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仇討・復讐シリーズ
仇討・復讐シリーズ
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「仇討・復讐シリーズ」原作 献残屋藤吉郎
第一話「運び屋」
(1)殺しの後の始末屋「運び屋」
網走虎次郎はトラック野郎と言われて15年になる。関東筑波山の麓にトラック拠点を置いて、北海道から九州薩摩まで走りまくっている。
トラック運転仲間では知らぬものがいない、、、義理堅くて、思いやりにある人情豊かな男であった。
約束したことは必ず守り、荷物を荷主に送り届けるいい男であった。荒くれ雲助ではあるが、信頼されていた。
トラック野郎の面倒見は良く、、、誰からも慕われていた。
北海道釧路港でのことだった。トラック野郎の荷札三郎が、、、
「虎さん、頼みがあるんだよ、、、荷物がだぶちゃって、困ってんだけど、、、手伝ってもらえないかな」
「頼まれてもいいよ、、、丁度、福岡までの荷物で、荷台がサブちゃんの荷物ぐらいなら乗るよ。。。」と虎さんは気軽に引き受けた。
その晩、虎次郎は釧路を出発した。
北海道釧路から、福岡箱崎港までの旅となった。釧路から東京芝浦、そして、釧路までフェリーを利用した。
暫く船旅となり、虎次郎は太平洋を眺めてゆっくりした。
フェリーを利用するトラックは多く、今は陸上だけを走ることはなかった。
虎次郎が船室で休んでいたら、、、、
仲間の運転手が、「虎さん、、、誰かが虎さんの車を、なんかしているよ、、」と夜中に起こされた。
虎次郎は運搬する荷物を悪戯されたら困るので、起きて、デッキに見に行った。
確かに、虎次郎のトラックの荷台に乗って、何かを探していた。
「こらーーー、何してんだよ、俺のトラックに。。」
声をかけられて、荷台に乗っていた。
怒鳴られた人間たちはびっくりしてか、、、振り向いた。
しかし、どこうともしなかった。
なんか言ってたが、言葉が分からなかった。
一人が日本語を話していたので、理解出来た。
ロシア人だった。。。。自分たちの荷物が無くなったので探していたようだった。
日本語の分かる人間と話し合い、その場は収まった、
虎次郎も納得して部屋に戻った。
後でわかった事だったが、東京芝浦桟橋で乗船したのだが、自分たちの荷物が行方不明になり、困っていたのであった。
公安を読んで調べて貰った。
そして、どえらい事件が持ち上がった。
(2)覚せい剤が積み込まれていた。
虎次郎のトラックに荷台荒しが見つかったので、公安が一応、虎次郎の荷物を改めた。
公安もロシア人の窃盗ぐるみなので疑って、虎次郎の荷物を念入りに調べた。
その結果、後から積み込んだ荷物の中に「覚せい剤」が積み込まれていた。大変であった。
虎次郎は身に覚えのないことでなのであったが、覚せい剤であるので、疑われ、取り調べを受けた。
最終的には無罪放免であったが、荷物は没収された。
勿論、ロシア人たちは逮捕された。知らぬ間に「覚せい剤」が積み込まれての事件であった。
虎次郎はトラック野郎をしていて、初めて恐ろしさを感じた。自分が注意していても、気が付いたら犯罪に巻き込まれて、犯罪者にされていた、、と言う怖さ。
公安及び警察の取り調べが重なり、目的地への到着が遅れたが、、、その責任は取ってくれない。警察とはふざけたところだ。。。。しかし、仕方がないことなのか。
いつもの得意先に荷物を届けて、遅れたことを詫びた。
「すいません、、、事件に巻き込まれて遅れてしまい、申し訳ありませんでした。」
虎次郎たちの仕事は時間を守り、安全に無事届ける正確さが大事であった。
虎次郎に取っては災難であり、不可抗力なことだった。
しかし、ミスには違いない、、、管理不行き届きだった。言い訳は聞かなかった。
この事件が大きく報道されてしまい、虎次郎の運び屋の仕事も少し減った。
荷物を下ろし、福岡箱崎港で仕事が一段落したので、いつもの食堂で昼飯を食べていた。
虎次郎は今回はついていなかったと思った。
そんな虎次郎のところへ近寄ってきた男がいた。
「虎次郎さん、、、今回は飛んだ災難だったね、、」と新聞でも見たのか声をかけてきた。
「ついていなかったな、、、、俺の荷物の管理も悪かったから、、仕方がないよ」と、、、運の悪いことを嘆いた。
近づいてきた男が、、、「安全で、効率のいい仕事があるんだけどな。。」
と、、話を持ち掛けてきた。
虎次郎もちょっぴりしけていたので、その話に乗った。
(3)冷凍肉10箱の輸送
網走虎次郎は今度は騙されまいと、冷凍の荷物を確認した。
牛肉の冷凍箱詰めだった。福岡の箱崎にある牛肉卸商社からの依頼だった。
箱崎から東京築地までの運搬で、
検疫も通り、虎次郎は安心して箱崎を出発した。
途中大阪へ寄り、同じ会社の冷凍箱詰めを乗せた。今回の運賃は割増もあって儲けも良かった。
途中彦根のドライブインで昼食をとっていたら、仲間のトラック野郎と出会った。
久しぶりの再会であり、北海度出身の運転手で「北海の熊さん」こと、新井熊次郎だった。
古い付き合いで、飲み友達でもあった。
「そういえば、、、やられたな。。。気を付けろよ」
と、、、覚せい剤の事を知っていた。
昔、熊さんも引っかかったことがあり、大量だったので逮捕されたことがあった。
ロシアマフィアには気を付けないとな。。。。。
お互いに励まし合いながら別れた。
虎次郎もいろいろあったが目的地の築地に無事荷物を運んだ。今回は何事も無く済んだようだった。
前科があるということ、疑われるように出来ていた。築地に着くと待っていたように、警視庁麻薬課捜査員が飛んできた。
「なんか用事かな。。。何もしてないよ。。」
と、虎次郎が言うなり、トラックの荷台を調べ始めた。
虎次郎も頭にきて、逆らったが遅かった。
調べていた荷物から、なんか変な塊が出てきた。
それが覚せい剤だった、、、
虎次郎は思った、悔しがった。
「やられた、、、、今回は大丈夫だと思ってたのに。。。
くそーー」
大量の覚せい剤だったので、虎次郎も逮捕された。
しかし、事情が分かり、不起訴になった。
虎次郎は思った、、、「畜生、、、この礼はするぞ、、必ずな」と、、、
虎次郎は不起訴になってから、福岡箱崎に戻った。
虎次郎を騙した奴を探した。必ず、見つけてやるからな、、
虎次郎は仕事を休んで、虎次郎に運びを頼んだ奴を探し当てた。
(4)覚せい剤運び屋の仲介屋
虎次郎もトラック野郎には違いないが、誇りを持って運び屋をやっていた。雲助には雲助の仁義があり、騙しは許せなかった。
虎次郎に荷物を紹介した奴を訪ねた、、、しかし、そこには虎次郎に荷物を紹介した、反ぐれの小田正一の死骸があっただけだった。虎次郎は不味い事件に巻き込まれたと思いながら、その元を探し当てた。
九州連合と言うやくざ組織だった。
そんなことで怯んではいられなかった、虎次郎はそんなことで引き下がるようなトラック野郎ではなかった。
無鉄砲な虎次郎は「九州連合」の事務所に乗り込んでいった。対応に出たのが、九州連合の副参謀の有馬一山であった。話は分かったので、騙した方が悪かったと言って、、、
虎次郎の損害を見てくれた。
虎次郎はその有馬一山とはその後、懇意になった。
有馬一山もロシアマフィアのやり口があくどいので、嫌っていた。
しかし、組織の仕事なのでやらずには出来なかったのであった。
虎次郎はトラック野郎の溜まり場に戻って、今後、密輸関係の事が起きたら、自分に話してくれと告げた。
絶対に密輸は嫌いであり、覚せい剤は許せなかったのである。
(5)虎次郎大いに怒る
暫くは密輸問題も、覚せい剤の話も出なくなった。
虎次郎もトラック野郎に専念していた、、、虎次郎の弟分で追分の達治と言うトラック野郎がいた。気のいい、キップの良い男だった。
その男が虎次郎のところへやってきた。
「ご無沙汰してます、、、虎兄い、、、相談があって来ました、、、いいかな」
と言いながら虎次郎の溜まり場と言うか、食事処にやった来た。
「どうした、、、達、、、話してみなよ、、、金なら無いからな、、、あはは、、、」
「実は虎兄い、、、俺の妹の事なんだけど」と、云って、、
相談して来たことが、覚せい剤に絡んだ話だった。
妹の亭主がロシアマフィアの覚せい剤の密輸に巻き込まれてしまい、、、困っていたのであった。
「馬鹿野郎、、、なんで早く相談して来なかったんだ、、、」と言うことになり、話を聞いた。
「兎に角、今、すぐに俺のところへ来い、、逃げて来いよ」
身柄を確保してから、話に乗るから。。。
と言うことで、妹たちを秋田から呼び寄せた。
虎次郎は仲介人に会うことした。仕事を辞めさせて、、、
仲介人に会う前に「九州連合」の有馬一山に連絡を取り、今回のロシアマフィアの話を聞きだした。
かなり、やばい連中だった。
九州連合の有馬一山も情報は流すけど、気を付けるようにと忠告してきた。殺しも平気でやる連中らしい。
虎次郎は覚悟を決めた。
トラック野郎の仲間のためならば命を賭けても惜しくないと思っていたので、、、
虎次郎は九州連合の有馬一山の助けを借りて、今回のロシアマフィアの秋田事務所に乗り込んだ。
一か八かの覚悟であった。
乗り込んだ秋田事務所の責任者が日本人だった。
乗り込んだ虎次郎とは最初は喧嘩になった。しかし、その虎次郎の度胸の良さに、話は収まった。
そして、今回の事は運賃の問題だけに話が付き、今後一切、弟分の追分の達治の妹たちにはお構いなしとなった。
ロシアマフィアの秋田事務所の立花信二とはなんとなく付き合う事になった。
覚せい剤密輸とは別にと言うことで、、、
(6)虎次郎軍団
虎次郎軍団の名前はやくざ仲間にも轟いていた。そして、虎次郎軍団には密輸関係の仕事は回らくなった。
しかし、やくざ関係のやばい仕事はなくなったが、、、企業間の汚職関係や贈収賄事件に巻き込まれていった。
大企業間の頭脳プレーである、、、今回も大企業の建設会社である、大日本土木株式会社の荷物の運搬に関わる仕事での資材の横流しがあり、その手伝いをしてしまったのである。
運搬上は分からない仕組みになっており、運搬先に分けて,巧みな罠が仕掛けてあった。
全て、本社と出先工事現場との伝票のからくりであり、
そんな高尚なカラクリなど、運転手風情には分かる筈がなく、、、公正委員会の調査がはいった。
当然、運搬するトラック野郎にも調査が入り、
訳が分からないままに、、、運搬管理の問題が指摘されて、罰を受けることになった。
トラック野郎には堪らない、、、罰金は取られる、、、行政処分は受けるで。。。
そんなことがあると、、、虎次郎の所に相談が回ってくるのであった。
虎次郎だって、法律的な細かいことはとんと分からない。
虎次郎が懇意にしている弁護士のところへ相談にいくが、
結果的にはトラック野郎が悪いことになってしまう。。。初めから騙しが入っていたので、、、依頼した企業側には責任はないと、、、
早い話が騙されたのであった。
法律的には負けである、、、、
後は騙したことに対しての責任問題が残った。
虎次郎は企業側に損害賠償を求めたのであった。
今までの虎次郎だったら、乗り込んで、文句を言って、脅して慰謝料をせしめたいた。
しかし、少し利口になり、弁護士の力を借りて、法的立証をして、損害賠償に訴えたのであった。
(6)無残虎次郎
虎次郎もロシアマフィアに逆らい過ぎたようだ。。。
相手は国際密輸団であり、やくざ組織でもあった。虎次郎が一匹オオカミで逆らうには組織が大きすぎた。
ある日、、九州連合の有馬一山から連絡があり、、、
「虎さん、、情報が入ったので連絡しておくよ。。。ロシアマフィアがあんたを狙っているとのことだから、、、、気を付けてな、、」
「連中は本当にやるからな、、、、気を付けるように」
そんな連絡が虎次郎にあった。
呑気なトラック野郎の虎次郎は余り、気にしないでいた。
しかし、狙われた。。。何度か思い当たることがあった。
気を付けるといっても、気を付けようがなかった。
そして、トラック運転中に狙われた。
本当に狙撃されたのであった。
その狙撃があってから、、、虎次郎は頭にきて、ロシアマフィアの博多事務所に乗り込んだ。
虎次郎もラック野郎だった。。。猟銃片手に事務所に暴れ込み、乱射した、、、何人かは狙撃した筈だった
そのあと虎次郎の姿は見なくなった。博多の箱崎港から消えた。
7)虎次郎、博多事務所に乗り込んだが、虎次郎も撃たれた。。。
虎次郎はロシアマフィアの博多事務所に乗り込んで猟銃を乱射したが、虎次郎も撃たれた。
何とか逃げて、トラック仲間の大熊浩二に助けられたのだった、、、彼はもとは九州連合の副若頭をしていたが堅気になって虎次郎のトラック軍団に参加して仕事をしていた上に、浩二とは気が合い、、、
虎次郎は大熊浩二の実家のある、別府温泉で傷の療養をしていた。
ロシアマフィアの情報は有馬一山から内密で入るので、虎次郎は助かっていた。博多事務所に乗り込まれ、社員が撃ち殺されたロシアマフィアは何としても虎次郎を探して報復をしたいのであった。
虎次郎もやばいので、、傷が治るまでは隠れていなくてはと思っている。
兎に角、傷が癒えるまではじっとしていようと、、
その後のことはその時と、考えている虎次郎であった、、、、
虎次郎は覚悟はしていた、、、「やってしまったことはやったこと、、、出たとこ勝負だと、、、深くは考えていなかった」
男と生まれたら、、一度は授かった命だけど、、捨てて勝負をすることも仕方がない、、決めたことだ、、、助けると決めたのだから。。。
そんな男だったのだ虎次郎は、、、
虎次郎は弟分の追分の達治には当分、博多には近づかいように伝えていたので、、口の堅い連中で仕事を回して、追分の達治を守っていた。達治の妹のことも面倒を見ていたのである、、、
有馬一山から情報が入ったが、、今回はロシアマフィアも強気でいるらしいと、、、
その話を聞いた虎次郎は逃げることは出来ない、体が治ったら出て行って「一か八か」の勝負をしなくてはと考えていた。
傷の癒しで別府温泉に隠れてから1か月が経った、ある日、虎次郎が現れた。
それも奇想天外な行動だった。
逃げても仕方がないので、、ロシアマフィアの博多事務所に一人で行ったのである、、、、
博多事務所にも日本人社員がいたので、取り次いで貰った。
「虎次郎が来たと伝えてくれや、、逃げも隠れもしないからと、、、」慌てたのはロシアマフィア側だった。
ロシア人のやくざ連中が何人か出てきて、、虎次郎を取り囲んだ、、そして、下手な日本語で、、
「殺してやる、、覚悟はいいか、、」と、意気を巻いていた。
虎次郎は「じたばたするなよ、、、何もしないよ、、、欲しけりゃくれてやるから、、俺の命くらい、、」と、、啖呵を切ったので、ロシアマフィアたちも静かになった。
そこに一人の日本人が出てきたのである、、、上杉健太郎という、貫禄のある男だった。
8)ロシアマフィアの日本担当の責任者、上杉健太郎、、
「ほう、、、大分威勢がいいな、、元気で良かった、、あんたが網走虎次郎か、、、一度会って見たいと思っていたよ、、、」
「実は九州連合とは付き合いがあってな、、有馬一山とは知り合いなんだよ、、、彼から話は聞いてる、、」
と、、話を上杉健太郎が言ってきたのだった。
「話を聞けば、、俺たちにも責任はある、、だから、言って来いで、今回の事は無しにしようか、、、」
「あんたも、、撃たれたようだから、、虎次郎さん、手を打ちませんか」
と、、、言われて虎次郎は「駄目だ、、」とは、、言えなかった。
「それではいいですね、、虎次郎さんにはお礼が言いたいよ、、今回の事で警察にも言わないでくれて、、、ありがとう、、、」
「ところで、時間があったら今夜、手打ち式の真似事をしたいのですが、、、」
と、、話しているところに、、、「良かった、、よかった」と有馬一山が現れた。
「正直言って、心配したよ、、お前に会ってから、どうするか決めるというからな、、上杉さんのお眼鏡に合格しなかったら、虎次郎、、お前をここで殺すと言っていたので、、本当に心配だった」
「そうか、、一山ありがとう、、口添えをしてくれて、、実は覚悟してきたんだよ、、差し違えるつもりでな、、助かったよ、、、絶対に生きては帰れないと思ってた、、」
話し合いが付き、、虎次郎も一山も笑いが出たのであった。
上杉健太郎は日本のやくざ世界では、どの組織も世話に成っている大物だったのである。
彼が頼めば、、どこの組織も言うことを聞いてくれる上に動いてくれるのであった。
彼は暗黒世界の裏の顔役でもあり、、密輸業界で彼が動かないと「麻薬」もあらゆる「密輸製品」が流通しないのであった。
「それでは、、有馬さん、今夜一緒に、いつものとこで会いましょう、、虎次郎さんを連れて来て下さいよ、、」ということになり、虎次郎は有馬一山とロシアマフィアの博多事務所を出たのである。
外へ出て二人になったとところで、有馬一山が呟いた。「よかったよ」
「虎次郎、、本当によかっよ、、命拾いしたな、、余程、お前を気に入ったみたいだ、、」と、、有馬一山は話してくれた
9)上杉健太郎と網走虎次郎
ロシアマフィアの博多事務所の上杉健太郎と食事をしたのであった、、有馬一山も同席で、、、
虎次郎などが食べに行けるような寿司屋ではなく、、世の中にはこんな「高級な寿司屋」があるのかと思えるような、お店であった。
虎次郎は酒を呑みながら思った、、、この世のなかは悪事をしないと、、旨いものを食べて、、いい車に乗って、、高級時計をすると言うことは出来ないのかと、、、
正直言って腹が立ち、、、「くそ、、」と、言いたかった。
それでも、、運転手野郎で一生懸命働いて、仲間同士で酒を呑みながら毎日、汗を流すことに生きがいを感じて活きて来たことを誇りに思っていた。
だから、上杉健太郎にご馳走になりながら「矛盾」を感じていたのである。
仕方がないのかという「諦め」も必要だと思う時もある、、そして、「分相応」な生き方もいいと思ったのであった。
上杉健太郎は、、「虎次郎さん、、あんたの一本気な生き方は羨ましい、、私にもそんな時があったよ、、人間、時を重ねると狡くなって駄目だね、、自分ではいつまでも心意気はあるつもりなんだが、、いつしか時代に流されてしまったようだ、、、」
そして、こうも言ってくれた。。。
「あなたと話してると楽しい、、汚れた心が洗われるような気がする、、、これからも、時々遊びに来て欲しい、、あなたの都合でいいから、一緒に食事をしながら話がしたい、、」
と、、、その晩は有馬一山も入れて、楽しいひと時を過ごした。
その晩、虎次郎は思った,、、ひとにはそれぞれの人生があり、、生き方を持っている。だから、その人生道に
精一杯生きることが大事だと、、、一生懸命に生きさえれば、、何かに通じる、、人の幸せは必ず訪れると、、、
明日、弟分の追分の達治を訪ねようと思いながら布団に入った。
10)弟分の追分の達治と会う、、、
虎次郎は久しぶりに追分の達治に会いに行くことにして、約束を取った。
追分の達治は実家が北海道であったが、、岩手県や青森県方面で運送仕事をしていた。
虎次郎は今、いる岩手県のアパートを訪ねた、、、妹さんも一緒だったので、
「達治、、、ロシアマフィアとは話がついたから、もうどこで仕事しても大丈夫だ、、
妹さんも心配しないで、、いいよ」と、、、虎次郎は話をした。
「良かったら、、、俺が住んでる東京へ出てこい、、、そして、一緒に仕事をしようや
その晩、虎次郎は達治と妹さんを誘って夕飯を食べに出かけた。
「達治、、ロシアマフィアの連中に何か言われたら、、虎次郎と上杉健太郎さんと話がついているので、、上杉さんに話して欲しい、」と言えば、大丈夫だから、、
そんな話をしながら久しぶりに達治たちと楽しい食事をしたのであった。
「達治、、東京へ戻って来い、、住むところが無ければ俺の寝床を空けるから、、妹さんと一緒に住んだらいいよ、、もともとは倉庫だし、住まいの2階も広からな、、それに、、タダだから」
そう言って、達治と妹を引っ越しさせた。
「ありがとう、、兄貴、、、でもよ、、兄貴はどこで寝るんだよ、、」
「馬鹿野郎、、、俺はひとりもんだし、、全国津々浦々に女がいるじゃあないか、、、東京へ来た時には倉庫に車を止めて寝るからな、、心配するなよ、、、あはっあはっ、、、」と、、いつものように笑って済ました。
東京の倉庫は虎次郎が世話していた爺さんが亡くなったので、その世話代金で貰ったものであった。
「そうだ、、、達治、、今の時代は仕事もそんなに無いし、、看板を出せよ、、お前、字が旨かったな、、
引っ越しでも何でも引き受けますと、、」
トラック野郎仲間にも宣伝するから、二人で引っ越し専門屋をやろうということになった、
妹さんの洋子さんに電話番を頼んでと、、、「追分引っ越しセンター」とか名前を出して始めたのである。
11)トラック野郎の叫び声、、
追分の達治の引っ越しセンターの看板を挙げてから間もなく、、達治のトラック野郎の仲間の細野新次郎から連絡が入った、、「たっちゃん、、助けてくれよ、、いっちもはっちもいかなくなった、、、頼む助けて欲しい」
と、、、悲痛な叫びが届いた。
虎次郎がたまたま、、帰って来ていたので、、「どうした、、達治、、そんな苦虫潰した顔をして、、」と、、
虎次郎が心配そうに聞いたのであった。
「実はな、、虎兄いも知っている、栃木の細野新次郎が困って、、助けを求めてきてるのよ、、」と、、訳を話したので、、、「馬鹿野郎、、、仲間が助けてくれと言ってきたんだから、、話だけでも聞いてやれよ、、
出来る出来ないは二の次だ、、すぐに行ってやれ、、俺もいってやるから、、」
二人は達治のトラックで出かけた。
留守の事は妹の洋子に頼んで、、何かあったら連絡しろよと、、、
東京からなので、宇都宮には夕方に出かけたが、その晩には着いた。
細野新次郎の親が交通事故を起こして、病院に運ばれて危篤状態であったのである、、そして、事故の内容を聞いてみると細野新次郎の親の方が違反をしての正面衝突とのことであり、、細野新次郎は気が動顛していた。
虎次郎と達治がついた時に、話を聞いたら、細野新次郎はどうしたらいいか分からない、、と、、
「たっちゃん、、困ったよ、、」と、、おろおろしていた。
虎次郎も細野新次郎のことは知っていたので、、「馬鹿野郎、、お前がおろおろしてどうする、、兎に角、落ち着け、、」と、、言い聞かせた。
「まずは、新次郎、お前の親父さんを心配しろ、、」と、、虎次郎は病院側に聞いた。
一時は危篤状態であったが、様態を持ち直したとのことであり、、ゆっくり養生すれば大丈夫とのことであった。それを聞いた虎次郎と達治は安心した。
「ところで、事故の相手はどうなんだ」と、、聞くと車は破損したが、怪我の状態は思ったより軽く、同じ病院で治療は済んでいたので、、虎次郎が会って挨拶をしたのであった。
虎次郎はついてきてよかったと思った、、、日を改めて事故の相手とは話し合う約束をした。
「新次郎、、後のことは心配するな、、相談に乗るから、、今夜は親父さんの傍にいてやれよ、、言いな、、」と、言い聞かせて虎次郎と達治は引き上げた。
12)トラック野郎の男の涙
新次郎の父親の交通事故が起きてから、達治は連絡を貰った、、、
「たっちゃん、、恥ずかしい話だけど頼みがある、、、実は俺な金が無いいだよ、、、トラックを買ったばかりで、親父の入院費が払えないで困っている、、少し貸して貰えないかな、、、」
「自慢じゃないが、俺も引っ越しセンターを始めたばかりで、からっけつなんだな、、、虎兄いに相談してみるよ、、ところで新次郎、お前、保険かなんか掛けてないのか、、」と、、無駄だとは思ったが聞いてみた。
そして、、新次郎は泣きそうな声を出して、、「事故の相手の損害も払えないんだよ、、親父の奴、自動車保険を入ってなかったし、、一年前の保険料も払ってなかった上に、、車検が切れてたから困った、、」
と、、相談してきたのである。
達治も唸った、、「なんだと、、車検切れに保険なしか、、、参ったな、、ところで警察の現場検証はやってたのか、、」と、、聞いたら、親父の奴、覚えていないんだと話してくれた。
虎次郎が帰ってきてから達治は、今回の新次郎の親父の事故の内容を説明して、、相談をしたのであった。
「馬鹿野郎、、兎に角,金を集めよう、、警察の事は後回しだ、、、損害金と病院の入院費を作らないとな、、」
と、、虎次郎はすぐにトラック野郎の仲間に呼びかけた。
普段、面倒見のいい、虎次郎からの頼みなので、すぐに必要な金は集まった。
虎次郎は感謝した、、「ありがとう、、本当にすまない、、」と、、トラック野郎仲間に頭を下げたのである。
車検切れも「罰金刑」で済むように虎次郎は段取りをしたのであった。
やっちゃいけないことだけど、、普段は交通違反でばかり世話に成っている、、新次郎の親父が住んでいる警察署の交通安全課の大森課長宅を訪ねた。
虎次郎は日本全国の交通安全課とは顔を売っていたのであった、、
「こんばんわ、、、虎次郎です、、ご無沙汰しています、、いいですかお邪魔して、、」と、、大森課長に挨拶をして、部屋に入って行った。
大森課長の奥さんが出て来て、、「あら、、虎次郎さん、珍しいわね、、あなたが来たからには碌な話ではないわね、、でも、あなたは楽しい人だから、上がんなさい、、」
と、、、
「おお、、虎次郎か,最近違反がないようだな、、まあ、、上がれや。。」と、、久しぶりに尋ねた虎次郎を歓迎してくれた。
「どうも、たまには親父さんの顔を見たくなって、、旨い酒が入ったので持ってきたよ、、」
「嘘つけ、、お前が来るときは碌な話がないからな、、でも、、いいから中に入れや」
と言って酒盛りが始まった。
そして、新次郎の親父のことを話して、、穏便にしてもらえるように頼んだのである。。
虎次郎のなんとも言えない人懐っこさが、人を引き付けるのであった。
13)運転時間に規制が出来て、、、働きたくても働けない。。。
虎次郎たちトラック野郎にとって、働く時間改正は問題であった、、、
なんの保証もないトラック野郎には走ることが稼ぎになるのであるから、、、法律的な規制は死活問題であったのである、、、
中には「気にすることはない、、、今まで通りに走って稼げばいい、、掴まった時はそのときだよ、、、」という運転手もいたのであった。。
「俺たちトラック野郎は、、、会社もない、、一匹狼だから、、、申告しなければいいじゃないか、、」
とか、、いう奴もいた。
「今までのように、スピード違反をする様によ、、掴まるまでやればいい、、、」というトラック野郎もいたのである。
虎次郎は違うと思った。これからのトラック野郎は変わらないといけないのだと、、、やっぱり、税金を払って仕事をしないと、、そんな風に考える虎次郎であった。
追分の達治に「引っ越しセンター」を作って仕事をやる様に、トラック野郎も一匹狼ではなく、、グループ団体で運送業をしないと、まともな運賃が貰えないと思ったのであった。
そして、虎次郎は弟分の達治とも相談して、、旗揚げをした。。。
その名も「東京トラック野郎組合」を作って、一匹狼のトラック野郎を加盟させていった。
14)トラック野郎、悪行集団に巻き込まれる。。。
虎次郎の古い仲間で、、長距離専門にしている「疾風の狼」と言われてる「黒田長治」というトラック野郎がいる、、、その男が久しぶりに虎次郎を訪ねて来た、、、一人の若いトラック仲間を連れて、、、
「虎さん、、ご無沙汰しています、、今日は頼みごとが有って来たんだよ、、何時もいつも頼み事ばかりですまない、、、困った時にしか来ないで悪いな、、、」
と言って、、訪ねて来た訳を話し
「一緒に来た,こいつは俺が今、面倒見ている高松道夫っていうんだが、、、二人で間違いを起こしてな、、
困っている、、、助けて欲しいんだよ、、、虎さんにしか頼む人が居なくて、、」
その訳とは、、、二人で中身を知らずに、秋田から東京の芝浦まで運んだ荷物にあったのだ。
疾風の狼こと「黒田長治」は同じトラック野郎の仲間である、「大島茂」という奴から頼まれた仕事であった。
仕事の中身を確認しなかった黒田長治も悪かったんであるが、、、東京都内に入る検問で引っかかってしまったのであるが、、運んだ中身が「密輸入の拳銃やライフル」だったのであった。
その検問所で御用となり「銃の密輸入現行犯」及びに「銃刀違反の現行犯」で逮捕されたのである。。
黒田長治たちは22日間の取り調べ拘留で板橋警察署の留置所にいて、、、不起訴になって出て来たばかりであった。
しかし、、運んだ「銃類」は没収になり、、黒田長治に頼んだ「大島茂」が逮捕されてしまったのである。。
逮捕された板橋警察署で聞いた話では、、密輸グループがバックにいるようなので、、怖くなって、、虎次郎の所に相談に来たのであった。
黒田長治の警察の取り調べから想像して、、、どうも「ロシアマフィア」が絡んでいるような気がして、、直観的に不味いと思った、、、最悪の場合、殺されるような気がしたのであった。
自分たちも危険な状態ではあるが、、逮捕された「大島茂」は消されてしまうような気がしたのであった。
「虎さん、、、俺たちではどうしょうもない、、何とか助けてくれ、、恐ろしくて、寝てもいられないよ、、、」
泣き出しそうな顔で虎次郎に縋った。
「困ったな、、しばらく動くな、、俺の事務所にいろよ、、何とか考えるから、、」
二人を匿った。
虎次郎は弟分の達人に訳を話して、、自分の部屋に二人を入れた。
早速、ロシアマフィアならば、、とりあえず「有馬一山」に連絡を取って、会うことにした。
15)虎次郎、、覚悟を決めて闘う
虎次郎は有馬一山に連絡を取って貰い、ロシアマフィアの日本組織の代表と会うことになった。
そして虎次郎は有馬一山と一緒に博多事務所に行き、上杉健太郎と会った。
「先日は御馳走さまでた、、、いろいろとありがとうございました、、、今日は、また面倒なことでお邪魔しましたがよろしくお願いします」
と、、挨拶をしてのであった。
「虎次郎さん、、用件は分かっています、、組織から報告は受けているので、、しかし、私も組織の人間ですから、出来ないともあります、、」
釘を刺されてしまった虎次郎だった。
「虎次郎さん、、今回の事は組織が決めたことであり、私なんかが口の挟めるものでは
ありません、、、虎次郎さんとは友達として付き合っていきたいのですが、、私の力ではどうにもならない、、勘弁してください、、」と、、言われては虎次郎も頼めるものではなかった。
「しかし、虎次郎さん、、私のにも出来ることはあります、、知られれば消されるかも知れないが、、情報だけは入れますよ、、それで許してください、、」
傍にいた有馬一山も、、「虎次郎、、上杉さんも大きな組織の一員なのだから、無理は言うな、、」と言われて、虎次郎は何も言えなかった。
「分かりました、、上杉さん、無理なお願いですいませんでした、、俺が間違ってたよ、、」と、、上杉健次郎に礼をいったのである。
そして、教えてくれた、、、
「虎次郎さん、、組織は本気で今回逮捕された「大島茂」を狙っているから,注意してくださいよ、、ロシアマフィア組織は日本の政治の中枢にも食い込んでいますから、本当に慎重に、、行動してください、、」
と、、情報をいれてくれてことに感謝して、博多事務所を後にした。
虎次郎は腹を決めた、、、これで博多事務所に来ることは無いだろうと、、
相手が国だろうとやくざ組織だろうと、「やってやろうじゃあないか、、」
と、、助けを求めたきた「トラック野郎」を助けることにしたのであった。
「一山、、今日はありがとうな、、あんたもやくざ組織の人間だから、、俺が今からやろうとしていることには、関わらないほうがいい、、」と、、お礼を言うと、、
「馬鹿野郎、、俺は日本人だぞ、、水臭いことを言うな。。」
そして、、「虎次郎、、ここまで来たからには、、お前に付き合うよ、、最後までな、、なんかお前をほっとけない、、虎次郎、、今から俺と兄弟分の付き合いをしよう、、あははは、、、宜しくな。。」
と、、言ってくれた有馬一山に涙したのであった。
16)トラック野郎軍団とロシアマフィア組織の闘い。。。
虎次郎は覚悟を決めた。有馬一山が今日から虎次郎の事務所に寝どまりをすることんしたのであった。
相手はロシアマフィア組織である、油断は出来なかった。
そして、
逮捕されているトラック野郎の大島茂に虎次郎は面会に行き、伝言したのであった。
差し入れされたものは絶対に食べないこと、誰彼のからでも駄目だとした、ロシアマフィア組織は証拠を消したいのである。間違いなく、殺しを企てている筈であった。
まずは差し入れされたものを食べない、そして、他にも注意して行動するように指示をした。
間違いなく、今回の逮捕では起訴はされるのであるから、判決が出るまでの留置所、拘置所の中で、どうして、トラック野郎の大島茂の身を守るかを、虎次郎は考えた。しかし、警察塀の中では方法がなかったのである。
板橋警察署の留置所では、調べたら、虎次郎の昔の遊び仲間のやくざ者が一人掴まって、留置所にいたのであった。
暴れ者で、喧嘩慣れした無法者であったので、虎次郎は面会に行って、大島茂のガードを頼んだ。
虎次郎には命の借りがあったので、引き受けてくれた。
その無法者「若松寅吉」は拘置所に移動され、懲役刑で刑務所に服役する予定でもあったので、しばらくは留置所、拘置所に留置されているので虎次郎の頼みを聞いてくれたのであった。
後は運否天賦である。運が良けりゃ助かるだろうが、、相手は組織だから駄目かも知れない。
虎次郎はやってみようと、駆け込んできたトラック野郎の二人にも言い聞かせた。
「虎次郎さん、仕方がないですよ、、、覚悟はしてますから宜しくお願いします。自分たちの蒔いた種ですから、俺たちも頑張りますよ、、、」と、、納得して、頼み込んだトラック野郎ふたりは虎次郎に任せたのである。
ここまで来たら虎次郎に命を預ける他に道はなかった。
有馬一山も用意するものを準備して、虎次郎に掛けてみたかったのである。
「虎さん、、奴らは、逮捕されて居る男以外の二人も狙って来る筈だ、、」と、、、ロシアマフィア組織のやり方を知っている有馬一山は虎次郎に告げた。
必ず、匿っている二人も始末するだろう、、、だから、襲撃してくると、、、
今までにロシアマフィア組織が生き残って来たわけは、絶対に証拠を残さなかったからであった。
必ず、襲撃してくるから注意しなとと有馬一山は言ったので、
どういうやり方で攻めてくるかを虎次郎は考えた、、、
「虎さん、、銃は、、ライフルは三丁用意してきたよ、、、後は日本刀を振り回して、相手の行き根を止めないとな、、」
という、一山であった。
「ああ、、わかった、命がけでやってやるよ、、俺たちの人生も終わるかも知れない、、一山、すまないな、、付き合わせて、、あんたにはこの世では返せない義理を借りてしまったな、、、本当にすまない、、」
と、、虎次郎は頭を下げて礼を述べ、謝った。
助けを求めた二人のトラック野郎も涙ぐんで謝った、、頼んだ追分の達治も「すまない、、すまない」と言いながら頭を下げたのである。
追分の達治は自分の仲間の為に、命を掛けてくれる虎次郎と一山に言葉では言えないが、、心の中で詫びていたのであった。
虎次郎は弟分の達治の為に、一山は虎次郎の義理の為に命を掛けてくれる、、、
達治は心から、「いい兄貴分を持ったと感謝した、、」そして、今回は達治は仲間の為にと体を張って、命がけでロシアマフィア組織と闘うことに悔いはなかった。
自分の為に命を掛けてくれる大好きな兄貴「虎次郎」と一緒にこの世の中の悪と戦えることに誇りを持って死ねるのであった。
そんな覚悟を見抜いたのか、虎次郎は、、、
「達治、、死ぬなよ、、生き延びることを考えるようにな、、」と、、言ってくれた。
覚悟が決まった虎次郎たち五人は待ったのである。今回はロシアマフィア組織が攻めてくるのを迎え撃つのであった。
絶対にこの倉庫からは外に出ないようにと指示を出した、虎次郎であった。
そして、一回目の襲撃があった。
堪らない、20名ほどの無法者が銃を乱射して、虎次郎の倉庫に突っ込んできたのであるから、、
虎次郎たちは一山が用意してくれたライフル三丁と日本刀五本であった。
それと虎次郎が持っている猟銃三丁での戦いだった
しかし、この戦いを知ったトラック野郎たちが,ありったけの銃を集めて、参加してくれたのであった。
どこで手に入れたのか手榴弾もいくつかあった。
その上、ロシアマフィア組織が攻め込んできた時にダンプ野郎たちが、ヤクザマフィア軍団のなかにダンプで突っ込んでくれたのであった。
それも砂利を満載に積んできてくれて、取り囲んでいるマフィア軍団の中に振りまいてくれた。
このたラック野郎の応援部隊によって、ロシアマフィア組織は退散したのであった。
逃げるロシアマフィア集団から、虎次郎たちは機関銃などの銃を奪った。
今回のロシアマフィア組織の襲撃は、直ちに上杉健太郎の耳に入り、有馬一山に情報がはいった。
「やったね、、凄いよ、、、博多事務所でも噂になっている、、どうしたものかと、、」
虎次郎たちトラック野郎軍団の力は馬鹿に出来ないとの噂であった。
逮捕されたトラック野郎の大島茂にもロシアマフィア組織からの手は廻り、、差し入れは何回もあった。そして、調べてもらったら「独饅頭」であった。
そして、大島茂はロシアマフィア組織の回し者が留置所に入り、、何度も夜中に命を狙われたのであるが、、、虎次郎の悪友の「若松寅吉」に助けられていた。
しかし、守り通した虎次郎たちは一層の警戒を強めた。
何が何でも守り通して、密輸犯罪を潰さないと、虎次郎は思ったのである。
そして、虎次郎は新しい情報を入手した。
二回目の襲撃が近いうちにあるという噂が聞こえてきたので、
トラック野郎軍団が虎次郎の倉庫の周りを囲み、完全装備をしたのであった。
このころには警察も動き始めて、虎次郎の倉庫近くに銃撃戦に備えたのである。
この警察機動隊の出撃でロシアマフィア組織の勢いも止まって、襲撃はなくなった。
そして、今回の銃撃戦がきっかけとなり、、ロシアマフィア組織への取り締まりが強化された。
虎次郎たちトラック野郎軍団の動きが国家警察を動かし、、ロシアマフィア組織への取り締まりが厳しく成り、、博多事務所への強制捜査の手が入ったのであった。
そして、逮捕されているトラック野郎「大島茂」の身の安全が警察によって保障されたのである。
トラック野郎の虎次郎たちの命がけの闘いが、国家権力の警察を動かしたのであった。
今回の銃撃戦が引き金となり、、悪徳な権力者たち、甘い汁を吸っていた悪徳政治家の力も、、陰の暴力者たちも動くことが出来なかった。
そして、ロシアマフィア組織の人間たちが厳しい警察の追及を受けて,検挙されたのであった。
今まで、警察の捜査が入らなかったロシアマフィア組織にいっ気に警察暴力がはいった。。
裏社会の密輸軍団に対して、、日本国家の威信を掛けての闘いが始まった。
トラック野郎軍団が勝利したのであった。虎次郎も一山も命がけの闘いをしたことに、、
救われた。
17)手打ち式
ロシアマフィア組織との抗争のあとに、、有馬一山を通して虎次郎に連絡がはいった。ロシアマフィア組織も今回のトラック野郎軍団との
抗争で警察からの家宅捜査が入り、、逮捕者がでたのであった。
犯罪組織取り締まり法や銃刀法違反での逮捕者がロシアマフィア組織からも幹部社員を含めて多数が逮捕され、かなりの痛手を被った、、、
それで今後の組織としての事業展開の都合で有馬一山を通して、「手打ち式」の申し込みがあった。
その話が出たので、、虎次郎としてはいつまでも抗争状態よりは良かれと思い、、申し込みを受けることにしたのである。
有馬一山の話によると、、ロシアマフィア組織側からは、日本代表上杉健太郎と極東ロシアマフィア組織代表の「ロブコッチ」が出席して、、トラック野郎軍団代表は「網走虎次郎」で、、有馬一山が介添え人として出席することになった。
手打ち式の日時も決まり、虎次郎と一山が出席することで話が進んだのであった。
手打ち式会場はロシアマフィア組織の博多事務所の3階フロアに設けられたのである。
そして、手打ち式当日、ロシアマフィア組織からは上杉健太郎と極東代表の「ロブコッチ」が顔をそろえた、、ロシアマフィア組織側は数人の幹部社員が列席した。
そして、、一同が揃ったところで、上杉健太郎が挨拶を始めた、、、
「それでは、、これから、ロシアマフィア組織とトラック野郎軍団との手打ち式を執り行います、、」
ということでそれらしく、厳かなに始まった。
その時の会場の雰囲気で、虎次郎は何かが変だぞという不安感というか不審な気持ちに襲われたのである。
もしかしたら、、ロシアマフィア組織の罠かも知れないと思った虎次郎であった。
手打ち式もそろそろ終わるかなと思った、、瞬間にロシアマフィア組織の幹部社員が機関銃を撃ちながらなだれ込んできたので、、堪らない、、虎次郎も一山も銃撃されてしまった。。
その時、、上杉健太郎が撃たれる二人の前に立ち塞がったのであった。。
「何をするんだ、、お前らは、、辞めろ、、」と叫んだ、、
そして、上杉健太郎も撃たれた、、、「汚いぞ、、約束が違うぞ、、豚野郎、、」と、叫びながら倒れた、、、
一山も体中に銃弾を浴びて、その場に倒れたのであった。
その修羅場の中から、、虎次郎が立ちあがった、、、ロシアマフィア軍団は驚いて引き下がった、、、
「馬鹿野郎、、、騙したな、、、こんなことだろうとは思っていたが、、ふざけやがって、、糞、、ロシアの外道、、覚悟しやがれ、、」と、、嫌な予感がした虎次郎は隠し持っていた短刀で斬りかかった、、代表の「ロブコッチ」を刺し倒したのであった。
そして、、ロシアマフィア幹部社員から機関銃を奪い、、その場にいたロシアマフィア組織の人間を撃ち殺して、、一階に下りた、、
心配して来てくれたトラック野郎の弟分の達治や、仲間たちが虎次郎を助けたのであった。
有馬一山も上杉健太郎も絶命していた。。。
虎次郎は用心のために「自家製の防弾チョッキ」をつけていたので一命は取り留めての抵抗であった。
虎次郎は引き上げながら考えた、、、自分の命を捨てても、二人への義理は返さないと、、死んでも死にきれない。。
虎次郎は二人の葬儀はトラック野郎軍団で行ったのである、、二人とも身寄りのない極道であったので、、、
そして、虎次郎は二人の墓前に誓った。
18)虎次郎は燃えた、、命尽きるまで、
ロシアマフィア組織との抗争のあと、虎次郎は辛うじて命拾いをした、、、
しかし、長い付き合いの「有馬一山」と何となく気の合った「上杉健太郎」を失った。有馬一山には返し切れない「義理と恩義」があった。虎次郎はこの世では返せない義理をあの世で返すと誓ったのである、、、
一山の墓前で、、、そして、、命がけで虎次郎の味方をした上杉健太郎も死んだ、、虎次郎は決めたのである、、、「上杉さん、、、仇は討つよ、、ロシアマフィアは命に代えても潰すからな。。」と、、
虎次郎は今回の事件で警察から呼ばれていた、、、取り調べで虎次郎の正当防衛は認められたが、、警察としてもロシアマフィアを殲滅したかったのであった。
それで、、ロシアマフィア組織の状況を知りたいので、虎次郎に抗争の時の狙撃時の人間たちを聞いてきたのである、、警察も必死であった。逮捕したロシアマフィアの特殊社員たちは黙秘を使い、、銃撃戦は認めたので、暴力行為での逮捕だけとなった。
そのために虎次郎から「密輸関係」のことを聞きだしたかったのであるが、、、虎次郎も話さなかった。
警察から戻った虎次郎は仇討の準備に取り掛かった。
しかし、ロシアマフィア組織は、、ロシア本国に守られていたのでる。
虎次郎の人脈や情報では太刀打ちで来るものではなかったが、、虎次郎は諦めなかった。
虎次郎は弟分の追分の達治を呼んだ、、、
そして、、「達治、、お前の命を俺にくれ、、一緒について来て欲しい、、、俺には組織もなければ、、力もない、、、だから俺の糞度胸で体当たりしか方法がない、、いいかな、、恩返しはあの世でしか出来ないが、、来てくれるか。。」
「何を言ってるだよ、、兄貴、、俺で良かったらいつでも使ってくれ、、こんな時でしか恩返し出来ないから、、」と、、「いいか、達治、、相手はロシアマフィアだぞ、、多分バックにはロシア本国がついているはずだ、、生きては戻れない、、、それでもやらないとな、あの世で一山に笑われるよ、、、」
と言いながら虎次郎は達治に礼を言った。
襲撃するところはロシア大使館の傍の付属ビルであった。
そして、虎次郎は達治を連れてロシアマフィアの本部ビルに向かったのである、、
虎次郎はわざわざ天気の悪い大雨の日を選んだ、、、
東京の赤坂にあるロシアマフィア本部の前に虎次郎と達治が立ったときに、、3人の男達が近寄ってきた、、、「虎次郎さん、、私たちにも義理を果たさせてください、、、」
と、、言って、細野新次郎、高松道夫と釈放されたばかりの大島茂が待っていたのであった。
19)命尽きるまで、、その2
虎次郎は無茶な計画を立てて、、ロシアマフィア本部を襲撃をしたのであった、、追分の達治とそのトラック野郎たち、細野新次郎、高松道夫、大島茂の5人で捨て身で乗り込んだ。
全員、自分たちの防弾チョッキを纏い、機関銃片手に撃ちまくりながらロシアマフィア本部の中に入った、、、明け方の3時だった、、、
ロシアマフィア側は寝起きを襲われたから堪らない、、、虎次郎たちは5人ひと固まりで乗り込み、2階からは二人ひと組で乱射を始めた、、虎次郎は7階建てのビルの最上階に本部責任者が居ることを確認していたので一気に、その部屋に向かった。
無防備だった明け方なので、ロシアマフィア側は応戦がなかなかできなかったが、、途中から銃撃を開始してきた、、、しかし、戦闘準備の出来ている虎次郎たちのトラック野郎には適わなかった。
7階に乗り込んだ虎次郎は、、、
「覚悟せいや、、死にやがれ、、、一山と上杉さんのお礼参りだ、、くたばれ、、」と、,叫びながらロシアマフィアの責任者、プーチン塩田に機関銃を撃ちこんだ。。
仇は執った、、達治たちに引き上げる指示をしながら7階から降りていった。
虎次郎はロシアマフィア本部の組織の人間を一人残らず射殺したのであった。そして、、「達治、、みんなを連れて逃げろ、、いいな、、こんな奴らの為にみんなで責任を取ることは無い、、早く逃げろ。」
「いいか達治、とらっく野郎軍団は頼んだぞ、、いいな、、みんなありがとうな、、」と、、虎次郎は頭を下げて、、、
「みんな、達治を頼んだぞ、、、早く行け」と、、引き揚げさせた。
「兄貴、、分かった、、行くよ、、任せてくれ、、」と、、4人はその場を離れた。
一人残った虎次郎は警察に連絡をして、ロシアマフィア本部のビルで待った。。「一山、、仇は執ったよ、、上杉さんの恨みも晴らしたぜ、、後はあの世へ行ってから謝るな、、」と、、独り言を呟いて居た。
20)虎次郎、命果てるまで。。。
虎次郎は夜が明ける赤坂の眩しい陽を浴びながら歩いた。
血だらけの機関銃を片手にひとり歩いたのであった、、そして、、青山通りの赤坂警察署の前に立った。
人を殺してきた虎次郎であったが気持ちは清々しかった。
虎次郎が警察署の前に立つと、、警察官が取り囲んだのであった。
虎次郎は持っていた機関銃を投げだして両手を挙げて中へ進んだ、、
「何もしませんよ、、人を殺してきたので逮捕してください、、」と、、言うと数人の刑事らしき男たちが虎次郎を抑えた。
そして、顔見知りの刑事が虎次郎の前に出て、、話をした。
「虎次郎、、、お前か、、やったのか、、兎に角、中に入れ、、」と言って、手錠も掛けずに警察署内に入れてくれた。
「まずは、留置所に入って、少し休め、、寝てないんだろう、、取り調べは後からでいい、、、虎次郎、顔中血だらけだ、、顔を洗ってな、、」
そして、、朝飯を食べてからということで留置所に案内された。
虎次郎は増川警部補に感謝した、、、この人には以前からロシアマフィア組織とのいざこざを知っていたので、、今回は全てを話すつもりで、出頭して来たのであった。
虎次郎は増川警部補の計らいに感謝して、留置所で横に成った。
そして,午前中いっぱい休ませて貰った虎次郎はお昼ご飯を食べてから、取り調べになった。
取り調べは増川警部補が担当してくれた。
虎次郎は取り調べ室に入って、、、「虎次郎、、長い取り調べになるだろうから、、まずはお茶を飲めよ、、」と、薦められた。
「虎次郎、、お前の面会はしばらく出来ないので、、今からお手洗いに連れて行くから、、途中の廊下をよく見てな、、よく見ろよ、、」
と、言ってくれた。
虎次郎の目に飛び込んできた3人の男達が目に涙を浮かべていた、、増川警部補から話はしては駄目と止められていたので、、ただ、じっと見つめていた。
虎次郎には無言の言葉が聞こえた、、虎次郎も答えた「元気だな、、俺の分まで生きてくれ、、」と、、
達治が声を出しそうに成ったが止められた、、「兄貴、ありがとう、、面会が出来るようになっら、:必ず来るよ、、」と、、目で言葉を投げかけた。
そして,わずかな時間だけど別れが出来た、、
虎次郎は増川警部補に感謝しながら、頭を下げたのであった。
取調室に戻った虎次郎は改めて感謝の言葉を言ったのである。。
「良いよ、、俺にはこれぐらいしか出来ないからな、、、」
と、、話を本題に戻した。
「虎次郎、、今回は言っておくぞ、、覚悟をしておけよ、、多分刑は重いと思う、、、死刑か旨くいって無期懲役だ、、ロシア人を20人も殺したのだからな、、」と、、言われても虎次郎は動じなかった。
第二話「特務社員、、、光一郎」献残屋藤吉郎
1)(ボンボン特務社員, 光一郎誕生)
国一平のもとで3年間、訓練を受けた光一郎は何とか特務社員としての合格点を貰った。
国一平特務社員は当初はボンボンで、ダメだと思っていたが、時間が経つにつれて、捜査員としての器量を現し始めたのであった。
そして、3年間、国一平の特訓を受けて、知恵も、、、格闘技も一流になり、射撃の腕前も上達した。
そして、ボンボンなりに、親を利用して事務所を構えた。
名称も「ボンボン特務事務所」と。。。。
身辺警護から、探偵業務までとして、結婚したばかりの妻、あのじゃじゃ馬こと美鈴が相棒として始まった。
国一平は二人のコンビは良いと思っていた。
何かあれば手伝うこととしての出発だった。
2)(七光りな身辺警護、、、初めは仕方がないか、、、)
ボンボン光一の事務所は開いたが、初めから仕事依頼は来なかった。そんな美味い話はないものだ。
ボンボン光一の父親がお情けで、仕事を回してくれた。
港湾の事業の貸倉庫の管理だった。
芝浦桟橋の三川商船の倉庫の番人だった。最近、倉庫内に保管してある重機機械の小型が盗難に遭っていたのであった。
警備保障としては一番優しい、倉庫番がいいのではと三川汽船の社長の温情であった。
ボンボン光一が考えたいたほど、簡単ではなかった。何せ、倉庫が広くて、デカいので、
そして、エアコンもないので、夏ではなくても暑くて堪らなかった。
ボンボン光一は始めたばかりなので、社員一人と二人での番人だったので、きつい仕事だった。
自分で選んだ仕事だから、辛抱するしかなかった。
初めから身辺警護のような、ガードマン的なスマートな仕事ではなかったのである
三川汽船の荷物は重機ばかりではなく、多種多様な荷物が入って、それが同じ倉庫内に積まれるので、管理は思ったほど、単純ではなかった。
三川汽船から言われたことがあった。
入荷する荷物には注意するようにと。。。。時には違反物も入ってくるので、、、と。
3)(新米特務社員のガードマン情話)
ボンボン特務社員は光一と、新入社員とじゃじゃ馬の美鈴の3人での出発だった。
親の七光りで委託された倉庫番が最初の仕事だった。
倉庫内は広く、暑くて、やりきれなかった。しかし、新妻のじゃじゃ馬が元気だったので、光一は救われた。
最初の1年は何事も無く、倉庫番を熟した。
2年目に事故が起きた。
倉庫番を軽く見ており、番人も、簡単と鷹を括っていた。
しかし、世の中には悪人はいるものだ。
管理する荷物と中身を確認をしていなかったので、
棚卸の時に不祥事が発覚したのであった。
いつの間にか、中身を抜かれていた。
簡単と思っていた倉庫番でミスをしたのであった。
それからは倉庫内に搬入する品物の確認を必ずするようにした。初歩の間違いが、恥ずかしかった。
倉庫番も3年が過ぎて、一人前になり、
身辺警護の仕事がやっと廻って来た。
前職の国一平が紹介をしてくれたのであった。
ボンボン警護の光一は張り切った。
4)(ボンボン警護の初仕事)
ボンボン警護に紹介された身辺警護の仕事は、有名女優の警護だった。最近脅迫状が届き、身の危険を感じたプロダクション事務所が自宅からの送り向かい、仕事場での警護であった。
我儘な女優だったので、国一平から助言があった。
この我儘な女優の身辺警護が出来たら、大概のガードマンは出きるから、頑張れと。。。
やってみて分かった事は、、、まず。時間がルーズであった、予定通りに行動をしないのである。
その癖、予定通りに仕事の時間が間に合わないと怒る、、、怒鳴ると。。。
とにかく、破天荒な我儘な、半分気違いのようだった。
仕事場での時間がずれて、待ち合わせが長くなった時に、自分勝手に買い物に出かけけて、暴漢に襲われたことがあった。
ボンボン光一の機転が利いてたので、先回りして暴漢からも守ることが出来た。
また、ある時にはじゃじゃ馬が相棒の時だった。
買い物で勝手に動き回り、じゃじゃ馬が女を見失った時があり、
その時、じゃじゃ馬の美鈴は呆れて,探さなかったのであった。
偶然に、戻って来て、、、じゃじゃ馬に、、、
「どうして、、、私を探してガードしなかったの。。」と言うので、、、
じゃじゃ馬は「ふざけるなよ、、、たかが女優の分際で、、
ふらふら歩きやがって、、、」
と言い返したやった。
それからその女優は身辺警護を頼んで来なかった。
ボンボンの初仕事、、、身辺警護は失敗だった。
5)(ボンボン警護と捕り物控え)
国一平から紹介された身辺警護は失敗に終わった、ボンボン光一の相棒でもあり、新妻のじゃじゃ馬美鈴の短気で、ガードマンの仕事がダメになった。
そこで国一平が、自分たちの身辺警護会社の社員一人を執行させることにした。国一平の愛弟子ともいうべき、合図公平をボンボン警護に。。。
「光一社長、、よろしくお願いします」と、出向いてきた。
「公平さん、お願いします、、、助かります。」と、、、
そして、公平が一つの仕事を持って来てくれた。
仕事は大手企業の社長の身辺警護で、
双葉企業開発株式会社といって、最近伸びてきた、IT企業であった。
株式会社の株式売買での取引で問題を起こしていた。早い話が「会社乗っ取り」である、、、その取引に広域暴力団「関西聯合睦会」が絡んできたのであった。
合法的な株式売買取引であったが、無理難題を押し付けてきた。
そして、脅迫状が送られて来たのであった。
今回の株式売買取引が合法的であっても、暴力と言う圧力をかけてきた、さらに政治的圧力を、、、
双葉喫行開発は若手企業もあって、経験も浅かったので、先方の悪行に、暴力に、金力に、政治的な圧力に煽られ気味になった。
そして、将来において商売が出来ない状態に追い込まれるような気がしたのであった。
更に、双葉企業開発の青木雄三社長が暴漢に襲われたのであるが、その時はボンボン警護の光一と公平がガードをして、無事だった。
しかし、度重なる襲撃に対して、青木社長は恐れを覚えてきた。
それでも今回の企業買収を止めなかったらとの脅迫状が届いた。「家族の危険を知らせてきたのであった」
青木社長はボンボン警護だけのガードだけでは心配になり、警察に届けた。
しかし、関西聯合睦会の脅迫は止まらなかった。
警察は動いたが、関西聯合睦会は脅迫をして来て、末端のやくざ連中が逮捕されただけだった。
青木社長が暴漢に襲われたのは反ぐれ連中とのトラブルでの襲撃とされ、、、元の企業買収の事件とは切り離されてしまった。
そこには捻じ曲げられた警察官僚の圧力もあった。
従って、それからも「嫌がらせ」「横槍」はあった。
日本の経済界では政治力、暴力、警察官僚の歪みなどが絡んで、警察に頼んだから、治まるということは無かった。
ボンボン警護の光一は、、、
「青木社長、、、徹底的に戦うか、全面的に折れるかですよ」
「覚悟を決めてくれれば、、、ボンボン警護はやり遂げますから。」
と、ボンボン警護の光一は告げた。
6)(ボンボン警護の覚悟は、、、)
双葉企業開発の青木社長も若かった。青年の木の一人として、未知の世界との遭遇もしてみようと思った。
人生は一度きりだ、、、異次元世界のやくざに屈することは嫌だった。
ボンボン警護の光一社長の熱意に賛同して、世の悪に対抗してみたくなり、
やくざ世界がどんな悪辣非道かを覗いて見たくもなったのである。
「わかりました、、、青木社長が覚悟をしてくれたなら、とことんやります、、、そして、青木社長の身辺は警護します」
「どうか、よろしくお願いします、、、私が出来ることは全てやりますから、、、」
今回の「関西聯合睦会」も本腰を入れて,株式売買の取り決めの邪魔をしてくる筈であり、やくざとの抗争であるから、命がけであった。
やくざが無理難題を仕掛けてくる時は、やくざを前面に押して来るので、関西聯合睦会は人殺しも覚悟で攻めて来る筈だった。
知恵戦争で叶わない時は、「暴力」そのもで襲ってくるのであった。
青木社長は独身だったので、暴漢からは守りやすかった。
手を挙げての戦争だったので、、、
青木社長の身柄を守った、、、二人で交代で泊まり込みでガードをした。
関西聯合睦会は毎日、手を変え品を変え、嫌がらせと、襲撃を繰返した来た。
ボンボン警護の光一は告げた、、、、「同じことの繰り返しで、相手はやってきますから、、、辛抱してください」
そんなある日、関西聯合睦会の若い衆が襲って来た。ゴルフ場からの帰り路だった。田舎の山道なので銃撃して来た。
光一たちは相手にすることなく、逃げ切った。
しかし、根を上げない青木社長に恐怖を与えた。
深夜、自宅に暴漢が襲ってきた、、、10人程度の銃を持った集団だった。光一と公平も応戦したが苦戦した。
二人は負傷までした、、、その上、青木社長の自宅が炎上してしまったのであった。
そして、関西聯合睦会はその晩に襲撃人数を増やして、青木社長を連れ去ってしまった。
この襲撃には光一も公平も参った。
その話を聞いた、国一平特務社員が乗り出した。
そして、秘密裏のうちに、国一平特務社員が後始末をしてくれた。
翌日の新聞にやくざ同士の仲間割れで、銃撃戦があり、やくざ多数が死亡したと、、、、
7)(闘争の最後は、、つゆと消えてもらう)
国一平特務社員の考えは一つだけである。世の中の悪者は邪魔なだけだと、、出来ることなら消えて貰う。
怖い恐ろしい思想の持主であった。人を困らしたり、悪事をしたり、人を殺したりする人間はいらないという。
何で、悪人が世の中を闊歩して歩いているのかと、常に思っていた。
だからと言って、聖人君子ばかりでは面白くない。
悪人がいる、、、その悪人を退治するということが善人である人間の役目なのだ。
この世のなか、悪人がいて,善人がいるのである。
本当に面白い、、、悪人がいるから、その悪人を捕まえる警察がある。初めから、決められているようだ。。。
悪事が起こらないように、身辺警護をしたり、泥棒が入らないように戸締りをしたり、、、人には守ることが義務のようなのだ、、、
今回もやくざから狙われて、最終的にはそれらを撃破して守る、、、、
人はやられっぱなしではない、、、侵略されればやり返す、、、そんな本能的な知恵があり、行動を執るのだ。
本質的には闘争本能が備わっている。。。
ボンボンガードの光一も、持っていたのである。闘争本能を、、、
この世のなか、やくざがどうのこうの言う前に、人にはそれぞれが持っているのだった。
最終的には守るためには「人殺し」は出来る筈であり、
誰にでも殺人行動を起すことが出来る。
8)(人は誰でも己を守ることが出来る)
ボンボン警護の光一も思っていた。自負していたのであった。その覚悟が、心構えがあったからこそ、どんな困難にも、暴力的な行為にも対応して、身辺警護と言う危険な仕事にも立ち向かっていたのであった。
しかし、そうではなかった。
大物政治家と言われ、人格的にも人より優れたと言われた、
民友党幹事長の坂上藤十郎が暴漢に襲われた。地方選挙の応援会場でのことだった。
その時、ボンボン警護の光一も、国一平特務社員に頼まれて、応援の警護に当たっていた。
ボンボン警護の光一は民友党幹事長の坂上藤十郎のすぐ後方をガードしていた。
そして、暴漢が襲ってきた、3人がかりであり、拳銃と日本刀での決死の襲撃であった。
ボンボン警護の光一は立ち向かった。光一も以前よりは頑強になり、咄嗟に幹事長坂上藤十郎に蔽い重なり、身を挺してガードした。
すぐに国一平特務社員たちが、数人駆け寄り、暴漢を取り押さえた、
しかし、ボンボン光一は暴漢の発した拳銃に撃たれた。
幸いに腕だったので、命拾いしたのであったが、、、、
後が悪かった。数日後、ボンボン警護の光一が入院していた病院が襲われた。
逆恨みの仕返しであった、、、光一は病院入院中だったので、瀕死の重傷を負った。
この時ばかりは、気丈夫な妻、じゃじゃ馬も病院で泣いた。
余りにもひどい負傷なので、、、、3人の暴漢に、手足を折られ、左腕を失った。
ボンボン光一は元気になってから、本当に怖いと思った。
やくざは殺すと言ったら、やるんだなと、、、自分の体の痛みを覚えた。
妻のじゃじゃ馬の美鈴は、、、
「命が有ったので、良かったよ、、、本当によかった、、、」
「ボン、、、やめよう、、ガードマンの仕事はやめよう。。
片腕、 片眼の光一でもいいよ。。。」と縋った。
じゃじゃ馬の目に涙が光った。
しかし、光一は腹の中で思っていた.
。。。いや、勘弁ならねー、、必ず仕返しはしてやると。。。
退院してから、光一はしばらく旅に出た。
9)(1年後、光一は帰って来た、じゃじゃ馬の美鈴のもとに)
ボンボン警護の光一は負傷してから、1年経った、ある日、じゃじゃ馬美鈴のもとに帰った来た。
左目には黒の皮の眼帯をして、無くした片腕は義手を付けたいた。
「じゃじゃ、、、やっと、帰って来たよ、、、待っててくれてありがとう、、、」
「お帰り、、、良かった、、、元気そうで.片眼のボンさん」
駆け寄ってきたじゃじゃ馬美鈴を抱きとめた。
「おう、、公平に、、新米ガードマン、心配かけてっ済まなかったな」
「今日から俺も、ボンボン警護に復帰するぞ、、、よろしくな」
ボンボン警護の事務所では光一が戻ったので、元気な声が響き渡っていた。
ところで、ボンボン光一を襲った関西連合睦会では、、、
幹部連中が集まって、恐ろしい相談をしていた。最後まで止めを刺せなかったのは失敗だった。
青木幹部参与はボンボン警護の光一には何度か邪魔をされて、襲撃を阻止されていたので、、、
「いいか、、、やくざの面子にかけても、ボンボン光一は獲るぞ、、、、奴の行動を見張れよ」
と、、、やくざ幹部会から指令が出ていた。
そんな状況を知らない光一は、単独行動を執った。
ボンボン光一は関西連合睦会への復讐心に燃えていたので。。。
しかし、関西連合睦会の動きを察した、国一平特務社員から注意が入った。
ボンボン光一を一人では行動させるなと、、、
そして、見えず悟られず、じゃじゃ馬美鈴が光一に張り付いていた。
10)(ボンボン光一は一人で探しまわった)
光一の頭の中には復讐心しかなかった。自分をここまで襲い,片輪にしてくれた恨みは強かった。
国一平特務社員が話しても、、、妻のじゃじゃ馬の美鈴が頼んでも、光一の復讐心は薄れることは無かった。
しかし、相手の関西連合睦会も光一を、今のままでは納得いかなかった。名前の通ったやくざが、、、広域暴力団が素人のガードマン風情に中途半端に許したのでは示しが付かなかったのであった。
いずれは二つのいがみ合いはぶつかると思い、、、国一平特務社員は特別に注意をしていた。
妻のじゃじゃ馬美鈴も四六時中、張り付き気を配っていた。
横浜連合睦会も事務所を変えていたので、光一にもなかなか見つからなかった。
関西連合睦会が光一の行動を察して、尾行を始め、機会を狙っていたのである。
そして、ある夕方、ボンボン警護の事務所の入り口で、光一は襲われた。
横浜連合睦会は付け狙い、用意周到に5人のやくざ者で襲撃してきた。光一は普通ならやられている筈だったが、彼もまた準備をしていた。
襲ってきた3人を、義手に仕込まれていた拳銃で撃ち殺し、残りの二人を右手の訓練した拳銃で銃殺した。
あくまでも正当防衛を狙っての狙撃であった。
この状況を知った関西連合睦会は光一を銃撃したことで、暫く体制を引いた。
関西連合睦会はこの銃撃襲撃で捜査がはいり、首謀者の逮捕者が出たのであった。
ボンボン光一の復讐心は少しは治まった。
11)(ボンボン警護は片目のボンと異名を取り、恐れられた)
関西連合睦会のやくざ連中も今回の光一の襲撃で、警察の逮捕者も出たので、仕方なく一段落した。
ボンボン光一の事務所は妻のじゃじゃ馬美鈴と新米社員源氏守と3人での業務再開であった。
忙しい時に公平が手伝ってくれていた。
今回の関西聯合睦会との抗争で、ボンボン警護は信用がついて、ガードの仕事が増えた。
今回は町工場の「住田工業」と言う会社からの依頼で、地元の反ぐれ暁からの手形取立の件での相談だった。
業者仲間の振り出した約束手形の裏書き保証の取り立てであった。不渡りになったので、全額支払って欲しいとの申し入れがあり、
住田工業の住田社長はが確認したら、事実であった。
取り立てに来た反ぐれ暁の人と話し合いをして、期日を決めて、支払う約束をしたのであったが、、、
その間の担保を出せと言ってきたので困った、、、そこで、ボンボン警護の光一に連絡が入った。
そして、光一の父親と住田社長は仕事での付き合いがあったので、助けを求めて来たのであった。
連絡を受けた光一は住田工業へ向かい、
そして、待たせてあった反ぐれ暁の人間と会った。
片目の光一が入ってきて、挨拶をしたので、驚いて話が控えめになった。
「杉下と申します、、本日は手形保証している、住田工業さんにお支払いの件で伺いましたので、、、」
「わかりました、代理の三川光一郎と言います。。申し訳ありませんが、再度お話を聞かせてください。」
と、ボンボン警護の光一は説明を求め、
そして、事情を聞いて理解した。
「ところで、不渡りを出した会社は、現在、仕事はしていますか、、、それともしていませんか」
と言う質問に、、、
反ぐれ杉下と言う人間が答えた。
「まだ、営業しています」と、、、
「そうですか、、、それでは、その債権回収の件は、振り出し人と話合いをしてからにしてくれませんか。。。
倒産して、全て、回収不能になってから、当社との話し合いになりますので、、、」
と言うことで話し合いがついた。
まずは法律的な解決をしたのであった。
裏書き保証した会社が完全に倒産して、支払い不能になってからの話をすればいいのであった。
「住田社長、、、調べて、保証した会社との話合い、準備をしておきましょう。。。」
と、ボンボン警護の光一は話をしたのであった。
12)(取り立ての話が飛んだ方向に、、、)
東京都墨田区内の反ぐれ暁からの取り立ては、ボンボン警護の仲介で話が付いた。不渡りを出した住田工業が一回目だったので、買戻しをすることで決着がついたのであった。
そのことよりも、反ぐれ暁の上部団体の関東連合紅葉会の因縁があったのである。
関東連合紅葉会の若頭青葉幸太郎が以前起こした殺人事件の裁判の証人をすることになっていたが、、、今回の手形の件で債権は無しにするということの要求がされたいたのであったので、ボンボン警護の仲介で債権は無くなった。
そのために、今度は脅迫が始まった。
暴力団が牙を向いて、嫌がらせ、脅迫を迫って来たのである。
住田社長は警察に保護を頼んだが、四六時中ガードはしてくれなかった。裁判で証人をするならと言うことで、家族の脅しまで始まった。
住田社長の証人が無いと、殺人罪として立証出来なかったので、関東連合紅葉会としても必死であった。
警察がガードしてくれないならと、、、ボンボン警護に再びガードを依頼したのであった。
「三川社長、、、ガードをしていただけますか。。。」
過去のガード実績をしていたので、家族の警護を依頼した。
関東連合紅葉会では、、、
「ガードをボンボン警護に依頼したようだ、、、、厄介だな」
「どうせなら、、、邪魔だから、、、一緒に潰してしまうか。。」と言うことになった。
関東連合紅葉会では再度、確認してからと言うことになった。
反ぐれ暁の杉下幹部が確認して来た。
「住田社長、、、どうしても,裁判には出ますか、、、証人は引き下がりませんか。。」
と言うことで、、、、
住田社長は「裁判には出ます、、、」と言って
覚悟を決めて返事をしたのであった。
ボンボン警護の光一も腹を括って、ガードすることにした。
当然、警察にも連絡をして上でのことであった。
13)(住田社長、、、裁判に出頭)
今回の裁判証人問題では、、住田社長は警察と、、、ボンボン警護にガードされて、裁判に出席することにした。
それによって、関東連合紅葉会は最後の手段に出て来た。
裁判で証人されれば、、、間違いなく刑が確定する。
そして、事によれば死刑もありうるのであった。
そのために、関東連合紅葉会は必至であった。
関東連合紅葉会の若頭青葉幸太郎が有罪か無罪かなので、命がけであった。
関東連合紅葉会では命知らずのやくざ者が、、、名を上げようとする馬鹿がいるので、、、ボンボン警護は用心していた。裁判が近くなってからはボンボン警護の光一が泊まり込みで警護していた。
警察関係も夜通し警護していた。
しかし、夜中に決死の暴漢が襲ってきた。
黒覆面で5人が住田社長宅を襲った。
ボンボン警護の光一はガードしていたが、一瞬のスキをついて、住田社長は襲われた。
銃撃されたので、住田社長は即死状態であった。
襲った暴漢は逃げて、犯人は分からなかった。
裁判は中止になり、、、事件は起きたが、暴漢が分からず、、、警察も犯人を特定出来なかった。
誰が見ても、聞いても。。。関東連合紅葉会には違いないのだが、、、そうだとは断定出来なかったのだった。
このことがニュースで流れ、、、ますます、やくざに関しては恐ろしくなり、見て見ぬふりをするようになった。
14)(ボンボン警護の光一は自分の不甲斐なさに、涙した)
住田社長の時は不覚を取った、、、トイレに行ってる、隙に乗り込まれたのであった。何とも甘かった、、、
自分では警護に自信があった上に、家の中なので,ちょっと安心したようだ。。。一人の守るべき人間を守れずに失ったことが悔しかった。攻めるよりも守ることの難しさを痛感した。取り返しのつかないことなので、、、
ボンボン警護の光一は家族に、深く陳謝した、、、謝って,済むことではなかった、、、、
住田社長の無念を晴らさずにはおけなかった。なんとしても、襲ってきた暴漢を見つけ、その暴漢が今回の判決の犯人と繋がっていることを証明しないと。。。
ボンボン警護の光一は決めた、、、、何が何でも見つけて証明すると。。。
そうしないと、いけないんだと、、、無念を晴らせないと。。いい聞かせた。
そして、ボンボン警護の光一は関東連合紅葉会に張り付いた。暴漢の一人は声に聞き覚えがあったので、、、その声を頼りに、来る日も来る日も。関東連合紅葉会の一人一人に当っていった。
時間はかかったが、、、やくざ同士で自慢する話が聞けた。それを頼りに、襲った暴漢を探していった。
やっと、ひとりを見つけ、締め上げた。
暴行であり、暴力での締め上げで、吐かせた。
5人を締め上げ、証文を取った、、、、そして、警察に証拠固めをして貰い、、逮捕に漕ぎつけた。
15)(ボンボン警護、暴漢5人を逮捕して、関連付ける)
ボンボン警護の光一は無気になっていた。自分が警護していたにも関わらず、警護者を殺されてしまったことに、悔いを残したのであった。
何が何でも、暴漢者を探して、判決を待っている関東連合紅葉会の若頭青葉幸太郎を有罪にするためには必要なことだった。
ボンボン警護の光一はその暴漢者を一人だけ分かっていたので、あらゆる情報を駆使して、探し出した。
そして、確保して、監禁したのであった。
何が何でも残りの暴漢を吐かせようと考えていた、違法行為は仕方がない、、、拷問に伏して、白状させようと行動を起していた。
光一も自分が、拷問にかけて、手を緩めなかったので、びっくりした。
最終的には残酷な拷問を遣って退け、のこる4人の住所探し出した。
そして、警察の力を借りて、全員を逮捕した。
16)(ボンボン警護も裏社会に名が通った)
ボンボン警護の光一は今回は徹底して最後の始末まで済ませた。
自分が受けた警護の仕事で、依頼人を死に至らしたことに責任を感じていた。
その結果、命を懸けて仕返しをしようとしたのであった。
依頼人を殺した犯人を見つけ、最終的には裁判の被告人青葉幸太郎を有罪にするまではと踏ん張ったのであった。
ボンボン警護の光一も一流になって来た、
ボンボン警護の光一は警護の仕事を始めて、最初から最後までを締め括ったのであった。
責任を果たしたような気がした。
金持ちの道楽息子に生まれて、初めて、片手、片目を失って、男としての仕事をしたような気がした、
これからは後ろ指刺されずに,警護の仕事が出来るような気がして来たのである。
やっと、人を警護すること、守ることが分かってきた、光一であり、
恋女房のじゃじゃ馬と一緒に、これからも命がけの警護をしていこうと思うのであった。
17)ボンボン警護の新たな出発。。。
ボンボン警護の光一は今回の隅田工業の警護で学んだことが多かった。
狙われた依頼人の身辺警護ほど難しいものはなかったのである。昔からいわれれる様に、、狙うよりも狙われるほうがたやすく狙えるという「剣客」の果し合いのようなものだということを。。。
守ることの困難さを知ったのである。
これからの身辺警護は慎重に、きめ細かく計画的にやらなければということを,体で学んだのであった。
責めるよりも守ることの難しさを知った。
昔の剣豪が戦う時に「守ることの難しさを説いているように」身を守ることの難しを言っているのであった。
責めるのは自分の都合で責められるが守ることは常に守りであり、、気が抜けないのである。
責めることと守ることでは「己の神経」の使い方がまるで違う、、、
その辺の武道の心得を修行しての旅でもあった、、、ボンボン光一であったのである。
心構えが違ってきたボンボン光一は、身辺警護に対応する時の気構えが変わってきた。。。
その気構えは警護される人にも伝わっていったようで、、、
その姿勢は警護を依頼する人々からも信頼され、、、仕事が増えていった。
ボンボン光一は片腕片目になってから、、人格的にも成長して人からも頼られる警護員になってきた。。。
国一平からも「特務員」になったようだと、、、云われるようになった。
18)ボンボン光一に特務員仕事が国一平から依頼された。
国一平から連絡が入り、、、ボンボン光一は国一平の事務所に向かった。
「光一、、、国会議員の有田由紀の警護の仕事が依頼されたので、お前、やってみないか」
と、、、身辺警護を頼まれた。
彼女は坂上藤十郎、民友党幹事長の息子の嫁さんで、将来を嘱望されている国会議員なのだが政界に敵が多かった。。。
しかし、坂上藤十郎幹事長は息子より、有田由紀を買っているのである。。。何かと重宝がり、有用しているのだった。
彼女は行動力が旺盛で、決断力があって、男勝りなのである。
坂上幹事長は常日頃から「息子藤吾と嫁の由紀が逆であれば」よかったと、、、
そんなことで、有田由紀議員もその地位を利用して、政治に辣腕を発揮していた。
内心思っていた。
民友党初の女幹事長になることを夢見て政治一身に働いていた。
そのような話を聞かされたボンボン光一は今回の身辺警護には興味を持った。
やり手、女政治家かとも思い会える日を楽しみにしていた。
そして、国一平に連れられて、有田由紀議員の事務所を訪ねて、
ボンボン光一は思っていた人物像とは違っていたので好感が持てた。
気取った、気位の高い,いやな女を想像していたので思惑が外れたのである。。
国一平と有田由紀議員の事務所に入って、、
挨拶をされた。。。「はじめまして、、有田です、国さんから聞いていますので、、宜しくお願いします」と、、、丁寧に静かに頭を下げてきた。
「初めまして、ボンボン警護の光一と申します、、、宜しくお願いします」
と、、、ごく普通の挨拶をした。
ボンボン光一から見ると、、やり手の国会議員には見えなかった、、、
やさしいお姉さんにしか見えなかったので、、、光一は有田由紀議員をしみじみ見つめてしまった。
有田議員が不思議そうに、、「あら、、私の顔に何かついているかしら、、」
と、、尋ねられたのであった。
有田議員との面接は合格して、、決められた日に身辺警護のために行くことになり、
最初は外出する際の警護であった。
ボンボン警護の光一は有田議員の予定表を貰い、、、緊急の場合は有田議員から連絡が来ることになった。
19)有田議員の警護について、、、
ボンボン警護の光一は今回の有田議員の警護に当たって、妻の相棒でもある「じゃじゃ馬の美鈴」と一緒に警護することにしたのであった。そして、、、訪問した最初の朝に妻、美鈴を紹介した。
「おはようございます、、先生、、、一緒に警護に当たる妻の美鈴ですので、よろしくお願いします。。」
美鈴も丁寧に挨拶をしたのであった。
「おはようございます、、、有田です、、宜しくね、、、光一さん、素敵な奥さんですこと、、、」
送迎の車の運転は妻美鈴「じゃじゃ馬」がすることになり、、、ボンボン光一は警護に専念することにしたのであった。
「先生、、相棒の妻美鈴はあだ名はじゃじゃ馬と云うですよ、、、顔に似合わずに男勝りの猛者なので安心してください」
と、、冗談交じりの紹介もしておいたのである。
「そうですか、、、頼もしいですね、、、これから、長くお付き合い出来るように頼みますよ、、、」
快く受け流してくれた。
最初の目的地である、、民友党会館に着いたので、、、有田議員が1時間ぐらい待つようにと言ってくれた。
その間は民友党会館の駐車場で待つことになったのである。
そして、ボンボン光一は会社事務所と連絡を取っていた。
久し振りのじゃじゃ馬美鈴との仕事であり、、一緒に行動出来ることが光一には嬉しかった。
本当にいろいろあって、ボンボン光一は妻美鈴を何処へも連れてい行ってないので、すまないと思ったいる。
事件が多すぎたし、、、怪我もしての入院もあった上に、心の癒しと称して旅に出たりして、本当に優しくしていなかった。
ボンボン光一には出来すぎた妻であり相棒であったのである。
これからは時間を作って大事にしていきたい、、、心から感謝している妻であった。
時間も経ち、約束の時間が来たので有田議員を民友党会館の玄関に向かいに行き、待っていた。。
有田議員が玄関から出て来て、車に乗ろうとした時に、、一人の暴漢が襲って来た。
ボンボン光一が車のドアのところにいたので、良かったのであった。
また、暴漢も日本刀を振り翳して来たがボンボン光一にガードされてしまった。。
すぐに民友党会館の玄関でガードしていた警備員に取り押さえられたので、、事なきを得た。
ボンボン光一は有田議員を乗せて、車のドアを閉めて、じゃじゃ馬に走らせた。
ボンボン光一は安全を確認してから車に追いつき乗車して、じゃじゃ馬美鈴に云ったのである。。
「大丈夫だ、、、いいよ、、走って」と、、、
「先生、大丈夫ですか、、、怪我はありませんか」と、、安全を確認した。
有田議員は、、「大丈夫だよ、、、ありがとう、、、あなたは怪我しなかった、、、」と、、心配してくれた。
「先生、、、次の予定はどうしますか。。」と、、ボンボン光一は聞いた。
「なんか、ケチが付いたようだから、、、今日は中止しましょう、、、家に戻つてください」と、、、言うことになり
自宅のある田園調布に戻った。
「あなたも、今日は休んでください、疲れたでしょうから」
と、、、言うことになり本日の警護の業務は終わった。
20)この世は「出る釘は打たれる」の例えの人生だ。
ボンボン光一の警護の初日に暴漢に襲われた有田銀員はショックだった。。何事もなくボンボン光一が無難に対応してくれたのであった。
次の朝、田園調布の自宅に迎えに行ったが、光一から見ると元気がなかかった。
ボンボン光一の相棒である「じゃや馬の美鈴」が心配して、、、
「先生、、、おはようございます、、嫌いでなかったらボンボン警護の特性の朝のコーヒーはいかがですか、、」と、薦めたのである。
有田議員は「ありがとう、、、私、コーヒーが大好きなので、喜んでいただくわ。」と、、、美味しそうに飲んでくれた。
光一は心の中で「じゃじゃ馬美鈴」に感謝したのであった。
「今朝は、、警視庁本庁へ行ってください、、昨日の事情聴取があるにで、お願いしますね、、」と言われて、、、
桜田門の警視庁へ向かった
事情聴取はボンボン光一も行われた。
犯人のことは詳しくは分からないけど、、、警察の話だと自由党政治に不満を持つ者の行為らしいと、、言われた。
一通りの調べが終わってから、^自由党会館の本部に行き、、、坂上藤十郎幹事長に報告をしたのだった。
「昨日は大変だったね、、、政治家をやって、有望視されると、これからもますます狙われるからな、、、気をつけてよ、、、」
と、、念を押されたのである。。
「しかし、あんたの頼んだ警護はなかなかいいな、、、安心したよ」
そのあとは他愛もない世間話をして、自由党会館を後にした。
「光一さん、、、奥さんの美鈴さんも一緒にお昼をしましょう、、昨日のお礼と言ってはなんだけどね。。」
有田議員の馴染みのステーキ屋に連れて行つたくれた。
光一も美鈴も時間が取れなくて、ゆっくり食事をしていなかったような気がしたので、
久しぶりに美味しい食事が出来たので二人は嬉しかった、、、そして、時間を作ってくれた有田議員に感謝した。
「光一さん、、、奥さんと二人で買い物をしたいのですが良いですか。。。」と、、光一を待たせて銀座を散歩した。。
1時間ぐらい光一は馴染みの喫茶店でお茶を飲みながら待った。
帰ってきたじゃじゃ馬美鈴がにこにこしていた。
「光一、、、有田議員に買って貰ったの、、、」といって、、スカーフを見せてくれたのである。。
「ねえーー美鈴さん、、これからは警護の仕事だけじゃあなく、、、お友達としても付き合ってくださいね」と、、二人の会話は弾み、ボンボン光一から見てもいい感じに映っていた。
朝の有田議員とは打って変わって、いつもの明るい議員になっていた。
20)有田議員視察の幼稚園で、、
いつものように有田議員を迎えに行き、、ボンボン警護の光一とじゃじゃ馬美鈴は車に有田議員を乗せて、今日の目的地である「台東区立幼稚園」に向かった。
少子化対策の一環としての教育指導での保育士の指導振りの見学と父兄の意見交換会を兼ねての視察である、、、
朝の一時間が終わる頃だった。。。。「きやぁーー」という叫び声で、
一人の暴漢が飛び込んで来た。
手には日本刀を振りかざして、、何かを叫びながらながら、、、何を怒鳴っているのか聞き取れなかった。
しかし、、、同時に暴漢の前にはボンボン警護の光一が立ち肌かっていた。
暴漢は「どけ、、どかないと殺すぞーー」と叫んでいた、、、
ボンボン警護の光一は両手を広げた、暴漢の行く手を遮っていたので,暴漢が日本刀を突き出したので、
光一は避けたかったけれど、、光一の後ろには逃げ遅れた子供がた。そのために、敢えて光一は逃げずに暴漢の刀に刺さたのであった。
ボンボン光一は刺されたままに刀を抜かずに、暴漢を抑えた、、、
そのために暴漢は動けずに、ボンボン光一に抑えつけら、
後から飛んできたじゃじゃ馬美鈴に暴漢は投げ飛ばされて、御用となった。。。
警察官も来ての逮捕劇であった。
じゃじゃ馬が光一を心配したが、幼稚園の救護室で応急手当をしたので、、、
そのあとで病院へ行った。
ボンボン光一の機転で素早く対処したので大事には至らなかった。
誰も傷つくことなく、怪我をしたのは光一だけだった。
有田議員は光一と美鈴に感謝した、、「ありがとう、、、怪我は大丈夫、、、」と、、気づかってくれた。
幼稚園の保育士さんたちにも参加してた父兄にも感謝された。。。
そして、、、幼稚園児からも、、、「お兄さん、凄いな、、、怪我は大丈夫」と、、言われた時は嬉しかった、、、警護の仕事をしていて、良かったと思った。
21)有田議員、田園調布の自宅で監禁される、、、
有田議員の父親の有田勇三郎(もと民友党幹事長)が起こした脱税汚職での事件で恨みを残していたので、
それは、大日本発電機器(株)の東南アジア支社での脱税疑惑であった。
東南アジアタイでの発電事業に関して、「約3千億の発電施設」を設置した時の工事で、地元住民の労働賃金を膨らませての脱税である、、、
その工事の下請け業者である「東亜開発工業(株)」が、、その脱税贈収賄事件で、結論的には騙されて倒産をしたのであった。
東亜開発工業(株)の現地支社は悲惨だった。
倒産の原因は「脱税」とされ、同社の須永支社長が絡んだ「贈収賄事件」と云うことであったが、、
現地作業場での爆発事故で地元住民作業員が15名亡くなり、地元住民との賠償問題等のトラブルが起きたことであった。
そして、須永支社長が住民たちが起こした暴動で亡くなったことが大きな引き金となった。
有田議員の父親、有田勇三郎が民友党幹事長をしている時に起きた東亜開発工業(株)の脱税収賄事件では約三千億円の不渡りを出して本社も倒産をしたのであった。
親会社の「大日本発電機器(株)」は現地法人である、東亜開発工業(株)を見捨てた。その煽りを受けた東亜開発工業(株)も資金運営が旨く行かずに連鎖倒産を起こしたのであった。
タイの発電現場では爆発事故を起こし、、その損害賠償でも資金悪化が起きての崩壊であった。
東亜開発工業(株)の倒産が起きてから5年が経ち、、世の中から忘れ去られた事故であり、会社倒産であった。
そして、今朝は現在の民友党幹事長、坂上藤十朗が関連している、住藤金属(株)が脱税汚職疑惑で検察庁から特別捜査が入ったというニュースが流れた。
ボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は車の中でそのニュースを聞きながら、、有田議員の自宅に着いた。
じゃじゃや馬美鈴が車を玄関先に止めて、、光一が出迎えに出た。
その時、家の中から、、「きゃあーー」と叫び声が聞こえたのである。。ボンボン光一は玄関のドアを開けて中に走った。
22)有田議員宅に凶悪犯押し居る。。。
叫び声でボンボン光一は有田邸の中に飛び込んだ、、、応接間に入った途端に、、、
「そこで止まれ、、、動くんじゃぁない、、、動くと女の命はないぞ、、」と、、顔を覆面で隠した3人の男たちが有田議員を後ろ手に縛って立っていた。。
ボンボン光一は、、「不味い、、参ったな」と、、内心思いながら立ち止まった。
すぐ後からじゃじゃ馬美鈴も入って来たのであるが、、光一が入り口で合図をしたので止まった。
ボンボン光一は自分に言い聞かせた「落ち着け、、、」と、、、
そして、聞いたのである。
「分かった、、動かないよ、、何もしないから、、、あんたたちはどうして欲しいのか、教えて欲しい、、」
ボンボン光一は侵入した覆面の男たちに聞いたのだった。
「前の幹事長の有田勇三郎をここへ連れて来てくれ、、、話はそれからだ、、」と、、流暢な日本語で言ってきたのである。しかし、、光一も困った。
有田勇三郎は病院に入院中であったので、、「ここにはいない、、」と言って、
有田議員に突き付けた刀を引き下げるように頼んだ。
ボンボン光一も必死に説明をしたのである、、そして、有田議員が有田勇三郎の娘であることを話した、、
「自分が人質になって、有田勇三郎が入院してる病院に案内するから、、」と、まで言って、、有田議員を抑えている男たちから引き離そうとしたのである。。。
ボンボン光一は一時的にも危険範囲から有田議員を守ろうと試みた、、、
黒覆面の男たちの一人が指示を出したのであった。
「あんたも一緒に来てもらうけど、、有田勇三郎の娘も病院まで付いて来い、」と云うことになり。
黒覆面の男たちのリーダー格の男は用心深く、、じゃじゃ馬美鈴も一緒に運転して行くことになった。
ボンボン光一は困った、、、有田議員も光一もじゃじゃ馬も一緒では不味いと思った。
有田議員を一時的には救ったが、、病院での危機が迫ったのである。
世田谷綜合病院に着いた,黒覆面の男たちは車から降りずにぼんぼん光一に指示を出したのであった。
光一は黒覆面の男たちの目的が分からないので手の打ちようがなかった。
もう少し、様子を見るために、男たちの指示に従って、
黒覆面の男たちの一人のリーダーに従って動いていた。
有田議員が人質に残されて、、、光一と覆面の男がサングラスに変えて病院の中に入って行った。
そして,有田勇三郎が車椅子に乗って、光一たちと出て来た
そして、、有田議員や光一達を乗せて車は走り出した。
23)有田議員の箱根別荘で、、、
有田議員と有田勇三郎を乗せたワゴン車は箱根の有田議員所有の別荘に向かった。
黒覆面の男たちは無言だった、、ただ、行く先を有田議員に告げさせて、、じゃじゃや馬が目的地に向かい走った。
目的地の別荘に着いてからは、黒覆面のリーダー格の男の指示に従って動いた。
リーダー格の男以外の二人は日本語が話せないようだった、、言葉の分からない言葉で指示命令を聞いて、その通りに動いていた。
有田議員は後ろ手に縛られて椅子に座らせられて、、有田勇三郎は車椅子に座ったままでロープを掛けられた。
そして、ボンボン光一とじゃじゃ馬は二人で背中合わせにされて縛られたのである。
そのあと、黒覆面の男たちの別動隊がいたので、
連絡を取り合ったリーダー格の男が、その別動隊に指示を出したようであり、、次の日に更に黒覆面の男たちが5人有田議員の別荘にやって来た。
一人の男が頭から袋をか被せられて、よろよろしながら歩かせられて来た。その男が、
「大日本発電機器(株)」の太田黒昭一社長であった。
その黒覆面たちのリーダー格の男が覆面を取り、、話を始めた。
「なんで、、お前たちはここに連れて来られたか、分かるか、、」と、、聞かれたが誰も答えることは出来なかった。ボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は知らなかったのであった。。
リーダー格の男は言った、、「お前ら二人は、、関係は無いが、、警護みたいだから諦めてくれ、」
と、、言われても光一は内心、思ったのだ「ふざけるな、、、関係ないと言われても、、必ず、邪魔をしてやるからと、、」
今は黙って、事の成り行きを見守るしかないと、、、黙っていようとして、チャンスを待った。
「いいか、、俺はチャンスーという、、、今から5年前にタイのある地域でダム工事があった、、その工事の元受け会社が、、大日本発電機器(株)という会社で、その下請けの東亜開発工業(株)が実際の工事をしていたのであった。」と、話始めた。
そして、現場で爆発事故が起り、、地元従業員が15名亡くなり、会社も倒産してしまい、、事故の賠償責任を取らずに、わずかな保証金で逃げたのであると。
当時の東亜開発工業(株)の須永取締役支社長が奔走してくれたけれど、、交渉中に山道で事故にあい、亡くなってしまい、、その上に東亜開発工業(株)は倒産してしまった。
その後別会社がダム工事は仕上げたのであった。。
しかし、、爆発事故で亡くなった住民の恨みは残った、また、当時、住民労働者の為に奔走してくれた須永支店長の車事故は故意に仕組まれたことが分かったのであった。
その須永支社長の現地で一緒に成った女性から生まれた子供が「チャンスー」であったのである。。
現地労働者と須永支社長の子供たちが、その恨みを晴らすための暴動であった。
その現況が当時の権力者である、有田政調会長であり、、大日本発電機器(株)の太田黒社長と決めての報復であったのである。
時代の流れの中の経済関係や国同士の政治関係で起きた工事であったが、、その政治力を利用した企業の悪行は許されるものではない。
しかし、、企業という生き物は一人の社長が動かすものでもなかった。
「みんなでやれば、、怖くない」という群衆心理で動くのが会社組織なので始末が悪いのだった。
だから、誰を罰すれば済むということでもないのだ。
失敗をしたり、、大きな過失をした場合は、、一人が責任を取れば済むという問題でもないから、、復讐報復は難しい。
あえて言えば、、、会社の代表が「自分から責任は取って、潔くすればいいのだが、、今の世の中にはサムライはいない。。武士道を魅せるような男は居ないのだから情けない」
話を聞いていたボンボン光一には中身がよく見えた。
個人的な恨みを晴らすだけと風に思えたのであった。
しかし、、男がいた、、有田勇三郎であった。
「チャンスー、、、話を聞いてくれ、、、あの工事の指示を出したのは私だ、、だから、
責任は私が取る、、、爆発事故に絡んだ事が不始末だったことは、、心から謝る、、
もし、出来るなら、私の持ってる財産を全て処分して、その少しでも償いたい、、
許して貰えないと思うけど、、私の命で償えたら許して欲しい。。」
と、、しわがれ声で頼んだ。。
日本語の分かるチャンスーには理解出来たが、、、他の黒覆面の男たちには分からずに、
今にも二人を殺す勢いであった。
チャンスーが言った、、、「みんなは駄目だと、、言ってるる、、殺せ」と、、
話を聞いたチャンスーは困った。
彼は思っていたのである、、、「殺せばいいものだとは思っていなかった」のである。。
チャンスーは答えた。
それで、、「みんなで、一晩考えることにしたのであると、、」答えたのであった。。。
24)ボンボン光一の逆襲
ボンボン光一は有田勇三郎の話やチャンスーの話を聞いて、有田勇三郎をむざむざ殺させるわけにはいかなかったと同時にチャンスーにも殺しをさせられないと思ったのである。
箱根の別荘で光一は考えた。
夜中、黒覆面の男達も何人かは寝込んだ、、その間にボンボン光一は自分の義手を外したのである。。そして、縛られた縄を外して、、じゃじゃ馬美鈴の縄を解いた。
それから、仕込んでおいた義手の中から「拳銃」を取り出し、じゃじゃ馬美鈴に渡した。静かに音を立てずに合図をしたのである。
ボンボン光一は義手に細工してある「刀」を右手に持って、チャンスーに近付いた。
その間にじゃじゃ馬美鈴は有田議員と父親の有田勇三郎をボックスの陰に隠した。チャンスーに近付いたボンボン光一は、仮眠に入っていたチャンスーに言った。
義手に細工した刀でチャンスーの首を抑えて、、、「仲間に言ってくれ、、止めろと、、」でないと殺すぞ、、
しかし、チャンスーは笑った。
「駄目だよ、、俺を人質にとっても、、彼らは止めないよ、、無駄なことはするな」
と、、言ったのである。
仮眠していた黒覆面の男達は起きて来て、、小銃を構えて、、その様子を見た男たちは揃って首を振った、、、ボンボン光一は理解出来た、、、
チャンスーを犠牲にしては出来ないという風な態度を執ったのである。
ボンボン光一は、、「チャンスー、、お前の仲間たちは裏切れないようだ、、余程、お前が大事なみたいだな、、、」と、、言いながらチャンスーを諭した。
俺では信用出来ないかも知れないが約束するといって、黒覆面の男達の小銃を放棄させたのであった。
じゃじゃ馬の足元に小銃を置かせたのである。
「チャンスー、、元、政調会長の有田勇三郎が全てを投げ打って賠償に応じると言ってるのだから、、信用して欲しい」
「有田勇三郎の娘の有田議員も証言しているのだから、賠償保障の件は信用して、今回は怒りは納めて欲しい。。」と、、話をしているうちに、縄を解かれた有田議員が連絡を取ったのか,別荘の周りには警察が取り囲んでいた。
そして、、様子を見て突入して来た。
ボンボン光一はチャンスーに約束をしたのであった。
「チャンスー、、、あんたとの約束は必ず守るから、、そして、連絡をするよ、、」
チャンスーたちを送り出したのであった。
25)チャンスーとの約束
ボンボン光一はチャンスーとの約束は守りたかった、、有田勇三郎は約束を守ると言ってくれたのである。
娘の有田議員に命じて、手続きを始めるようにした。
有田勇三郎が、、大日本発電機器(株)の太田黒社長に言った、、、
「おい、、太田黒、、お前は賠償するんだろうな、、しないとは言わせないぞ、、」と、しわがれ声で半ば脅し気味で話したのである。。
「有田先生、、、やりますから、指導してください、、」と、、なったのであった。
ボンボン光一は話を聞いていて、安心した。
そして、、有田勇三郎、有田議員、太田黒社長を乗せて、有田勇三郎が入院してた病院に戻った。
有田勇三郎は病人なので検査をすることになり、、太田黒社長は会社から迎えが来たのであった。
帰り際に、、「太田黒、、今後の事は娘とボンボン警護の光一社長の指示に従い、、速やかに約束事を実行しろよ、、、いいな、、やらないと今後の仕事に支障をきたすからな、、」
と、、命令口調で指示を出した。
言われた太田黒社長は迎えに来た車で帰っていった。
そのあとで、、有田勇三郎は、、「光一社長、、遅れて申し訳なかったね、、今回は本当にありがとう、、なんてお礼を言っていいか分からないよ、、本当にありがとう。」と、、頭を下げたのである。
頭など下げたことのない人が、、、
そして、、「由紀をいつも警護してくれてありがとう、、、この光一社長なら安心だよ」と、、、
笑みを浮かべたのであった。
「由紀、、、わしのざ遺産を処分して賠償に回してくれ、、、それから民友党本部の坂田藤十郎幹事長にも話して於くから会ってきてくれ、、、民友党も脱税疑惑で大変だけどな、、この問題が表に出れば、二重の不祥事になるからな、、よくよく、話してきてくれよ」
と、、言うことになり、、、
有田議員を乗せてボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は引き上げた。
26)顔役が動くと凄い、、「いいことで動けば喜ばれる」のだが。。
ボンボン光一は思った。政治的にも力のある人間が動くことは凄いことを知った。
顔役と言われる人間は「潔く」人の為に動いて欲しいと。。。
民友党の有田勇三郎は「死んでも鯛」であった。
やはり、人の上に立つ人間は良くても悪くても「思いっきり」がいい、、決断力があって、結論が早い。
有田勇三郎の指示に従い、娘の有田議員も行動が早く、思いっきりが良かった。
有田勇三郎の不動産処分の決済が早く、、有価証券等の処分も早かったのである。。
後の民友党の責任における賠償は時間はかかるが、指示はされて有田議員が動いた、、また、大日本発電機器(株)の賠償責任をとらえる準備計画も進んでいたのである。。
ボンボン光一は改めて有田勇三郎は男だなと感心したのであった。
悪は悪らしい潔さがみられたのである。
有田勇三郎の処分した財産は現金に変えられて有田由紀議員が直接に現地被害者に届けた。その結果状況をボンボン光一は、チャンスーが面会が出来るようになってから報告した。
「チャンスー、、元気か、、体は大丈夫、、、」と、、、話してから、チャンスーたちとの約束の一回目の賠償金は届けたことを伝えた。
そして、後の会社関係、政府関係の賠償金については有田勇三郎が責任を持って、やっているので、その結果報告はするから安心して欲しいと、、、
「チャンスー、、罪は罪だから、日本の法律に従って、努めてくれ、、」と、、ボンボン光一は約束をしたのであった。
27)有田由紀議員の信頼は厚く、、
有田勇三郎の決断で、彼の不動産物件は処分された、、、そして、現金化されてタイの工事現場だった「大日本発電機器(株)」で働き、爆発事故に巻き込まれた地元住民への損害賠償は行われた。
そのために、有田由紀議員は住むところが無くなり、、世田谷区内の賃貸マンションに移ったのである。
ボンボン光一の迎える所も変わった。
「先生、、ご不自由なことはありませんか、、」と、、じゃじゃ馬美鈴は心配したのであった。
マンションと言っても、、都内では高級なマンションではあった。
実はじゃじゃ馬美鈴の父親が経営する賃貸マンションであり、、便宜を図ってもらったのである。
じゃじゃ馬美鈴の父親の「光川商船(株)」が賃貸マンションを都内でいくつか経営していたので、、ボンボン光一たちが住んでいる同じマンションに引っ越したので、、警護もやりやすくなった。
そなこともあって、有田由紀議員の父親の勇三郎は安心して、病院生活を送ることが出来た。
そして、引っ越しも一段落した夜に、、、ボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は有田議員を自宅に招待したのであった。
「由紀先生、、」と、じゃじゃ馬美鈴は呼んでいた、、、
その日は光一と美鈴の結婚記念日だったので、、、ささやかなパーティを開いたのであった。
28)有田勇三郎、、狙撃される
今回のタイにおける爆発事故の損害賠償問題で、、、余りにも、有田勇三朗の独断で決めて、地元住民に保証したことが、逆に反感をかって、関係者から突き上げをされたのであった。
特に開発に関係した「大日本発電機器(株)」の太田黒社長たちは不満をもっていた。一度話が決められて解決した問題を、いくら元の担当政家といえども、現在は政治から離れた元老に過ぎないのであるから、
やり過ぎだと批判が出ていたのであった。
民友党本部からも苦情がでたのである。
坂田藤十郎幹事長からも、調整役としても困っていた。
このことにより、常に味方して、何事に関しても押していた坂田幹事長も有田由紀議員を前面に出すことを控え始めていたのであった。
そんな、ある日、事件が起きた。大日本発電機器(株)は、兎角噂のあった「関東連合紅葉会」との付き合いがあり、賠償問題などの解決には同連合会の傘下の「横浜紅会」が乗り出して来たのであった。その横浜紅会の斎藤若頭が行動派だったので、そのやくざ組織が動いた。
有田勇三郎が病院で狙撃されて死亡したのであった。
狙撃犯はすぐに自首してきたが、どの組織にも属していない反ぐれだった。
この話を聞いたボンボン光一は関東連合紅葉会ならやりそうなことと思ったのである。
以前にも関東連合紅葉会とトラブルがあった光一であった。
大日本発電機器(株)の太田黒社長は、今回の有田勇三郎の決断指示に難癖をつけて、
「なにをいってるんだよ、、あの老いぼれは、、いい加減にしてくれ、、恰好つけやがって、、」
と、、当時の関係者に愚痴を云っていた、、、
「とっくに片づいた賠償問題を、、ふざけるなってんだよ、、あんなボケ爺はいらないな、、あはっあはっ」
と言いながら、、坂田藤十郎幹事長にも話していたのであった。
「民友党にしても、今更、関わりたくない」と、、うやむやにしていたのである。
今回の有田勇三郎の暗殺により、、チャンスーの約束は有田勇三郎の支払いだけとなった。
怒ったのはボンボン光一であった。
「なんて、汚い奴なんだ、、男の風上にも置けない奴だな、、、許せないよ」と、、、憤懣やるせなかった。
光一は内心、、「どうしてやろうか、、この悪党ども」、、と、、思いながら考えた。
29)ボンボン光一、悪を許さず。。。
有田由紀議員に対する風当たりが変わった。しかし、彼女は心に決めたのである。
独立独歩で政治の道を歩くと、、そして、ボンボン光一に話した。
「今まで通りには警護料を払えないけど、、いいですか、、」と、、
「気にしないでください、、先生の払えるだけでいいですよ、、」
ボンボン光一は父親の勇三郎氏にも有田由紀議員にも、心意気で付き合っていこうと思っていた。
そして、有田勇三郎の無念を晴らしてやることだけに集中したのであった。
「東京連合会紅葉会」には、幹部やくざの中に昔、拷問にかけて助けた奴がいたので。。今は紅葉会の副若頭をしている「大槻富次郎」で、、連絡を取り、ボンボン光一は会うことにしたのであった。
「しばらくだね、、、会いたくない奴かも知れないが、今日は頼みがあってね、、」
「本当にご無沙汰しました、、光一社長は元気そうですね、、聞ける頼みなら聞きますよ、、」と、、話を聞いてくれた。
そして、、「もしかすると、、あんたには命がけかも知れないので、返事だけでも聞かせて欲しい、、」と、、ボンボン光一は経緯を話したのである。
「私も組内の話なので、、答えを言う訳にはいきませんが、、光一社長には、、命の借りがありますので、、一つだけ言いますよ、」
大槻副若頭はボンボン光一に命の借りを返す覚悟で答えてくれた。
「光一社長、、実際にやったとは言えませんが、、私の首を見ててください、、」
と、、言って頭を下げて頷いた。
「これで勘弁してください、、、私の精一杯の気持ちです」と、、、
ボンボン光一には十分だった。
「悪かったな、、これで会うのはやめにしょう、、多分、戦争になるから、、それと、
これからはあんたも連合会の人間として俺に向かって来てくれ、、ありがとうな、、」
と、、ボンボン光一は頭を下げて別れた。
これで思う存分に責められると決心したのである。
大日本発電機器(株)の太田黒社長と民友党坂田幹事長と的を絞ったのであった。
ボンボン光一には怖いものは無かった、、まずは悪の権化である「太田黒社長」を狙ったのである。。
太田黒社長の欠点を探すことであった、、悪人特有の「女好き」であったので、
尾行して見つけた女好きには二人の女がいた、、一人は銀座のクラブを経営している
「ひろみ」という女で31歳であり、、もう一人は赤坂の小料理屋「朱美」のおかみであった。
その二人を徹底して調査をして、弱みを見つけたのである。。
そして、、資料を持って大日本発電機器(株)に乗り込んだ。
その前に坂田藤十郎幹事長の弱みも全て、調査した上でのことであった。
どうして男とは馬鹿なのか,、権力と金力を持つと、決まったように女を作るのだろう、、、堂々と隠さず出来ないのか、、秘密にするから脅しのネタにされるのだった。
太田黒社長もその一人であった、、、
秘密を暴露されると困るらしい、、そして、相手の要求を呑むのであった。
ボンボン光一に秘密を暴露されて、慌てて、東京連合会紅葉会の傘下の横浜紅会のやくざがやって来た。
やくざが出て来ようと、、慌てる光一ではない。
話し合いが始まっても、、やくざ連中は黙って引き上げていった。
証拠を突き付けられて「殺人教唆」で告訴すると言えば、、誰も責任を取る度胸のやくざはいなかったのである。
太田黒社長は困った、、ヤクザもだめ、、政治家もダメとなれば、、
ボンボン光一の言いなりだった。
そして、、チャンスーの損害賠償を払うことになった。
「損害金1億5千万」を光一の指定する受け取り人に支払われた。
民友党坂田藤十郎幹事長の権限で民友党からも損害賠償金が支払われたのである。
全ての損害賠償金の支払いの確認をしてから、、ボンボン光一の悪人退治は行われた。
今回の有田勇三郎氏の暗殺事件に絡んだ「殺人教唆」の疑いで、、、「太田黒社長」
「坂田藤十郎幹事長」が逮捕されたのであった。
第三話「執行人」 献残屋藤吉郎
痛快太郎の死刑執行人の物語。
普段は警視庁記録係に勤務する警部補で、、、一見人を殺すような人間には見えないのであった、、、、しかし、刑事事件の記録簿の中で、余りににも酷い殺人や強盗や汚職や贈収賄事件があった場合は再調査をして、処罰する権限を与えられ特別任務の死刑執行人であった。
部下は一人だけ配属になっていた。
徳川由美子という警視庁生活安全課にいた警部補で、警視庁切っての事件記録知識人であったが、痛快太郎の特別任務は告げていなかった。
痛快太郎の直属の上司は刑事部長であった。
(痛快太郎動く)
痛快太郎は警視庁事件記録室で、たった一人の部下である徳川由美子警部補と二人で、未解決の事件記録簿を調べていた。。。。。
今回の配属で警視庁殺人課の敏腕刑事であった、痛快太郎警部は一番日の当たらない事件記録室に移動になって、一人の部下をつけられた、、、
殺人課での捜査の失敗の責任を取ってことだった。
40歳になったばかりの捜査バカだった。。。犯罪を憎み、がむしゃらに事件にぶつかっていき、検挙率も警視庁ナンバーワンの刑事であった。
しかし、捜査に関しては独自の考えで突っ走り、上司とも衝突をしていた。
従って、警視庁関係の上司からは好かれてはいなかった。
未可決事件簿を調べているうちに、解決していない事件の多いことにはびっくりした。
日本の警察は凄いと云われてているが、、、、この未解決事件簿を見てると、、、たいしたこないな、、と思った。
そして、酷いものだとも思った。
未解決事件簿を見て、、今日一日だけでも、いい加減だなとも思った。
痛快太郎はじっくりと未解決事件を捜査為直そうと、、、、
そして、気になる事件帳を見つけた。
部下の徳川警部補にその事件に関する資料を用意するように指示をした。
(痛快太郎、いよいよ未可決事件で動く)
痛快太郎が目にした未可決事件とは、、、、
談合、贈収賄事件の「東京広告株式会社」と云う、大手広告会社事件が未解決資料に
含まれていることであった。
痛快太郎から見たら、彼が記憶しているだけでも大事件であり、不思議に思ったので、
未解決資料を丹念に読み返した。
「結論」は不起訴となっていた、、、、
痛快太郎は解せなかった。。。 あの贈収賄事件が不起訴だったのか。。。
密かに調べた。。。。。
彼から見たら、どうしても事件簿控えをからは不起訴にはならない筈であると、、、
この事件は、、何らかの警察関係か、政治的意図かによって横車が入り、捻じ曲げられたなと、彼の直観からすると、そういう結論になった。
そして、痛快太郎からすると、、、彼の正義感が許さなかった。
この談合、贈収賄事件を徹底して調べることにしたのである。
たった一人の部下である徳川由美子警部補に、細部に渡る資料を用意をするように指示をした
ただし,密かにと、、、、
結果が出るまで、痛快太郎はそれらの関係で捜査をしていた。
(痛快太郎怒って燃える)
東京広告株式会社の贈収賄事件の事件長をじっくり見直したら、、、見直せば見直すほど疑問を感じた。
なぜ、不起訴になったか。。。 彼には理解出来なかった。
部下の徳川由美子警部補にも細部に渡って、資料を用意して貰い、自分の納得いく捜査をすることにした。
痛快太郎の推測では何等かの横車が入った、歪んだ事件の匂いがした。
そして、彼は贈収賄事件のあった、東京広告株式会社について、捜査を始めた。
贈収賄事件の窓口になった、東京広告株式会社の担当者に当ることにして、当時の担当者である経理部長の大杉三郎を訪ねた。 「
大杉三郎経理部長は現在同社の常務取締役に就任していたので会うことが出来た。
当時の該当事件は彼の部下である、山本経理課長が担当していたので、詳細については説明して貰えなかった。
その上、彼は責任を取ったのか自殺をしてたので、更に、詳細については分からなかった。
痛快太郎は担当の自殺の話を聞き、そして、その上司が出世をしていたので、彼の事件に関する臭覚が何かを悟った。
痛快太郎は東京広告株式会社で聞き込みをしたが、、、同社の人間は何も答えてくれなかった。
全ての社員が口裏を合わせたように。。。 「分かりません、、、」とか「知りません」の答えが返って来た。
会社全体で戒厳令が敷かれているようだった。
痛快太郎は当時の広告下請け会社を探し出して、訪ねた。
山下企画株式会社が当時、東京広告会社の印刷関係を受けもっていたが、現在は取引がないと云うが、山下社長が時間を執ってくれて、同社を訪ねた。
山下社長の話だと、、、、贈収賄事件を覚えていて、その後の取引が中止になったとのことであった。
何ども、訪ねて、、、「取引の理由を聞いたが教えてくれなかった、、、ただ、会社の都合での一点張りだった」
とのことであり、、、同社としても困ったと言っていた。
痛快太郎のここまでの捜査では何も掴めなかった。
5(大企業の狡さ、、、、悪さ)
痛快太郎はどちらかというと群れることを嫌い、、、一匹オオカミ的なところがあった。
自分の住んでいるところを人には教えず、秘密主義的だった。
住んでるマンションも最上階を好み、今も14階の最上階のワンルームに住んでいた。
彼は警察の仕事をする時から、独身を貫いていた、、、家族持つことにより、縛りが出来てしまうことを恐れていた。
一人身の方が思い通りに捜査が出来ると信じていた。
支度もすっきりと、、、簡単を旨としていたので、、、、ズボンはジーンズ青色で、、、上は革ジャンかブレザーとしていた。
靴はいつも気に入ったブーツを使用していた。
髪は決まってスポーツ刈りと。。。。。
そして、ブレザーやジャンパの下は、、、黒の丸首タートルであった。
捜査に出るときには常に、、、公共乗り物を使用し、、、乗用車は乗らない主義であった。
彼は特別任務の警察官なので、、、拳銃は常に所持していた。
毎日、朝7時には警視庁道場で稽古をしていた、、、、柔道と剣道の稽古で鍛錬していた。
彼は体も大きく、身長180cmの長身であり、体格もよく頑丈そうで、
食事は決まった定食屋で夜は決まった食事をした、、、、、昼は外食が多く、、、
朝は警視庁食堂で済ませていた。
彼は捜査には体力がいるので、、、食事はよく食べていた。。。
そうしないと、、、社会の巨大悪には立ち向かえないので。。。。
6(痛快太郎、贈収賄事件に疑問を持つ)
痛快太郎は今回の「東京広告株式会社」の汚職贈収賄事件について、本格的に
再捜査を始めた。
そんなある日、、警視庁刑事部長から声をかけられた。
刑事部長室へ行ってみたら、、、
「痛快君、なんか、東京広告株式会社のことを調べているようだが、、、
ほどほどにな、、、」
「何かあったら、私に報告をしてくれたまえ、、、分かったかな、、、、宜しくな」
と、 釘を刺されたような気がした。
「はい、、、、分かりました」と答えて、、、刑事部長室を出た。
痛快太郎は、返事はしたものの、、、「なに、言ってやがんだい、、、今に、化けの皮をはがしてやるからな」
そう思いながら、、、再捜査に打ち込んでいった。
7(大物政治家が絡み、、、警察官僚も抱き込み、、、やくざも絡んでいると、、)
痛快太郎警部が事件を追っていくうちに、、、 関係した人間像が浮かんで来た。
まず、事件を捻じ曲げ、不起訴になるように仕向けた警察官僚がいたことが分かった。
検察内部に協力者がいなければ、揉み消せないことであり。。。 その当時の担当者のトップが
誰だったのかを調べた。。。。 横車を入れたのは当時の警視庁刑事局長の大浦紘一であった。
警視庁内部に捜査を捻じ曲げた幹部グループが存在していた、、、ふざけた話である。
悪事を悪行を取り締まる側に、、、事件を不起訴にするような上層部幹部がいたことであった。
いくら悪事を暴いて、検挙しようとしてる、正統派の刑事がいても、体制が出来ていても、、、
その捜査結果を捻じ曲げてしまう管理者がいたのでは、世の中の悪事を一層することは出来ない。
この事実を知った、痛快太郎は腹の底から煮えくり返った。
痛快太郎も過去においても不起訴になった事件があったことや、捻じ曲げられて事件があることは
うすうすは感じていた。
しかし、事件に優劣はつけられないが、これほどの大事件を揉み消すには相当な政治力や警察権力に対して、力が無いと出来ない筈である、、、、
その力関係の人間たちの一部、、、警察内部の不正の力を知った。
そして、その力に圧力をかける政治力も分かって来た。
官房長官に睨みの利く大物政治家が浮上した、、、、民政党の幹事長である。
大野弥平で、、、、それらのメンバーが手を組んで悪事をしてるのだから、、溜まったもので
はない、、、、さらに、反社会勢力のやくざが絡んでの人世芝居であって、、、、とても演出されては
悪行には叶わない。
その事実を掴んだ痛快太郎の挑戦が始まった。
どんなに圧力が掛かろうと、、、、彼は動じなかった。。。。。
彼の特別上司である警視総監田中一郎の承諾を得て、、、、執行をとる準備を始めた。
社会の巨悪に対しての挑戦であった、、、、横車が入ることは覚悟をしていた。
彼の仕事には援護射撃も何もなく、、、成功したとしても、誰にも褒められることなく、、、
彼の身には何の保証もなかった。。。。。
(8)執行人「痛快太郎」動き出す
何の後ろ盾もなく、保証もなく、権限を与えられた執行人、、、痛快太郎は
過去の事件帳控えから、疑わしいと思った事件を調べなおして、、、その巨悪な犯人を処罰していく、、、
痛快太郎はただ一人の支持者であり、命令者である警視総監のもとに処罰刑を行っていく。
痛快太郎のただ一人の理解者がもし、亡くなったり、職を辞したら、彼はただの暗殺者になってしまう、、、、それでも彼は現在の田中一郎警視総監の意に従ったのであった。
そして、今回は発信元が分からない方法で、、、まずはSNSの世界で警視庁内部の不正から告発忠告を始めた警察関係に、、、、
「警察に携わる者へ注意勧告!!
日本全国の警察署関係に勤務する警察官は、、、不正があってはならぬ
日本憲法に違反するもの、、、、犯罪を犯すものは許してはならない
また、犯罪を犯したものを、世の中の規則や掟を
隠蔽したり、法律を捻じ曲げて、揉み消してはならない
これに違反している警察官が見受けられる、、、、
もし、心当たりがある者は直に止めなさい!!
悪事と知りながら、刑事事件を揉み消した者は天罰が下りますよ
覚悟して、待っていてください、、、」
飛んでもない、ことが世の中に公表されたのだった。
この記事が公表されてから、世の中は騒然となり、、、定期的に出るので警察内部
でも大騒ぎなって、、、。
そして、SNSで拡散されてから1か月後に事件が起きた。
9)SNS警視庁内部の告発があってから、幹部刑事が銃撃されて死亡
警視庁刑事幹部の刑事部長、、、東京広告株式会社事件が発生した当時は刑事局長
であったが、、、その後、出世をして、現在は刑事部帳になっていた。
政治力をバックに、、、当該事件を不起訴にした事実に対しての、、、表向きは出世をしたのであった。
しかし、痛快太郎の再調査で、事実が明らかになって,、、、また、SNSで拡散されて、警視庁内務室の
諮問に懸けられていた。
その間の銃殺事件であった。
噂がいろいろ立った、、、権力を利用しての不正、、事実を捻じ曲げたことによる天罰だと、、、
痛快太郎の再調査では、、、検察庁内部にも、今回の事件では権力に加担した悪徳検事がいたのであった。
今回の事件の担当副検事、渡辺雅夫がそうであり、、、政治力や権力で法律を捻じ曲げたのであった。
検察庁にもSNS情報が流れた、、、
「法治国家の検事諸君へ
日本の法治国家の検事たるもの、、、襟を正して、立法を守ってください!!
権力を振りかざした者の言うことや、、、悪徳政治屋に従い
法律を正しく、、、日本の「三権分立」を勉強してください
いつか、権力や金に従っていたら、、、、天罰が下るよ!!」
また、、、検察庁でも大騒ぎなった、、、、今回検察庁でのことがあるだけに、、、
真剣に検察庁はその情報を知らべた。
(10)狙われた副検事
検察庁にも注意勧告のSNSが出回っていた。。。。警視庁でも勧告が出てから、
しばらくして
刑事部長が襲撃されて死亡したこともあって、冗談とは取れなかった。
検察庁としても、謎のSNS情報が出回ったときには警戒もして、十分に注意を払い、
用心をしたのであった。
しかし、狙われた者は弱い、、、注意をして、行動をしていた積りであったが
副検事は狙撃された、、、、
検察庁も警視庁も犯罪人からの挑戦と受け取り、、、厳戒態勢をしいた。。。
警視庁は特別捜査班を設置して、捜査に当たった、、、鬼の警部と言われた
朝倉警部が班長に任ぜられて、、、捜査は始まった。
警視庁の面子に懸けて、、、事件解決をしないと、、、、
捜査員は張り切っていた、、、そして、二人も狙撃されながらが、、、犯人の目星は
一向につかなかった。
時間ばかり過ぎていった、、、、捜査員にも焦りが出て来た。
(11)連続襲撃事件が起こり、、、警察、検察両庁は慌てた
連続して、過去の事件関係での警告SNSが送りつけられてからの、、、予告殺人事件であり、、、
完全に無能扱いされている、、、
警察、検察両庁は必死になって、捜査に当たった、、、捜査員も増やしての動きであったが
手がかりが掴めなかった。
当初、両庁とも犯人検挙は早く出来ると、たかを括っていた。
しかし、、、犯人は足あと一つ、、、証拠になるよう物は残していなかった、、、、
余程、頭のいい奴であったと、、、特別捜査班の熊倉警部班長はつくづく思った。
最初から事件を見直した、、、予告殺人であるから、東京広告株式会社に関連した
人間関係を捜査していた。
しかし、、、まるで容疑者が浮かんで来ないのであった。。。
捜査会議でも不思議がっていた。。。
熊倉警部班長は、、、「みんな、、再度、考えて欲しい、、、ここまで関係者を洗い直したが
容疑者は浮かんで来ないのは、、、不思議だよ」
会議では見落としがあるのではと、、、、何度も調査で上がってきた資料を見ながら。
しかし、まるで犯人像は浮かばなかった。
独りの捜査員が言った、、、、
「もしかしたら、事件関係者ではなく、、、警察、検察に恨みを持っている者の犯行では」
と、、、
しかし、可笑しい、警察、検察でも銃撃されたのは今回出世した二人なのだ。
なぜ、二人の刑事部長と副検事なのだと。。。。
その殺された二人の秘密を見つけないとと、熊倉警部班長は考えだした。
暗殺された理由を突き止めないと、、、今回の事件は、容疑者見つからない。
そこで、、、「みんな、考えて欲しい。。。そして、調べてくれ、、、」と。
何を調べるかを、、、殺された二人の過去を、、、人間関係を徹底的に当たらせたのであった。
そして、本日より、二人の身上捜査及び素行調査を始めた。
12)殺された二人、警視庁と検察庁の官僚の身上を、、、
警視庁特別捜査班の熊倉警部班長は捜査員に指示を出した。
今まで捜査しても犯人像が浮かんでこない、、、そこで、彼らの身上調査、素行調査調べることにした。
捜査調査の結果、意外なことが分かって来た、、、どうも二人には政治的な絡みがあるようだ。
彼らの出世も政治的力でのし上がってきたようだった。
警視庁も検察庁内部でも二人関しては触れてはいけない部分があるらしく、、、誰に聞いても
口を噤んでしまうのであった、、、
誰もが、、、、「刑事部長には逆らえないよ、、、、ある程度は揉み消されることが多いよ、、、」と、、
また、検察庁でも、、「副検事の渡辺雅夫の場合も差し戻しが多く、不起訴になることが多いので、
担当検事によっては捜査が雑になるようだった」と、、、噂があった。
熊倉警部班長の捜査をまとめると、、、二人とも人の恨みを買っていたようだった、、、すなわち、
不正があり、、、その影響が多かった。
その結果、「謎のSNS」情報のような予告殺人が起きたようだった。
そう、判断した結果、熊倉警部班長は捜査の方向を変えていったのである、、、決めつけることは危険では
あったが、、捜査の範囲を二人の人間関係、関わった事件の人間模様を調べ始めた。
しかし、不正な事件結末が多くて、、、なかなか、絞り込めなかった、、、
部下の松下警部補が面白いことを聞きこんで来た。
「班長、、、過去の贈収賄事件の、、、東京広告株式会社で、二人からは相当な横槍が
入ってたみたいですよ、、、、担当捜査員が途中で外されたみたいですから、、、」
「松下、、、そのことを、もっと、詳しく調べてみてくれ、、、その外された捜査員にも当たった
てな、、、」
熊倉班長は何となくではあるが、、、、突破口が開ける気がして来た。
13)警視庁熊倉特別捜査班は過去の事件である「東京広告株式会社」の贈収賄事件で
面白い噂を聞いて、、、早速、捜査班の松下警部補に調査をさせた、、、、
その結果、、、この事件について、再調査をしている刑事がいることが分かり、その刑事が誰であるかを突き止めさせた。、、
警視庁未解決事件、記録事件室担当の痛快太郎警部補と分かった。
熊倉警部班長は痛快太郎を調べた、、、彼は警視総監付き特務任務と分かり、、、彼の身辺調査を慎重に行っていった。専属刑事を決めて、、、
そして、四六時中張り付かせたのであった、、、熊倉警部班長は「何かあると」彼の刑事感が 働いたのであった。
熊倉警部班長が、、、、この決断をする前に、大事件が起きたのであった。
民政党の大野弥平幹事長が狙撃され、、、重体で入院したていた。
そんなこともあって、、、警視庁内部はてんやわんやであり、、、続いて起きた狙撃事件に
警察としては焦りが出てきた。
(14)警視庁特別特務担当、、、
痛快太郎警部補刑事の素行調査は行われてきた筈であり、、、熊倉警部班長のような敏腕刑事がいなければ、到底辿り着くことではなく、
見過ごされることであった。、
痛快太郎が警視総監から呼ばれた、、、
警視総監室へ入り、「痛快警部補、、、、情報が流れているから、、、気を付けるように、、」と
「特に、熊倉警部特別班が、お前のことを調べ始めたようだ、、、これから、しばらくは自重するように、、
いざとなったら、、、自分で身を守ることになるから、、、本当に気を気を付けろ、、」と、、
「はい、、、承知しました、、、静かにしています」と言って、総監室を出た。
その日からの痛快太郎は記録室への出入りはしても、、、その他の調べは中止したのであった。
定時には帰宅していた、、、、、帰宅したのちは一歩も外出をしなかった。
そして、その後の連絡は部下の徳川由美子が行っていた。
「由美子警部補、、、、記録室において 変わったことがあったら、連絡をしてな」
といって、痛快太郎は動かなかった。
一方、熊倉警部特別班では、、、貼り付けをつけておいた、刑事からは変化の報告だけが届いた、、、、
痛快太郎に張り付かせておいた松下警部からは、、、
「班長、、、帰宅後は何の動きもありません、、、、自宅のマンションから一歩も出てません、、、訪ねてくる人もありません、、、」
と言われて、、、熊倉班長は余計に疑っていた。
しかし、何の証拠もなく、、、刑事の勘だけでは、それ以上に動けなかった。
また、、、痛快太郎が動かなくなってからは、この件に関する銃撃や狙撃は起こらなかった。
そして、捜査の進展も見られなかった。。。。暗礁に乗り上げていた。
そんなこともあって、、、熊倉班長はやっと見つけた糸口を諦めてはいなかった。
(15)痛快太郎が考えた、、新しい執行のやり方。
警視庁特別班熊倉班長に、正直言って、痛快太郎は動きを封じられていた。
痛快太郎は夜の自由時間に考えていた、、、このままでは悪行を働いた、人間、組織を罰することが出来ない。
一度、、、目をつけられて、監視されたら、そう簡単には動けないことは、痛快太郎は分かっいていたので
「執行人」の分身を作ろうとしていた。
捜査方法は特任されていたので、、、特務に当たっては自分が責任が取れば、、、いいんだと。
そこで、自分の分身、すなわち執行人を、、、行動をする人間を仕立てることにした。
痛快太郎が考えたことは、、、国家機関であり、国の防衛に当たっている自衛隊から、、、行動部隊を
選ぶことにして、、、警視庁に勤務しいている時間内に人材を育成しようとしていた。
警視総監の力を借りて、、、特殊部隊の自衛隊員を選んで貰い、、痛快太郎のもとに派遣して貰った。
住まい兼事務所は初めから、痛快太郎の自宅マンションの隣室であり、、、二人の住まいを兼ねていた。
痛快太郎はその事務所で、何処にもも出かけずに二人の特務隊員と打ち合わせをすることが出来たのである。
その特務隊員は左右田一平と、、、坂口健司という名前だった。
(16)痛快太郎の進撃始まる、
痛快太郎は執行人の道を、警視庁特別班の熊倉警部班長に阻まれた形になったが、、、痛快太郎警部は新しい
方法を考え出したのであった、、、、やはり、法治国家の法制制度を歪めた、違法行為を許す訳にはいかなかった。
そんな法律を捻じ曲げた手段で、悪人たちが横行するような世の中ではあってはならない、、、弱者だけが馬鹿を見るようでは
お先真っ暗な世の中ではないか、、
痛快太郎警部補は警視総監に手助けをして貰い、、、彼独自の特殊組を手元に配備したのであった。
彼の住まいであるマンション隣に「執行人作戦」のための準備を用意して、、、今回の東京広告株式会社の仕上げをやり遂げる
作戦を開き、、二人の特務隊員に指示を与えた。
日本のやくざ世界も規制は厳しくなり、、、警察関係の管理監督方法に近くはなってきているが、、、隅々までは行きわたっていなかった。
しかし、それらの組織も悪徳政治家や権力者に利用され、、、法治国家の中でも違法行為はしていた。
今回の様な脱税に絡んだ、、背任横領や贈収賄行為は大企業に起きていた、、、、人間というのは欲が強く、、、
金や権力にしがみついて、その闘争を繰り返している。
欲望戦争に巻き込まれた弱者はいつも馬鹿を見て、犠牲者となる。今回も弱者の犠牲はあった、、、責任を取って自殺した社員が
いたのであり、、その陰で悪人たちが両手を振って歩いている。
彼らは薄羅笑いを浮かべて、、、、悪事が旨く行ったことを、、、「お疲れ様、、、ご苦労様」と言いながら、悪酒を飲んでいるのであった。
まるでゲームを楽しむように。。。。
「人の命をなんだと思っているんだ、、、」と叫びたい。
痛快太郎警部補はそんな人間たちを許すことが出来ず、、、それらの悪人は「死」をもって償うべきだと思ったいた。
腹の底から憎むのだった。
痛快太郎警部補は二人の特務員に死刑執行をする者の名前を告げた。
第一話「運び屋」
(1)殺しの後の始末屋「運び屋」
網走虎次郎はトラック野郎と言われて15年になる。関東筑波山の麓にトラック拠点を置いて、北海道から九州薩摩まで走りまくっている。
トラック運転仲間では知らぬものがいない、、、義理堅くて、思いやりにある人情豊かな男であった。
約束したことは必ず守り、荷物を荷主に送り届けるいい男であった。荒くれ雲助ではあるが、信頼されていた。
トラック野郎の面倒見は良く、、、誰からも慕われていた。
北海道釧路港でのことだった。トラック野郎の荷札三郎が、、、
「虎さん、頼みがあるんだよ、、、荷物がだぶちゃって、困ってんだけど、、、手伝ってもらえないかな」
「頼まれてもいいよ、、、丁度、福岡までの荷物で、荷台がサブちゃんの荷物ぐらいなら乗るよ。。。」と虎さんは気軽に引き受けた。
その晩、虎次郎は釧路を出発した。
北海道釧路から、福岡箱崎港までの旅となった。釧路から東京芝浦、そして、釧路までフェリーを利用した。
暫く船旅となり、虎次郎は太平洋を眺めてゆっくりした。
フェリーを利用するトラックは多く、今は陸上だけを走ることはなかった。
虎次郎が船室で休んでいたら、、、、
仲間の運転手が、「虎さん、、、誰かが虎さんの車を、なんかしているよ、、」と夜中に起こされた。
虎次郎は運搬する荷物を悪戯されたら困るので、起きて、デッキに見に行った。
確かに、虎次郎のトラックの荷台に乗って、何かを探していた。
「こらーーー、何してんだよ、俺のトラックに。。」
声をかけられて、荷台に乗っていた。
怒鳴られた人間たちはびっくりしてか、、、振り向いた。
しかし、どこうともしなかった。
なんか言ってたが、言葉が分からなかった。
一人が日本語を話していたので、理解出来た。
ロシア人だった。。。。自分たちの荷物が無くなったので探していたようだった。
日本語の分かる人間と話し合い、その場は収まった、
虎次郎も納得して部屋に戻った。
後でわかった事だったが、東京芝浦桟橋で乗船したのだが、自分たちの荷物が行方不明になり、困っていたのであった。
公安を読んで調べて貰った。
そして、どえらい事件が持ち上がった。
(2)覚せい剤が積み込まれていた。
虎次郎のトラックに荷台荒しが見つかったので、公安が一応、虎次郎の荷物を改めた。
公安もロシア人の窃盗ぐるみなので疑って、虎次郎の荷物を念入りに調べた。
その結果、後から積み込んだ荷物の中に「覚せい剤」が積み込まれていた。大変であった。
虎次郎は身に覚えのないことでなのであったが、覚せい剤であるので、疑われ、取り調べを受けた。
最終的には無罪放免であったが、荷物は没収された。
勿論、ロシア人たちは逮捕された。知らぬ間に「覚せい剤」が積み込まれての事件であった。
虎次郎はトラック野郎をしていて、初めて恐ろしさを感じた。自分が注意していても、気が付いたら犯罪に巻き込まれて、犯罪者にされていた、、と言う怖さ。
公安及び警察の取り調べが重なり、目的地への到着が遅れたが、、、その責任は取ってくれない。警察とはふざけたところだ。。。。しかし、仕方がないことなのか。
いつもの得意先に荷物を届けて、遅れたことを詫びた。
「すいません、、、事件に巻き込まれて遅れてしまい、申し訳ありませんでした。」
虎次郎たちの仕事は時間を守り、安全に無事届ける正確さが大事であった。
虎次郎に取っては災難であり、不可抗力なことだった。
しかし、ミスには違いない、、、管理不行き届きだった。言い訳は聞かなかった。
この事件が大きく報道されてしまい、虎次郎の運び屋の仕事も少し減った。
荷物を下ろし、福岡箱崎港で仕事が一段落したので、いつもの食堂で昼飯を食べていた。
虎次郎は今回はついていなかったと思った。
そんな虎次郎のところへ近寄ってきた男がいた。
「虎次郎さん、、、今回は飛んだ災難だったね、、」と新聞でも見たのか声をかけてきた。
「ついていなかったな、、、、俺の荷物の管理も悪かったから、、仕方がないよ」と、、、運の悪いことを嘆いた。
近づいてきた男が、、、「安全で、効率のいい仕事があるんだけどな。。」
と、、話を持ち掛けてきた。
虎次郎もちょっぴりしけていたので、その話に乗った。
(3)冷凍肉10箱の輸送
網走虎次郎は今度は騙されまいと、冷凍の荷物を確認した。
牛肉の冷凍箱詰めだった。福岡の箱崎にある牛肉卸商社からの依頼だった。
箱崎から東京築地までの運搬で、
検疫も通り、虎次郎は安心して箱崎を出発した。
途中大阪へ寄り、同じ会社の冷凍箱詰めを乗せた。今回の運賃は割増もあって儲けも良かった。
途中彦根のドライブインで昼食をとっていたら、仲間のトラック野郎と出会った。
久しぶりの再会であり、北海度出身の運転手で「北海の熊さん」こと、新井熊次郎だった。
古い付き合いで、飲み友達でもあった。
「そういえば、、、やられたな。。。気を付けろよ」
と、、、覚せい剤の事を知っていた。
昔、熊さんも引っかかったことがあり、大量だったので逮捕されたことがあった。
ロシアマフィアには気を付けないとな。。。。。
お互いに励まし合いながら別れた。
虎次郎もいろいろあったが目的地の築地に無事荷物を運んだ。今回は何事も無く済んだようだった。
前科があるということ、疑われるように出来ていた。築地に着くと待っていたように、警視庁麻薬課捜査員が飛んできた。
「なんか用事かな。。。何もしてないよ。。」
と、虎次郎が言うなり、トラックの荷台を調べ始めた。
虎次郎も頭にきて、逆らったが遅かった。
調べていた荷物から、なんか変な塊が出てきた。
それが覚せい剤だった、、、
虎次郎は思った、悔しがった。
「やられた、、、、今回は大丈夫だと思ってたのに。。。
くそーー」
大量の覚せい剤だったので、虎次郎も逮捕された。
しかし、事情が分かり、不起訴になった。
虎次郎は思った、、、「畜生、、、この礼はするぞ、、必ずな」と、、、
虎次郎は不起訴になってから、福岡箱崎に戻った。
虎次郎を騙した奴を探した。必ず、見つけてやるからな、、
虎次郎は仕事を休んで、虎次郎に運びを頼んだ奴を探し当てた。
(4)覚せい剤運び屋の仲介屋
虎次郎もトラック野郎には違いないが、誇りを持って運び屋をやっていた。雲助には雲助の仁義があり、騙しは許せなかった。
虎次郎に荷物を紹介した奴を訪ねた、、、しかし、そこには虎次郎に荷物を紹介した、反ぐれの小田正一の死骸があっただけだった。虎次郎は不味い事件に巻き込まれたと思いながら、その元を探し当てた。
九州連合と言うやくざ組織だった。
そんなことで怯んではいられなかった、虎次郎はそんなことで引き下がるようなトラック野郎ではなかった。
無鉄砲な虎次郎は「九州連合」の事務所に乗り込んでいった。対応に出たのが、九州連合の副参謀の有馬一山であった。話は分かったので、騙した方が悪かったと言って、、、
虎次郎の損害を見てくれた。
虎次郎はその有馬一山とはその後、懇意になった。
有馬一山もロシアマフィアのやり口があくどいので、嫌っていた。
しかし、組織の仕事なのでやらずには出来なかったのであった。
虎次郎はトラック野郎の溜まり場に戻って、今後、密輸関係の事が起きたら、自分に話してくれと告げた。
絶対に密輸は嫌いであり、覚せい剤は許せなかったのである。
(5)虎次郎大いに怒る
暫くは密輸問題も、覚せい剤の話も出なくなった。
虎次郎もトラック野郎に専念していた、、、虎次郎の弟分で追分の達治と言うトラック野郎がいた。気のいい、キップの良い男だった。
その男が虎次郎のところへやってきた。
「ご無沙汰してます、、、虎兄い、、、相談があって来ました、、、いいかな」
と言いながら虎次郎の溜まり場と言うか、食事処にやった来た。
「どうした、、、達、、、話してみなよ、、、金なら無いからな、、、あはは、、、」
「実は虎兄い、、、俺の妹の事なんだけど」と、云って、、
相談して来たことが、覚せい剤に絡んだ話だった。
妹の亭主がロシアマフィアの覚せい剤の密輸に巻き込まれてしまい、、、困っていたのであった。
「馬鹿野郎、、、なんで早く相談して来なかったんだ、、、」と言うことになり、話を聞いた。
「兎に角、今、すぐに俺のところへ来い、、逃げて来いよ」
身柄を確保してから、話に乗るから。。。
と言うことで、妹たちを秋田から呼び寄せた。
虎次郎は仲介人に会うことした。仕事を辞めさせて、、、
仲介人に会う前に「九州連合」の有馬一山に連絡を取り、今回のロシアマフィアの話を聞きだした。
かなり、やばい連中だった。
九州連合の有馬一山も情報は流すけど、気を付けるようにと忠告してきた。殺しも平気でやる連中らしい。
虎次郎は覚悟を決めた。
トラック野郎の仲間のためならば命を賭けても惜しくないと思っていたので、、、
虎次郎は九州連合の有馬一山の助けを借りて、今回のロシアマフィアの秋田事務所に乗り込んだ。
一か八かの覚悟であった。
乗り込んだ秋田事務所の責任者が日本人だった。
乗り込んだ虎次郎とは最初は喧嘩になった。しかし、その虎次郎の度胸の良さに、話は収まった。
そして、今回の事は運賃の問題だけに話が付き、今後一切、弟分の追分の達治の妹たちにはお構いなしとなった。
ロシアマフィアの秋田事務所の立花信二とはなんとなく付き合う事になった。
覚せい剤密輸とは別にと言うことで、、、
(6)虎次郎軍団
虎次郎軍団の名前はやくざ仲間にも轟いていた。そして、虎次郎軍団には密輸関係の仕事は回らくなった。
しかし、やくざ関係のやばい仕事はなくなったが、、、企業間の汚職関係や贈収賄事件に巻き込まれていった。
大企業間の頭脳プレーである、、、今回も大企業の建設会社である、大日本土木株式会社の荷物の運搬に関わる仕事での資材の横流しがあり、その手伝いをしてしまったのである。
運搬上は分からない仕組みになっており、運搬先に分けて,巧みな罠が仕掛けてあった。
全て、本社と出先工事現場との伝票のからくりであり、
そんな高尚なカラクリなど、運転手風情には分かる筈がなく、、、公正委員会の調査がはいった。
当然、運搬するトラック野郎にも調査が入り、
訳が分からないままに、、、運搬管理の問題が指摘されて、罰を受けることになった。
トラック野郎には堪らない、、、罰金は取られる、、、行政処分は受けるで。。。
そんなことがあると、、、虎次郎の所に相談が回ってくるのであった。
虎次郎だって、法律的な細かいことはとんと分からない。
虎次郎が懇意にしている弁護士のところへ相談にいくが、
結果的にはトラック野郎が悪いことになってしまう。。。初めから騙しが入っていたので、、、依頼した企業側には責任はないと、、、
早い話が騙されたのであった。
法律的には負けである、、、、
後は騙したことに対しての責任問題が残った。
虎次郎は企業側に損害賠償を求めたのであった。
今までの虎次郎だったら、乗り込んで、文句を言って、脅して慰謝料をせしめたいた。
しかし、少し利口になり、弁護士の力を借りて、法的立証をして、損害賠償に訴えたのであった。
(6)無残虎次郎
虎次郎もロシアマフィアに逆らい過ぎたようだ。。。
相手は国際密輸団であり、やくざ組織でもあった。虎次郎が一匹オオカミで逆らうには組織が大きすぎた。
ある日、、九州連合の有馬一山から連絡があり、、、
「虎さん、、情報が入ったので連絡しておくよ。。。ロシアマフィアがあんたを狙っているとのことだから、、、、気を付けてな、、」
「連中は本当にやるからな、、、、気を付けるように」
そんな連絡が虎次郎にあった。
呑気なトラック野郎の虎次郎は余り、気にしないでいた。
しかし、狙われた。。。何度か思い当たることがあった。
気を付けるといっても、気を付けようがなかった。
そして、トラック運転中に狙われた。
本当に狙撃されたのであった。
その狙撃があってから、、、虎次郎は頭にきて、ロシアマフィアの博多事務所に乗り込んだ。
虎次郎もラック野郎だった。。。猟銃片手に事務所に暴れ込み、乱射した、、、何人かは狙撃した筈だった
そのあと虎次郎の姿は見なくなった。博多の箱崎港から消えた。
7)虎次郎、博多事務所に乗り込んだが、虎次郎も撃たれた。。。
虎次郎はロシアマフィアの博多事務所に乗り込んで猟銃を乱射したが、虎次郎も撃たれた。
何とか逃げて、トラック仲間の大熊浩二に助けられたのだった、、、彼はもとは九州連合の副若頭をしていたが堅気になって虎次郎のトラック軍団に参加して仕事をしていた上に、浩二とは気が合い、、、
虎次郎は大熊浩二の実家のある、別府温泉で傷の療養をしていた。
ロシアマフィアの情報は有馬一山から内密で入るので、虎次郎は助かっていた。博多事務所に乗り込まれ、社員が撃ち殺されたロシアマフィアは何としても虎次郎を探して報復をしたいのであった。
虎次郎もやばいので、、傷が治るまでは隠れていなくてはと思っている。
兎に角、傷が癒えるまではじっとしていようと、、
その後のことはその時と、考えている虎次郎であった、、、、
虎次郎は覚悟はしていた、、、「やってしまったことはやったこと、、、出たとこ勝負だと、、、深くは考えていなかった」
男と生まれたら、、一度は授かった命だけど、、捨てて勝負をすることも仕方がない、、決めたことだ、、、助けると決めたのだから。。。
そんな男だったのだ虎次郎は、、、
虎次郎は弟分の追分の達治には当分、博多には近づかいように伝えていたので、、口の堅い連中で仕事を回して、追分の達治を守っていた。達治の妹のことも面倒を見ていたのである、、、
有馬一山から情報が入ったが、、今回はロシアマフィアも強気でいるらしいと、、、
その話を聞いた虎次郎は逃げることは出来ない、体が治ったら出て行って「一か八か」の勝負をしなくてはと考えていた。
傷の癒しで別府温泉に隠れてから1か月が経った、ある日、虎次郎が現れた。
それも奇想天外な行動だった。
逃げても仕方がないので、、ロシアマフィアの博多事務所に一人で行ったのである、、、、
博多事務所にも日本人社員がいたので、取り次いで貰った。
「虎次郎が来たと伝えてくれや、、逃げも隠れもしないからと、、、」慌てたのはロシアマフィア側だった。
ロシア人のやくざ連中が何人か出てきて、、虎次郎を取り囲んだ、、そして、下手な日本語で、、
「殺してやる、、覚悟はいいか、、」と、意気を巻いていた。
虎次郎は「じたばたするなよ、、、何もしないよ、、、欲しけりゃくれてやるから、、俺の命くらい、、」と、、啖呵を切ったので、ロシアマフィアたちも静かになった。
そこに一人の日本人が出てきたのである、、、上杉健太郎という、貫禄のある男だった。
8)ロシアマフィアの日本担当の責任者、上杉健太郎、、
「ほう、、、大分威勢がいいな、、元気で良かった、、あんたが網走虎次郎か、、、一度会って見たいと思っていたよ、、、」
「実は九州連合とは付き合いがあってな、、有馬一山とは知り合いなんだよ、、、彼から話は聞いてる、、」
と、、話を上杉健太郎が言ってきたのだった。
「話を聞けば、、俺たちにも責任はある、、だから、言って来いで、今回の事は無しにしようか、、、」
「あんたも、、撃たれたようだから、、虎次郎さん、手を打ちませんか」
と、、、言われて虎次郎は「駄目だ、、」とは、、言えなかった。
「それではいいですね、、虎次郎さんにはお礼が言いたいよ、、今回の事で警察にも言わないでくれて、、、ありがとう、、、」
「ところで、時間があったら今夜、手打ち式の真似事をしたいのですが、、、」
と、、話しているところに、、、「良かった、、よかった」と有馬一山が現れた。
「正直言って、心配したよ、、お前に会ってから、どうするか決めるというからな、、上杉さんのお眼鏡に合格しなかったら、虎次郎、、お前をここで殺すと言っていたので、、本当に心配だった」
「そうか、、一山ありがとう、、口添えをしてくれて、、実は覚悟してきたんだよ、、差し違えるつもりでな、、助かったよ、、、絶対に生きては帰れないと思ってた、、」
話し合いが付き、、虎次郎も一山も笑いが出たのであった。
上杉健太郎は日本のやくざ世界では、どの組織も世話に成っている大物だったのである。
彼が頼めば、、どこの組織も言うことを聞いてくれる上に動いてくれるのであった。
彼は暗黒世界の裏の顔役でもあり、、密輸業界で彼が動かないと「麻薬」もあらゆる「密輸製品」が流通しないのであった。
「それでは、、有馬さん、今夜一緒に、いつものとこで会いましょう、、虎次郎さんを連れて来て下さいよ、、」ということになり、虎次郎は有馬一山とロシアマフィアの博多事務所を出たのである。
外へ出て二人になったとところで、有馬一山が呟いた。「よかったよ」
「虎次郎、、本当によかっよ、、命拾いしたな、、余程、お前を気に入ったみたいだ、、」と、、有馬一山は話してくれた
9)上杉健太郎と網走虎次郎
ロシアマフィアの博多事務所の上杉健太郎と食事をしたのであった、、有馬一山も同席で、、、
虎次郎などが食べに行けるような寿司屋ではなく、、世の中にはこんな「高級な寿司屋」があるのかと思えるような、お店であった。
虎次郎は酒を呑みながら思った、、、この世のなかは悪事をしないと、、旨いものを食べて、、いい車に乗って、、高級時計をすると言うことは出来ないのかと、、、
正直言って腹が立ち、、、「くそ、、」と、言いたかった。
それでも、、運転手野郎で一生懸命働いて、仲間同士で酒を呑みながら毎日、汗を流すことに生きがいを感じて活きて来たことを誇りに思っていた。
だから、上杉健太郎にご馳走になりながら「矛盾」を感じていたのである。
仕方がないのかという「諦め」も必要だと思う時もある、、そして、「分相応」な生き方もいいと思ったのであった。
上杉健太郎は、、「虎次郎さん、、あんたの一本気な生き方は羨ましい、、私にもそんな時があったよ、、人間、時を重ねると狡くなって駄目だね、、自分ではいつまでも心意気はあるつもりなんだが、、いつしか時代に流されてしまったようだ、、、」
そして、こうも言ってくれた。。。
「あなたと話してると楽しい、、汚れた心が洗われるような気がする、、、これからも、時々遊びに来て欲しい、、あなたの都合でいいから、一緒に食事をしながら話がしたい、、」
と、、、その晩は有馬一山も入れて、楽しいひと時を過ごした。
その晩、虎次郎は思った,、、ひとにはそれぞれの人生があり、、生き方を持っている。だから、その人生道に
精一杯生きることが大事だと、、、一生懸命に生きさえれば、、何かに通じる、、人の幸せは必ず訪れると、、、
明日、弟分の追分の達治を訪ねようと思いながら布団に入った。
10)弟分の追分の達治と会う、、、
虎次郎は久しぶりに追分の達治に会いに行くことにして、約束を取った。
追分の達治は実家が北海道であったが、、岩手県や青森県方面で運送仕事をしていた。
虎次郎は今、いる岩手県のアパートを訪ねた、、、妹さんも一緒だったので、
「達治、、、ロシアマフィアとは話がついたから、もうどこで仕事しても大丈夫だ、、
妹さんも心配しないで、、いいよ」と、、、虎次郎は話をした。
「良かったら、、、俺が住んでる東京へ出てこい、、、そして、一緒に仕事をしようや
その晩、虎次郎は達治と妹さんを誘って夕飯を食べに出かけた。
「達治、、ロシアマフィアの連中に何か言われたら、、虎次郎と上杉健太郎さんと話がついているので、、上杉さんに話して欲しい、」と言えば、大丈夫だから、、
そんな話をしながら久しぶりに達治たちと楽しい食事をしたのであった。
「達治、、東京へ戻って来い、、住むところが無ければ俺の寝床を空けるから、、妹さんと一緒に住んだらいいよ、、もともとは倉庫だし、住まいの2階も広からな、、それに、、タダだから」
そう言って、達治と妹を引っ越しさせた。
「ありがとう、、兄貴、、、でもよ、、兄貴はどこで寝るんだよ、、」
「馬鹿野郎、、、俺はひとりもんだし、、全国津々浦々に女がいるじゃあないか、、、東京へ来た時には倉庫に車を止めて寝るからな、、心配するなよ、、、あはっあはっ、、、」と、、いつものように笑って済ました。
東京の倉庫は虎次郎が世話していた爺さんが亡くなったので、その世話代金で貰ったものであった。
「そうだ、、、達治、、今の時代は仕事もそんなに無いし、、看板を出せよ、、お前、字が旨かったな、、
引っ越しでも何でも引き受けますと、、」
トラック野郎仲間にも宣伝するから、二人で引っ越し専門屋をやろうということになった、
妹さんの洋子さんに電話番を頼んでと、、、「追分引っ越しセンター」とか名前を出して始めたのである。
11)トラック野郎の叫び声、、
追分の達治の引っ越しセンターの看板を挙げてから間もなく、、達治のトラック野郎の仲間の細野新次郎から連絡が入った、、「たっちゃん、、助けてくれよ、、いっちもはっちもいかなくなった、、、頼む助けて欲しい」
と、、、悲痛な叫びが届いた。
虎次郎がたまたま、、帰って来ていたので、、「どうした、、達治、、そんな苦虫潰した顔をして、、」と、、
虎次郎が心配そうに聞いたのであった。
「実はな、、虎兄いも知っている、栃木の細野新次郎が困って、、助けを求めてきてるのよ、、」と、、訳を話したので、、、「馬鹿野郎、、、仲間が助けてくれと言ってきたんだから、、話だけでも聞いてやれよ、、
出来る出来ないは二の次だ、、すぐに行ってやれ、、俺もいってやるから、、」
二人は達治のトラックで出かけた。
留守の事は妹の洋子に頼んで、、何かあったら連絡しろよと、、、
東京からなので、宇都宮には夕方に出かけたが、その晩には着いた。
細野新次郎の親が交通事故を起こして、病院に運ばれて危篤状態であったのである、、そして、事故の内容を聞いてみると細野新次郎の親の方が違反をしての正面衝突とのことであり、、細野新次郎は気が動顛していた。
虎次郎と達治がついた時に、話を聞いたら、細野新次郎はどうしたらいいか分からない、、と、、
「たっちゃん、、困ったよ、、」と、、おろおろしていた。
虎次郎も細野新次郎のことは知っていたので、、「馬鹿野郎、、お前がおろおろしてどうする、、兎に角、落ち着け、、」と、、言い聞かせた。
「まずは、新次郎、お前の親父さんを心配しろ、、」と、、虎次郎は病院側に聞いた。
一時は危篤状態であったが、様態を持ち直したとのことであり、、ゆっくり養生すれば大丈夫とのことであった。それを聞いた虎次郎と達治は安心した。
「ところで、事故の相手はどうなんだ」と、、聞くと車は破損したが、怪我の状態は思ったより軽く、同じ病院で治療は済んでいたので、、虎次郎が会って挨拶をしたのであった。
虎次郎はついてきてよかったと思った、、、日を改めて事故の相手とは話し合う約束をした。
「新次郎、、後のことは心配するな、、相談に乗るから、、今夜は親父さんの傍にいてやれよ、、言いな、、」と、言い聞かせて虎次郎と達治は引き上げた。
12)トラック野郎の男の涙
新次郎の父親の交通事故が起きてから、達治は連絡を貰った、、、
「たっちゃん、、恥ずかしい話だけど頼みがある、、、実は俺な金が無いいだよ、、、トラックを買ったばかりで、親父の入院費が払えないで困っている、、少し貸して貰えないかな、、、」
「自慢じゃないが、俺も引っ越しセンターを始めたばかりで、からっけつなんだな、、、虎兄いに相談してみるよ、、ところで新次郎、お前、保険かなんか掛けてないのか、、」と、、無駄だとは思ったが聞いてみた。
そして、、新次郎は泣きそうな声を出して、、「事故の相手の損害も払えないんだよ、、親父の奴、自動車保険を入ってなかったし、、一年前の保険料も払ってなかった上に、、車検が切れてたから困った、、」
と、、相談してきたのである。
達治も唸った、、「なんだと、、車検切れに保険なしか、、、参ったな、、ところで警察の現場検証はやってたのか、、」と、、聞いたら、親父の奴、覚えていないんだと話してくれた。
虎次郎が帰ってきてから達治は、今回の新次郎の親父の事故の内容を説明して、、相談をしたのであった。
「馬鹿野郎、、兎に角,金を集めよう、、警察の事は後回しだ、、、損害金と病院の入院費を作らないとな、、」
と、、虎次郎はすぐにトラック野郎の仲間に呼びかけた。
普段、面倒見のいい、虎次郎からの頼みなので、すぐに必要な金は集まった。
虎次郎は感謝した、、「ありがとう、、本当にすまない、、」と、、トラック野郎仲間に頭を下げたのである。
車検切れも「罰金刑」で済むように虎次郎は段取りをしたのであった。
やっちゃいけないことだけど、、普段は交通違反でばかり世話に成っている、、新次郎の親父が住んでいる警察署の交通安全課の大森課長宅を訪ねた。
虎次郎は日本全国の交通安全課とは顔を売っていたのであった、、
「こんばんわ、、、虎次郎です、、ご無沙汰しています、、いいですかお邪魔して、、」と、、大森課長に挨拶をして、部屋に入って行った。
大森課長の奥さんが出て来て、、「あら、、虎次郎さん、珍しいわね、、あなたが来たからには碌な話ではないわね、、でも、あなたは楽しい人だから、上がんなさい、、」
と、、、
「おお、、虎次郎か,最近違反がないようだな、、まあ、、上がれや。。」と、、久しぶりに尋ねた虎次郎を歓迎してくれた。
「どうも、たまには親父さんの顔を見たくなって、、旨い酒が入ったので持ってきたよ、、」
「嘘つけ、、お前が来るときは碌な話がないからな、、でも、、いいから中に入れや」
と言って酒盛りが始まった。
そして、新次郎の親父のことを話して、、穏便にしてもらえるように頼んだのである。。
虎次郎のなんとも言えない人懐っこさが、人を引き付けるのであった。
13)運転時間に規制が出来て、、、働きたくても働けない。。。
虎次郎たちトラック野郎にとって、働く時間改正は問題であった、、、
なんの保証もないトラック野郎には走ることが稼ぎになるのであるから、、、法律的な規制は死活問題であったのである、、、
中には「気にすることはない、、、今まで通りに走って稼げばいい、、掴まった時はそのときだよ、、、」という運転手もいたのであった。。
「俺たちトラック野郎は、、、会社もない、、一匹狼だから、、、申告しなければいいじゃないか、、」
とか、、いう奴もいた。
「今までのように、スピード違反をする様によ、、掴まるまでやればいい、、、」というトラック野郎もいたのである。
虎次郎は違うと思った。これからのトラック野郎は変わらないといけないのだと、、、やっぱり、税金を払って仕事をしないと、、そんな風に考える虎次郎であった。
追分の達治に「引っ越しセンター」を作って仕事をやる様に、トラック野郎も一匹狼ではなく、、グループ団体で運送業をしないと、まともな運賃が貰えないと思ったのであった。
そして、虎次郎は弟分の達治とも相談して、、旗揚げをした。。。
その名も「東京トラック野郎組合」を作って、一匹狼のトラック野郎を加盟させていった。
14)トラック野郎、悪行集団に巻き込まれる。。。
虎次郎の古い仲間で、、長距離専門にしている「疾風の狼」と言われてる「黒田長治」というトラック野郎がいる、、、その男が久しぶりに虎次郎を訪ねて来た、、、一人の若いトラック仲間を連れて、、、
「虎さん、、ご無沙汰しています、、今日は頼みごとが有って来たんだよ、、何時もいつも頼み事ばかりですまない、、、困った時にしか来ないで悪いな、、、」
と言って、、訪ねて来た訳を話し
「一緒に来た,こいつは俺が今、面倒見ている高松道夫っていうんだが、、、二人で間違いを起こしてな、、
困っている、、、助けて欲しいんだよ、、、虎さんにしか頼む人が居なくて、、」
その訳とは、、、二人で中身を知らずに、秋田から東京の芝浦まで運んだ荷物にあったのだ。
疾風の狼こと「黒田長治」は同じトラック野郎の仲間である、「大島茂」という奴から頼まれた仕事であった。
仕事の中身を確認しなかった黒田長治も悪かったんであるが、、、東京都内に入る検問で引っかかってしまったのであるが、、運んだ中身が「密輸入の拳銃やライフル」だったのであった。
その検問所で御用となり「銃の密輸入現行犯」及びに「銃刀違反の現行犯」で逮捕されたのである。。
黒田長治たちは22日間の取り調べ拘留で板橋警察署の留置所にいて、、、不起訴になって出て来たばかりであった。
しかし、、運んだ「銃類」は没収になり、、黒田長治に頼んだ「大島茂」が逮捕されてしまったのである。。
逮捕された板橋警察署で聞いた話では、、密輸グループがバックにいるようなので、、怖くなって、、虎次郎の所に相談に来たのであった。
黒田長治の警察の取り調べから想像して、、、どうも「ロシアマフィア」が絡んでいるような気がして、、直観的に不味いと思った、、、最悪の場合、殺されるような気がしたのであった。
自分たちも危険な状態ではあるが、、逮捕された「大島茂」は消されてしまうような気がしたのであった。
「虎さん、、、俺たちではどうしょうもない、、何とか助けてくれ、、恐ろしくて、寝てもいられないよ、、、」
泣き出しそうな顔で虎次郎に縋った。
「困ったな、、しばらく動くな、、俺の事務所にいろよ、、何とか考えるから、、」
二人を匿った。
虎次郎は弟分の達人に訳を話して、、自分の部屋に二人を入れた。
早速、ロシアマフィアならば、、とりあえず「有馬一山」に連絡を取って、会うことにした。
15)虎次郎、、覚悟を決めて闘う
虎次郎は有馬一山に連絡を取って貰い、ロシアマフィアの日本組織の代表と会うことになった。
そして虎次郎は有馬一山と一緒に博多事務所に行き、上杉健太郎と会った。
「先日は御馳走さまでた、、、いろいろとありがとうございました、、、今日は、また面倒なことでお邪魔しましたがよろしくお願いします」
と、、挨拶をしてのであった。
「虎次郎さん、、用件は分かっています、、組織から報告は受けているので、、しかし、私も組織の人間ですから、出来ないともあります、、」
釘を刺されてしまった虎次郎だった。
「虎次郎さん、、今回の事は組織が決めたことであり、私なんかが口の挟めるものでは
ありません、、、虎次郎さんとは友達として付き合っていきたいのですが、、私の力ではどうにもならない、、勘弁してください、、」と、、言われては虎次郎も頼めるものではなかった。
「しかし、虎次郎さん、、私のにも出来ることはあります、、知られれば消されるかも知れないが、、情報だけは入れますよ、、それで許してください、、」
傍にいた有馬一山も、、「虎次郎、、上杉さんも大きな組織の一員なのだから、無理は言うな、、」と言われて、虎次郎は何も言えなかった。
「分かりました、、上杉さん、無理なお願いですいませんでした、、俺が間違ってたよ、、」と、、上杉健次郎に礼をいったのである。
そして、教えてくれた、、、
「虎次郎さん、、組織は本気で今回逮捕された「大島茂」を狙っているから,注意してくださいよ、、ロシアマフィア組織は日本の政治の中枢にも食い込んでいますから、本当に慎重に、、行動してください、、」
と、、情報をいれてくれてことに感謝して、博多事務所を後にした。
虎次郎は腹を決めた、、、これで博多事務所に来ることは無いだろうと、、
相手が国だろうとやくざ組織だろうと、「やってやろうじゃあないか、、」
と、、助けを求めたきた「トラック野郎」を助けることにしたのであった。
「一山、、今日はありがとうな、、あんたもやくざ組織の人間だから、、俺が今からやろうとしていることには、関わらないほうがいい、、」と、、お礼を言うと、、
「馬鹿野郎、、俺は日本人だぞ、、水臭いことを言うな。。」
そして、、「虎次郎、、ここまで来たからには、、お前に付き合うよ、、最後までな、、なんかお前をほっとけない、、虎次郎、、今から俺と兄弟分の付き合いをしよう、、あははは、、、宜しくな。。」
と、、言ってくれた有馬一山に涙したのであった。
16)トラック野郎軍団とロシアマフィア組織の闘い。。。
虎次郎は覚悟を決めた。有馬一山が今日から虎次郎の事務所に寝どまりをすることんしたのであった。
相手はロシアマフィア組織である、油断は出来なかった。
そして、
逮捕されているトラック野郎の大島茂に虎次郎は面会に行き、伝言したのであった。
差し入れされたものは絶対に食べないこと、誰彼のからでも駄目だとした、ロシアマフィア組織は証拠を消したいのである。間違いなく、殺しを企てている筈であった。
まずは差し入れされたものを食べない、そして、他にも注意して行動するように指示をした。
間違いなく、今回の逮捕では起訴はされるのであるから、判決が出るまでの留置所、拘置所の中で、どうして、トラック野郎の大島茂の身を守るかを、虎次郎は考えた。しかし、警察塀の中では方法がなかったのである。
板橋警察署の留置所では、調べたら、虎次郎の昔の遊び仲間のやくざ者が一人掴まって、留置所にいたのであった。
暴れ者で、喧嘩慣れした無法者であったので、虎次郎は面会に行って、大島茂のガードを頼んだ。
虎次郎には命の借りがあったので、引き受けてくれた。
その無法者「若松寅吉」は拘置所に移動され、懲役刑で刑務所に服役する予定でもあったので、しばらくは留置所、拘置所に留置されているので虎次郎の頼みを聞いてくれたのであった。
後は運否天賦である。運が良けりゃ助かるだろうが、、相手は組織だから駄目かも知れない。
虎次郎はやってみようと、駆け込んできたトラック野郎の二人にも言い聞かせた。
「虎次郎さん、仕方がないですよ、、、覚悟はしてますから宜しくお願いします。自分たちの蒔いた種ですから、俺たちも頑張りますよ、、、」と、、納得して、頼み込んだトラック野郎ふたりは虎次郎に任せたのである。
ここまで来たら虎次郎に命を預ける他に道はなかった。
有馬一山も用意するものを準備して、虎次郎に掛けてみたかったのである。
「虎さん、、奴らは、逮捕されて居る男以外の二人も狙って来る筈だ、、」と、、、ロシアマフィア組織のやり方を知っている有馬一山は虎次郎に告げた。
必ず、匿っている二人も始末するだろう、、、だから、襲撃してくると、、、
今までにロシアマフィア組織が生き残って来たわけは、絶対に証拠を残さなかったからであった。
必ず、襲撃してくるから注意しなとと有馬一山は言ったので、
どういうやり方で攻めてくるかを虎次郎は考えた、、、
「虎さん、、銃は、、ライフルは三丁用意してきたよ、、、後は日本刀を振り回して、相手の行き根を止めないとな、、」
という、一山であった。
「ああ、、わかった、命がけでやってやるよ、、俺たちの人生も終わるかも知れない、、一山、すまないな、、付き合わせて、、あんたにはこの世では返せない義理を借りてしまったな、、、本当にすまない、、」
と、、虎次郎は頭を下げて礼を述べ、謝った。
助けを求めた二人のトラック野郎も涙ぐんで謝った、、頼んだ追分の達治も「すまない、、すまない」と言いながら頭を下げたのである。
追分の達治は自分の仲間の為に、命を掛けてくれる虎次郎と一山に言葉では言えないが、、心の中で詫びていたのであった。
虎次郎は弟分の達治の為に、一山は虎次郎の義理の為に命を掛けてくれる、、、
達治は心から、「いい兄貴分を持ったと感謝した、、」そして、今回は達治は仲間の為にと体を張って、命がけでロシアマフィア組織と闘うことに悔いはなかった。
自分の為に命を掛けてくれる大好きな兄貴「虎次郎」と一緒にこの世の中の悪と戦えることに誇りを持って死ねるのであった。
そんな覚悟を見抜いたのか、虎次郎は、、、
「達治、、死ぬなよ、、生き延びることを考えるようにな、、」と、、言ってくれた。
覚悟が決まった虎次郎たち五人は待ったのである。今回はロシアマフィア組織が攻めてくるのを迎え撃つのであった。
絶対にこの倉庫からは外に出ないようにと指示を出した、虎次郎であった。
そして、一回目の襲撃があった。
堪らない、20名ほどの無法者が銃を乱射して、虎次郎の倉庫に突っ込んできたのであるから、、
虎次郎たちは一山が用意してくれたライフル三丁と日本刀五本であった。
それと虎次郎が持っている猟銃三丁での戦いだった
しかし、この戦いを知ったトラック野郎たちが,ありったけの銃を集めて、参加してくれたのであった。
どこで手に入れたのか手榴弾もいくつかあった。
その上、ロシアマフィア組織が攻め込んできた時にダンプ野郎たちが、ヤクザマフィア軍団のなかにダンプで突っ込んでくれたのであった。
それも砂利を満載に積んできてくれて、取り囲んでいるマフィア軍団の中に振りまいてくれた。
このたラック野郎の応援部隊によって、ロシアマフィア組織は退散したのであった。
逃げるロシアマフィア集団から、虎次郎たちは機関銃などの銃を奪った。
今回のロシアマフィア組織の襲撃は、直ちに上杉健太郎の耳に入り、有馬一山に情報がはいった。
「やったね、、凄いよ、、、博多事務所でも噂になっている、、どうしたものかと、、」
虎次郎たちトラック野郎軍団の力は馬鹿に出来ないとの噂であった。
逮捕されたトラック野郎の大島茂にもロシアマフィア組織からの手は廻り、、差し入れは何回もあった。そして、調べてもらったら「独饅頭」であった。
そして、大島茂はロシアマフィア組織の回し者が留置所に入り、、何度も夜中に命を狙われたのであるが、、、虎次郎の悪友の「若松寅吉」に助けられていた。
しかし、守り通した虎次郎たちは一層の警戒を強めた。
何が何でも守り通して、密輸犯罪を潰さないと、虎次郎は思ったのである。
そして、虎次郎は新しい情報を入手した。
二回目の襲撃が近いうちにあるという噂が聞こえてきたので、
トラック野郎軍団が虎次郎の倉庫の周りを囲み、完全装備をしたのであった。
このころには警察も動き始めて、虎次郎の倉庫近くに銃撃戦に備えたのである。
この警察機動隊の出撃でロシアマフィア組織の勢いも止まって、襲撃はなくなった。
そして、今回の銃撃戦がきっかけとなり、、ロシアマフィア組織への取り締まりが強化された。
虎次郎たちトラック野郎軍団の動きが国家警察を動かし、、ロシアマフィア組織への取り締まりが厳しく成り、、博多事務所への強制捜査の手が入ったのであった。
そして、逮捕されているトラック野郎「大島茂」の身の安全が警察によって保障されたのである。
トラック野郎の虎次郎たちの命がけの闘いが、国家権力の警察を動かしたのであった。
今回の銃撃戦が引き金となり、、悪徳な権力者たち、甘い汁を吸っていた悪徳政治家の力も、、陰の暴力者たちも動くことが出来なかった。
そして、ロシアマフィア組織の人間たちが厳しい警察の追及を受けて,検挙されたのであった。
今まで、警察の捜査が入らなかったロシアマフィア組織にいっ気に警察暴力がはいった。。
裏社会の密輸軍団に対して、、日本国家の威信を掛けての闘いが始まった。
トラック野郎軍団が勝利したのであった。虎次郎も一山も命がけの闘いをしたことに、、
救われた。
17)手打ち式
ロシアマフィア組織との抗争のあとに、、有馬一山を通して虎次郎に連絡がはいった。ロシアマフィア組織も今回のトラック野郎軍団との
抗争で警察からの家宅捜査が入り、、逮捕者がでたのであった。
犯罪組織取り締まり法や銃刀法違反での逮捕者がロシアマフィア組織からも幹部社員を含めて多数が逮捕され、かなりの痛手を被った、、、
それで今後の組織としての事業展開の都合で有馬一山を通して、「手打ち式」の申し込みがあった。
その話が出たので、、虎次郎としてはいつまでも抗争状態よりは良かれと思い、、申し込みを受けることにしたのである。
有馬一山の話によると、、ロシアマフィア組織側からは、日本代表上杉健太郎と極東ロシアマフィア組織代表の「ロブコッチ」が出席して、、トラック野郎軍団代表は「網走虎次郎」で、、有馬一山が介添え人として出席することになった。
手打ち式の日時も決まり、虎次郎と一山が出席することで話が進んだのであった。
手打ち式会場はロシアマフィア組織の博多事務所の3階フロアに設けられたのである。
そして、手打ち式当日、ロシアマフィア組織からは上杉健太郎と極東代表の「ロブコッチ」が顔をそろえた、、ロシアマフィア組織側は数人の幹部社員が列席した。
そして、、一同が揃ったところで、上杉健太郎が挨拶を始めた、、、
「それでは、、これから、ロシアマフィア組織とトラック野郎軍団との手打ち式を執り行います、、」
ということでそれらしく、厳かなに始まった。
その時の会場の雰囲気で、虎次郎は何かが変だぞという不安感というか不審な気持ちに襲われたのである。
もしかしたら、、ロシアマフィア組織の罠かも知れないと思った虎次郎であった。
手打ち式もそろそろ終わるかなと思った、、瞬間にロシアマフィア組織の幹部社員が機関銃を撃ちながらなだれ込んできたので、、堪らない、、虎次郎も一山も銃撃されてしまった。。
その時、、上杉健太郎が撃たれる二人の前に立ち塞がったのであった。。
「何をするんだ、、お前らは、、辞めろ、、」と叫んだ、、
そして、上杉健太郎も撃たれた、、、「汚いぞ、、約束が違うぞ、、豚野郎、、」と、叫びながら倒れた、、、
一山も体中に銃弾を浴びて、その場に倒れたのであった。
その修羅場の中から、、虎次郎が立ちあがった、、、ロシアマフィア軍団は驚いて引き下がった、、、
「馬鹿野郎、、、騙したな、、、こんなことだろうとは思っていたが、、ふざけやがって、、糞、、ロシアの外道、、覚悟しやがれ、、」と、、嫌な予感がした虎次郎は隠し持っていた短刀で斬りかかった、、代表の「ロブコッチ」を刺し倒したのであった。
そして、、ロシアマフィア幹部社員から機関銃を奪い、、その場にいたロシアマフィア組織の人間を撃ち殺して、、一階に下りた、、
心配して来てくれたトラック野郎の弟分の達治や、仲間たちが虎次郎を助けたのであった。
有馬一山も上杉健太郎も絶命していた。。。
虎次郎は用心のために「自家製の防弾チョッキ」をつけていたので一命は取り留めての抵抗であった。
虎次郎は引き上げながら考えた、、、自分の命を捨てても、二人への義理は返さないと、、死んでも死にきれない。。
虎次郎は二人の葬儀はトラック野郎軍団で行ったのである、、二人とも身寄りのない極道であったので、、、
そして、虎次郎は二人の墓前に誓った。
18)虎次郎は燃えた、、命尽きるまで、
ロシアマフィア組織との抗争のあと、虎次郎は辛うじて命拾いをした、、、
しかし、長い付き合いの「有馬一山」と何となく気の合った「上杉健太郎」を失った。有馬一山には返し切れない「義理と恩義」があった。虎次郎はこの世では返せない義理をあの世で返すと誓ったのである、、、
一山の墓前で、、、そして、、命がけで虎次郎の味方をした上杉健太郎も死んだ、、虎次郎は決めたのである、、、「上杉さん、、、仇は討つよ、、ロシアマフィアは命に代えても潰すからな。。」と、、
虎次郎は今回の事件で警察から呼ばれていた、、、取り調べで虎次郎の正当防衛は認められたが、、警察としてもロシアマフィアを殲滅したかったのであった。
それで、、ロシアマフィア組織の状況を知りたいので、虎次郎に抗争の時の狙撃時の人間たちを聞いてきたのである、、警察も必死であった。逮捕したロシアマフィアの特殊社員たちは黙秘を使い、、銃撃戦は認めたので、暴力行為での逮捕だけとなった。
そのために虎次郎から「密輸関係」のことを聞きだしたかったのであるが、、、虎次郎も話さなかった。
警察から戻った虎次郎は仇討の準備に取り掛かった。
しかし、ロシアマフィア組織は、、ロシア本国に守られていたのでる。
虎次郎の人脈や情報では太刀打ちで来るものではなかったが、、虎次郎は諦めなかった。
虎次郎は弟分の追分の達治を呼んだ、、、
そして、、「達治、、お前の命を俺にくれ、、一緒について来て欲しい、、、俺には組織もなければ、、力もない、、、だから俺の糞度胸で体当たりしか方法がない、、いいかな、、恩返しはあの世でしか出来ないが、、来てくれるか。。」
「何を言ってるだよ、、兄貴、、俺で良かったらいつでも使ってくれ、、こんな時でしか恩返し出来ないから、、」と、、「いいか、達治、、相手はロシアマフィアだぞ、、多分バックにはロシア本国がついているはずだ、、生きては戻れない、、、それでもやらないとな、あの世で一山に笑われるよ、、、」
と言いながら虎次郎は達治に礼を言った。
襲撃するところはロシア大使館の傍の付属ビルであった。
そして、虎次郎は達治を連れてロシアマフィアの本部ビルに向かったのである、、
虎次郎はわざわざ天気の悪い大雨の日を選んだ、、、
東京の赤坂にあるロシアマフィア本部の前に虎次郎と達治が立ったときに、、3人の男達が近寄ってきた、、、「虎次郎さん、、私たちにも義理を果たさせてください、、、」
と、、言って、細野新次郎、高松道夫と釈放されたばかりの大島茂が待っていたのであった。
19)命尽きるまで、、その2
虎次郎は無茶な計画を立てて、、ロシアマフィア本部を襲撃をしたのであった、、追分の達治とそのトラック野郎たち、細野新次郎、高松道夫、大島茂の5人で捨て身で乗り込んだ。
全員、自分たちの防弾チョッキを纏い、機関銃片手に撃ちまくりながらロシアマフィア本部の中に入った、、、明け方の3時だった、、、
ロシアマフィア側は寝起きを襲われたから堪らない、、、虎次郎たちは5人ひと固まりで乗り込み、2階からは二人ひと組で乱射を始めた、、虎次郎は7階建てのビルの最上階に本部責任者が居ることを確認していたので一気に、その部屋に向かった。
無防備だった明け方なので、ロシアマフィア側は応戦がなかなかできなかったが、、途中から銃撃を開始してきた、、、しかし、戦闘準備の出来ている虎次郎たちのトラック野郎には適わなかった。
7階に乗り込んだ虎次郎は、、、
「覚悟せいや、、死にやがれ、、、一山と上杉さんのお礼参りだ、、くたばれ、、」と、,叫びながらロシアマフィアの責任者、プーチン塩田に機関銃を撃ちこんだ。。
仇は執った、、達治たちに引き上げる指示をしながら7階から降りていった。
虎次郎はロシアマフィア本部の組織の人間を一人残らず射殺したのであった。そして、、「達治、、みんなを連れて逃げろ、、いいな、、こんな奴らの為にみんなで責任を取ることは無い、、早く逃げろ。」
「いいか達治、とらっく野郎軍団は頼んだぞ、、いいな、、みんなありがとうな、、」と、、虎次郎は頭を下げて、、、
「みんな、達治を頼んだぞ、、、早く行け」と、、引き揚げさせた。
「兄貴、、分かった、、行くよ、、任せてくれ、、」と、、4人はその場を離れた。
一人残った虎次郎は警察に連絡をして、ロシアマフィア本部のビルで待った。。「一山、、仇は執ったよ、、上杉さんの恨みも晴らしたぜ、、後はあの世へ行ってから謝るな、、」と、、独り言を呟いて居た。
20)虎次郎、命果てるまで。。。
虎次郎は夜が明ける赤坂の眩しい陽を浴びながら歩いた。
血だらけの機関銃を片手にひとり歩いたのであった、、そして、、青山通りの赤坂警察署の前に立った。
人を殺してきた虎次郎であったが気持ちは清々しかった。
虎次郎が警察署の前に立つと、、警察官が取り囲んだのであった。
虎次郎は持っていた機関銃を投げだして両手を挙げて中へ進んだ、、
「何もしませんよ、、人を殺してきたので逮捕してください、、」と、、言うと数人の刑事らしき男たちが虎次郎を抑えた。
そして、顔見知りの刑事が虎次郎の前に出て、、話をした。
「虎次郎、、、お前か、、やったのか、、兎に角、中に入れ、、」と言って、手錠も掛けずに警察署内に入れてくれた。
「まずは、留置所に入って、少し休め、、寝てないんだろう、、取り調べは後からでいい、、、虎次郎、顔中血だらけだ、、顔を洗ってな、、」
そして、、朝飯を食べてからということで留置所に案内された。
虎次郎は増川警部補に感謝した、、、この人には以前からロシアマフィア組織とのいざこざを知っていたので、、今回は全てを話すつもりで、出頭して来たのであった。
虎次郎は増川警部補の計らいに感謝して、留置所で横に成った。
そして,午前中いっぱい休ませて貰った虎次郎はお昼ご飯を食べてから、取り調べになった。
取り調べは増川警部補が担当してくれた。
虎次郎は取り調べ室に入って、、、「虎次郎、、長い取り調べになるだろうから、、まずはお茶を飲めよ、、」と、薦められた。
「虎次郎、、お前の面会はしばらく出来ないので、、今からお手洗いに連れて行くから、、途中の廊下をよく見てな、、よく見ろよ、、」
と、言ってくれた。
虎次郎の目に飛び込んできた3人の男達が目に涙を浮かべていた、、増川警部補から話はしては駄目と止められていたので、、ただ、じっと見つめていた。
虎次郎には無言の言葉が聞こえた、、虎次郎も答えた「元気だな、、俺の分まで生きてくれ、、」と、、
達治が声を出しそうに成ったが止められた、、「兄貴、ありがとう、、面会が出来るようになっら、:必ず来るよ、、」と、、目で言葉を投げかけた。
そして,わずかな時間だけど別れが出来た、、
虎次郎は増川警部補に感謝しながら、頭を下げたのであった。
取調室に戻った虎次郎は改めて感謝の言葉を言ったのである。。
「良いよ、、俺にはこれぐらいしか出来ないからな、、、」
と、、話を本題に戻した。
「虎次郎、、今回は言っておくぞ、、覚悟をしておけよ、、多分刑は重いと思う、、、死刑か旨くいって無期懲役だ、、ロシア人を20人も殺したのだからな、、」と、、言われても虎次郎は動じなかった。
第二話「特務社員、、、光一郎」献残屋藤吉郎
1)(ボンボン特務社員, 光一郎誕生)
国一平のもとで3年間、訓練を受けた光一郎は何とか特務社員としての合格点を貰った。
国一平特務社員は当初はボンボンで、ダメだと思っていたが、時間が経つにつれて、捜査員としての器量を現し始めたのであった。
そして、3年間、国一平の特訓を受けて、知恵も、、、格闘技も一流になり、射撃の腕前も上達した。
そして、ボンボンなりに、親を利用して事務所を構えた。
名称も「ボンボン特務事務所」と。。。。
身辺警護から、探偵業務までとして、結婚したばかりの妻、あのじゃじゃ馬こと美鈴が相棒として始まった。
国一平は二人のコンビは良いと思っていた。
何かあれば手伝うこととしての出発だった。
2)(七光りな身辺警護、、、初めは仕方がないか、、、)
ボンボン光一の事務所は開いたが、初めから仕事依頼は来なかった。そんな美味い話はないものだ。
ボンボン光一の父親がお情けで、仕事を回してくれた。
港湾の事業の貸倉庫の管理だった。
芝浦桟橋の三川商船の倉庫の番人だった。最近、倉庫内に保管してある重機機械の小型が盗難に遭っていたのであった。
警備保障としては一番優しい、倉庫番がいいのではと三川汽船の社長の温情であった。
ボンボン光一が考えたいたほど、簡単ではなかった。何せ、倉庫が広くて、デカいので、
そして、エアコンもないので、夏ではなくても暑くて堪らなかった。
ボンボン光一は始めたばかりなので、社員一人と二人での番人だったので、きつい仕事だった。
自分で選んだ仕事だから、辛抱するしかなかった。
初めから身辺警護のような、ガードマン的なスマートな仕事ではなかったのである
三川汽船の荷物は重機ばかりではなく、多種多様な荷物が入って、それが同じ倉庫内に積まれるので、管理は思ったほど、単純ではなかった。
三川汽船から言われたことがあった。
入荷する荷物には注意するようにと。。。。時には違反物も入ってくるので、、、と。
3)(新米特務社員のガードマン情話)
ボンボン特務社員は光一と、新入社員とじゃじゃ馬の美鈴の3人での出発だった。
親の七光りで委託された倉庫番が最初の仕事だった。
倉庫内は広く、暑くて、やりきれなかった。しかし、新妻のじゃじゃ馬が元気だったので、光一は救われた。
最初の1年は何事も無く、倉庫番を熟した。
2年目に事故が起きた。
倉庫番を軽く見ており、番人も、簡単と鷹を括っていた。
しかし、世の中には悪人はいるものだ。
管理する荷物と中身を確認をしていなかったので、
棚卸の時に不祥事が発覚したのであった。
いつの間にか、中身を抜かれていた。
簡単と思っていた倉庫番でミスをしたのであった。
それからは倉庫内に搬入する品物の確認を必ずするようにした。初歩の間違いが、恥ずかしかった。
倉庫番も3年が過ぎて、一人前になり、
身辺警護の仕事がやっと廻って来た。
前職の国一平が紹介をしてくれたのであった。
ボンボン警護の光一は張り切った。
4)(ボンボン警護の初仕事)
ボンボン警護に紹介された身辺警護の仕事は、有名女優の警護だった。最近脅迫状が届き、身の危険を感じたプロダクション事務所が自宅からの送り向かい、仕事場での警護であった。
我儘な女優だったので、国一平から助言があった。
この我儘な女優の身辺警護が出来たら、大概のガードマンは出きるから、頑張れと。。。
やってみて分かった事は、、、まず。時間がルーズであった、予定通りに行動をしないのである。
その癖、予定通りに仕事の時間が間に合わないと怒る、、、怒鳴ると。。。
とにかく、破天荒な我儘な、半分気違いのようだった。
仕事場での時間がずれて、待ち合わせが長くなった時に、自分勝手に買い物に出かけけて、暴漢に襲われたことがあった。
ボンボン光一の機転が利いてたので、先回りして暴漢からも守ることが出来た。
また、ある時にはじゃじゃ馬が相棒の時だった。
買い物で勝手に動き回り、じゃじゃ馬が女を見失った時があり、
その時、じゃじゃ馬の美鈴は呆れて,探さなかったのであった。
偶然に、戻って来て、、、じゃじゃ馬に、、、
「どうして、、、私を探してガードしなかったの。。」と言うので、、、
じゃじゃ馬は「ふざけるなよ、、、たかが女優の分際で、、
ふらふら歩きやがって、、、」
と言い返したやった。
それからその女優は身辺警護を頼んで来なかった。
ボンボンの初仕事、、、身辺警護は失敗だった。
5)(ボンボン警護と捕り物控え)
国一平から紹介された身辺警護は失敗に終わった、ボンボン光一の相棒でもあり、新妻のじゃじゃ馬美鈴の短気で、ガードマンの仕事がダメになった。
そこで国一平が、自分たちの身辺警護会社の社員一人を執行させることにした。国一平の愛弟子ともいうべき、合図公平をボンボン警護に。。。
「光一社長、、よろしくお願いします」と、出向いてきた。
「公平さん、お願いします、、、助かります。」と、、、
そして、公平が一つの仕事を持って来てくれた。
仕事は大手企業の社長の身辺警護で、
双葉企業開発株式会社といって、最近伸びてきた、IT企業であった。
株式会社の株式売買での取引で問題を起こしていた。早い話が「会社乗っ取り」である、、、その取引に広域暴力団「関西聯合睦会」が絡んできたのであった。
合法的な株式売買取引であったが、無理難題を押し付けてきた。
そして、脅迫状が送られて来たのであった。
今回の株式売買取引が合法的であっても、暴力と言う圧力をかけてきた、さらに政治的圧力を、、、
双葉喫行開発は若手企業もあって、経験も浅かったので、先方の悪行に、暴力に、金力に、政治的な圧力に煽られ気味になった。
そして、将来において商売が出来ない状態に追い込まれるような気がしたのであった。
更に、双葉企業開発の青木雄三社長が暴漢に襲われたのであるが、その時はボンボン警護の光一と公平がガードをして、無事だった。
しかし、度重なる襲撃に対して、青木社長は恐れを覚えてきた。
それでも今回の企業買収を止めなかったらとの脅迫状が届いた。「家族の危険を知らせてきたのであった」
青木社長はボンボン警護だけのガードだけでは心配になり、警察に届けた。
しかし、関西聯合睦会の脅迫は止まらなかった。
警察は動いたが、関西聯合睦会は脅迫をして来て、末端のやくざ連中が逮捕されただけだった。
青木社長が暴漢に襲われたのは反ぐれ連中とのトラブルでの襲撃とされ、、、元の企業買収の事件とは切り離されてしまった。
そこには捻じ曲げられた警察官僚の圧力もあった。
従って、それからも「嫌がらせ」「横槍」はあった。
日本の経済界では政治力、暴力、警察官僚の歪みなどが絡んで、警察に頼んだから、治まるということは無かった。
ボンボン警護の光一は、、、
「青木社長、、、徹底的に戦うか、全面的に折れるかですよ」
「覚悟を決めてくれれば、、、ボンボン警護はやり遂げますから。」
と、ボンボン警護の光一は告げた。
6)(ボンボン警護の覚悟は、、、)
双葉企業開発の青木社長も若かった。青年の木の一人として、未知の世界との遭遇もしてみようと思った。
人生は一度きりだ、、、異次元世界のやくざに屈することは嫌だった。
ボンボン警護の光一社長の熱意に賛同して、世の悪に対抗してみたくなり、
やくざ世界がどんな悪辣非道かを覗いて見たくもなったのである。
「わかりました、、、青木社長が覚悟をしてくれたなら、とことんやります、、、そして、青木社長の身辺は警護します」
「どうか、よろしくお願いします、、、私が出来ることは全てやりますから、、、」
今回の「関西聯合睦会」も本腰を入れて,株式売買の取り決めの邪魔をしてくる筈であり、やくざとの抗争であるから、命がけであった。
やくざが無理難題を仕掛けてくる時は、やくざを前面に押して来るので、関西聯合睦会は人殺しも覚悟で攻めて来る筈だった。
知恵戦争で叶わない時は、「暴力」そのもで襲ってくるのであった。
青木社長は独身だったので、暴漢からは守りやすかった。
手を挙げての戦争だったので、、、
青木社長の身柄を守った、、、二人で交代で泊まり込みでガードをした。
関西聯合睦会は毎日、手を変え品を変え、嫌がらせと、襲撃を繰返した来た。
ボンボン警護の光一は告げた、、、、「同じことの繰り返しで、相手はやってきますから、、、辛抱してください」
そんなある日、関西聯合睦会の若い衆が襲って来た。ゴルフ場からの帰り路だった。田舎の山道なので銃撃して来た。
光一たちは相手にすることなく、逃げ切った。
しかし、根を上げない青木社長に恐怖を与えた。
深夜、自宅に暴漢が襲ってきた、、、10人程度の銃を持った集団だった。光一と公平も応戦したが苦戦した。
二人は負傷までした、、、その上、青木社長の自宅が炎上してしまったのであった。
そして、関西聯合睦会はその晩に襲撃人数を増やして、青木社長を連れ去ってしまった。
この襲撃には光一も公平も参った。
その話を聞いた、国一平特務社員が乗り出した。
そして、秘密裏のうちに、国一平特務社員が後始末をしてくれた。
翌日の新聞にやくざ同士の仲間割れで、銃撃戦があり、やくざ多数が死亡したと、、、、
7)(闘争の最後は、、つゆと消えてもらう)
国一平特務社員の考えは一つだけである。世の中の悪者は邪魔なだけだと、、出来ることなら消えて貰う。
怖い恐ろしい思想の持主であった。人を困らしたり、悪事をしたり、人を殺したりする人間はいらないという。
何で、悪人が世の中を闊歩して歩いているのかと、常に思っていた。
だからと言って、聖人君子ばかりでは面白くない。
悪人がいる、、、その悪人を退治するということが善人である人間の役目なのだ。
この世のなか、悪人がいて,善人がいるのである。
本当に面白い、、、悪人がいるから、その悪人を捕まえる警察がある。初めから、決められているようだ。。。
悪事が起こらないように、身辺警護をしたり、泥棒が入らないように戸締りをしたり、、、人には守ることが義務のようなのだ、、、
今回もやくざから狙われて、最終的にはそれらを撃破して守る、、、、
人はやられっぱなしではない、、、侵略されればやり返す、、、そんな本能的な知恵があり、行動を執るのだ。
本質的には闘争本能が備わっている。。。
ボンボンガードの光一も、持っていたのである。闘争本能を、、、
この世のなか、やくざがどうのこうの言う前に、人にはそれぞれが持っているのだった。
最終的には守るためには「人殺し」は出来る筈であり、
誰にでも殺人行動を起すことが出来る。
8)(人は誰でも己を守ることが出来る)
ボンボン警護の光一も思っていた。自負していたのであった。その覚悟が、心構えがあったからこそ、どんな困難にも、暴力的な行為にも対応して、身辺警護と言う危険な仕事にも立ち向かっていたのであった。
しかし、そうではなかった。
大物政治家と言われ、人格的にも人より優れたと言われた、
民友党幹事長の坂上藤十郎が暴漢に襲われた。地方選挙の応援会場でのことだった。
その時、ボンボン警護の光一も、国一平特務社員に頼まれて、応援の警護に当たっていた。
ボンボン警護の光一は民友党幹事長の坂上藤十郎のすぐ後方をガードしていた。
そして、暴漢が襲ってきた、3人がかりであり、拳銃と日本刀での決死の襲撃であった。
ボンボン警護の光一は立ち向かった。光一も以前よりは頑強になり、咄嗟に幹事長坂上藤十郎に蔽い重なり、身を挺してガードした。
すぐに国一平特務社員たちが、数人駆け寄り、暴漢を取り押さえた、
しかし、ボンボン光一は暴漢の発した拳銃に撃たれた。
幸いに腕だったので、命拾いしたのであったが、、、、
後が悪かった。数日後、ボンボン警護の光一が入院していた病院が襲われた。
逆恨みの仕返しであった、、、光一は病院入院中だったので、瀕死の重傷を負った。
この時ばかりは、気丈夫な妻、じゃじゃ馬も病院で泣いた。
余りにもひどい負傷なので、、、、3人の暴漢に、手足を折られ、左腕を失った。
ボンボン光一は元気になってから、本当に怖いと思った。
やくざは殺すと言ったら、やるんだなと、、、自分の体の痛みを覚えた。
妻のじゃじゃ馬の美鈴は、、、
「命が有ったので、良かったよ、、、本当によかった、、、」
「ボン、、、やめよう、、ガードマンの仕事はやめよう。。
片腕、 片眼の光一でもいいよ。。。」と縋った。
じゃじゃ馬の目に涙が光った。
しかし、光一は腹の中で思っていた.
。。。いや、勘弁ならねー、、必ず仕返しはしてやると。。。
退院してから、光一はしばらく旅に出た。
9)(1年後、光一は帰って来た、じゃじゃ馬の美鈴のもとに)
ボンボン警護の光一は負傷してから、1年経った、ある日、じゃじゃ馬美鈴のもとに帰った来た。
左目には黒の皮の眼帯をして、無くした片腕は義手を付けたいた。
「じゃじゃ、、、やっと、帰って来たよ、、、待っててくれてありがとう、、、」
「お帰り、、、良かった、、、元気そうで.片眼のボンさん」
駆け寄ってきたじゃじゃ馬美鈴を抱きとめた。
「おう、、公平に、、新米ガードマン、心配かけてっ済まなかったな」
「今日から俺も、ボンボン警護に復帰するぞ、、、よろしくな」
ボンボン警護の事務所では光一が戻ったので、元気な声が響き渡っていた。
ところで、ボンボン光一を襲った関西連合睦会では、、、
幹部連中が集まって、恐ろしい相談をしていた。最後まで止めを刺せなかったのは失敗だった。
青木幹部参与はボンボン警護の光一には何度か邪魔をされて、襲撃を阻止されていたので、、、
「いいか、、、やくざの面子にかけても、ボンボン光一は獲るぞ、、、、奴の行動を見張れよ」
と、、、やくざ幹部会から指令が出ていた。
そんな状況を知らない光一は、単独行動を執った。
ボンボン光一は関西連合睦会への復讐心に燃えていたので。。。
しかし、関西連合睦会の動きを察した、国一平特務社員から注意が入った。
ボンボン光一を一人では行動させるなと、、、
そして、見えず悟られず、じゃじゃ馬美鈴が光一に張り付いていた。
10)(ボンボン光一は一人で探しまわった)
光一の頭の中には復讐心しかなかった。自分をここまで襲い,片輪にしてくれた恨みは強かった。
国一平特務社員が話しても、、、妻のじゃじゃ馬の美鈴が頼んでも、光一の復讐心は薄れることは無かった。
しかし、相手の関西連合睦会も光一を、今のままでは納得いかなかった。名前の通ったやくざが、、、広域暴力団が素人のガードマン風情に中途半端に許したのでは示しが付かなかったのであった。
いずれは二つのいがみ合いはぶつかると思い、、、国一平特務社員は特別に注意をしていた。
妻のじゃじゃ馬美鈴も四六時中、張り付き気を配っていた。
横浜連合睦会も事務所を変えていたので、光一にもなかなか見つからなかった。
関西連合睦会が光一の行動を察して、尾行を始め、機会を狙っていたのである。
そして、ある夕方、ボンボン警護の事務所の入り口で、光一は襲われた。
横浜連合睦会は付け狙い、用意周到に5人のやくざ者で襲撃してきた。光一は普通ならやられている筈だったが、彼もまた準備をしていた。
襲ってきた3人を、義手に仕込まれていた拳銃で撃ち殺し、残りの二人を右手の訓練した拳銃で銃殺した。
あくまでも正当防衛を狙っての狙撃であった。
この状況を知った関西連合睦会は光一を銃撃したことで、暫く体制を引いた。
関西連合睦会はこの銃撃襲撃で捜査がはいり、首謀者の逮捕者が出たのであった。
ボンボン光一の復讐心は少しは治まった。
11)(ボンボン警護は片目のボンと異名を取り、恐れられた)
関西連合睦会のやくざ連中も今回の光一の襲撃で、警察の逮捕者も出たので、仕方なく一段落した。
ボンボン光一の事務所は妻のじゃじゃ馬美鈴と新米社員源氏守と3人での業務再開であった。
忙しい時に公平が手伝ってくれていた。
今回の関西聯合睦会との抗争で、ボンボン警護は信用がついて、ガードの仕事が増えた。
今回は町工場の「住田工業」と言う会社からの依頼で、地元の反ぐれ暁からの手形取立の件での相談だった。
業者仲間の振り出した約束手形の裏書き保証の取り立てであった。不渡りになったので、全額支払って欲しいとの申し入れがあり、
住田工業の住田社長はが確認したら、事実であった。
取り立てに来た反ぐれ暁の人と話し合いをして、期日を決めて、支払う約束をしたのであったが、、、
その間の担保を出せと言ってきたので困った、、、そこで、ボンボン警護の光一に連絡が入った。
そして、光一の父親と住田社長は仕事での付き合いがあったので、助けを求めて来たのであった。
連絡を受けた光一は住田工業へ向かい、
そして、待たせてあった反ぐれ暁の人間と会った。
片目の光一が入ってきて、挨拶をしたので、驚いて話が控えめになった。
「杉下と申します、、本日は手形保証している、住田工業さんにお支払いの件で伺いましたので、、、」
「わかりました、代理の三川光一郎と言います。。申し訳ありませんが、再度お話を聞かせてください。」
と、ボンボン警護の光一は説明を求め、
そして、事情を聞いて理解した。
「ところで、不渡りを出した会社は、現在、仕事はしていますか、、、それともしていませんか」
と言う質問に、、、
反ぐれ杉下と言う人間が答えた。
「まだ、営業しています」と、、、
「そうですか、、、それでは、その債権回収の件は、振り出し人と話合いをしてからにしてくれませんか。。。
倒産して、全て、回収不能になってから、当社との話し合いになりますので、、、」
と言うことで話し合いがついた。
まずは法律的な解決をしたのであった。
裏書き保証した会社が完全に倒産して、支払い不能になってからの話をすればいいのであった。
「住田社長、、、調べて、保証した会社との話合い、準備をしておきましょう。。。」
と、ボンボン警護の光一は話をしたのであった。
12)(取り立ての話が飛んだ方向に、、、)
東京都墨田区内の反ぐれ暁からの取り立ては、ボンボン警護の仲介で話が付いた。不渡りを出した住田工業が一回目だったので、買戻しをすることで決着がついたのであった。
そのことよりも、反ぐれ暁の上部団体の関東連合紅葉会の因縁があったのである。
関東連合紅葉会の若頭青葉幸太郎が以前起こした殺人事件の裁判の証人をすることになっていたが、、、今回の手形の件で債権は無しにするということの要求がされたいたのであったので、ボンボン警護の仲介で債権は無くなった。
そのために、今度は脅迫が始まった。
暴力団が牙を向いて、嫌がらせ、脅迫を迫って来たのである。
住田社長は警察に保護を頼んだが、四六時中ガードはしてくれなかった。裁判で証人をするならと言うことで、家族の脅しまで始まった。
住田社長の証人が無いと、殺人罪として立証出来なかったので、関東連合紅葉会としても必死であった。
警察がガードしてくれないならと、、、ボンボン警護に再びガードを依頼したのであった。
「三川社長、、、ガードをしていただけますか。。。」
過去のガード実績をしていたので、家族の警護を依頼した。
関東連合紅葉会では、、、
「ガードをボンボン警護に依頼したようだ、、、、厄介だな」
「どうせなら、、、邪魔だから、、、一緒に潰してしまうか。。」と言うことになった。
関東連合紅葉会では再度、確認してからと言うことになった。
反ぐれ暁の杉下幹部が確認して来た。
「住田社長、、、どうしても,裁判には出ますか、、、証人は引き下がりませんか。。」
と言うことで、、、、
住田社長は「裁判には出ます、、、」と言って
覚悟を決めて返事をしたのであった。
ボンボン警護の光一も腹を括って、ガードすることにした。
当然、警察にも連絡をして上でのことであった。
13)(住田社長、、、裁判に出頭)
今回の裁判証人問題では、、住田社長は警察と、、、ボンボン警護にガードされて、裁判に出席することにした。
それによって、関東連合紅葉会は最後の手段に出て来た。
裁判で証人されれば、、、間違いなく刑が確定する。
そして、事によれば死刑もありうるのであった。
そのために、関東連合紅葉会は必至であった。
関東連合紅葉会の若頭青葉幸太郎が有罪か無罪かなので、命がけであった。
関東連合紅葉会では命知らずのやくざ者が、、、名を上げようとする馬鹿がいるので、、、ボンボン警護は用心していた。裁判が近くなってからはボンボン警護の光一が泊まり込みで警護していた。
警察関係も夜通し警護していた。
しかし、夜中に決死の暴漢が襲ってきた。
黒覆面で5人が住田社長宅を襲った。
ボンボン警護の光一はガードしていたが、一瞬のスキをついて、住田社長は襲われた。
銃撃されたので、住田社長は即死状態であった。
襲った暴漢は逃げて、犯人は分からなかった。
裁判は中止になり、、、事件は起きたが、暴漢が分からず、、、警察も犯人を特定出来なかった。
誰が見ても、聞いても。。。関東連合紅葉会には違いないのだが、、、そうだとは断定出来なかったのだった。
このことがニュースで流れ、、、ますます、やくざに関しては恐ろしくなり、見て見ぬふりをするようになった。
14)(ボンボン警護の光一は自分の不甲斐なさに、涙した)
住田社長の時は不覚を取った、、、トイレに行ってる、隙に乗り込まれたのであった。何とも甘かった、、、
自分では警護に自信があった上に、家の中なので,ちょっと安心したようだ。。。一人の守るべき人間を守れずに失ったことが悔しかった。攻めるよりも守ることの難しさを痛感した。取り返しのつかないことなので、、、
ボンボン警護の光一は家族に、深く陳謝した、、、謝って,済むことではなかった、、、、
住田社長の無念を晴らさずにはおけなかった。なんとしても、襲ってきた暴漢を見つけ、その暴漢が今回の判決の犯人と繋がっていることを証明しないと。。。
ボンボン警護の光一は決めた、、、、何が何でも見つけて証明すると。。。
そうしないと、いけないんだと、、、無念を晴らせないと。。いい聞かせた。
そして、ボンボン警護の光一は関東連合紅葉会に張り付いた。暴漢の一人は声に聞き覚えがあったので、、、その声を頼りに、来る日も来る日も。関東連合紅葉会の一人一人に当っていった。
時間はかかったが、、、やくざ同士で自慢する話が聞けた。それを頼りに、襲った暴漢を探していった。
やっと、ひとりを見つけ、締め上げた。
暴行であり、暴力での締め上げで、吐かせた。
5人を締め上げ、証文を取った、、、、そして、警察に証拠固めをして貰い、、逮捕に漕ぎつけた。
15)(ボンボン警護、暴漢5人を逮捕して、関連付ける)
ボンボン警護の光一は無気になっていた。自分が警護していたにも関わらず、警護者を殺されてしまったことに、悔いを残したのであった。
何が何でも、暴漢者を探して、判決を待っている関東連合紅葉会の若頭青葉幸太郎を有罪にするためには必要なことだった。
ボンボン警護の光一はその暴漢者を一人だけ分かっていたので、あらゆる情報を駆使して、探し出した。
そして、確保して、監禁したのであった。
何が何でも残りの暴漢を吐かせようと考えていた、違法行為は仕方がない、、、拷問に伏して、白状させようと行動を起していた。
光一も自分が、拷問にかけて、手を緩めなかったので、びっくりした。
最終的には残酷な拷問を遣って退け、のこる4人の住所探し出した。
そして、警察の力を借りて、全員を逮捕した。
16)(ボンボン警護も裏社会に名が通った)
ボンボン警護の光一は今回は徹底して最後の始末まで済ませた。
自分が受けた警護の仕事で、依頼人を死に至らしたことに責任を感じていた。
その結果、命を懸けて仕返しをしようとしたのであった。
依頼人を殺した犯人を見つけ、最終的には裁判の被告人青葉幸太郎を有罪にするまではと踏ん張ったのであった。
ボンボン警護の光一も一流になって来た、
ボンボン警護の光一は警護の仕事を始めて、最初から最後までを締め括ったのであった。
責任を果たしたような気がした。
金持ちの道楽息子に生まれて、初めて、片手、片目を失って、男としての仕事をしたような気がした、
これからは後ろ指刺されずに,警護の仕事が出来るような気がして来たのである。
やっと、人を警護すること、守ることが分かってきた、光一であり、
恋女房のじゃじゃ馬と一緒に、これからも命がけの警護をしていこうと思うのであった。
17)ボンボン警護の新たな出発。。。
ボンボン警護の光一は今回の隅田工業の警護で学んだことが多かった。
狙われた依頼人の身辺警護ほど難しいものはなかったのである。昔からいわれれる様に、、狙うよりも狙われるほうがたやすく狙えるという「剣客」の果し合いのようなものだということを。。。
守ることの困難さを知ったのである。
これからの身辺警護は慎重に、きめ細かく計画的にやらなければということを,体で学んだのであった。
責めるよりも守ることの難しさを知った。
昔の剣豪が戦う時に「守ることの難しさを説いているように」身を守ることの難しを言っているのであった。
責めるのは自分の都合で責められるが守ることは常に守りであり、、気が抜けないのである。
責めることと守ることでは「己の神経」の使い方がまるで違う、、、
その辺の武道の心得を修行しての旅でもあった、、、ボンボン光一であったのである。
心構えが違ってきたボンボン光一は、身辺警護に対応する時の気構えが変わってきた。。。
その気構えは警護される人にも伝わっていったようで、、、
その姿勢は警護を依頼する人々からも信頼され、、、仕事が増えていった。
ボンボン光一は片腕片目になってから、、人格的にも成長して人からも頼られる警護員になってきた。。。
国一平からも「特務員」になったようだと、、、云われるようになった。
18)ボンボン光一に特務員仕事が国一平から依頼された。
国一平から連絡が入り、、、ボンボン光一は国一平の事務所に向かった。
「光一、、、国会議員の有田由紀の警護の仕事が依頼されたので、お前、やってみないか」
と、、、身辺警護を頼まれた。
彼女は坂上藤十郎、民友党幹事長の息子の嫁さんで、将来を嘱望されている国会議員なのだが政界に敵が多かった。。。
しかし、坂上藤十郎幹事長は息子より、有田由紀を買っているのである。。。何かと重宝がり、有用しているのだった。
彼女は行動力が旺盛で、決断力があって、男勝りなのである。
坂上幹事長は常日頃から「息子藤吾と嫁の由紀が逆であれば」よかったと、、、
そんなことで、有田由紀議員もその地位を利用して、政治に辣腕を発揮していた。
内心思っていた。
民友党初の女幹事長になることを夢見て政治一身に働いていた。
そのような話を聞かされたボンボン光一は今回の身辺警護には興味を持った。
やり手、女政治家かとも思い会える日を楽しみにしていた。
そして、国一平に連れられて、有田由紀議員の事務所を訪ねて、
ボンボン光一は思っていた人物像とは違っていたので好感が持てた。
気取った、気位の高い,いやな女を想像していたので思惑が外れたのである。。
国一平と有田由紀議員の事務所に入って、、
挨拶をされた。。。「はじめまして、、有田です、国さんから聞いていますので、、宜しくお願いします」と、、、丁寧に静かに頭を下げてきた。
「初めまして、ボンボン警護の光一と申します、、、宜しくお願いします」
と、、、ごく普通の挨拶をした。
ボンボン光一から見ると、、やり手の国会議員には見えなかった、、、
やさしいお姉さんにしか見えなかったので、、、光一は有田由紀議員をしみじみ見つめてしまった。
有田議員が不思議そうに、、「あら、、私の顔に何かついているかしら、、」
と、、尋ねられたのであった。
有田議員との面接は合格して、、決められた日に身辺警護のために行くことになり、
最初は外出する際の警護であった。
ボンボン警護の光一は有田議員の予定表を貰い、、、緊急の場合は有田議員から連絡が来ることになった。
19)有田議員の警護について、、、
ボンボン警護の光一は今回の有田議員の警護に当たって、妻の相棒でもある「じゃじゃ馬の美鈴」と一緒に警護することにしたのであった。そして、、、訪問した最初の朝に妻、美鈴を紹介した。
「おはようございます、、先生、、、一緒に警護に当たる妻の美鈴ですので、よろしくお願いします。。」
美鈴も丁寧に挨拶をしたのであった。
「おはようございます、、、有田です、、宜しくね、、、光一さん、素敵な奥さんですこと、、、」
送迎の車の運転は妻美鈴「じゃじゃ馬」がすることになり、、、ボンボン光一は警護に専念することにしたのであった。
「先生、、相棒の妻美鈴はあだ名はじゃじゃ馬と云うですよ、、、顔に似合わずに男勝りの猛者なので安心してください」
と、、冗談交じりの紹介もしておいたのである。
「そうですか、、、頼もしいですね、、、これから、長くお付き合い出来るように頼みますよ、、、」
快く受け流してくれた。
最初の目的地である、、民友党会館に着いたので、、、有田議員が1時間ぐらい待つようにと言ってくれた。
その間は民友党会館の駐車場で待つことになったのである。
そして、ボンボン光一は会社事務所と連絡を取っていた。
久し振りのじゃじゃ馬美鈴との仕事であり、、一緒に行動出来ることが光一には嬉しかった。
本当にいろいろあって、ボンボン光一は妻美鈴を何処へも連れてい行ってないので、すまないと思ったいる。
事件が多すぎたし、、、怪我もしての入院もあった上に、心の癒しと称して旅に出たりして、本当に優しくしていなかった。
ボンボン光一には出来すぎた妻であり相棒であったのである。
これからは時間を作って大事にしていきたい、、、心から感謝している妻であった。
時間も経ち、約束の時間が来たので有田議員を民友党会館の玄関に向かいに行き、待っていた。。
有田議員が玄関から出て来て、車に乗ろうとした時に、、一人の暴漢が襲って来た。
ボンボン光一が車のドアのところにいたので、良かったのであった。
また、暴漢も日本刀を振り翳して来たがボンボン光一にガードされてしまった。。
すぐに民友党会館の玄関でガードしていた警備員に取り押さえられたので、、事なきを得た。
ボンボン光一は有田議員を乗せて、車のドアを閉めて、じゃじゃ馬に走らせた。
ボンボン光一は安全を確認してから車に追いつき乗車して、じゃじゃ馬美鈴に云ったのである。。
「大丈夫だ、、、いいよ、、走って」と、、、
「先生、大丈夫ですか、、、怪我はありませんか」と、、安全を確認した。
有田議員は、、「大丈夫だよ、、、ありがとう、、、あなたは怪我しなかった、、、」と、、心配してくれた。
「先生、、、次の予定はどうしますか。。」と、、ボンボン光一は聞いた。
「なんか、ケチが付いたようだから、、、今日は中止しましょう、、、家に戻つてください」と、、、言うことになり
自宅のある田園調布に戻った。
「あなたも、今日は休んでください、疲れたでしょうから」
と、、、言うことになり本日の警護の業務は終わった。
20)この世は「出る釘は打たれる」の例えの人生だ。
ボンボン光一の警護の初日に暴漢に襲われた有田銀員はショックだった。。何事もなくボンボン光一が無難に対応してくれたのであった。
次の朝、田園調布の自宅に迎えに行ったが、光一から見ると元気がなかかった。
ボンボン光一の相棒である「じゃや馬の美鈴」が心配して、、、
「先生、、、おはようございます、、嫌いでなかったらボンボン警護の特性の朝のコーヒーはいかがですか、、」と、薦めたのである。
有田議員は「ありがとう、、、私、コーヒーが大好きなので、喜んでいただくわ。」と、、、美味しそうに飲んでくれた。
光一は心の中で「じゃじゃ馬美鈴」に感謝したのであった。
「今朝は、、警視庁本庁へ行ってください、、昨日の事情聴取があるにで、お願いしますね、、」と言われて、、、
桜田門の警視庁へ向かった
事情聴取はボンボン光一も行われた。
犯人のことは詳しくは分からないけど、、、警察の話だと自由党政治に不満を持つ者の行為らしいと、、言われた。
一通りの調べが終わってから、^自由党会館の本部に行き、、、坂上藤十郎幹事長に報告をしたのだった。
「昨日は大変だったね、、、政治家をやって、有望視されると、これからもますます狙われるからな、、、気をつけてよ、、、」
と、、念を押されたのである。。
「しかし、あんたの頼んだ警護はなかなかいいな、、、安心したよ」
そのあとは他愛もない世間話をして、自由党会館を後にした。
「光一さん、、、奥さんの美鈴さんも一緒にお昼をしましょう、、昨日のお礼と言ってはなんだけどね。。」
有田議員の馴染みのステーキ屋に連れて行つたくれた。
光一も美鈴も時間が取れなくて、ゆっくり食事をしていなかったような気がしたので、
久しぶりに美味しい食事が出来たので二人は嬉しかった、、、そして、時間を作ってくれた有田議員に感謝した。
「光一さん、、、奥さんと二人で買い物をしたいのですが良いですか。。。」と、、光一を待たせて銀座を散歩した。。
1時間ぐらい光一は馴染みの喫茶店でお茶を飲みながら待った。
帰ってきたじゃじゃ馬美鈴がにこにこしていた。
「光一、、、有田議員に買って貰ったの、、、」といって、、スカーフを見せてくれたのである。。
「ねえーー美鈴さん、、これからは警護の仕事だけじゃあなく、、、お友達としても付き合ってくださいね」と、、二人の会話は弾み、ボンボン光一から見てもいい感じに映っていた。
朝の有田議員とは打って変わって、いつもの明るい議員になっていた。
20)有田議員視察の幼稚園で、、
いつものように有田議員を迎えに行き、、ボンボン警護の光一とじゃじゃ馬美鈴は車に有田議員を乗せて、今日の目的地である「台東区立幼稚園」に向かった。
少子化対策の一環としての教育指導での保育士の指導振りの見学と父兄の意見交換会を兼ねての視察である、、、
朝の一時間が終わる頃だった。。。。「きやぁーー」という叫び声で、
一人の暴漢が飛び込んで来た。
手には日本刀を振りかざして、、何かを叫びながらながら、、、何を怒鳴っているのか聞き取れなかった。
しかし、、、同時に暴漢の前にはボンボン警護の光一が立ち肌かっていた。
暴漢は「どけ、、どかないと殺すぞーー」と叫んでいた、、、
ボンボン警護の光一は両手を広げた、暴漢の行く手を遮っていたので,暴漢が日本刀を突き出したので、
光一は避けたかったけれど、、光一の後ろには逃げ遅れた子供がた。そのために、敢えて光一は逃げずに暴漢の刀に刺さたのであった。
ボンボン光一は刺されたままに刀を抜かずに、暴漢を抑えた、、、
そのために暴漢は動けずに、ボンボン光一に抑えつけら、
後から飛んできたじゃじゃ馬美鈴に暴漢は投げ飛ばされて、御用となった。。。
警察官も来ての逮捕劇であった。
じゃじゃ馬が光一を心配したが、幼稚園の救護室で応急手当をしたので、、、
そのあとで病院へ行った。
ボンボン光一の機転で素早く対処したので大事には至らなかった。
誰も傷つくことなく、怪我をしたのは光一だけだった。
有田議員は光一と美鈴に感謝した、、「ありがとう、、、怪我は大丈夫、、、」と、、気づかってくれた。
幼稚園の保育士さんたちにも参加してた父兄にも感謝された。。。
そして、、、幼稚園児からも、、、「お兄さん、凄いな、、、怪我は大丈夫」と、、言われた時は嬉しかった、、、警護の仕事をしていて、良かったと思った。
21)有田議員、田園調布の自宅で監禁される、、、
有田議員の父親の有田勇三郎(もと民友党幹事長)が起こした脱税汚職での事件で恨みを残していたので、
それは、大日本発電機器(株)の東南アジア支社での脱税疑惑であった。
東南アジアタイでの発電事業に関して、「約3千億の発電施設」を設置した時の工事で、地元住民の労働賃金を膨らませての脱税である、、、
その工事の下請け業者である「東亜開発工業(株)」が、、その脱税贈収賄事件で、結論的には騙されて倒産をしたのであった。
東亜開発工業(株)の現地支社は悲惨だった。
倒産の原因は「脱税」とされ、同社の須永支社長が絡んだ「贈収賄事件」と云うことであったが、、
現地作業場での爆発事故で地元住民作業員が15名亡くなり、地元住民との賠償問題等のトラブルが起きたことであった。
そして、須永支社長が住民たちが起こした暴動で亡くなったことが大きな引き金となった。
有田議員の父親、有田勇三郎が民友党幹事長をしている時に起きた東亜開発工業(株)の脱税収賄事件では約三千億円の不渡りを出して本社も倒産をしたのであった。
親会社の「大日本発電機器(株)」は現地法人である、東亜開発工業(株)を見捨てた。その煽りを受けた東亜開発工業(株)も資金運営が旨く行かずに連鎖倒産を起こしたのであった。
タイの発電現場では爆発事故を起こし、、その損害賠償でも資金悪化が起きての崩壊であった。
東亜開発工業(株)の倒産が起きてから5年が経ち、、世の中から忘れ去られた事故であり、会社倒産であった。
そして、今朝は現在の民友党幹事長、坂上藤十朗が関連している、住藤金属(株)が脱税汚職疑惑で検察庁から特別捜査が入ったというニュースが流れた。
ボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は車の中でそのニュースを聞きながら、、有田議員の自宅に着いた。
じゃじゃや馬美鈴が車を玄関先に止めて、、光一が出迎えに出た。
その時、家の中から、、「きゃあーー」と叫び声が聞こえたのである。。ボンボン光一は玄関のドアを開けて中に走った。
22)有田議員宅に凶悪犯押し居る。。。
叫び声でボンボン光一は有田邸の中に飛び込んだ、、、応接間に入った途端に、、、
「そこで止まれ、、、動くんじゃぁない、、、動くと女の命はないぞ、、」と、、顔を覆面で隠した3人の男たちが有田議員を後ろ手に縛って立っていた。。
ボンボン光一は、、「不味い、、参ったな」と、、内心思いながら立ち止まった。
すぐ後からじゃじゃ馬美鈴も入って来たのであるが、、光一が入り口で合図をしたので止まった。
ボンボン光一は自分に言い聞かせた「落ち着け、、、」と、、、
そして、聞いたのである。
「分かった、、動かないよ、、何もしないから、、、あんたたちはどうして欲しいのか、教えて欲しい、、」
ボンボン光一は侵入した覆面の男たちに聞いたのだった。
「前の幹事長の有田勇三郎をここへ連れて来てくれ、、、話はそれからだ、、」と、、流暢な日本語で言ってきたのである。しかし、、光一も困った。
有田勇三郎は病院に入院中であったので、、「ここにはいない、、」と言って、
有田議員に突き付けた刀を引き下げるように頼んだ。
ボンボン光一も必死に説明をしたのである、、そして、有田議員が有田勇三郎の娘であることを話した、、
「自分が人質になって、有田勇三郎が入院してる病院に案内するから、、」と、まで言って、、有田議員を抑えている男たちから引き離そうとしたのである。。。
ボンボン光一は一時的にも危険範囲から有田議員を守ろうと試みた、、、
黒覆面の男たちの一人が指示を出したのであった。
「あんたも一緒に来てもらうけど、、有田勇三郎の娘も病院まで付いて来い、」と云うことになり。
黒覆面の男たちのリーダー格の男は用心深く、、じゃじゃ馬美鈴も一緒に運転して行くことになった。
ボンボン光一は困った、、、有田議員も光一もじゃじゃ馬も一緒では不味いと思った。
有田議員を一時的には救ったが、、病院での危機が迫ったのである。
世田谷綜合病院に着いた,黒覆面の男たちは車から降りずにぼんぼん光一に指示を出したのであった。
光一は黒覆面の男たちの目的が分からないので手の打ちようがなかった。
もう少し、様子を見るために、男たちの指示に従って、
黒覆面の男たちの一人のリーダーに従って動いていた。
有田議員が人質に残されて、、、光一と覆面の男がサングラスに変えて病院の中に入って行った。
そして,有田勇三郎が車椅子に乗って、光一たちと出て来た
そして、、有田議員や光一達を乗せて車は走り出した。
23)有田議員の箱根別荘で、、、
有田議員と有田勇三郎を乗せたワゴン車は箱根の有田議員所有の別荘に向かった。
黒覆面の男たちは無言だった、、ただ、行く先を有田議員に告げさせて、、じゃじゃや馬が目的地に向かい走った。
目的地の別荘に着いてからは、黒覆面のリーダー格の男の指示に従って動いた。
リーダー格の男以外の二人は日本語が話せないようだった、、言葉の分からない言葉で指示命令を聞いて、その通りに動いていた。
有田議員は後ろ手に縛られて椅子に座らせられて、、有田勇三郎は車椅子に座ったままでロープを掛けられた。
そして、ボンボン光一とじゃじゃ馬は二人で背中合わせにされて縛られたのである。
そのあと、黒覆面の男たちの別動隊がいたので、
連絡を取り合ったリーダー格の男が、その別動隊に指示を出したようであり、、次の日に更に黒覆面の男たちが5人有田議員の別荘にやって来た。
一人の男が頭から袋をか被せられて、よろよろしながら歩かせられて来た。その男が、
「大日本発電機器(株)」の太田黒昭一社長であった。
その黒覆面たちのリーダー格の男が覆面を取り、、話を始めた。
「なんで、、お前たちはここに連れて来られたか、分かるか、、」と、、聞かれたが誰も答えることは出来なかった。ボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は知らなかったのであった。。
リーダー格の男は言った、、「お前ら二人は、、関係は無いが、、警護みたいだから諦めてくれ、」
と、、言われても光一は内心、思ったのだ「ふざけるな、、、関係ないと言われても、、必ず、邪魔をしてやるからと、、」
今は黙って、事の成り行きを見守るしかないと、、、黙っていようとして、チャンスを待った。
「いいか、、俺はチャンスーという、、、今から5年前にタイのある地域でダム工事があった、、その工事の元受け会社が、、大日本発電機器(株)という会社で、その下請けの東亜開発工業(株)が実際の工事をしていたのであった。」と、話始めた。
そして、現場で爆発事故が起り、、地元従業員が15名亡くなり、会社も倒産してしまい、、事故の賠償責任を取らずに、わずかな保証金で逃げたのであると。
当時の東亜開発工業(株)の須永取締役支社長が奔走してくれたけれど、、交渉中に山道で事故にあい、亡くなってしまい、、その上に東亜開発工業(株)は倒産してしまった。
その後別会社がダム工事は仕上げたのであった。。
しかし、、爆発事故で亡くなった住民の恨みは残った、また、当時、住民労働者の為に奔走してくれた須永支店長の車事故は故意に仕組まれたことが分かったのであった。
その須永支社長の現地で一緒に成った女性から生まれた子供が「チャンスー」であったのである。。
現地労働者と須永支社長の子供たちが、その恨みを晴らすための暴動であった。
その現況が当時の権力者である、有田政調会長であり、、大日本発電機器(株)の太田黒社長と決めての報復であったのである。
時代の流れの中の経済関係や国同士の政治関係で起きた工事であったが、、その政治力を利用した企業の悪行は許されるものではない。
しかし、、企業という生き物は一人の社長が動かすものでもなかった。
「みんなでやれば、、怖くない」という群衆心理で動くのが会社組織なので始末が悪いのだった。
だから、誰を罰すれば済むということでもないのだ。
失敗をしたり、、大きな過失をした場合は、、一人が責任を取れば済むという問題でもないから、、復讐報復は難しい。
あえて言えば、、、会社の代表が「自分から責任は取って、潔くすればいいのだが、、今の世の中にはサムライはいない。。武士道を魅せるような男は居ないのだから情けない」
話を聞いていたボンボン光一には中身がよく見えた。
個人的な恨みを晴らすだけと風に思えたのであった。
しかし、、男がいた、、有田勇三郎であった。
「チャンスー、、、話を聞いてくれ、、、あの工事の指示を出したのは私だ、、だから、
責任は私が取る、、、爆発事故に絡んだ事が不始末だったことは、、心から謝る、、
もし、出来るなら、私の持ってる財産を全て処分して、その少しでも償いたい、、
許して貰えないと思うけど、、私の命で償えたら許して欲しい。。」
と、、しわがれ声で頼んだ。。
日本語の分かるチャンスーには理解出来たが、、、他の黒覆面の男たちには分からずに、
今にも二人を殺す勢いであった。
チャンスーが言った、、、「みんなは駄目だと、、言ってるる、、殺せ」と、、
話を聞いたチャンスーは困った。
彼は思っていたのである、、、「殺せばいいものだとは思っていなかった」のである。。
チャンスーは答えた。
それで、、「みんなで、一晩考えることにしたのであると、、」答えたのであった。。。
24)ボンボン光一の逆襲
ボンボン光一は有田勇三郎の話やチャンスーの話を聞いて、有田勇三郎をむざむざ殺させるわけにはいかなかったと同時にチャンスーにも殺しをさせられないと思ったのである。
箱根の別荘で光一は考えた。
夜中、黒覆面の男達も何人かは寝込んだ、、その間にボンボン光一は自分の義手を外したのである。。そして、縛られた縄を外して、、じゃじゃ馬美鈴の縄を解いた。
それから、仕込んでおいた義手の中から「拳銃」を取り出し、じゃじゃ馬美鈴に渡した。静かに音を立てずに合図をしたのである。
ボンボン光一は義手に細工してある「刀」を右手に持って、チャンスーに近付いた。
その間にじゃじゃ馬美鈴は有田議員と父親の有田勇三郎をボックスの陰に隠した。チャンスーに近付いたボンボン光一は、仮眠に入っていたチャンスーに言った。
義手に細工した刀でチャンスーの首を抑えて、、、「仲間に言ってくれ、、止めろと、、」でないと殺すぞ、、
しかし、チャンスーは笑った。
「駄目だよ、、俺を人質にとっても、、彼らは止めないよ、、無駄なことはするな」
と、、言ったのである。
仮眠していた黒覆面の男達は起きて来て、、小銃を構えて、、その様子を見た男たちは揃って首を振った、、、ボンボン光一は理解出来た、、、
チャンスーを犠牲にしては出来ないという風な態度を執ったのである。
ボンボン光一は、、「チャンスー、、お前の仲間たちは裏切れないようだ、、余程、お前が大事なみたいだな、、、」と、、言いながらチャンスーを諭した。
俺では信用出来ないかも知れないが約束するといって、黒覆面の男達の小銃を放棄させたのであった。
じゃじゃ馬の足元に小銃を置かせたのである。
「チャンスー、、元、政調会長の有田勇三郎が全てを投げ打って賠償に応じると言ってるのだから、、信用して欲しい」
「有田勇三郎の娘の有田議員も証言しているのだから、賠償保障の件は信用して、今回は怒りは納めて欲しい。。」と、、話をしているうちに、縄を解かれた有田議員が連絡を取ったのか,別荘の周りには警察が取り囲んでいた。
そして、、様子を見て突入して来た。
ボンボン光一はチャンスーに約束をしたのであった。
「チャンスー、、、あんたとの約束は必ず守るから、、そして、連絡をするよ、、」
チャンスーたちを送り出したのであった。
25)チャンスーとの約束
ボンボン光一はチャンスーとの約束は守りたかった、、有田勇三郎は約束を守ると言ってくれたのである。
娘の有田議員に命じて、手続きを始めるようにした。
有田勇三郎が、、大日本発電機器(株)の太田黒社長に言った、、、
「おい、、太田黒、、お前は賠償するんだろうな、、しないとは言わせないぞ、、」と、しわがれ声で半ば脅し気味で話したのである。。
「有田先生、、、やりますから、指導してください、、」と、、なったのであった。
ボンボン光一は話を聞いていて、安心した。
そして、、有田勇三郎、有田議員、太田黒社長を乗せて、有田勇三郎が入院してた病院に戻った。
有田勇三郎は病人なので検査をすることになり、、太田黒社長は会社から迎えが来たのであった。
帰り際に、、「太田黒、、今後の事は娘とボンボン警護の光一社長の指示に従い、、速やかに約束事を実行しろよ、、、いいな、、やらないと今後の仕事に支障をきたすからな、、」
と、、命令口調で指示を出した。
言われた太田黒社長は迎えに来た車で帰っていった。
そのあとで、、有田勇三郎は、、「光一社長、、遅れて申し訳なかったね、、今回は本当にありがとう、、なんてお礼を言っていいか分からないよ、、本当にありがとう。」と、、頭を下げたのである。
頭など下げたことのない人が、、、
そして、、「由紀をいつも警護してくれてありがとう、、、この光一社長なら安心だよ」と、、、
笑みを浮かべたのであった。
「由紀、、、わしのざ遺産を処分して賠償に回してくれ、、、それから民友党本部の坂田藤十郎幹事長にも話して於くから会ってきてくれ、、、民友党も脱税疑惑で大変だけどな、、この問題が表に出れば、二重の不祥事になるからな、、よくよく、話してきてくれよ」
と、、言うことになり、、、
有田議員を乗せてボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は引き上げた。
26)顔役が動くと凄い、、「いいことで動けば喜ばれる」のだが。。
ボンボン光一は思った。政治的にも力のある人間が動くことは凄いことを知った。
顔役と言われる人間は「潔く」人の為に動いて欲しいと。。。
民友党の有田勇三郎は「死んでも鯛」であった。
やはり、人の上に立つ人間は良くても悪くても「思いっきり」がいい、、決断力があって、結論が早い。
有田勇三郎の指示に従い、娘の有田議員も行動が早く、思いっきりが良かった。
有田勇三郎の不動産処分の決済が早く、、有価証券等の処分も早かったのである。。
後の民友党の責任における賠償は時間はかかるが、指示はされて有田議員が動いた、、また、大日本発電機器(株)の賠償責任をとらえる準備計画も進んでいたのである。。
ボンボン光一は改めて有田勇三郎は男だなと感心したのであった。
悪は悪らしい潔さがみられたのである。
有田勇三郎の処分した財産は現金に変えられて有田由紀議員が直接に現地被害者に届けた。その結果状況をボンボン光一は、チャンスーが面会が出来るようになってから報告した。
「チャンスー、、元気か、、体は大丈夫、、、」と、、、話してから、チャンスーたちとの約束の一回目の賠償金は届けたことを伝えた。
そして、後の会社関係、政府関係の賠償金については有田勇三郎が責任を持って、やっているので、その結果報告はするから安心して欲しいと、、、
「チャンスー、、罪は罪だから、日本の法律に従って、努めてくれ、、」と、、ボンボン光一は約束をしたのであった。
27)有田由紀議員の信頼は厚く、、
有田勇三郎の決断で、彼の不動産物件は処分された、、、そして、現金化されてタイの工事現場だった「大日本発電機器(株)」で働き、爆発事故に巻き込まれた地元住民への損害賠償は行われた。
そのために、有田由紀議員は住むところが無くなり、、世田谷区内の賃貸マンションに移ったのである。
ボンボン光一の迎える所も変わった。
「先生、、ご不自由なことはありませんか、、」と、、じゃじゃ馬美鈴は心配したのであった。
マンションと言っても、、都内では高級なマンションではあった。
実はじゃじゃ馬美鈴の父親が経営する賃貸マンションであり、、便宜を図ってもらったのである。
じゃじゃ馬美鈴の父親の「光川商船(株)」が賃貸マンションを都内でいくつか経営していたので、、ボンボン光一たちが住んでいる同じマンションに引っ越したので、、警護もやりやすくなった。
そなこともあって、有田由紀議員の父親の勇三郎は安心して、病院生活を送ることが出来た。
そして、引っ越しも一段落した夜に、、、ボンボン光一とじゃじゃ馬美鈴は有田議員を自宅に招待したのであった。
「由紀先生、、」と、じゃじゃ馬美鈴は呼んでいた、、、
その日は光一と美鈴の結婚記念日だったので、、、ささやかなパーティを開いたのであった。
28)有田勇三郎、、狙撃される
今回のタイにおける爆発事故の損害賠償問題で、、、余りにも、有田勇三朗の独断で決めて、地元住民に保証したことが、逆に反感をかって、関係者から突き上げをされたのであった。
特に開発に関係した「大日本発電機器(株)」の太田黒社長たちは不満をもっていた。一度話が決められて解決した問題を、いくら元の担当政家といえども、現在は政治から離れた元老に過ぎないのであるから、
やり過ぎだと批判が出ていたのであった。
民友党本部からも苦情がでたのである。
坂田藤十郎幹事長からも、調整役としても困っていた。
このことにより、常に味方して、何事に関しても押していた坂田幹事長も有田由紀議員を前面に出すことを控え始めていたのであった。
そんな、ある日、事件が起きた。大日本発電機器(株)は、兎角噂のあった「関東連合紅葉会」との付き合いがあり、賠償問題などの解決には同連合会の傘下の「横浜紅会」が乗り出して来たのであった。その横浜紅会の斎藤若頭が行動派だったので、そのやくざ組織が動いた。
有田勇三郎が病院で狙撃されて死亡したのであった。
狙撃犯はすぐに自首してきたが、どの組織にも属していない反ぐれだった。
この話を聞いたボンボン光一は関東連合紅葉会ならやりそうなことと思ったのである。
以前にも関東連合紅葉会とトラブルがあった光一であった。
大日本発電機器(株)の太田黒社長は、今回の有田勇三郎の決断指示に難癖をつけて、
「なにをいってるんだよ、、あの老いぼれは、、いい加減にしてくれ、、恰好つけやがって、、」
と、、当時の関係者に愚痴を云っていた、、、
「とっくに片づいた賠償問題を、、ふざけるなってんだよ、、あんなボケ爺はいらないな、、あはっあはっ」
と言いながら、、坂田藤十郎幹事長にも話していたのであった。
「民友党にしても、今更、関わりたくない」と、、うやむやにしていたのである。
今回の有田勇三郎の暗殺により、、チャンスーの約束は有田勇三郎の支払いだけとなった。
怒ったのはボンボン光一であった。
「なんて、汚い奴なんだ、、男の風上にも置けない奴だな、、、許せないよ」と、、、憤懣やるせなかった。
光一は内心、、「どうしてやろうか、、この悪党ども」、、と、、思いながら考えた。
29)ボンボン光一、悪を許さず。。。
有田由紀議員に対する風当たりが変わった。しかし、彼女は心に決めたのである。
独立独歩で政治の道を歩くと、、そして、ボンボン光一に話した。
「今まで通りには警護料を払えないけど、、いいですか、、」と、、
「気にしないでください、、先生の払えるだけでいいですよ、、」
ボンボン光一は父親の勇三郎氏にも有田由紀議員にも、心意気で付き合っていこうと思っていた。
そして、有田勇三郎の無念を晴らしてやることだけに集中したのであった。
「東京連合会紅葉会」には、幹部やくざの中に昔、拷問にかけて助けた奴がいたので。。今は紅葉会の副若頭をしている「大槻富次郎」で、、連絡を取り、ボンボン光一は会うことにしたのであった。
「しばらくだね、、、会いたくない奴かも知れないが、今日は頼みがあってね、、」
「本当にご無沙汰しました、、光一社長は元気そうですね、、聞ける頼みなら聞きますよ、、」と、、話を聞いてくれた。
そして、、「もしかすると、、あんたには命がけかも知れないので、返事だけでも聞かせて欲しい、、」と、、ボンボン光一は経緯を話したのである。
「私も組内の話なので、、答えを言う訳にはいきませんが、、光一社長には、、命の借りがありますので、、一つだけ言いますよ、」
大槻副若頭はボンボン光一に命の借りを返す覚悟で答えてくれた。
「光一社長、、実際にやったとは言えませんが、、私の首を見ててください、、」
と、、言って頭を下げて頷いた。
「これで勘弁してください、、、私の精一杯の気持ちです」と、、、
ボンボン光一には十分だった。
「悪かったな、、これで会うのはやめにしょう、、多分、戦争になるから、、それと、
これからはあんたも連合会の人間として俺に向かって来てくれ、、ありがとうな、、」
と、、ボンボン光一は頭を下げて別れた。
これで思う存分に責められると決心したのである。
大日本発電機器(株)の太田黒社長と民友党坂田幹事長と的を絞ったのであった。
ボンボン光一には怖いものは無かった、、まずは悪の権化である「太田黒社長」を狙ったのである。。
太田黒社長の欠点を探すことであった、、悪人特有の「女好き」であったので、
尾行して見つけた女好きには二人の女がいた、、一人は銀座のクラブを経営している
「ひろみ」という女で31歳であり、、もう一人は赤坂の小料理屋「朱美」のおかみであった。
その二人を徹底して調査をして、弱みを見つけたのである。。
そして、、資料を持って大日本発電機器(株)に乗り込んだ。
その前に坂田藤十郎幹事長の弱みも全て、調査した上でのことであった。
どうして男とは馬鹿なのか,、権力と金力を持つと、決まったように女を作るのだろう、、、堂々と隠さず出来ないのか、、秘密にするから脅しのネタにされるのだった。
太田黒社長もその一人であった、、、
秘密を暴露されると困るらしい、、そして、相手の要求を呑むのであった。
ボンボン光一に秘密を暴露されて、慌てて、東京連合会紅葉会の傘下の横浜紅会のやくざがやって来た。
やくざが出て来ようと、、慌てる光一ではない。
話し合いが始まっても、、やくざ連中は黙って引き上げていった。
証拠を突き付けられて「殺人教唆」で告訴すると言えば、、誰も責任を取る度胸のやくざはいなかったのである。
太田黒社長は困った、、ヤクザもだめ、、政治家もダメとなれば、、
ボンボン光一の言いなりだった。
そして、、チャンスーの損害賠償を払うことになった。
「損害金1億5千万」を光一の指定する受け取り人に支払われた。
民友党坂田藤十郎幹事長の権限で民友党からも損害賠償金が支払われたのである。
全ての損害賠償金の支払いの確認をしてから、、ボンボン光一の悪人退治は行われた。
今回の有田勇三郎氏の暗殺事件に絡んだ「殺人教唆」の疑いで、、、「太田黒社長」
「坂田藤十郎幹事長」が逮捕されたのであった。
第三話「執行人」 献残屋藤吉郎
痛快太郎の死刑執行人の物語。
普段は警視庁記録係に勤務する警部補で、、、一見人を殺すような人間には見えないのであった、、、、しかし、刑事事件の記録簿の中で、余りににも酷い殺人や強盗や汚職や贈収賄事件があった場合は再調査をして、処罰する権限を与えられ特別任務の死刑執行人であった。
部下は一人だけ配属になっていた。
徳川由美子という警視庁生活安全課にいた警部補で、警視庁切っての事件記録知識人であったが、痛快太郎の特別任務は告げていなかった。
痛快太郎の直属の上司は刑事部長であった。
(痛快太郎動く)
痛快太郎は警視庁事件記録室で、たった一人の部下である徳川由美子警部補と二人で、未解決の事件記録簿を調べていた。。。。。
今回の配属で警視庁殺人課の敏腕刑事であった、痛快太郎警部は一番日の当たらない事件記録室に移動になって、一人の部下をつけられた、、、
殺人課での捜査の失敗の責任を取ってことだった。
40歳になったばかりの捜査バカだった。。。犯罪を憎み、がむしゃらに事件にぶつかっていき、検挙率も警視庁ナンバーワンの刑事であった。
しかし、捜査に関しては独自の考えで突っ走り、上司とも衝突をしていた。
従って、警視庁関係の上司からは好かれてはいなかった。
未可決事件簿を調べているうちに、解決していない事件の多いことにはびっくりした。
日本の警察は凄いと云われてているが、、、、この未解決事件簿を見てると、、、たいしたこないな、、と思った。
そして、酷いものだとも思った。
未解決事件簿を見て、、今日一日だけでも、いい加減だなとも思った。
痛快太郎はじっくりと未解決事件を捜査為直そうと、、、、
そして、気になる事件帳を見つけた。
部下の徳川警部補にその事件に関する資料を用意するように指示をした。
(痛快太郎、いよいよ未可決事件で動く)
痛快太郎が目にした未可決事件とは、、、、
談合、贈収賄事件の「東京広告株式会社」と云う、大手広告会社事件が未解決資料に
含まれていることであった。
痛快太郎から見たら、彼が記憶しているだけでも大事件であり、不思議に思ったので、
未解決資料を丹念に読み返した。
「結論」は不起訴となっていた、、、、
痛快太郎は解せなかった。。。 あの贈収賄事件が不起訴だったのか。。。
密かに調べた。。。。。
彼から見たら、どうしても事件簿控えをからは不起訴にはならない筈であると、、、
この事件は、、何らかの警察関係か、政治的意図かによって横車が入り、捻じ曲げられたなと、彼の直観からすると、そういう結論になった。
そして、痛快太郎からすると、、、彼の正義感が許さなかった。
この談合、贈収賄事件を徹底して調べることにしたのである。
たった一人の部下である徳川由美子警部補に、細部に渡る資料を用意をするように指示をした
ただし,密かにと、、、、
結果が出るまで、痛快太郎はそれらの関係で捜査をしていた。
(痛快太郎怒って燃える)
東京広告株式会社の贈収賄事件の事件長をじっくり見直したら、、、見直せば見直すほど疑問を感じた。
なぜ、不起訴になったか。。。 彼には理解出来なかった。
部下の徳川由美子警部補にも細部に渡って、資料を用意して貰い、自分の納得いく捜査をすることにした。
痛快太郎の推測では何等かの横車が入った、歪んだ事件の匂いがした。
そして、彼は贈収賄事件のあった、東京広告株式会社について、捜査を始めた。
贈収賄事件の窓口になった、東京広告株式会社の担当者に当ることにして、当時の担当者である経理部長の大杉三郎を訪ねた。 「
大杉三郎経理部長は現在同社の常務取締役に就任していたので会うことが出来た。
当時の該当事件は彼の部下である、山本経理課長が担当していたので、詳細については説明して貰えなかった。
その上、彼は責任を取ったのか自殺をしてたので、更に、詳細については分からなかった。
痛快太郎は担当の自殺の話を聞き、そして、その上司が出世をしていたので、彼の事件に関する臭覚が何かを悟った。
痛快太郎は東京広告株式会社で聞き込みをしたが、、、同社の人間は何も答えてくれなかった。
全ての社員が口裏を合わせたように。。。 「分かりません、、、」とか「知りません」の答えが返って来た。
会社全体で戒厳令が敷かれているようだった。
痛快太郎は当時の広告下請け会社を探し出して、訪ねた。
山下企画株式会社が当時、東京広告会社の印刷関係を受けもっていたが、現在は取引がないと云うが、山下社長が時間を執ってくれて、同社を訪ねた。
山下社長の話だと、、、、贈収賄事件を覚えていて、その後の取引が中止になったとのことであった。
何ども、訪ねて、、、「取引の理由を聞いたが教えてくれなかった、、、ただ、会社の都合での一点張りだった」
とのことであり、、、同社としても困ったと言っていた。
痛快太郎のここまでの捜査では何も掴めなかった。
5(大企業の狡さ、、、、悪さ)
痛快太郎はどちらかというと群れることを嫌い、、、一匹オオカミ的なところがあった。
自分の住んでいるところを人には教えず、秘密主義的だった。
住んでるマンションも最上階を好み、今も14階の最上階のワンルームに住んでいた。
彼は警察の仕事をする時から、独身を貫いていた、、、家族持つことにより、縛りが出来てしまうことを恐れていた。
一人身の方が思い通りに捜査が出来ると信じていた。
支度もすっきりと、、、簡単を旨としていたので、、、、ズボンはジーンズ青色で、、、上は革ジャンかブレザーとしていた。
靴はいつも気に入ったブーツを使用していた。
髪は決まってスポーツ刈りと。。。。。
そして、ブレザーやジャンパの下は、、、黒の丸首タートルであった。
捜査に出るときには常に、、、公共乗り物を使用し、、、乗用車は乗らない主義であった。
彼は特別任務の警察官なので、、、拳銃は常に所持していた。
毎日、朝7時には警視庁道場で稽古をしていた、、、、柔道と剣道の稽古で鍛錬していた。
彼は体も大きく、身長180cmの長身であり、体格もよく頑丈そうで、
食事は決まった定食屋で夜は決まった食事をした、、、、、昼は外食が多く、、、
朝は警視庁食堂で済ませていた。
彼は捜査には体力がいるので、、、食事はよく食べていた。。。
そうしないと、、、社会の巨大悪には立ち向かえないので。。。。
6(痛快太郎、贈収賄事件に疑問を持つ)
痛快太郎は今回の「東京広告株式会社」の汚職贈収賄事件について、本格的に
再捜査を始めた。
そんなある日、、警視庁刑事部長から声をかけられた。
刑事部長室へ行ってみたら、、、
「痛快君、なんか、東京広告株式会社のことを調べているようだが、、、
ほどほどにな、、、」
「何かあったら、私に報告をしてくれたまえ、、、分かったかな、、、、宜しくな」
と、 釘を刺されたような気がした。
「はい、、、、分かりました」と答えて、、、刑事部長室を出た。
痛快太郎は、返事はしたものの、、、「なに、言ってやがんだい、、、今に、化けの皮をはがしてやるからな」
そう思いながら、、、再捜査に打ち込んでいった。
7(大物政治家が絡み、、、警察官僚も抱き込み、、、やくざも絡んでいると、、)
痛快太郎警部が事件を追っていくうちに、、、 関係した人間像が浮かんで来た。
まず、事件を捻じ曲げ、不起訴になるように仕向けた警察官僚がいたことが分かった。
検察内部に協力者がいなければ、揉み消せないことであり。。。 その当時の担当者のトップが
誰だったのかを調べた。。。。 横車を入れたのは当時の警視庁刑事局長の大浦紘一であった。
警視庁内部に捜査を捻じ曲げた幹部グループが存在していた、、、ふざけた話である。
悪事を悪行を取り締まる側に、、、事件を不起訴にするような上層部幹部がいたことであった。
いくら悪事を暴いて、検挙しようとしてる、正統派の刑事がいても、体制が出来ていても、、、
その捜査結果を捻じ曲げてしまう管理者がいたのでは、世の中の悪事を一層することは出来ない。
この事実を知った、痛快太郎は腹の底から煮えくり返った。
痛快太郎も過去においても不起訴になった事件があったことや、捻じ曲げられて事件があることは
うすうすは感じていた。
しかし、事件に優劣はつけられないが、これほどの大事件を揉み消すには相当な政治力や警察権力に対して、力が無いと出来ない筈である、、、、
その力関係の人間たちの一部、、、警察内部の不正の力を知った。
そして、その力に圧力をかける政治力も分かって来た。
官房長官に睨みの利く大物政治家が浮上した、、、、民政党の幹事長である。
大野弥平で、、、、それらのメンバーが手を組んで悪事をしてるのだから、、溜まったもので
はない、、、、さらに、反社会勢力のやくざが絡んでの人世芝居であって、、、、とても演出されては
悪行には叶わない。
その事実を掴んだ痛快太郎の挑戦が始まった。
どんなに圧力が掛かろうと、、、、彼は動じなかった。。。。。
彼の特別上司である警視総監田中一郎の承諾を得て、、、、執行をとる準備を始めた。
社会の巨悪に対しての挑戦であった、、、、横車が入ることは覚悟をしていた。
彼の仕事には援護射撃も何もなく、、、成功したとしても、誰にも褒められることなく、、、
彼の身には何の保証もなかった。。。。。
(8)執行人「痛快太郎」動き出す
何の後ろ盾もなく、保証もなく、権限を与えられた執行人、、、痛快太郎は
過去の事件帳控えから、疑わしいと思った事件を調べなおして、、、その巨悪な犯人を処罰していく、、、
痛快太郎はただ一人の支持者であり、命令者である警視総監のもとに処罰刑を行っていく。
痛快太郎のただ一人の理解者がもし、亡くなったり、職を辞したら、彼はただの暗殺者になってしまう、、、、それでも彼は現在の田中一郎警視総監の意に従ったのであった。
そして、今回は発信元が分からない方法で、、、まずはSNSの世界で警視庁内部の不正から告発忠告を始めた警察関係に、、、、
「警察に携わる者へ注意勧告!!
日本全国の警察署関係に勤務する警察官は、、、不正があってはならぬ
日本憲法に違反するもの、、、、犯罪を犯すものは許してはならない
また、犯罪を犯したものを、世の中の規則や掟を
隠蔽したり、法律を捻じ曲げて、揉み消してはならない
これに違反している警察官が見受けられる、、、、
もし、心当たりがある者は直に止めなさい!!
悪事と知りながら、刑事事件を揉み消した者は天罰が下りますよ
覚悟して、待っていてください、、、」
飛んでもない、ことが世の中に公表されたのだった。
この記事が公表されてから、世の中は騒然となり、、、定期的に出るので警察内部
でも大騒ぎなって、、、。
そして、SNSで拡散されてから1か月後に事件が起きた。
9)SNS警視庁内部の告発があってから、幹部刑事が銃撃されて死亡
警視庁刑事幹部の刑事部長、、、東京広告株式会社事件が発生した当時は刑事局長
であったが、、、その後、出世をして、現在は刑事部帳になっていた。
政治力をバックに、、、当該事件を不起訴にした事実に対しての、、、表向きは出世をしたのであった。
しかし、痛快太郎の再調査で、事実が明らかになって,、、、また、SNSで拡散されて、警視庁内務室の
諮問に懸けられていた。
その間の銃殺事件であった。
噂がいろいろ立った、、、権力を利用しての不正、、事実を捻じ曲げたことによる天罰だと、、、
痛快太郎の再調査では、、、検察庁内部にも、今回の事件では権力に加担した悪徳検事がいたのであった。
今回の事件の担当副検事、渡辺雅夫がそうであり、、、政治力や権力で法律を捻じ曲げたのであった。
検察庁にもSNS情報が流れた、、、
「法治国家の検事諸君へ
日本の法治国家の検事たるもの、、、襟を正して、立法を守ってください!!
権力を振りかざした者の言うことや、、、悪徳政治屋に従い
法律を正しく、、、日本の「三権分立」を勉強してください
いつか、権力や金に従っていたら、、、、天罰が下るよ!!」
また、、、検察庁でも大騒ぎなった、、、、今回検察庁でのことがあるだけに、、、
真剣に検察庁はその情報を知らべた。
(10)狙われた副検事
検察庁にも注意勧告のSNSが出回っていた。。。。警視庁でも勧告が出てから、
しばらくして
刑事部長が襲撃されて死亡したこともあって、冗談とは取れなかった。
検察庁としても、謎のSNS情報が出回ったときには警戒もして、十分に注意を払い、
用心をしたのであった。
しかし、狙われた者は弱い、、、注意をして、行動をしていた積りであったが
副検事は狙撃された、、、、
検察庁も警視庁も犯罪人からの挑戦と受け取り、、、厳戒態勢をしいた。。。
警視庁は特別捜査班を設置して、捜査に当たった、、、鬼の警部と言われた
朝倉警部が班長に任ぜられて、、、捜査は始まった。
警視庁の面子に懸けて、、、事件解決をしないと、、、、
捜査員は張り切っていた、、、そして、二人も狙撃されながらが、、、犯人の目星は
一向につかなかった。
時間ばかり過ぎていった、、、、捜査員にも焦りが出て来た。
(11)連続襲撃事件が起こり、、、警察、検察両庁は慌てた
連続して、過去の事件関係での警告SNSが送りつけられてからの、、、予告殺人事件であり、、、
完全に無能扱いされている、、、
警察、検察両庁は必死になって、捜査に当たった、、、捜査員も増やしての動きであったが
手がかりが掴めなかった。
当初、両庁とも犯人検挙は早く出来ると、たかを括っていた。
しかし、、、犯人は足あと一つ、、、証拠になるよう物は残していなかった、、、、
余程、頭のいい奴であったと、、、特別捜査班の熊倉警部班長はつくづく思った。
最初から事件を見直した、、、予告殺人であるから、東京広告株式会社に関連した
人間関係を捜査していた。
しかし、、、まるで容疑者が浮かんで来ないのであった。。。
捜査会議でも不思議がっていた。。。
熊倉警部班長は、、、「みんな、、再度、考えて欲しい、、、ここまで関係者を洗い直したが
容疑者は浮かんで来ないのは、、、不思議だよ」
会議では見落としがあるのではと、、、、何度も調査で上がってきた資料を見ながら。
しかし、まるで犯人像は浮かばなかった。
独りの捜査員が言った、、、、
「もしかしたら、事件関係者ではなく、、、警察、検察に恨みを持っている者の犯行では」
と、、、
しかし、可笑しい、警察、検察でも銃撃されたのは今回出世した二人なのだ。
なぜ、二人の刑事部長と副検事なのだと。。。。
その殺された二人の秘密を見つけないとと、熊倉警部班長は考えだした。
暗殺された理由を突き止めないと、、、今回の事件は、容疑者見つからない。
そこで、、、「みんな、考えて欲しい。。。そして、調べてくれ、、、」と。
何を調べるかを、、、殺された二人の過去を、、、人間関係を徹底的に当たらせたのであった。
そして、本日より、二人の身上捜査及び素行調査を始めた。
12)殺された二人、警視庁と検察庁の官僚の身上を、、、
警視庁特別捜査班の熊倉警部班長は捜査員に指示を出した。
今まで捜査しても犯人像が浮かんでこない、、、そこで、彼らの身上調査、素行調査調べることにした。
捜査調査の結果、意外なことが分かって来た、、、どうも二人には政治的な絡みがあるようだ。
彼らの出世も政治的力でのし上がってきたようだった。
警視庁も検察庁内部でも二人関しては触れてはいけない部分があるらしく、、、誰に聞いても
口を噤んでしまうのであった、、、
誰もが、、、、「刑事部長には逆らえないよ、、、、ある程度は揉み消されることが多いよ、、、」と、、
また、検察庁でも、、「副検事の渡辺雅夫の場合も差し戻しが多く、不起訴になることが多いので、
担当検事によっては捜査が雑になるようだった」と、、、噂があった。
熊倉警部班長の捜査をまとめると、、、二人とも人の恨みを買っていたようだった、、、すなわち、
不正があり、、、その影響が多かった。
その結果、「謎のSNS」情報のような予告殺人が起きたようだった。
そう、判断した結果、熊倉警部班長は捜査の方向を変えていったのである、、、決めつけることは危険では
あったが、、捜査の範囲を二人の人間関係、関わった事件の人間模様を調べ始めた。
しかし、不正な事件結末が多くて、、、なかなか、絞り込めなかった、、、
部下の松下警部補が面白いことを聞きこんで来た。
「班長、、、過去の贈収賄事件の、、、東京広告株式会社で、二人からは相当な横槍が
入ってたみたいですよ、、、、担当捜査員が途中で外されたみたいですから、、、」
「松下、、、そのことを、もっと、詳しく調べてみてくれ、、、その外された捜査員にも当たった
てな、、、」
熊倉班長は何となくではあるが、、、、突破口が開ける気がして来た。
13)警視庁熊倉特別捜査班は過去の事件である「東京広告株式会社」の贈収賄事件で
面白い噂を聞いて、、、早速、捜査班の松下警部補に調査をさせた、、、、
その結果、、、この事件について、再調査をしている刑事がいることが分かり、その刑事が誰であるかを突き止めさせた。、、
警視庁未解決事件、記録事件室担当の痛快太郎警部補と分かった。
熊倉警部班長は痛快太郎を調べた、、、彼は警視総監付き特務任務と分かり、、、彼の身辺調査を慎重に行っていった。専属刑事を決めて、、、
そして、四六時中張り付かせたのであった、、、熊倉警部班長は「何かあると」彼の刑事感が 働いたのであった。
熊倉警部班長が、、、、この決断をする前に、大事件が起きたのであった。
民政党の大野弥平幹事長が狙撃され、、、重体で入院したていた。
そんなこともあって、、、警視庁内部はてんやわんやであり、、、続いて起きた狙撃事件に
警察としては焦りが出てきた。
(14)警視庁特別特務担当、、、
痛快太郎警部補刑事の素行調査は行われてきた筈であり、、、熊倉警部班長のような敏腕刑事がいなければ、到底辿り着くことではなく、
見過ごされることであった。、
痛快太郎が警視総監から呼ばれた、、、
警視総監室へ入り、「痛快警部補、、、、情報が流れているから、、、気を付けるように、、」と
「特に、熊倉警部特別班が、お前のことを調べ始めたようだ、、、これから、しばらくは自重するように、、
いざとなったら、、、自分で身を守ることになるから、、、本当に気を気を付けろ、、」と、、
「はい、、、承知しました、、、静かにしています」と言って、総監室を出た。
その日からの痛快太郎は記録室への出入りはしても、、、その他の調べは中止したのであった。
定時には帰宅していた、、、、、帰宅したのちは一歩も外出をしなかった。
そして、その後の連絡は部下の徳川由美子が行っていた。
「由美子警部補、、、、記録室において 変わったことがあったら、連絡をしてな」
といって、痛快太郎は動かなかった。
一方、熊倉警部特別班では、、、貼り付けをつけておいた、刑事からは変化の報告だけが届いた、、、、
痛快太郎に張り付かせておいた松下警部からは、、、
「班長、、、帰宅後は何の動きもありません、、、、自宅のマンションから一歩も出てません、、、訪ねてくる人もありません、、、」
と言われて、、、熊倉班長は余計に疑っていた。
しかし、何の証拠もなく、、、刑事の勘だけでは、それ以上に動けなかった。
また、、、痛快太郎が動かなくなってからは、この件に関する銃撃や狙撃は起こらなかった。
そして、捜査の進展も見られなかった。。。。暗礁に乗り上げていた。
そんなこともあって、、、熊倉班長はやっと見つけた糸口を諦めてはいなかった。
(15)痛快太郎が考えた、、新しい執行のやり方。
警視庁特別班熊倉班長に、正直言って、痛快太郎は動きを封じられていた。
痛快太郎は夜の自由時間に考えていた、、、このままでは悪行を働いた、人間、組織を罰することが出来ない。
一度、、、目をつけられて、監視されたら、そう簡単には動けないことは、痛快太郎は分かっいていたので
「執行人」の分身を作ろうとしていた。
捜査方法は特任されていたので、、、特務に当たっては自分が責任が取れば、、、いいんだと。
そこで、自分の分身、すなわち執行人を、、、行動をする人間を仕立てることにした。
痛快太郎が考えたことは、、、国家機関であり、国の防衛に当たっている自衛隊から、、、行動部隊を
選ぶことにして、、、警視庁に勤務しいている時間内に人材を育成しようとしていた。
警視総監の力を借りて、、、特殊部隊の自衛隊員を選んで貰い、、痛快太郎のもとに派遣して貰った。
住まい兼事務所は初めから、痛快太郎の自宅マンションの隣室であり、、、二人の住まいを兼ねていた。
痛快太郎はその事務所で、何処にもも出かけずに二人の特務隊員と打ち合わせをすることが出来たのである。
その特務隊員は左右田一平と、、、坂口健司という名前だった。
(16)痛快太郎の進撃始まる、
痛快太郎は執行人の道を、警視庁特別班の熊倉警部班長に阻まれた形になったが、、、痛快太郎警部は新しい
方法を考え出したのであった、、、、やはり、法治国家の法制制度を歪めた、違法行為を許す訳にはいかなかった。
そんな法律を捻じ曲げた手段で、悪人たちが横行するような世の中ではあってはならない、、、弱者だけが馬鹿を見るようでは
お先真っ暗な世の中ではないか、、
痛快太郎警部補は警視総監に手助けをして貰い、、、彼独自の特殊組を手元に配備したのであった。
彼の住まいであるマンション隣に「執行人作戦」のための準備を用意して、、、今回の東京広告株式会社の仕上げをやり遂げる
作戦を開き、、二人の特務隊員に指示を与えた。
日本のやくざ世界も規制は厳しくなり、、、警察関係の管理監督方法に近くはなってきているが、、、隅々までは行きわたっていなかった。
しかし、それらの組織も悪徳政治家や権力者に利用され、、、法治国家の中でも違法行為はしていた。
今回の様な脱税に絡んだ、、背任横領や贈収賄行為は大企業に起きていた、、、、人間というのは欲が強く、、、
金や権力にしがみついて、その闘争を繰り返している。
欲望戦争に巻き込まれた弱者はいつも馬鹿を見て、犠牲者となる。今回も弱者の犠牲はあった、、、責任を取って自殺した社員が
いたのであり、、その陰で悪人たちが両手を振って歩いている。
彼らは薄羅笑いを浮かべて、、、、悪事が旨く行ったことを、、、「お疲れ様、、、ご苦労様」と言いながら、悪酒を飲んでいるのであった。
まるでゲームを楽しむように。。。。
「人の命をなんだと思っているんだ、、、」と叫びたい。
痛快太郎警部補はそんな人間たちを許すことが出来ず、、、それらの悪人は「死」をもって償うべきだと思ったいた。
腹の底から憎むのだった。
痛快太郎警部補は二人の特務員に死刑執行をする者の名前を告げた。
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