一さん、、、奥さんの美鈴さんも一緒にお昼をしましょう、、昨日のお礼と言ってはなんだけどね。。」
有田議員の馴染みのステーキ屋に連れて行つたくれた。
光一も美鈴も時間が取れなくて、ゆっくり食事をしていなかったような気がしたのである。
久しぶりに美味しい食事が出来たので二人は嬉しかった、、、そして、時間を作ってくれた有田議員に感謝した。
「光一さん、、、奥さんと二人で買い物をしたいのですがいいですか。。。」と、、光一を待たせて銀座を散歩したのである。。
1時間ぐらい光一は馴染みの喫茶店でお茶を飲みながら待った。
帰ってきたじゃじゃ馬美鈴がにこにこしていた。
「光一、、、有田議員に買ってもらったの、、、」といって、、スカーフを見せてくれたのである。。
「ねえーー美鈴さん、、これからは警護の仕事だけじゃあなく、、、お友達としても付き合ってくださいね」と、、二人の会話は弾み、ボンボン光一から見てもいい感じに映っていた。
朝の有田議員とは打って変わって、いつもの明る車内い議員になっていたのである。


20)有田議員視察の幼稚園で、、

いつものように有田議員を迎えに行き、、ボンボン警護の光一とじゃじゃ馬美鈴は車に有田議員を乗せて、今日の目的地である「台東区立幼稚園」に向かった。
少子化対策の一環としての教育指導での保育士の指導ぶりの見学と父兄の意見交換会を兼ねての視察である、、、
朝の一時間が終わるころだった。。。。「きやぁーー」という叫び声で、
一人の暴漢が飛び込んできたのであった。
手には日本刀を振りかざして、、何かを叫びながらながら、、、何を怒鳴っているのか聞き取れなかったのである。
と、、、同時に暴漢の前にはボンボン警護の光一が立ちはだかっていた。
暴漢は「どけ、、どかないと殺すぞーー」と叫んでいたような、、、
ボンボン警護の光一は両手を広げた、暴漢の行く手を遮っていたので,暴漢が日本刀を突き出したのである。
光一は避けたかったけれど、、光一の後ろには逃げ遅れた子供がいたのであった。そのために、あえて光一は逃げずに暴漢の刀に刺さたのである。
ボンボン光一は刺されたままに刀を抜かずに、暴漢を抑えた、、、
そのために暴漢は動けずに、ボンボン光一に抑えつけられた。
後から飛んできたじゃじゃ馬美鈴に暴漢は投げ飛ばされて、御用となったのである。。。
警察官も来ての逮捕劇であった。
じゃじゃ馬が光一を心配したが、幼稚園の救護室で応急手当をしたので、、、
そのあとで病院へいった。
ボンボン光一の機転で素早く対処したので大事には至らなか、ったんである。
誰も傷つくことなく、怪我をしたのは光一だけだった。
有田議員は光一と美鈴に感謝した、、「ありがとう、、、怪我は大丈夫、、、」と、、気づかってくれた。
幼稚園の保育士さんたちにも参加してた父兄にも感謝されたのである。。。
そして、、、幼稚園児からも、、、「お兄さん、凄いな、、、怪我は大丈夫」と、、言われた時は嬉しかった、、、警護の仕事をしていて、よかったと思った。


21)有田議員、田園調布の自宅で監禁される、、、


有田議員の父親の有田勇三郎(もと民友党幹事長)が起こした脱税汚職での事件で恨みを残していたのである。
大日本発電機器(株)の東南アジア支社での脱税疑惑であった。
東南アジアタイでの発電事業に関して、「約3千億の発電施設」を設置した時の工事で、地元住民の労働賃金を膨らませての脱税である、、、
その工事の下請け業者である「東亜開発工業(株)」が、、その脱税贈収賄事件で、結論的には騙されて倒産をしたのであった。
東亜開発工業(株)の現地支社は悲惨だったのである。
倒産の原因は「脱税」とされ、同社の須永支社長が絡んだ「贈収賄事件」ということであったが、、
現地作業場での爆発事故で地元住民作業員が15名亡くなり、地元住民との賠償問題等のトラブルがおきたことであった。
そして、須永支社長が住民たちが起こした暴動で亡くなったことが大きな引き金となったのである。

有田議員の父親、有田勇三郎が民友党幹事長をしている時に起きた東亜開発工業(株)の脱税収賄事件では約三千億円の不渡りを出して本社も倒産をしたのであった。
親会社の「大日本発電機器(株)」は現地法人である、東亜開発工業(株)を見捨てたのであった。そのあおりを受けた東亜開発工業(株)も資金運営が旨く行かずに連鎖倒産をおこしたのである。
タイの発電現場では爆発事故を起こし、、その損害賠償でも資金悪化が起きての崩壊であった。

東亜開発工業(株)の倒産が起きてから5年が経ち、、世の中から忘れ去られた事故であり、会社倒産であった。
そして、今朝は現在の民友党幹事長、坂上藤十朗が関連している、住藤金属(株)が脱税汚職疑惑で検察庁から特別捜査が入ったというニュースが流れた。
ボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は車の中でそのニュースを聞きながら、、有田議員の自宅に着いた。
じゃじゃや馬美鈴が車を玄関先に止めて、、光一が出迎えに出た。
その時、家の中から、、「きゃあーー」と叫び声が聞こえたのである。。ボンボン光一は玄関のドアを開けて中に走った。


22)有田議員宅に凶悪犯押し居る。。。

叫び声でボンボン光一は有田邸の中に飛び込んだ、、、応接間に入った途端に、、、
「そこで止まれ、、、動くんじゃぁない、、、動くと女の命はないぞ、、」と、、顔を覆面で隠した3人の男たちが有田議員を後ろ手に縛って立っていたのでる。。
ボンボン光一は、、「まずい、、参ったな」と、、内心思いながら立ち止まった。
すぐ後からじゃじゃ馬美鈴も入ってきたのであるが、、光一が入り口で合図をしたので止まった。
ボンボン光一は自分に言い聞かせた「落ち着け、、、」と、、、
そして、聞いたのである。
「わかった、、動かないよ、、何もしないから、、、あんたたちはどうして欲しいのか、教えて欲しい、、」
ボンボン光一は侵入した覆面の男たちに聞いたのだった。
「前の幹事長の有田勇三郎をここへ連れて来てくれ、、、話はそれからだ、、」と、、流暢な日本語で言ってきたのである。しかし、、光一も困った。
有田勇三郎は病院に入院中であったので、、「ここにはいない、、」と言って、
有田議員に突き付けた刀を引き下げるように頼んだ。
ボンボン光一も必死に説明をしたのである、、そして、有田議員が有田勇三郎の娘であることをはなした、、
「自分が人質になって、有田勇三郎が入院してる病院に案内するから、、」と、まで言って、、有田議員を抑えている男たちから引き離そうとしたのである。。。
ボンボン光一は一時的にも危険範囲から有田議員を守ろうと試みた、、、
黒覆面の男たちの一人が指示を出したのであった。
「あんたも一緒に来てもらうけど、、有田勇三郎の娘も病院まで付いて来い、」ということになった。
黒覆面の男たちのリーダー格の男は用心ぶかく、、じゃじゃ馬美鈴も一緒に運転していくことになったのである。
ボンボン光一は困った、、、有田議員も光一もじゃじゃ馬も一緒ではまずいと思った。
有田議員を一時的には救ったが、、病院での危機が迫ったのである。
世田谷綜合病院に着いた,黒覆面の男たちは車から降りずにぼんぼん光一に指示を出したのであった。
光一は黒覆面の男たちの目的が分からないので手の打ちようがなかった。
もう少し、様子を見るために、男たちの指示に従っていた。
黒覆面の男たちは一人のリーダーに従って動いていたのである。
有田議員が人質に残されて、、、光一と覆面の男がサングラスに変えて病院の中に入って行った。
そして,有田勇三郎が車椅子に乗って、光一たちと出てきたのである。
有田勇三郎を乗せて、、有田議員や光一達を乗せて走り出した。


23)有田議員の箱根別荘で、、、

有田議員と有田勇三郎を乗せたワゴン車は箱根の有田議員所有の別荘に向かった。
黒覆面の男たちは無言だった、、ただ、行く先を有田議員に告げさせて、、じゃじゃや馬が目的地向かい走ったのである。
目的地の別荘に着いてからは、黒覆面のリーダー格の男の指示に従って動いた。
リーダー格の男以外の二人は日本語が話せないようだった、、言葉の分からない言葉で指示命令を聞いて、その通りに動いた。
有田議員は後ろ手に縛られて椅子に座らせられて、、有田勇三郎は車椅子に座ったままでロープを掛けられた。
そして、ボンボン光一とじゃじゃ馬は二人で背中合わせにされて縛られたのである。
そのあと、黒覆面の男たちの別動隊がいたのであった。
連絡を取り合ったリーダー格の男が、その別動隊に指示をだしたようであり、、次の日に更に黒覆面の男たちが5人有田議員の別荘にやってきた。
一人の男が頭から袋をかぶせられて、よろよろしながら入ってきた。
「大日本発電機器(株)」の太田黒昭一社長であった。
その黒覆面たちのリーダー格の男が覆面を取り、、話を始めた。
「なんで、、お前たちはここに連れて来られたか、分かるか、、」と、、聞かれたが誰も答えることは出来なかった。ボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴はしらなかったのである。。
リーダー格の男は言った、、「お前ら二人は、、関係は無いが、、警護みたいだから諦めてくれ、」
と、、言われても光一は内心、思ったのだ「ふざけるな、、、関係ないと言われても、、必ず、邪魔をしてやるからと、、」
今は黙って、事の成り行きを見守るしかないと、、、黙っていようとして、チャンスを待った。
「いいか、、俺はチャンスーという、、、今から5年前にタイのある地域でダム工事があった、、その工事の元受け会社が、、大日本発電機器(株)という会社で、その下請けの東亜開発工業(株)が実際の工事をしていたのであった。」
しかし、現場で爆発事故がおこり、、地元従業員が15名亡くなり、会社も倒産してしまい、、事故の賠償責任を取らずに、わずかな保証金で逃げたのであった。
当時の東亜開発工業(株)の須永取締役支社長が奔走してくれたけれど、、交渉中に山道で事故にあい、亡くなってしまったのである、、その上に東亜開発工業(株)は倒産してしまった。
その後別会社がダム工事は仕上げたのである。。
しかし、、爆発事故で亡くなった住民の恨みは残った、また、当時、住民労働者の為に奔走してくれた須永支店長の車事故は故意に仕組まれたことが分かったのであった。
その須永支社長の現地で一緒成って生まれた子供が「チャンスー」であったのである。。
現地労働者と須永支社長の子供たちが、その恨みを晴らすための暴動であった。
その現況が当時の権力者である、有田政調会長であり、、大日本発電機器(株)の太田黒社長と決めての報復であったのである。
時代の流れの中の経済関係や国同士の政治関係で起きた工事であったが、、その政治力を利用した企業の悪行は許されるものではない。
しかし、、企業という生き物は一人の社長が動かすものでもなかった。
「みんなでやれば、、怖くない」という群衆心理で動くのが会社組織なので始末がわるいのだった。
だから、誰を罰すれば済むということでもないのだ。
失敗をしたり、、大きな過失をした場合は、、一人が責任を取れば済むという問題でもないから、、復讐報復は難しい。
あえて言えば、、、会社の代表が「自分から責任は取って、潔くすればいいのだが、、今の世の中にはサムライはいない。。武士道を魅せるような男は居ないのだから情けない」
話を聞いていたボンボン光一には中身がよく見えた。
個人的な恨みを晴らすだけと風におめたのであった。
しかし、、男がいた、、有田勇三郎であった。
「チャンスー、、、話を聞いてくれ、、、あの工事の指示を出したのは私だ、、だから、
責任は私が取る、、、爆発事故に絡んだ事が不始末だったことは、、心から謝る、、
もし、出来るなら、私の持ってる財産を全て処分して、その少しでも償いたい、、
許してもらえないと思うけど、、私の命で償えたら許して欲しい。。」
と、、しわがれ声で頼んだのである。。
日本語の分かるチャンスーには理解できたが、、、他の黒覆面の男たちには分からずに、
今にも二人を殺す勢いであった。
チャンスーが言った、、、「みんなは駄目だと、、いってる、、殺せ」と、、
話を聞いたチャンスーは困った。
彼は思っていたのである、、、「殺せばいいものだとは思っていなかった」のである。。
チャンスーはした。
それで、、「みんなで、一晩考えることにしたのであると、、」答えたのである。。。


24)ボンボン光一の逆襲

ボンボン光一は有田勇三郎のは話やチャンスーの話を聞いて、有田勇三郎をむざむざ殺させるわけにはいかなかったと同時にチャンスーにも殺しをさせられないと思ったのである。
箱根の別荘で光一は考えた。
夜中、黒覆面の男達も何人かは寝込んだ、、その間にボンボン光一は自分の義手を外したのである。。そして、縛られた縄を外して、、じゃじゃ馬美鈴の縄をほどいた。
それから、仕込んでおいた義手の中から「拳銃」を取り出し、じゃじゃ馬美鈴に渡した。静かに音を立てずに合図をしたのである。
ボンボン光一は義手に細工してある「刀」を右手に持って、チャンスーに近付いた。
その間にじゃじゃ馬美鈴は有田議員と父親の有田勇三郎をボックスの陰に隠したのである。チャンスーに近付いたボンボン光一は、仮眠に入っていたチャンスーに言った。
義手に細工した刀でチャンスーの首を抑えて、、、「仲間に言ってくれ、、やめろと、、」でないと殺すぞ、、
しかし、チャンスーは笑った。
「だめだよ、、俺を人質にとっても、、彼らはやめないよ、、無駄なことはするな」
と、、言ったのである。
仮眠していた黒覆面の男達は起きてきて、、小銃を構えて、、その様子を見た男たちはそろって首を振った、、、ボンボン光一は理解できた、、、
チャンスーを犠牲にしては出来ないという風な態度をとったのである。
ボンボン光一は、、「チャンスー、、お前の仲間たちは裏切れないようだ、、余程、お前が大事なみたいだな、、、」と、、言いながらチャンスーを諭したのである。
俺では信用出来ないかも知れないが約束するといって、黒覆面の男達の小銃を放棄させたのであった。
じゃじゃ馬の足元に小銃を置かせたのである。
「チャンスー、、元、政調会長の有田勇三郎が全てを投げ打って賠償に応じると言ってるのだから、、信用して欲しい」
「有田勇三郎の娘の有田議員も証言しているのだから、賠償保障の件は信用して、今回あの怒りは納めて欲しい。。」と、、話をしているうちに、縄を解かれた有田議員が連絡を取ったのか,別荘の周りには警察が取り囲んでいた。
そして、、様子を見て突入してきたのである。
ボンボン光一はチャンスーに約束をしたのであった。
「チャンスー、、、あんたとの約束は必ず守るから、、そして、連絡をするよ、、」
チャンスーたちを送り出したのである。


25)チャンスーとの約束

ボンボン光一はチャンスーとの約束は守りたかった、、有田勇三郎は約束を守ると言ってくれたのである。
娘の有田議員に命じて、手続きを始めるようにした。
有田勇三郎が、、大日本発電機器(株)の太田黒社長に言った、、、
「おい、、太田黒、、お前は賠償するんだろうな、、しないとは言わせないぞ、、」と、しわがれ声で半ば脅し気味で話したのである。。
「有田先生、、、やりますから、指導してください、、」と、、なったのであった。
ボンボン光一は話を聞いていて、安心したのである。
そして、、有田勇三郎、有田議員、太田黒社長を乗せて、有田勇三郎が入院してた病院に戻った。
有田勇三郎は病人なので検査をすることになり、、太田黒社長は会社から迎えが来たのであった。
帰り際に、、「太田黒、、今後の事は娘とボンボン警護の光一社長の指示に従い、、速やかなに約束事を実行しろよ、、、いいな、、やらないと今後の仕事に支障をきたすからな、、」
と、、命令口調で指示をだしたのである。
言われた太田黒社長は迎えに来た車で帰っていった。
そのあとで、、有田勇三郎は、、「光一社長、、遅れて申し訳なかったね、、今回は本当にありがとう、、なんてお礼を言っていいか分からないよ、、本当にありがとう。」と、、頭を下げたんである。
頭など下げたことのない人が、、、
そして、、「由紀をいつも警護してくれてありがとう、、、この光一社長なら安心だよ」と、、、
笑みを浮かべたのである。
「由紀、、、わしのざ遺産を処分して賠償に回してくれ、、、それから民友党本部の坂田藤十郎幹事長にも話して於くから会ってきてくれ、、、民友党も脱税疑惑で大変だけどな、、この問題が表に出れば、二重の不祥事になるからな、、よくよく、話してきてくれよ」
と、、言うことになり、、、
有田議員を乗せてボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は引き上げた。


26)顔役が動くと凄い、、「いいことで動けば喜ばれる」のだが。。

ボンボン光一は思った。政治的にも力のある人間が動くことは凄いことを知った。
顔役と言われる人間は「潔く」人の為に動いて欲しいと。。。
民友党の有田勇三郎は「死んでも鯛」であった。
やはり、人の上に立つ人間は良くても悪くても「思いっきり」がいい、、決断力があって、結論が早い。
有田勇三郎の指示に従い、娘の有田議員も行動が早く、思いっきりが良かった。
有田勇三郎の不動産処分の決済が早く、、有価証券等の処分も早かったのである。。
後の民友党の責任における賠償は時間はかかるが、指示はされて有田議員が動いた、、また、大日本発電機器(株)の賠償責任をとらえる準備計画も進んでいたのである。。
ボンボン光一は改めて有田勇三郎は男だなと感心したのであった。
悪は悪らしい潔さがみられたのである。
有田勇三郎の処分した財産は現金に変えられて有田由紀議員が直接に現地被害者に届けた。その結果状況をボンボン光一は、チャンスーが面会が出来るようになってから報告したのである。
「チャンスー、、元気か、、体は大丈夫、、、」と、、、話してから、チャンスーたちとの約束の一回目の賠償金は届けたことを伝えた。
そして、後の会社関係、政府関係の賠償金については有田勇三郎が責任を持って、やっているので、その結果報告はするから安心して欲しいと、、、
「チャンスー、、罪は罪だから、日本の法律に従って、努めてくれ、、」と、、ボンボン光一は約束をしたのであった。


27)有田由紀議員の信頼は厚く、、

有田勇三郎の決断で、彼の不動産物件は処分された、、、そして、現金化されてタイの工事現場だった「大日本発電機器(株)」で働き、爆発事故に巻き込まれた地元住民への損害賠償は行われた。
そのために、有田由紀議員は住むところが無くなり、、世田谷区内の賃貸マンションに移ったのである。
ボンボン光一の迎える所も変わった。
「先生、、ご不自由なことはありませんか、、」と、、じゃじゃ馬美鈴は心配したのであった。
マンション言っても、、都内では高級なマンションではあった。
実はじゃじゃ馬美鈴の父親が経営する賃貸マンションであり、、便宜を図ってもらったのである。
じゃじゃ馬美鈴の父親の「光川商船(株)」が賃貸マンションを都内でいくつか経営していたので、、ボンボン光一たちが住んでいる同じマンションに引っ越したので、、警護もやりやすくなったのである。
そなこともあって、有田由紀議員の父親の勇三郎は安心して、病院生活を送ることが出来た。
そして、引っ越しも一段落した夜に、、、ボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は有田議員を自宅に招待したのであった。
「由紀先生、、」と、じゃじゃ馬美鈴は呼んでいた、、、
その日は光一と美鈴の結婚記念日だったので、、、ささやかなパーティを開いたのであった。


28)有田勇三郎、、狙撃される

今回のタイにおける爆発事故の損害賠償問題で、、、余りにも、有田勇三断で決めて、地元住民に保証したことが、逆に反感をかって、関係者から突き上げをされたのであった。
特に開発に関係した「大日本発電機器(株)」の太田黒社長たちは不満をもっていたのである。一度話が決められて解決した問題を、いくら元の担当政家といえども、現在は政治から離れた元老に過ぎないのであるから、
やり過ぎだと批判が出ていたのであった。
民友党本部からも苦情がでたのであった。
坂田藤十郎幹事長からも、調整役としても困ったのである。
このことにより、常に味方して、何事に関しても押していた坂田幹事長も有田由紀議員を前面に出すことを控え始めていたのであった。
そんな、ある日、事件が起きた。大日本発電機器(株)は、兎角噂のあった「関東連合紅葉会」との付き合いがあり、賠償問題などの解決には同連合会の傘下の「横浜紅会」が乗り出すのであった。その横浜紅会の斎藤若頭が行動派だったので、そのやくざ組織が動いたのである。
有田勇三郎が病院で狙撃されて死亡したのであった。
狙撃犯はすぐに自首してきたが、どの組織にも属していない反ぐれだった。
この話を聞いたボンボン光一は関東連合紅葉会ならやりそうなこととおもったのである。
以前にも関東連合紅葉会とトラブルがあった光一であった。
大日本発電機器(株)の太田黒社長は、今回の有田勇三郎の決断指示に難癖をつけたのである。
「なにをいってるんだよ、、あの老いぼれは、、いい加減にしてくれ、、かっこつけやがって、、」
と、、当時の関係者に愚痴をいっていた、、、
「とっくに片づいた賠償問題を、、ふざけるなってんだよ、、あんなボケ爺はいらないな、、あはっあはっ」
と言いながら、、坂田藤十郎幹事長にも話していたのであった。
「民友党にしても、今更、関わりたくない」と、、うやむやにしていたのである。
今回の有田勇三郎の暗殺により、、チャンスーの約束は有田勇三郎の支払いだけとなった。
怒ったのはボンボン光一であった。
「なんて、汚い奴なんだ、、男の風上にも置けない奴だな、、、許せないよ」と、、、憤懣やるせなかった。
光一は内心、、「どうしてやろうか、、この悪党ども」、、と、、思いながら考えた。



29)ボンボン光一、悪を許さず。。。


有田由紀議員に対する風当たりがかわった。しかし、彼女は心に決めたのである。
独立独歩で政治の道を歩くと、、そして、ボンボン光一に話したのである」
「今まで通りには警護料を払えないけど、、いいですか、、」と、、
「気にしないでください、、先生の払えるだけでいいですよ、、」
ボンボン光一は父親の勇三郎氏にも有田由紀議員にも、心意気で付き合っていこうと思っていた。
そして、有田勇三郎の無念を晴らしてやることだけに集中したのであった。
「東京連合会紅葉会」には、幹部やくざの中に昔、拷問にかけて助けた奴がいたのである。。今は紅葉会の副若頭をしている「大槻富次郎」で、、連絡を取り、ボンボン光一は会うことにしたのであった。
「しばらくだね、、、会いたくない奴かも知れないが、今日は頼みがあってね、、」
「本当にご無沙汰しました、、光一社長は元気そうですね、、聞ける頼みなら聞きますよ、、」と、、話を聞いてくれた。
そして、、「もしかすると、、あんたには命がけかも知れないので、返事だけでも聞かせて欲しい、、」と、、ボンボン光一は経緯を話したのである。
「私も組内の話なので、、答えを言う訳にはいきませんが、、光一社長には、、命の借りがありますので、、一つだけ言いますよ、」
大槻副若頭はボンボン光一に命の借りを返す覚悟で答えてくれた。
「光一社長、、実際にやったとは言えませんが、、私の首を見ててください、、」
と、、言って頭を下げて頷いた。
「これで勘弁してください、、、私の精一杯の気持ちです」と、、、
ボンボン光一には十分だった。
「悪かったな、、これで会うのはやめにしょう、、多分、戦争になるから、、それと、
これからはあんたも連合会の人間として俺に向かってきてくれ、、ありがとうな、、」
と、、ボンボン光一は頭を下げて別れた。
これで思う存分に責められると決心したのである。
大日本発電機器(株)の太田黒社長と民友党坂田幹事長と的を絞ったのであった。

ボンボン光一には怖いものは無かった、、まずは悪の権化である「太田黒社長」を狙ったのである。。
太田黒社長の欠点を探すことであった、、悪人特有の「女好き」であったのである。
尾行して見つけた女好きには二人の女がいた、、一人は銀座のクラブを経営している
「ひろみ」という女で31歳であり、、もう一人は赤坂の小料理屋「朱美」のおかみであった。
その二人を徹底して調査をして、弱みを見つけたのである。。
そして、、資料を持って大日本発電機器(株)に乗り込んだ。
その前に坂田藤十郎幹事長の弱みもすべて、調査した上でのことであった。
どうして男とは馬鹿なのか,、権力と金力を持つと、決まったように女を作るのだろう、、、堂々と隠さずできないのか、、秘密にするから脅しのネタにされるのだった。
太田黒社長もその一人であった、、、
秘密を暴露されると困るらしい、、そして、相手の要求を呑むのであった。
ボンボン光一に秘密を暴露されて、慌てて、東京連合会紅葉会の傘下の横浜紅会のやくざがやってきたのである。
やくざが出て来ようと、、慌てる光一ではない。
話し合いが始まっても、、やくざ連中は黙って引き上げていった。
証拠を突き付けられて「殺人教唆」で告訴すると言えば、、誰も責任を取る度胸のやくざはいなかったんである。
太田黒社長は困った、、ヤクザもだめ、、政治家もダメとなれば、、
ボンボン光一の言いなりだった。
そして、、チャンスーの損害賠償を払うことになったのである。
「損害金1億5千万」を光一の指定する受け取り人に支払われた。
民友党坂田藤十郎幹事長の権限で民友党からも損害賠償金が支払われたのである。
全ての損害賠償金の支払いの確認をしてから、、ボンボン光一の悪人退治は行われた。
今回の有田勇三郎氏の暗殺事件に絡んだ「殺人教唆」の疑いで、、、「太田黒社長」
「坂田藤十郎幹事長」が逮捕されたのであった。


〇「第四話」迷探偵柳生幸次郎

1)迷探偵・柳生幸次郎登場

警視庁特捜部の鬼刑事と言われた「柳生幸次郎」が桜田門一家から破門されたのであった。
数々の事件を解決してきた敏腕刑事であったが、、組織の中での生き方ができなかったのである、、常にはみ出して、一人捜査をしていたのであった。。そのために、上級幹部の指示通りに動くことはなかった。
ある談合、贈収賄事件で大物政治家を追いかけて,権力者からの横槍が入り、、政治的な圧力が入ったにも関わらずに、猪突猛進してしまい、、検挙してしまったのである、、、報道関係でも大騒ぎになったが、柳生幸次郎は一向に気にしたいなかったのだ、、、そして、北海道警察署に転勤を命じらてたのであった。
階級も警部から警部補に格下げになったことをきっかけで、警視庁を退職して、、野に下り「探偵事務所」を開いたのであった。
柳生幸次郎は大学時代の同級生で蒲生重里という実業家の二代目が東京都渋谷区宮増坂にマンションを所有していたのでそのマンションの一部屋を借りたのであった。。
2DKの間取りなので住まい兼事務所で私立探偵事務所を始めた。
柳生幸次郎には強い情報網の友人がいた、その名前は警視庁記者クラブの井伊三郎という男で,呑みなかまであった。
私立探偵事務所の広告はインターネッとをつかった柳生幸次郎は仕事は当分ないだろうと、、広告を何度も出して待った、、
警視庁記者クラブの井伊三郎たちが屯している雀荘で時間を潰していた。
ぶらぶら麻雀をしながら時を過ごしていた時に携帯電話が鳴ったので、、柳生幸次郎が出た。
「助けて、、、」と叫びながら、、何度も「助けてください、、」と電話口で女の悲鳴ともいえる声がした、、、。
柳生幸次郎がよくよく話を聞いてら、、亭主に殺されるといって叫んでいたのであった。
電話口の女に住所を聞き出し、、尋ねることにした。
世田谷区成城の住宅街に住む、、「城之内洋子宅」を訪問したのであった。


2)柳生幸次郎、謎めいた不思議な事件に突き当たる、

柳生幸次郎は尋ねてみてビックリした。
玄関口に出て来た城之内洋子は、、、「助けてください、、私、命を狙われているんです、、、私を殺したい人間たちは
夫の弟夫婦や妹たちなのです、、お願いします、、」と言いながら、柳生幸次郎をなかに招いた。
「分かりました、、お話を聞かせてください、、、落ち着いて、順を追ってお願いします。」と、、話をしながら挨拶をしたのであった。
「改めまして、、私がお電話を頂いた、柳生幸次郎と申します、、それではゆっくり話してください、、」
柳生幸次郎は話を進めた。
やっと落ち着いた城之内洋子は事の仔細を話し始めた。
「実は、夫の城之内安太郎が病気で、医者から宣告をうけており、、残り時間が半年と言われています、、」と、、
そして、、夫が残した遺産が数十億と言われているということを話した、、自分たちには子供が居ないので、遺産分けを要求してきたのであった。
そんな環境の中で噂がたち、、誰ということは無いが、、「私が死ねばいいのに、、」という話まで出てきたのであった。
その話を聞いた城之内洋子はおそろしくなったのである、、もともと、付き合いの少ない弟夫婦や妹たちだったので、急に遺産相続の話で現れたので嫌な予感がしたのであった。
ほとんど、尋ねてくることも無く、、泊まるなどということは無かった。
夫の見舞いと称して訪ねて来たことが不思議だったのである、、明らかない「遺産相続狙い」だった。
そして、「私が恐ろしく成り、、助けてー」と電話口で叫んだのは、、、
夫の命はあと半年は大丈夫と言われていた、、しかし、彼らが泊まった夜に、、「昨夜、、突然に、、」
亡くなったのである、、、それを見て、怖く成り、突然に叫んであなたに電話をしたのであったというのであった。d子に
どこに助けを求める訳でもなく、、携帯を開き、あなたの広告が目に入り、、叫んでしまったという。
偶然の「助け声」だったのである。
「分かりました、、、それでは呼ばれたついでと言っては変ですが、、ガードと真相究明について、引き受けますよ、、」
ということになり、柳生幸次郎が請け負ったのであった。


3)城之内安太郎が死んだ、、、

柳生幸次郎が警護と調査を請け負った夜に、城之内安太郎が死んだのだった。
城之内洋子から挨拶をということで、、、夫の安太郎の部屋に案内された迷探偵柳生は驚いた。
一目見た時に「おかしい、、安太郎の様子が変だと、、」と、、気が付いてベットに近付いた。。。
警視庁特捜部のやり手刑事だったので、、特に「殺し」のプロといわれた鬼警部はすぐに分かった、、死んでいると。
そのことを城之内洋子に伝えた、、、「えーーそんな馬鹿な、、今朝、おはようの挨拶をしたばかりなのに、、
変だわ、、、」と、、首を傾げた。
今朝は誰も来ていない筈なのに、、と、、「どうしてなの、、、」
「こんなことがあると、、もしかしたら、、私しかいないのに疑われるわ、、殺したのは私なの、、」
洋子は迷探偵柳生に助けを求めた。
「迷探偵さん、、殺したのは私でないことを証明して頂戴い、、お願いよ、、参ったな、、」と、半べそをかいていた。
「兎に角、警察へ連絡しましょう、、話はそれから、、、警察に事情を話して調査をして貰わないと、と、、柳生幸次郎は管轄の成城警察へ連絡をした。
やがて、、成城警察の担当刑事が二人来たのだった。成城警察刑事課の原田警部補と嶋田刑事部長が部屋に入ってきた。「あれ、、柳生警部ではないですか、、、どうしたですか、、、」
「おう、、しばらくだね、、今は探偵事務所をやっている、、その関係で、城之内洋子さんの警備をしているんだよ、、、偶然、この現場に居合わせたので、、俺が連じょ絡した、、宜しく頼むな、、」
と、、現場事情を説明した。
そして、、、自殺なのか他殺なのか調べて欲しいことを伝えた。

4)城之内安太郎の謎の死、、、

成城警察が来て、、担当の原田警部補が安太郎の死が不自然だったので「鑑識課」を呼んだ。
そして、やって来た原田警部補が「なんとも妙な死に方なので、解剖をします、、」と、、言って救急車を手配した。
安太郎の妻は不安と心配で、、迷探偵柳生に尋ねた、、「柳生さん、、私、心配だわ、、大丈夫ですか。。」と、、、迷探偵柳生に近寄ってきた。
「ねえ、、病気が悪化してなくなったんじゃ、、ないの、、可笑しいよ、、解剖だなんて、、」
怪訝な顔をして、半べそをかきながら、、やっと声を出して、、、
「まるで、、私が殺したみたいだわ、、誰も主人の傍には来てないので、柳生さん、、助けて。。」
と、、哀願してきた。
「取り合えず、、解剖の結果を待ちましょう、、警察の事情聴衆が有るので、知っていること、聞かれたことを正直に話してくだい、、、私も発見者の一人ですから、、一緒にいますので安心してください、、、柳生は、、知り合いであった原田警部補に頼んだのだった。
城之内洋子は心配と緊張から、震えていたようだった。
城之内の家には妻の洋子と、、住み込みの家政家事全般のおる手伝いの
阿部夫妻が居ただけでと、、説明をした。
そして、迷探偵柳生が来た時には、、確かに、妻洋子に紹介された時は
城之内安太郎は笑顔を見せて、軽く会釈をしていたのであった。
そこまでの説明に嘘はなかった。
そして、、成城警察署の原田警部補と嶋田刑事部長は鑑識に調べさせた、、何か物的遺留品がないかどうかと、、、
また、、住み込みの阿部老夫婦にも事情聴衆をして、、「解剖の結果を見てから、、捜査方針を決めてから連絡しますと、、引き揚げていった。
「柳生さん、、心配です、、、これからもよろしくおねがいします、、」と、、頼まれた迷探偵柳生は難しい事件ではあるが引き受けた。

5)殺人事件として

城之内家の人々が集まった。。安太郎が亡くなったという知らせは洋子が城之内家の顧問弁護士の大久保慎太郎事務所に依頼したので事務的なことはやってくれた。
城之内家の人々んは「遺産相続の件」が一番大事であったので、、、
大久保慎太郎弁護士の通知で集まった、、安太郎の長女夫婦「大谷正美と夫の一郎」、、次女夫婦の「大沢安見と夫の光一」、、、三女の「安子、、独身で商売をしている」。。長男の安治路が居るが今日の集まりにはまにあわなかった、、アメリカ在住であるので、、2,3日遅れてくることになった。
そして、、安太郎の女「内縁の妻」登記されている、、、
相続権利者が顧問弁護士の大久保慎太郎から説明があった。
「現在、成城警察署で解剖検査が行われているので、、その結果が出てから城之内安太郎の「遺書」によって、話し合いをしょう、」と、、言うことになった。
「ところで、待つ時間はどのくらいかな、、、」と、、三女の安子が聞いた。
「警察のやることで、、殺人の疑いがあるので、いつまでとは言えないが、、連絡があり次第に通知を出しますので、、、」と、、説明があった。

調査と警護の依頼を受けた迷探偵柳生は今回の事件のことを考えた、
城之内安太が亡くなった、その朝には迷探偵柳生も城之内家にいて、妻洋子とも一緒だった、、、そして、、安太郎にも会い、挨拶をしているのだった。
その後、、お昼の薬の時間に妻洋子が異変を感じて、、迷探偵柳生が、、「安太郎の死」を確認したのである、、生きていることを見ている迷探偵柳生は、、「何が起きたのだろう、、わずかな4時間の間に、、」
と、、考えた。
今までの刑事時代の経験では想定外であり、、不思議に思った、、、しかし、現実には起きたのであった。
安太郎が亡くなったという事実が。。。。
その間の城之内家の環境の変化と言えば、、住み込みの阿部老夫婦が午前6時に起きたと県い事実だけであった。しかし、、阿部老夫婦の話では、安太郎の死を聞くまでは一度も、二人の住む離れ家屋からは近王た。


6)成城警察署から原田警部補と嶋田巡査部長がやってきた。

「解剖の結果が出ましたので、その報告にうかがいました、」と、、原田警部補から報告がされた。
城之内家の顧問弁護士の大久保慎太郎と、、城之内洋子の警護をしている柳生幸次郎が立ち合いのもとで行われた。
「解剖の結果は薬物による毒殺です、、、これからは殺人事件として捜査にので、、ご協力をお願いします、、、」と、、と言われて、今日から殺人事件として捜査本部を立ち上げて、捜査を開始したことも告げたのだった。
大久保弁護士は尋ねた、「そうですか、、、毒殺ですか、、それでは殺人事件では、、事件が解決するまでは
遺産相続は保留にした方がいいですね」と、、、
「そうか、、殺しか、、厄介だな、、なあ、、原田さん」と、、迷探偵柳生は問掛ける口調で話した。
原田警部補は特に大久保弁護士に云った。
「今回は殺された城之内保太郎には莫大な遺産が残っているので、、まずは遺産相続に絡んだ疑いも考えられる。。そして、経営している会社の人事継承なども絡んでいるので、、捜査に時間がかかりそうなので、、」
と、、説明がされた。。
迷探偵柳生も今までの経験で、、「遺産相続」「会社人事継承と株式保有問題」で、、かなり、人間模様に支障が生じて来るはずであると思われた。
人間の欲望、、金や会社的な地位に絡んだ争いが一番醜い、、「人の争い」であり、、「肉親のいがみあい」であった。
見てはいけない「人の欲望絵図」をこれから覗いていかないと思うと「ぞっと、、」したのであった。


7)迷探偵柳生幸次郎、、、城之内家の家族を調べる。

城之内安太郎の子供たちの家族構成を、、迷探偵柳生幸次郎は知ったうえで、、経営している会社内容や役員構成を調べた。殺人事件なので成城警察署が全てを捜査するのであろうが、、一応はもと元警視庁の捜査一課の鬼警部であったので、、自分なりに調べて、、城之内安太郎の人間関係を調べて、、迷探偵柳生は驚いた。
娘たちもその夫の経営する会社や事業所は資金困難に陥っていた。。
アメリカへ行っている長男の事は情報が入ってこないのでわかなかったが、、「遺産」が欲しい状態であった。
この状態では、、全ての家族が疑われても可笑しくなかったので、、
成城警察としては疑い、、関係している人間のアリバイを徹底して調べる筈である、、、
迷探偵柳生幸次郎であっても、、捜査の鉄則から成城警察署の原田警部補たちと同じ捜査をするだろう、、と、思いながら状況を眺めていた。
迷探偵柳生幸次郎は、、城之内安太郎の妻洋子を最初から見ているので、、凡その想像はついていた。。。
しかし、、あくまで、、それは迷探偵柳生の想像なので、、確たる証拠もなく、、犯人を決めつけることも出来なかった。
その後の成城警察署の原田警部補と嶋田刑事の二人は捜査が行き詰っていた。成城警察署では他の刑事も駆り出されて、疑わしい関係者のアリバイを当たっていたが、、全て、アリバイが成立して,、犯人逮捕に繋がらずに困っていた。
原田警部補たちは城之内家に訪ねて来て、、柳生幸次郎が居た時に
「先輩、参ったよ、、柳生鬼警部補、手伝ってくださいな、、警備をして居るので、、何かわかったら、、教えてよ、、、」
と、、ほとほと、、壁にぶち当たって、困っていた。
「いや、、、俺も分からん、、犯人はどうやって、安太郎を毒殺したのか全く分からん、、密室の殺人だな、、」
と、、嘯いた。
迷探偵柳生が知りたかったのは、、長男の安治路のことであった。
帰国が楽しみであったのではある。


8)家族会議

城之内安太郎の遺産を巡っての家族の集まりがあった。
今回は長女大谷正美からの申し入れで、、顧問弁護士大久保慎太郎が招集したにであった。
長女の申し入れは、、安太郎の死に関する成城警察署の中間報告を知りたいということで、、その説明を安太郎の子供たちと夫に知らせることであった。
長男の安治路もアメリカから帰国していたので、遺産相続の話と一緒にすることにしたのであった。
今回も迷探偵柳生は安太郎の妻、洋子の経っての願いで、、大久保弁護士が許可しての立ち合いであった。
全員が城之内家にある「会議室(普段は会社関係の会議に使われている)」で行われた。
20人から30人は参加できる豪華な会議用のテーブルが置かれていた、、、
住み込みの雑務係りの阿部執事が妻春江と共に入ってきて、、お茶を配膳してから、、大久保弁護士の話がはじまった。
時間は午後1時であった。
「顧問弁護士の大久保です、、、本日はご苦労様です、、
故人安太郎の事件結果について、まだ、報告が出ていません、、只、途中報告としては毒物による殺人というだけで、、今、しばらく待ってくださいとの」、、報告でした。
「皆さまも取り調べを受けたと思いますが,、未だに警察としては犯人が分からずにいるとのことで、、困ってるとの話です。そし故人安太郎の遺産相続は事件が解決するまで延期して欲しいと要望がありました」
と、、、、
その報告を受けた家族は仕方がないかというような顔をして、頷いていました。
特に長男の安治路は付け足したのでした、、、
「慌てても仕方がないでしょうが、、、親父の遺産が亡くなるわけじゃないのだから、、警察の結果を待ちましょうや、、、多分警察では家族の中に犯人が居ると考えてるかもしれない、、
嫌だな、、、遺産相続という奴は、、」と、、言いながらにやにやと薄笑いを浮かべて、、みんなを見回していた。
しかし、、、正直者で信用されていた長女の夫、一郎は困っていた、、不動産会社を始めとするグループの経理責任者を担当していて、、常に安太郎会長の指示に従い、、
資金の手当てをしていたのであった、、、
安太郎会長が亡くなる寸前まで行われていた資金繰りが出来なくなってしまったのである、、、非常の困っていた。
亡くなる前日まで安太郎会長に会っていたので、、今回も一番疑われて、、警察の取り調べのきつかったのであった。
もともと「小心者」だったので、、今回の警察の取り調べではげっそり痩せてしまった。
家族までもが、、親族が疑いの目で眺めているような気がしていたのであった。

9)家族会議は続いた

長女の夫「大谷一郎」は困っていた、、会社の資金が現在、凍結されているので、、非常に困っているの
そこで大久保弁護士に依頼したのであった、、「何か法的な処置で、制限があってもいいのですが、、支払い関係だけでもできないか、、考えてくれませんか、、」と、、
大久保弁護士は「分かりました、、成城警察と話あってみます、、出来ないことは無いと思いますので、、、」
その答えを聞いた大谷一郎は安心した。
三女の安子が、、、「先生、、、何とか早く、遺産相続が進むようにしてくださいよ、、、お願いします、、」
金融業会社の常務取締役をしている次女の夫「大沢光一」が、、、「大谷常務、、、借り入れの住一銀行への返済期日が来ますので、、宜しくお願いしますよ、、、期日に遅れるとまずいですから、、」
と、、それぞれが自分の都合ばかりを云い始めた。
それを聞いていて、迷探偵柳生は呆れた、、、
腹の中で叫んだ、、、「馬鹿野郎、、ほざいておろ」と、、、
城之内安太郎に死なれた、、妻、洋子への気遣いは微塵も見られなかった。
救われたのは長男の安治路が言った言葉だった。
「お兄さんたちも、、ねえさんたちも。。少しは考えてくださいよ、、
親父が死んで時間もたっていなし、、犯人も見つかっていない、、、そんな時に。。少しは洋子さんのことも気づかって欲しいな、、、」で
と、、優しい長男の言葉だった。
夫婦とは不思議なものだ。。長女の正美も、次女の安見も、、援護射撃をした。、」
「安治路はアメリカなどに行っていて、、気楽なもんだわ、、」と、、皮肉めいた言葉を吐いていた。
そんな矢先に、、訃報が飛び込んできた。
安太郎と洋子の子供、長男が大阪事業所で亡くなったと云う。。。
「なんで、、、どうしてだ、、、こんな時に、、、」
その場にいた家族は驚いた、、、原因は大阪事務所に「爆弾」が投げ込まれたというのであった。事件が起きたのである。
城之内家の大事件であった、妻洋子はその知らせを聞いた時にその場に倒れた。
大阪事業所は「金融業」が主な業務で、、城之内グループの稼ぎ頭であった、、そのために、安太郎は自分の片腕とも、、懐刀と云われたいる、「榊原豪太郎」を長男の「安一郎」につけて、大阪事業所で金融の修行をさせたいたのであった。
将来の城之内グループの事業展開を考えてのことだった。
その二人が亡くなったという、、、何という不幸か、、
迷探偵柳生を洋子は別室に呼んで頼んだのだった。
「こんな時で、すまないけど、、柳生さん、、あなた大阪まで行って頂戴、、、」と、、依頼された、、、妻、洋子がいうのには「今は誰も信用できない。。あなたなら安心して頼めるの、、お願いね、、」と、、迷探偵柳生は大阪にむかった。


10)爆破事件

城之内グループの中で「金融業部門」で、、大きく資金が動いていたのは大阪事業所であった。
会社の構えは大きくはなかったが、、城之内グループの中の「闇」の事業運営方法があった。
城之内安太郎は大阪市住吉の生まれで、、大阪時代はあまり知られていなかった。
大阪では極道だったとか、、やくざ一家を持っていたとか、、いろいろな噂が出ていたが、、城之内グループでも、安太郎の過去を知っているものは、、現在では阪事業所の最高顧問をしている「榊原豪太郎」だけとなった。
城之内安太郎は大阪で金貸しをして「財」を築き、、今の会社組織をつくりあげたのであった。
大阪時代にはあくどい金貸しをしていたようであった。
特に、、金を動かすようになってからは「裏社会」への資金手当てが多く成り、、ほとんどが「闇金融」だった。
銀行へ預ける金は少なく、、大部分が「金庫預金」であった。
いわゆるすべてが「脱税」だ、、、そんな訳で目立つような会社運営はできなかったのである。
城之内グループでも秘密部隊を編成して、、「榊原豪太郎」の監理の元に、、やくざ企業への融資が主体であった。
しかし、、安太郎が表舞台に出なくなってから、、やくざ金融に陰りが出てきたのであった。
そして、城之内安太郎の長男「安一郎」が一人相撲を始め、、番頭役の榊原豪太郎の意見や窘めを効かなくなり、、今までの「やくざ企業」とは別の利益や条件のいい取引先に変えていったのであった。
そんな不満や苦情が、、番頭役の榊原豪太郎に文句が入ってきたので、、彼は心配していた。
そんな矢先の「爆破事件」であった。
ヤクザ絡みの事件なので大阪府警の捜査が入った。

迷探偵柳生が城之内グループの大阪事業所に着いた時には、、大阪府警が来ていた。。
取り込んでいたので、、大阪府警の担当刑事の矢野警部が部下を連れて、、現場検証をしていた。すると、、、「すいません、、関係者以外は出てください、、」と、、、
云われた迷探偵柳生は挨拶をして、、名刺を差し出して了解を求めた。
「亡くなった城之内安一郎の身内から依頼を受けてきましたので、、宜しくお願いします」と、、、担当をしていたら、、、
「あれ、、柳生さんじゃアないですか、、田島ですよ、、」と、、声を掛けたきた警察官が居た。
迷探偵柳生を「鬼警部」と知っていた、、もと警視庁捜査一課にいた田島勉警部補が近づて来た、、、「どうしたんですか、、柳生さん、、」
「おお、、、懐かしいな、、田島警部補、、」と、、言葉を返したら。。
「柳生さん、、私も今は警部ですよ。。先輩の良き指導の賜物ですよ。。ありがとうございました、、」
「丁度よかった、、今回の爆破で亡くなった安一郎の母親からの依頼で調査にきたんだよ、、」と、、事件内容について聞くことが出来た。
話を聞いた、迷探偵柳生は唸った。
今回の爆破事件の捜査で、、城之内グループの「暗黒部分」が表沙汰になり、、場合によっては会社そのもが偉いことになるような、、、
早い話が「遺産相続」ではなくなるような事件であった。


11)大阪事業所の脱税疑惑

大阪事業所の爆破事件は脱税疑惑に発展した。城之内安一郎の死亡、、、そして、全てを把握している番頭の榊原豪太郎の怪我で闇の会社経営の実態が分からなくなっていた。
更に事務所爆破により。。経理管理の帳簿が破壊されてしまい、、、金融状況、、貸出先の状況が消失して閉まっていた。
捜査にはいった大阪府警も、残った社員3人から聞き出すより仕方がなかった
事業所が爆破された時には3人の社員は外出をしており、、事務所には城之内安太郎と番頭の榊原豪太郎しかいなかったのであった。
大阪府警の捜査では僅かに残った書類から、、貸出先は個人名が多く、、その住所に基づいて調査したが、全てがでたらめであった。
すなわち、捜査のしようがなかった、、、そして、外出していた3人の社員は全て、、走り使いで、詳細については分かっていなかった。
捜査すればするほど「闇の世界」であった。
三人の社員は指示通りに「現金を運び」指定先のホテルのロビーなどで、指定された受取人に渡していただけであった。
そして、、受取人から会社に電話をして確認をするだけのことだった。
三人の社員は運ぶ現金がいくらだとかもしらされていなかった。
捜査の結果では「段ボールまたは袋の包」で届けるだけであったという。
従がって、取引金額や取引先も不明であり、、、巧妙な金融取引が行われていた。
大阪府警の話では重症で入院した番頭の「榊原豪太郎」から聞き出す以外に実態の解明は出来ないことがわかった。
その話を聞いた迷探偵柳生も唸った、、「凄い、、安太郎という人間は、、」と、思った、、全てを自分の死と共に「闇」に持って行ってしまったのである。
もしかして、、安太郎は自分の死を覚悟した時に、すでに考えていたのではないのか、、この「爆破」を、、、迷探偵柳生は「ぞっと、、」するほど背筋が寒くなった。
迷探偵柳生幸次郎は大阪府警の話を聞いて、、番頭榊原豪太郎が入院した大阪府立総合病院へ行き、、事情話して、境原豪太郎の様態を聞いた、、、
担当医師の説明によると助かるのは「五分五分」とのことであった。
仮に命を取り留めても彼は何も話さないと確信した。。
それらの確認をしてから迷探偵柳生は東京へもどった。


12)大阪事業所の消滅

迷探偵柳生幸次郎は帰りの新幹線の中で、、今回の一連の出来事を思い出していた、、考えてみれば考えるほど、、城之内安太郎という人間が恐ろしく成った。。自分あ感心したのであった。彼が想像しているような段取りをしていた事への驚嘆であった。
多分、、これからも起こるであろう出来事全てが、、城之内安太郎の計算上での事実である筈だ。。
迷探偵柳生は安太郎の考えを追っていくことにした。
なんか、安太郎の「闇の世界」が見ええ来たようだった。大阪府警が、、成城警察が今までの考え方で捜査を進めたのでは永久に犯人逮捕は出来ないはずだ。
警視庁捜査一課時代に「鬼警部」と言われて、、人並み外れた捜査力を持っていた迷探偵柳生だからこそ、、奇想天外の考え方ができたのであった。
今回の「城之内安太郎殺人事件」も「大阪事業所爆破事件」も安太郎の緻密な計画の一つであると、迷探偵柳生は考えた、、そして、自分なりに結論を導き出したのである。
そんなことを考えているうちに新幹線は東京駅に着いた。
その足で城之内家に向かった。
ついた時に、今日は城之内洋子だけがいたのであった。
家族会議も思うように進まずに、次回は明日開くことになっていた。
迷探偵柳生は大阪事業所の報告を済ませ、、帰ろうとしていたら、、城之内洋子が話しかけてきた。
「柳生さん、、お疲れさまでした、、息子の安一郎の遺体は昨日送られて来ました。そして、夫の遺体も成城警察から送られてきましたので、、、葬儀を行いたいと思います、、
警察の許可も下りましたので、、明日の家族会議で取り決めをしたいと思いますので、、宜しくお願いします、、」と、、告げられた。


13)家族会議三回目

成城警察署からも大阪府警からも城之内安太郎と、、城之内安一郎「後妻洋子との間の子供」の二人の遺体引き取りが許可に成り、、葬儀の許可も下りた。そこで二人の葬儀を一緒に行うことに成り、その打ち合わせをすることになった。
そこで会社関係のこともあり、、前回の家族での会議をひらくことになったのであった。
今回の家族会議には、、会社役員も呼ばれていた、、更に内縁関係の島津涼子も呼ばれていたのであった。
大久保弁護士から話があった。
「成城警察署と大阪府警からも許しが出たので、、、城之内安太郎の遺言書を皆様の前で開けて、読み上げます、、、それでは聞いてください、、」
読み上げた。
そして「後ほど、、各自には文書で差し上げますので、、よろしいですね」と、、、念を押して遺言書を読みあげた。
「会社と個人資産がありますので、、それぞれに分けて相続しますので、、、」と、、、
「故人が住んでいた成城の住宅は土地建物のすべてを妻洋子に、、更に、成城及び渋谷の個人名義のマンションはやはり、、妻洋子に相続します、、、
そして、会社名義の不動産は全て、、それぞれの株式保有数により、、分割して所有することとする、、、
要するに、城之内安太郎が死んだら、「会社は清算して、終わりにするということであった」
親族会社の様なものであるので、、安太郎が居なくなれば会社の運営は難しくなるだろうとする思っていたのであった。
大阪事業所は爆破事件ですべてが消滅したので、、整理がしやすかった。
東京関係の会社も不動産が多く、、借りれもさほどになかったので整理が簡単であったので、、、安太郎は無くなる前に準備をしていた。。
不動産の売却や社員整理もしていた。
その整理に当たっていたのが「長男の安治路」であった。
城之内安太郎は分かっていたのだった、、現在のスタッフでは無理だと、、、
それで自由に動ける安治路を密かに読んで、不動産関係をせいりしていたのであった。
城之内安太郎が一番嫌っていたのが「倒産」であった。
更に「闇金融」の世界でのやくざ組織との取引が難しいと困難とみて、、早めに整理をしたようだった。
それは番頭の榊原豪太郎との打ち合わせ、計画だったのではと、、、
迷探偵柳生は思っていた。
東京関係の会社についても、、城之内安太郎が仕組んだ、、綿密な計画清算のようだった。
家族会議に臨んだ安太郎の子供たちは少々、、当てが外れたのであるが、、
それでも多額の遺産が転がり込んできたのであった。
しかし、、不動産の遺産相続の代わりに「所得税」が掛かった。
安太郎の不動産整理も見事だった。
そして、、売却した「ゴルフ場やホテル更にはスキー場などの施設」の利益などはこれからであった。
それらの売却に携わったのが「長男の安治路」であった。
故人安太郎が一番信頼していたのが安治路だったのである。。。家族会議の出席した家族以外の役員にはそれぞれの役員報酬やその他の収益


14)城之内安太郎の計算

城之内安太郎は自分が経営している時には出来たことが、、自分が居なくなった時には企業その物が持続することは不可能とみて、、自分が死んだときには消滅することを計ったように見えたのであった。
そんな推理をしたのは迷探偵柳生だけだったかも知れない。。そのことは誰にも話してはいなかったのだった。
確認するには長男の安治路に聞くよりは道はなかった、、しかし、彼は話さないであろうと、、
迷探偵柳生は思った。
計画をした安太郎が居ないのだから、、「闇の中」なのだ。
安治路は大久保弁護士から「遺産相続」が、、報告された時かみいくいら順次、手際よく事務的に処理をしていったのである。
安太郎が一番信頼していたのは安治路であった、、、若いころから家を飛び出し、、裸一貫でやり遂げた安治路に白羽の矢を立てて、、早くから彼を呼び寄せて、、準備をした居たのであった。
全ての整理が終わり、、城之内安太郎が築き上げた一人城が無くなった。
それから2日後に安治路はアメリカに旅立った。
迷探偵は感心したのであった、、余りに見事な人世の後始末であることに、、、
成城警察署も大阪府警も殺人事件の犯人も、大阪事務所に爆破事件の犯人も検挙出来ないままの幕引きであった。
真実を究明できたのは「迷探偵柳生幸次郎」だけであった。


15)迷探偵柳生幸次郎は再び。。

城之内安太郎の遺産相続の問題が一段楽したことで、、長男の安治路はアメリカに帰った言った。
その後、、安太郎の三女の安子が交通事故で死亡したのであった、独身で独り身だったので、、安太郎から受け継いだ遺産が宙に浮いてしまったので
また、、欲深な姉たちが大久保弁護士に迫った、、、三女の安子の遺産を巡って欲がぶつかりあったのである。
そして、、故人安太郎の妻、洋子はその遺産相続の件については放棄したのであった、、しかし、、余りにも醜い争いなので、、仲介を頼もうと思い、、迷探偵柳生に来てもらったのであった。
故人安太郎の妻、洋子は遺産相続で争う姉たちやその夫たちが目障りであり、、うるさかったのである、、一日も早く自分の前から消えて欲しかったのであった。
そこで、、迷探偵柳生の今回の行動を見て、、頼みガイがあるとみたのであった、そして、口が堅く安心して頼めるだった。名探偵柳生を使うのには、城之内洋子にはある計算が働いていた。。しかし、、その真意は迷探偵柳生はしらなかったのである、
そして、、、迷探偵柳生と大久保弁護士の取り計らいで、、亡くなった三女安子の遺産は二人の姉に当分に分割して遺産手続きが行われた。。
アメリカに戻った安治路も今回は放棄した。
阿呆な姉二人は喜んだ、、、高い不動産取得税をはらって、、、財産を持てば、、増やせ売位ということは無かったのである、、、毎年掛かる「固定資産税」がることを知らずに。。。
城之内安太郎の会社整理は終わったが、、後始末は少々残った。
、、その後始末は株式の配分により、、それぞれに長女の夫「一郎」と次女の夫「光一」が受け持って処理にあたったのである。
その仕事を受け持った長女「正美」と次女「安見」はその整理を反対していたのだが、、、どちらかというとお人好しの二人は後始末をすることにしたのであった。

16)計算違いの逆襲

大阪事業所関係で、、貸し付けが主な仕事であったが、逆に融資を受けていたのであった。後妻の洋子の長男が事業拡大を狙って、やくざ金融から多額の借り入れをしていた。
「闇の金融」部分が残っていたのであった。
表に出ない、、「遺産相続」とは関係ないとこに落とし穴があったのである。。
「遺産相続」で一段楽した会社に、、大阪の「関西連合桜会」の若槻若頭がやって来た。3人の幹部やくざを連れて、威圧的な態度で訪れたのであった。
この時の後処理をしていたのは、、本社では経理担当の常務取締役の城之内一郎であったので対応した。
気の弱い「一郎」はびくびくしながら、話を聞いた。
「初めまして、、私は関西連合会桜会の若槻といいます。大阪事業所に絡んだ、、金銭借用書の件で来ました。
その件でお話できますか、、もし、出来なかったら、誰かできる人とお会いしたいのですが、、、」と言われた
城之内一郎常務取り締まり役は自分一人では不味いと思い、、
一日だけ時間を貰った
何しろ、金額が「10億円」という多額であったので、、残った身内で相談をすることにしたのであった。
参った、とんでもない話が舞い込んできたのである。。
関西連合会桜会の若槻若頭には引き取ってもらった。
城之内一郎は次女の夫の光一や、、城之内洋子に相談をしたのであった。
長男の安治路はアメリカに帰り、、話は出来なかったので、、大久保弁護士に相談して集まってもらうことのした。
故人安太郎の妻洋子は迷探偵柳生幸次郎を呼んだ。
急ぎの事なので、その夜に洋子の家にあつまったのである。。
大久保弁護士に、、一郎がコピーしてきた「金銭借用書」を見せたが、、結論は支払うより仕方がないということになった。
妻洋子は遺産相続も終わり、、「私には関係がない、、」いうのであった。
「遺産相続」で、、長女の正美と次女の安見は二人で、、株式や不動産で20億は相続していたのであった。。
大久保弁護士の話で今回の「10億」は払わないとまずいということになった。
二人とも不平不満「ぶーぶー」だったが仕方がなかった。
その話合いは迷探偵柳生が委任状を持って、、「関西連合会桜会」若槻頭と交渉することになった。
遺産相続側の正美、安見にしてみれば大きな損失であった。
正直言って、、遺産相続は終わったが、、二人の夫である「一郎」と「光一」は何が出てくるか分からないので「おどおど」していたのであった。


17)遺産相続を受け継いだ正代や安見に災難が、、、

しばらく「遺産相続」の話が出なくなったある日、、故人安太郎の長女正代夫妻が、洋子の元を訪ねて来た。そして、、借財の頼みをして来たのであった。
「今日、、突然来たのは、洋子さんに助けてもらいたいくて、、お願いに来ました。
お願いだからお金を貸して欲しいの、、、3億円、、遺産相続の分から貸し手もらえないかな。。」
と、、云われて洋子は薄笑いを浮かべて答えた。
「いいけど、、返済の充てはあるの。。。」と、、問い返した。
長女の正代と夫の一郎は頭を下げた、、「おねがいします、、頼むところがないので、、」と、、必死にしゃべった。
洋子は聞いた「どうして、、そんなに、、お金が、必要なの、、、、、
二人は訳を話し始めた。
必要な理由は、二人の一人息子が、、投資に失敗しての債権取り立てと、、クラブの女に手を出して、、
やくざが出て来て「脅しまい」と言って取り立てをされているのであった。
金を用意できなければ、息子の命の保証はないと、、東京連合会睦会に監禁だれているのだと。。
親ばかではあるが助けたいので、、なんとかならないのかといってきたのであった。
そして、洋子の問いかけに応えてと迫った。
「分かった、、貸してもいいけど返済の充てはどうするの、、、その答えは。。」
と、、聞かれた二人は「なんとか返済をしますが、、分割で出来ませんか、、、」
そんな答えに満足する洋子ではなかった。
遺産相続が終わったからの洋子はかわったのである、、、
「なんとか返すでは貸せないわ、、、担保を用意してくない、、、遺産相続で受け取ったマンションと、、いくつかの不動産を担保に入れてくれたら、、すぐに現金で用意するわ、、」
そして,長女夫妻は仕方がなかった、、、抵当権設定の担保借りれをした。
今回の債権取り立てと「女問題」で東京連合会睦会への支払いは「5億円」」となり、、長女夫妻は裸同然となった。
故人安太郎の妻には次女が受け継いだ遺産以外は妻洋子のものとなった。


18)次女「安子」」にも降りかかる災難

解決しない城之内安太郎の「殺人事件」で、未だに不信を持っている刑事が一人いたのであった、、原田警部補だった、、、
城之内安太郎の大阪事業所の爆破事件でも不自然であり、、余りにも偶然だったのである。
そして、、三女の突然の事故死と、、偶然が重なり過ぎていた。
原田警部補は仮説をたててみたのである、、
今回の「殺人事件」「爆破事件」「三女の交通事故」で、誰が一番得をしたかと、、考えた。
そして、、後から知ったが「長女夫妻の降りかかった災難で現実には5億円の損失」があったので、、、「遺産相続」で誰が一番多くの財産を手に入れたかを、、、
その結果は妻洋子と、、次女夫妻であった。
長男の安治路は財産放棄をしていたので、、原田警部補は妻洋子と、、次女安見夫妻を調べ始めた。
何か、、、捜査過程でミスはなかったか、、、
今までの捜査では浮かばなかった、、隠された事実はなかっかと、、、
それから2か月も立たないうちに、、次女の安見夫妻に不幸が訪れた。
安見夫妻が温泉旅行の途中で、交通事故に合い、、死亡したのである。。
原田警部補はこれまた、疑った。。「おかしい、、偶然過ぎる、、」と、、
しかし、何の証拠もない。
地元警察の判断で「交通事故」で処理された。
その次女安見夫妻の遺産は子供「康夫」に相続されるはずだったが、、その子供は若年痴呆症を患っていたので、、後見人となった、、洋子が管理することになった。
原田警部補は確信は持ったのであるが,,何一つ証拠はなかった。
見つからないのだ、、、、地団駄を踏んだ、、間違いなく、全ての黒幕だとおもった。し、完全犯罪だ、、何一つ証拠を残していない。
なにかあるはずだと 考えたが分からなかった。
原田警部補は大阪府警を訪ねた、、、大阪事業所の爆破事件から再調査をすることにしたのであった。


19)大阪事業と所の爆破事件の謎

当時の捜査課長であ「矢野警部」が在籍したいたのであった。
当時の話が聞くことが出来た。会社事務所は状況をからないほどに爆破していた。まるで消滅させるための爆破だったような。まるで解体したような状態で、、何一つ識別できないほど粉々であった。
矢野警部は今でも、あの爆破は意図的にやったと思って、、鑑識を連れてまで調査をし
しかし、、物的な証拠になるようなものは出てこなかった。
今でもあの爆破事件の事は不振に思い、、疑惑が捨てられなかった。
「そうですか、、一度、田島刑事と一緒に捜査をさせてくれませんか,,どうですか、、お願いできますか」
と、、頼んでみた原田警部補だっ
矢野警部は承諾してくれた、、、原田警部補は歩けるところは歩いてみようと考えていた。
その日は矢野警部には聞けるだけ聞いた。
何せ、、参ったのは取引先の住所が全て「でたらめ」だったことや、、3人いる社員が何も聞かされていない「使い走り」だったとであったのだ、
全てが秘密主義であり、、「謎の商い」をしていた。
それは大阪府警の調べで分かっていた、、、巧妙な仕組まれた「闇商売」であった、
勿論「脱税」はしていた、、、その儲けた金を「東京へ」運び、運用していたのであるから、資金用達は故人安太郎がやっていたのであった。
その大阪事業所の資金管理帳簿がなかったから、、「闇商法」なのだった。
そして、、大阪事業営仕組みを知っていた、後妻洋子の長男「安一郎」が一番知っていたのであるが、爆破事件で死亡していたので分からくなっていた。
番頭の「榊原豪太郎」は爆破事件で入院して、そんまま、、痴呆症になり、、真相を知るものが居なくなってしまったのだった。
更に一番知ってる「城之内安太郎」は殺されて亡くなっており、、、全てが「闇のなかに」消えてしまったのである。。
大阪府警でも困り、、暗礁に乗り上げていた。
そんな訳で、、今は矢野警部と田嶋刑事で、、他の事件の合間に捜査をしている
20)榊原豪太郎を訪ねる

原田警部補は爆破事件の真相は掴めずに、、全てが消滅したことを知った。
「藁を摘むような思いで」で、、大阪府警の田嶋刑事と、榊原豪太郎が入院している総合病院を訪ねた。
本人寝たたきり状態であり、、話もできなかった、、、、その日は孫娘の「朱美」が見舞いに来ていた。、、原田警部補は挨拶をして、、「大変ですね、、、榊原さんはまだ、話はできないのですか、、」聞いたら、、
「そうですか、、、大事に看病してください、、」と、、原田警部補も状態を見ては何も言えなかった。顔中の包帯姿は痛々しかった、酷い爆破だったと想像が出来るのだった。
原田警部補たちが帰る時に、孫娘の朱美から、焼け切った手帳を渡された。
「すいません、、最近、少しだけ口がきけたときに、爺ちゃんから渡されてたのでが、、忘れていました、、私が信用できると思った人に渡せと、、」と、云われていました。。
それで、話を聞いて,原田警部補に渡すと決めたのであった。
原田警部補は、その焼ききれた手帳を見て驚き共に絶句したのであった。

20)榊原豪太郎からの焼きただれた手帳

原田警部補は渡された焼き爛れた手帳を見て、驚いた。
焼けたり、破れたりはしていたが、、金の貸し借りが走り書きのメモのように記されているので、、原田警部補は小躍りした。
なんの手がかりもなかった、大阪爆破事故の証拠の一部が出てきたのであった。
大阪府警に戻った原田警部補と田嶋刑事は矢野警部に報告をして、、その焼き爛れた手帳を鑑識に回して、調べてもらう事にした。
3人は楽しみにした、、、何が出るのか、、足がかりが出来ればいいのだが、、と、、結果を待った。
大至急で頼んだので、依頼してから3時間ほどで出来上がってきた。
その再生手帳を見て、、矢部警部が笑」みを浮かべ、原田警備補にも見せて、田島刑事が喜んで歓声をあげた。
大阪事業所の裏帳簿にも似た、金銭の貸し借りが克明に記載されていたのだた。
全て、今まで分からなかった「組織やくざへの融資内容だった」
「原田さん、、これで摘発が出来るぞ、、脱税の全ても、、凄い収穫だよ、、大阪爆破事件の真相が解明でいな、、、やったな、、凄いよ、、」
矢野警部は喜んで、、まずは「関西連合桜会」の家宅捜索だ、、京都連合橘会」のがさ入れだ、、と、、これから忙しくなることの気合が感じらた。
「原田さん、今回の事は貴方のお手柄だ、、一緒に参加してください、、何か東京の殺人事件の糸口が見つかるかもしれませんよ、、」
話をしながら、、大阪府警の上層部に報告をして、、次の家宅捜索の段取りをしたのであった。
原田警部補もやくざ事務所のがさ入れで、何かが見つかればいいなと思ったのであぅた。


21)家宅捜査「やくざ事務所」のがさ入れ、、

矢野警部は大阪府警の上級管理官の承諾を貰い、、京都府警にも協力を依頼して、、
「関西連合桜会」と「京都連合橘会」の家宅捜査に入った、容疑は「脱税容疑」と「無許可貸金業法違反」などで、検察庁も同時にがさ入れをおこなった。
突然の家宅捜査であったので、、両連合会「組織やくざ」ともに、、最高責任者でもある、、「会長、若頭ともに逮捕出来た」そして、、「銃刀法違反で多数の幹部連中」を逮捕することが出来た。
裏付けの捜査であり、逮捕だったので、、「逮捕状」通りの検挙が出来た。
これからの捜査如何では、、東京での城之内安太郎の殺人事件の状況証拠もでる可能性も出てきたのであった。
これからは大阪府警も京都府警も忙しくなるようだった、、今までは迷宮入りかと思われるほど、、大きな障害にぶつかり、お手上げだった。
もちろん検察庁などでは「脱税」のかけらも見つからず、地団駄を踏んでいたのだ。
今までは噂どまりで進まなかったのである。
「一冊の焼けただれた手帳」の発見から、急展開をしたのであった。
正直言って、、逮捕された「組織やくざ」団体の方が肝を冷やしたはずだ、、しかし、、事実が出たのであるから堪らない。。。
時間をかけて、調べていけば事実は明らかになっていき、、「脱税」も「無許可営業の貸金実態」も判明してしまい、、警察も検察庁も証拠裏付けをしていくはずだ。
国家権力だから、、「なんだカンダ理由をつけて、、拘留期間をのばして」起訴におちこむはずである。。ましてや「指定暴力団」が相手だから、猶予はないのだ。
原田警部補は東京の殺人事件に絡んだ情報を流して貰うことを約束して東京へもどった。
此の大阪事業所の爆破事件に関する、関係者の逮捕情報は、東京にも流れた。

一番気が気でなかったのは、、故人安太郎の妻、洋子であ
そこで、迷探偵柳生幸次郎が呼。
「柳生です、、暫くぶりです、、何のご用件でしょうか、、探偵業務は終わったはずですが、、」
と、、訪ねて来た。
「柳生さん、、お願いがあるのですが、、大阪事業所の爆破事件がその後どうなったか、、調査してもらえますか。。。」と、言われたので、、、
「いいですよ、、私は調査や警護が商売ですから、依頼されればやりますよ、、何を知りたいですか、、、」と、、、尋ねた。
「税金のことが心配なので、、榊原豪太郎の件と、、警察の状況を知りたいのですが、、、」
「お願いできますか、、、」と、、頼まれた。
迷探偵柳生幸次郎は察していた。。。今回のすべての事件の黒幕は、、「妻洋子」だと、、
いかし、彼は今は警察ではなく、、依頼されたことをやり遂げ、、「報酬」を貰えればという、、割り切った考えでいたので、、真相を明らかにする必要もなかった。
迷探偵の柳生幸次郎の推理では間違いなく、今回のすべてを計画して実行したのは「妻洋子」だと確信していた。
その理由はまだ、分かってはいなかった。


22)妻洋子は心配だった、、故人安太郎の妻であるから、、

大阪事業所の爆破事件の捜査が動き出したので、妻洋子は心配になった。
なによりも心配なのは「遺産相続」である、、大阪事業所の株式や、資産の相続がどうなっているか知りたかったのである。
故人安太郎が関わっていれば、、遺産相続で受け継いだ財産が、失うと思ったのであった。
出来るだけ妻洋子は関りたくなかった。
一番知りたかったのは、大阪事業に関わっていても、、、事業所の権利はないことを確認したかったのであった。
関わっていたら、、不味いと思った、妻洋子である。」
そこで、迷探偵柳生幸次郎に調査を依頼したのであった。
迷探偵柳生幸次郎も結末を見たかったので、、妻洋子の頼みを聞いたのである。
元は警視庁のやりて、「鬼警部」であったので,そのくらいの調査は簡単であった。
迷探偵柳生の調査では、妻洋子にしてみれば大変なことが分かった。
故人安太郎は、大阪事業所は会社組織で「株式会社大阪金融」であり、、株式は故人安太郎が100%保有であった。
しかし、代表取締役は城之内安一郎で、、故人安太郎と、妻洋子の長男であった。
株式保有から見れば、更には不動産部門が、故人安一郎の名義であったので責任は引き継がれていた。相続権もあり、、「脱税」からくる、責任は取らざるをえないようだった。
報告を受けた妻洋子は、顧問の大久保弁護士に相談をした。
妻洋子にしてみれば非情事態になったのである。。
いずれにしても「脱税の追徴金」すなわち「負の財産」を相続しなくてはならなかった。
国税からいくらの「追徴脱税違反金」が言い渡されるかわからなかったのでるから、、妻洋子は気が気ではなかった。
故人安太郎がどれくらいの商いをしていたか分からなかったので、生きた心地はしなかった。
迷探偵柳生幸次郎は想像はしていた、、、今回の調査でわかったのであるが、、妻洋子の受け取った「遺産」では足りないような、、、
もしかしたら、、故人安太郎の計算だったのかも知れない。
死んでも尚、、誰にも好きなようにはさせないという意気込みが感じられた。

23)故人安太郎の執念

城之内安太郎は一代で築き上げた男であった、、、もとは大阪の通天閣近くで育った浮浪児であり、、不良になり、、地元の博徒の「天王寺一家」で男を磨き、一人前の極道になった。
そして、、ガキの頃から「金儲け」に長けていた。
小銭を貯めて、、金貸しを始めて、男家業を売り出したのである。
若いころから「金にはシビアであり、、」いつの間にかやくざ連中への金貸しをしていた。
金を貸す目的は、、担保さえ保全できていれば「銃でも薬でも、なんでにでも貸した」
当時の安太郎のつけられた通り名は「蝮の安」と言われたいた。食いついた獲物は死んでも離さないと、、、しゃぶり尽くすという噂もあった。
そして、、金融部門だけを残して、東京へでたのであった。
後の〈株式会社大阪金融」だった、、番頭に残した「榊原豪太郎」は城之内安太郎の右腕となり、辣腕を振るっていたやり手であった。
故人安太郎が信用していたのは「榊原豪太郎」ひとりのようだった。
とにかく、用心深く、人を寄せ付けないところがあり、、一人で資金繰りをしていたのであった、
そんな男が、、家族であろうが、、やすやすと財産を渡してしまうほど、優しくはなかった。
故人安太郎が後妻として迎えた洋子は、、彼からすれば「女中か家事手伝いで、、女のはけ口ぐらいにしか」思っていなかったのである。
妻洋子は、、故人安太郎の長男安治路が連れて来た女だった。凄いのは長男安治路の彼女だったのを、、金の力で奪い、妻にしたのであった。
この事実は、、今回の迷探偵柳生幸次郎の調査で分かったのであったが、、それを知った柳生幸次郎は、、故人安太郎がおそろしくなった。
全てを知った上での「最後の安太郎の遠望企み計画だ」と迷探偵柳生幸次郎は思い、、唸った。
しかし、、何一つ、それを裏付ける証拠はないのだ。。
考えられることは、、これから出てくる「脱税疑惑」から出る、、「脱税未納金など」の算出で、どれほどの「追徴金」がでるかだ、、、
それは分からない。。国税の調査如何であり、、妻洋子はびくびくしていた。
妻洋子は上手くやったと思っているだろうが、、、故人安太郎の考えは大きかった。


24)大阪事業所の爆破事件の捜査は進んだ。

城之内安太郎の事実上の経営者の「株式会社大阪金融」の爆破事件が起きて、、「脱税疑惑」が浮上したのであった。
しかし、事実上の経営者、城之内安太郎も殺されて、爆破事件で「株式会社大阪金融」に携わっていた長男の安一郎も死亡しているので、、責任者追及が出来ない状態であった。
番頭の榊原豪太郎は、社員扱いで役員にもなっていない。
大阪府警は爆破事件の犯人究明に全力を傾けていたが、、犯人像は浮かんでこないのであった。
捜査していく過程では「やくざ同士の逃走」に絡んだ、爆破事件だという見解が濃厚だということになってきた。
その抗争の裏には、故人安太郎の作為があったようではあるが、、本人は死亡しているので裏付けが取れなかった。
国税としては、「脱税の額」がどのくらいあるか、、榊原豪太郎の残した手帳から算出しているところであった。
そして、取引のあった「組織やくざ」から、困難ではあるが証拠固めをしていた。
「大阪連合会桜会」と「京都連合会橘会」では資金の流れに食い違いが出てきたので、取り調べを強硬にしていた。
やくざ事務所は勿論であるが、、幹部個人一人一人の家宅捜査をして居るので、、ちらほらと、
資金の用途が明らかになってきた。
組織やくざの資金の流れを抑えて、、証明できたところから、、資産財産の差し押さえを始めた。資金面から組織やくざの殲滅をはかっていった。
今回の爆破事件の逮捕の裏側には「組織を解体に追い込む」ほどの金銭が動いていた。
故人安太郎の凄さが伺われる。
全てが明らかになった際は、、妻洋子が受け取った「遺産」などは吹き飛んでしまうほであった。
その報告を聞いた「妻洋子」は愕然とした。

25)脱税額はまだ、国税庁から発表されず、、、

株式会社大阪金融と「関西連合桜会」と「京都連合橘会」の脱税問題は長期に渡る金銭貸借なので、、
簡単には算出できなかったのである。
番頭の榊原豪太郎の手帳に残る記録と、、組織やくざ団体で確認できる 財務状況から凡その判断をする以外に方法はなかった。
しかし、大阪府警と京都府警が検察庁に協力して、総力を挙げて調べた結果から「脱税額」をきめたのであった。その結果が概算で「両組織の脱税総額は30億円」となった。
その両組織に融資した「株式会社大阪金融」の脱税額も多額であった。
株式会社大阪金融の裏金工作があって。。やくざ組織との取り引きは「闇取りき引き」であったことから、、
「脱税行為」をしてたのであった。
従がって、「脱税行為による追徴金」「法律的な金融闇取り引きに関わる違反金」を合計すると、、、
妻洋子が「遺産相続」で受け取った「遺産金」を処分しても足りなかった。
この事件の解決と共に、「妻洋子は無一文」になる筈である。
故人安太郎には死んでも尚、「してやったりと思っていた妻洋子に、、」その上の仕打ちをしたのであった。
恐ろしい「復讐」の「報復」をしたのであった。
妻洋子のすべての、故人安太郎への「復讐計画」であったが、、それが終わってみれば「報復」となっていた。

















































































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